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(日本の労働者・民衆闘争報道―時事問題研究会・20091226)

 

人種排外主義的暴力集団・「在特会」(在日外国人の特権を許さない会)による、京都朝鮮第一初級学校への白昼テロル(12月4日)を糾弾する!

 

△写真右― 緊急抗議集会の「日本社会の排外主義を問う」と言う表題は、「在特会」が京都朝鮮初級学校と児童生徒への襲撃―威嚇脅迫を、白昼公然と実行し得た事実は、単に一握りの人種差別ごろつき集団の仕業が問題なのではなく、今に至るも日本の国家権力が醸成し、その政治支配に利用している、日本民衆に根深く体質化・世襲化されて来た、朝鮮民族の諸権利を否定・差別する、日本社会そのものの責任を問うている。

京都朝鮮第一初級学校を、124日、白昼襲撃した「在特会」の蛮行に対し断固抗議する、「朝鮮学校への攻撃を許さない!京都1222緊急抗議集会」が急遽開催された。 

会場である京都会館には、「在特会」による、初級学校児童生徒への卑劣きわまる強迫威嚇行為を、憤怒に打ち震えて糾弾する多数の市民が、京都会館を溢れんばかりに埋め尽くした!!

△写真右―抗議集会会場の、岡崎・京都会館には、寒波襲う夜間集会にも拘らず、立見席や通路まで参加者が溢れ、人種差別ごろつき集団=「在特会」の白昼テロルを徹底的に糾弾した!

 

○「朝鮮人出て行け!と校内になだれ込もうとした、人種差別主義者「在特会」による白昼テロは、いかに行われたか。

集会の冒頭、学校側が撮影した「在特会」の蛮行を記録したビデオ上映と、その直後行われた、京都朝鮮第一初級学校・校長の経過報告から、我々集会参加者は、この、人種差別的社会排外主義者集団=「在特会」による1204襲撃事件の恥ずべき事実の全容を知る事となった。

124日、午後110分ごろ、「京都朝鮮第一初級学校」(京都市南区)校門前に集結した極右・民族差別・排外主義集団である「在特会」のメンバー11名が、日の丸を押したて、道路を隔てた公園から、学校が使用しているサッカーゴウルポストや朝礼台などを破壊・撤去し、一部朝礼台や、引きちぎった放送施設を校門にぶっつけ、閉じられた校門の鉄扉をゆすりながら、はしごに登り校門に取り付き、学校に向かって大音量の拡声器で罵声を浴びせ、構内へなだれ込もうとした。

彼らは、「市有地である公園を、朝鮮学校が、学校の運動場として不法に占拠している。公園内の備品施設を撤去しないなら我々がする。こんな不法行為をする朝鮮学校は北朝鮮に帰れ」と、まくしたてた。

彼ら排外主義暴力集団は、日本国憲法が保障する人権の尊重、国籍民族の違いなく教育を受ける権利、特に日本に永住する民族の子弟が、母国語とその文化を自由に学ぶ権利と機会の保障、そして何よりも、人間としての尊厳を土足で踏みにじる罵詈雑言を、日の丸で包まれたその薄汚い口から(「在特会」は、日本軍国主義とアジア侵略正当化の象徴として絶えず日の丸を持ち歩いている)学校と児童生徒に浴びせたのだ。

「朝鮮人出て行け」「北朝鮮のスパイ養成機関、朝鮮人学校を日本から叩き出せ」など、民族差別を煽り、事実無根のデマを浴びせながら門扉をよじ登りゆすりながら、子供たちを威嚇した。これを、白昼公然たる、暴力と威力をともなった強迫行為と言わずして何と言うのだ。今日まで、いまだかって、日本のどの右翼的・国粋的・社会排外的・民族差別集団さえも、朝鮮初級学校と言う幼い「児童生徒」が通う学校を、白昼、集団で公然と襲った事実は無い。(過日、東京の朝鮮大学校は襲っているが)

 

