(柴野貞夫時事問題研究会・改憲阻止共同行動・声明文 2009年4月30日)
【5・3改憲阻止!共同行動実行委員会主催】
《御堂筋を埋め尽くすデモを!!》
5月3日、九条改憲阻止共同行動に結集しよう。
(13時30分開会。 会場→大阪市立中央会館―中央区2−12−31)
写真 <2008年6月29日東京代々木公園で開かれた、50~60代の世代60年安保・70年全共闘世代による、日本では珍しい戦闘的な、反改憲、反G8、反非正規職デモ> (韓国・ハンギョレ紙から)
●5・3「九条改憲阻止共同行動」に向けての、時事問題研究会の声明。
《国家によって歴史的に醸成された、一部国民の反北感情を、改憲に利用する麻生・靖国内閣を糾弾する!》
○日本資本家階級と自民執権政府は、北韓の「人工衛星の打ち上げ」を、「日本を狙った弾道ミサイル」と言う三百代言を通して、北韓に対する日本民衆の恐怖感を掻き立て、政治的利用の好機と捉えた。
かって1923年9月1日、10万5000人の死者を出した「関東大震災」時、天皇の軍隊と警察の主導の下、国家の手先となった言論機関は、「災害の混乱に乗じて、不逞朝鮮人たちが火付け強盗を働いている」と流言飛語を振りまき、日本民衆を国家権力への「自主的協力組織」である「自警団」に組織し、彼等の手で6500余人もの朝鮮人が虐殺された。
それは、日本の民衆に、他民族への恐怖の醸成を通して、アジア侵略と、それを支える朝鮮植民地収奪に向う国家へ、日本民衆の意識を取り込み、同時に植民地支配からの独立運動を戦う朝鮮民衆を徹底的に弾圧する目的をもって行われた、忌まわしい、日本民衆の手による朝鮮人殺戮行為であった。
今回の「北朝鮮弾道ミサイル」騒動にみる、自民執権政府による「北朝鮮の脅威」のプロパガンダと日本のマスメディアの国家への迎合的報道は、この関東大震災時の天皇政府による民衆支配の手法と、当時のあらゆる言論が、国家権力の宣伝媒体となったことを彷彿とさせる。
国家の戦争は、何時の時代も、かかる民衆と言論の国家への取り込みによって遂行されてきた。
○北朝鮮に対する日本民衆の意識に、伝統的潜在的に醸成され、構造的世襲的に「受け継がれた」反朝鮮人、反北感情は、実は、1919年〜1945の朝鮮植民地支配を通しての日本国家の政策と、戦後から朝鮮戦争を経て今日に至る資本主義執権政府の、反共包囲網と帝国主義政策を合理化する反共主義への、国家による民衆の意識の包摂から生み出された物だ。
それによって、日本資本家執権政府は今日に至るも、朝鮮半島北部に対する取るべき戦争責任を全うし精算するどころか、逆に「北の脅威」を煽り立て、それを、アジアと世界に対する帝国主義的軍事的プレゼンスを強化するための、憲法改悪と「解釈改憲」による軍事力強化、海外軍事行動の「合法化」に利用せんと企んで来たのである。日本資本家階級とその国家が、戦後の反共反北政策を、戦前の植民地支配を合理化する免罪符とでも考えているとしたら、これほどの歴史的犯罪行為は、人類の歴史で見た事がない。
《常に、戦争の火付け強盗は、帝国主義的資本主義国家である!》
《社会主義を指向する国家は、平和なくして生きる事は出来ない!》
○昨年12月、朝鮮民主主義人民共和国、労働党機関紙<労働新聞>は、『アジアの国々は・・平和的環境を準備するために努力している。ところが、日本の軍国主義者たちの狂乱的武力増強と再侵策動の強化によって、それが莫大な支障を受けている。(それに対処して、国家財政の)多くを国防力強化にまわしている。』と、日米帝国主義国家の軍事的包囲に晒された、北韓の悲鳴に似た、しかし極めて正直な指摘をしている。
○北韓は、米国や日本のように、戦争と軍事産業が国家の主要な経済を支え、歴史的に、世界市場の争奪で、軍事的衝突に突き進まなければならない帝国主義国家ではない。戦争を必要としない平和的経済活動の中でのみ生きられる、社会主義を志向する「労働者国家」である。
かって、戦前は無論、戦後今日まで、(社会主義を指向する)「労働者国家」が、戦争を引き起こした歴史など皆無である。国際市場競争の暴力的解決に向った資本主義国家こそ、戦争の火付け人、戦争と暴力の、国家と制度に他ならない。歴史的な火付け強盗国家が、歴史的被害国家に対し、彼らが侵略してくるなどと言い触らす、欺瞞と策略の妄言に、国民は心しなければならない。国民を戦争へと動員してきた、帝国主義日本の悲劇と歴史は、何時もこの様に準備されて来たことを想起せよ。
○現在、「宇宙開発事業団」によって打ち上げられた日本の4つの衛星は、「内閣衛星情報センター」と「防衛省」によって統制された「軍事衛星」に他ならず、2007年2月24日に種子島から発射された「情報収集衛星」に対し、当時日本政府は、北を狙った軍事衛星であるとぬけぬけ認めていた。しかも、それを打ち上げたH2ロケットは、「大陸間弾道ロケットに転用可能な」代物だ。