○「在特」が襲撃の標的としているのは、主として朝鮮民族である

チマチョゴリを密かに切りつけるといった、人前を憚った犯罪として、隠れてする行為があったとしても、いままで、今回のように白昼人前で徒党を組み、朝鮮民族、それも児童に対して行った、この様な卑劣極まりない犯罪的暴力行為は存在しなかった。日本社会と日本の民衆に、朝鮮民族排斥を「合法的」に受け入れさせようと、意図的に打って出たとしか考えられない行動である。 

今、これら「在特会」と称する、社会排外的・人種差別的・右翼国家主義者の集団は、全国において、擬似「市民運動」の形態をとりながら、日本国家が、在日する他民族が在外公民として当然持つべき国際的権利さえ、いまだ十分に保障していないにも拘らず、この一部の制限的且つ不十分な権利さえ、「特権」と歪曲し、外国人を排斥する民族排外主義を通して、国家主義と軍国主義によって国民意識を結集し民衆を扇動しようとする、日本の新らたな右翼政治グループである。

特に、彼らが標的とした「外国人」とは、主として「韓国・朝鮮人」を指しているのは明白である、 

朝鮮半島36年の強占・植民地支配を合理化するために、戦後65年を通しても、国家と民衆によって世襲されて来た朝鮮民族への言われ無き侮蔑意識を、更に掻き立て、あらゆる切っ掛けをでっち上げ、日本民衆の無知なる部分を組織しようとしているのである。彼らは、自分たちのプログで、朝鮮半島と極東アジアに対する日本帝国主義の植民地支配と、その非人倫的行為の歴史的諸事実を否定し、逆にそれを正当化する為に、「歴史の歪曲を正さなければならない」と妄言を繰り返している。その中には、日本官憲が処刑した朝鮮独立運動の義士たちや、関東大震災時に朝鮮人を虐殺するときに、その行為を正当化し様と、民衆と警察が呪文のように叫んだ「不逞朝鮮人」と言う言葉を臆面もなく使っている! 

それは、今日までの日本自民党執権政府が主導し、国家を挙げて取り組み、それを民衆の中の右翼反動勢力が支えてきた思想と観念そのものに他ならない。

 

○「救う会全国協議会」と、深くかかわりを持った「在特会」

「在特会」なる新しい装いをしたこの組織の主体は、「統一教会(世界日報)」、「救う会全国協議会」の各県・各地区支部、「外国人の参政権を許さない会」、「教育再生・地方議員百人と市民の会」など群小する国家主義、右翼排外主義、反共団体、右翼を装った暴力団構成員の各種人物が、入れ替わり、立ち代り、重なり合って構成されている。これこそ「反市民運動」でなくて何であるか!とりわけ、主要メンバーに「救う会全国協議会」の各級組織が深く関わっている事実が、この団体の行動を傾向付けている。

すなわち、「拉致家族会」が、本来の目的からはずれ、右翼国家主義排外主義グループの「体制転覆を狙い、日本の民衆を国家主義へ取り込む運動体」と協助している事実こそが、「在特会」に「拉致」を大義名分として、一定の大衆動員を可能とする力を与え、彼らの白昼の犯罪行為に、あたかも「市民権」が有るかの様に偽装させている大きな一つのファクターであると言える。

これらの事象と事実は、蓮池薫さんの兄さん、蓮池透さんが、「拉致家族会」からの絶縁理由を、「人道問題を、政治的に利用する勢力(日の丸を持った怖い人達)に、牛耳られ」また、彼らが「朝鮮の植民地支配と歴史問題を否定してきた事にある。」と、当研究会が取材した昨年の京都での「蓮池透講演会」で明快に指摘されていた事を思い出すだけで十分である。透さんは、[「救う会」の「青いバッチ」は、いまや右翼たちの象徴となっている。]と指摘されていた。

彼らは、そのプログで、差別をでっち上げ、次の目標と襲撃場所を予告し、それに参加する「市民」を募集している。同時に、行政が関わる事柄が少しでもあれば、行政機関にも圧力をかけ、人種的標的に公然たる半暴力的襲撃を繰り返している。

人種的テロルを「市民」に呼びかける彼らの行為を、野放しにしている日本国家(警察組織)の態度は、憲法に照らしても決して許されるものではない。それは形を変えて、関東大震災時、6500名以上の朝鮮・中国人を虐殺した歴史を再現することになるに違いない。