○2006年から2011年まで5年間に1兆円を浪費して遂行される「ミサイル防衛(MD)システム」と言う、ブッシュ政権によって推し進められ、オバマ政権に引き継がれた米帝国主義者どもの「先制的攻撃戦略」への同調は、憲法のみならず、日米安保条約の制約さえ乗り越え、日本帝国主義軍隊の、世界的規模での展開を追及するものである。
昨年、自公民3党は、「安全保障分野での宇宙の積極的利用」即ち宇宙の「軍事利用」を容認する「宇宙基本法」の制定を強行、本年4月に入って自民党国防部会と防衛省は、「航空機を利用した打ち上げ。飛来するミサイルに対処する‘能力向上型迎撃ミサイル’の日米共同開発配備」など宇宙軍拡政策を拡大する一方である。これ等は、解釈改憲による集団的自衛権のなし崩し的容認、武器3原則の否定、何よりも平和憲法の全面的蹂躙に他ならない。
○2007年5月18日、当時の首相、安倍は、自ら組織した「安全保障の法的基盤構築に関する懇談会」(以下‘懇談会’とする)の第一回会合で、「米国を狙った弾道ミサイルを撃墜する」事を含む4通リのケースを示し、現憲法を突き破って、集団的自衛権をなし崩し的に行使する方策は無いかと、柳井俊二元駐米大使を座長に据え、中西輝政を始とする御用学者どもと共に、謀議をめぐらした。かれらは、日本が自衛の名の下に『敵基地攻撃能力を保持』するための議論を、(全面改憲の狭間で)解釈改憲を通して公然と始めたのである。
その後、この「懇談会」は、 数回に亘る会合で提言を纏めた。しかし、安倍がその後の2007年7月参院選で大敗北し、また自身のスキャンダルの発覚をおそれ、首相の座を投げ出し戦線逃亡を図ったあと、内閣を引き継いだ福田に提出したが、そのまま立ち消えとなっていた。
《「憲法審査規定案」の審議を阻止し、「国民投票法」を廃棄させる闘いを!》
《日本帝国主義軍隊の世界展開=ソマリア沖派兵を即時中止せよ!》
○しかし今、麻生は、「ソマリア沖海賊」から、「自国のみならず他国の船舶を守る国際貢献」を口実として、自衛隊の「期限のない恒久的海外派兵」を、『海賊対処派兵法案』として強行し、言論媒体と一体となって「北の脅威」なる目晦(めくら)ましを最大限利用しながら、憲法改悪へ、日本国民の意識を一気に国家に取り込もうと動き始めた。
4月23日、安倍政権で立ち消えた「懇談会」を再度招集すべく、柳井俊二を首相官邸に呼びその「提言」の説明を求めた。さらに、安倍の敗北を乗り越え、衆院選の政権公約にまで掲げることさえ狙っている。
麻生の支持率が18%まで落ち込んだ時期、彼等は改憲路線の前面化など考えも及ばなかったが、経済的効果を狙った一時的ばら撒きと、安保危機意識の醸成と言う二つの欺瞞で、国民意識を取り込めると考えた自民執権政府は、なし崩し的に、公然たる解釈改憲と憲法改正論議を打ち出してきた。
この彼等の意図は、ソマリア沖で、海上自衛隊のみならず、海外派兵を専門とする自衛隊「中央即応連隊」の派兵も決定し、「海賊」を口実に、日本帝国主義軍隊の三軍である、陸・海・空・自衛隊(約1000名)の実質的な世界展開を開始し、あからさまに、平和憲法を踏み付ける行為によって更に促進されている。
○4月23日、自民公明は、改憲を前提とした「国民投票法」の成立にもとずく(2007年4月の安倍自民の敗北と国民の反対で、宙に浮いていた)「憲法改正原案の「審査権限」を持つ、「憲法審査会規定案」の提案に、手を付け始めた。
2007年4月13日強行採決された「国民投票法」は、憲法96条の趣旨を踏みにじり、憲法改正の手続きにおいてそのハードルを限りなく下げ、国民の意思表示と権利行使を制限し、最低投票率さえ明記しない悪法である。しかもこの複雑極まりない法を、58時間の国会審議で強行採決した安倍自民のクーデター的所産であった。
今、改憲に向って加速する麻生自民政府の動きは、国民の目に明確に捉えられているとは言いがたい。改憲阻止の闘いの隊伍を新たに整備し「小異を捨てて大道に就く」改憲阻止の大運動を展開しなければならない時である!
(文責 柴野貞夫 2009年4月30日)
5・3《改憲阻止共同行動》スケジュール
講演:「憲法は何をもたらすか」 講師・丹羽雅雄氏
●アトラクション ・闘いの現場からのアピール ・集会後、難波までデモ行進
<メインスローガン>
〇憲法9条改悪を許さない!
○首切り反対! 仕事をよこせ!
○ソマリアへの自衛隊派兵反対!
○北朝鮮への敵視・排外主義をゆるすな!
<サブスローガン>
○改憲国民投票法撤廃!
○自衛隊は、アフガンに侵攻するな!
○海賊対処法制定反対!
○沖縄辺野古への新基地建設反対!
○米軍再編・「グアム協定」反対!
○「日の丸・君が代」の強制をやめろ!
○侵略戦争を推進する新自由主義反対!
○貧困と首切りの新自由主義反対!
○北朝鮮への経済制裁反対!
○イスラエルによる、ガザ占領・封鎖反対!
○ジプチへのP3C哨戒機派兵反対!
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