,国家権力が先導し、国家に組み込まれた無知な民衆が下手人となる国家主義的テロルが、繰り返されようとしているのだ。

ユダヤ人排斥のため、至るところの街角で、ユダヤ人の店や家屋に、「ダビデの星」マークを、白いペンキで書き殴って回ったナチ突撃隊集団のおぞましい行為は、ドイツのみならず、ヨーロッパ全域の民衆に潜む反ユダヤ意識によって、沈黙の支持を受けた事を想起すべきである。朝鮮民族排斥を叫ぶ「在特会」の暴徒が手に握った日の丸の中心に、ハーケンクロイツが浮かんでいる。

差別のもつ歴史的相違はあるものの、この両者に共通するのは、歴史的使命を終え破綻した資本主義体制を延命させようとする国家権力は、民衆を騙って、野蛮と反人道行為に走らざるを得ない事を示している。日本の民衆は、その事を今深く胸に刻まなければならない。

そして「拉致家族会」=「救う会全国協議会」は、自分たちが人種排外的国家主義運動の同伴者に堕落している犯罪性に、無自覚では許されない。

2009718日、大阪鶴橋での「許すな北朝鮮、関西デモ」は、「救う会全国協議会」の奈良副代表・西秀士を実行委員長に、事務局を「救う会全国協議会」の元大阪代表・増木重夫の事務所に置き、20名程度の「市民」で行われたが、「われわれ勤勉で真面目な日本人が、劣悪な朝鮮人、北朝鮮にやられてたまるか!」と、他民族を否定・攻撃する人種差別行為を働くと共に、「横田めぐみ、有元圭子さん救出署名」を呼びかけた。「家族会」は、彼らの破廉恥行為を、公に批判した事実はない。

△写真右  朝鮮強占36年、プラス戦後65年、日本の国家犯罪は,まだ清算されていない。

 

○日本人の小学校に対する街宣予告では逮捕しながら、目前で京都朝鮮第一初級学校を襲撃した「在特会」を、逮捕しなかった日本警察
 

当日、この日は滋賀県ほかの、朝鮮学校児童との交流会であった。幼稚園児は外出中、児童たちは昼食のあとの歯磨き時間であった。

暴徒の聞くに堪えないハンドマイクの暴言が、教室や構内の児童達に聞こえない様にしようと、教師達は、構内音楽のボリュームを上げたが、子供たちの知るところとなり、暴徒に怯え、教室へ退避して教室の窓から外の様子を不安に眺め、泣き出す子もいた。

急遽、校長以下数人の教員で、校門の内側から彼らの行動に抗議し、ビデオで彼らの暴力行為を記録するが、同時に身の危険を感じ、警察への通報、父兄・関係者への緊急連絡を取った。程なく保護者・同胞・弁護士など約50名が構内に集結し、11名の「在特会」ファシストによる、これ以上のテロ行為が児童生徒に及ばないよう、断固とした決意で対峙した。

しかし、このような白昼公然たる暴力を取り締まるのに、父兄や教師が、素手で自主的に対処せざるを得なかったと言う事実は、一体全体どう言うことなのだ。本来、このような市民に対する白昼暴力を、国家の暴力組織である警察が、警察官を動員し即刻実力で抑圧・鎮圧するのが日本の警察組織の職務ではないのか!

警察の到着はきわめて遅かった,尚且つ、(記録ビデオでも明らかであるが)父兄の集結の後、暫くしてやって来た数人の警察関係者は、暴漢が行ったスピーカーの線を切断するなど学校備品の破壊や、朝礼台を校門にぶつけるなど学校と児童に対する、白昼のあからさまな、一時間以上にわたる脅迫暴行行為を即刻立件し実力で排除し実行行為者を逮捕拘禁するのではなく、見て見ぬ振りをし、襲撃者を猫なで声で「説得」するだけであった!

もし、日本の小学校において授業中や課外活動中、一人の暴漢が校門によじ登り、物をぶつけながら今にも構内に突入するぞと威嚇し、脅迫的言辞で教師・児童を攻撃したとしよう。たちまち5分もせずに、日本警察のパトカーと大部隊が集結し,この暴漢をねじ伏せ後ろ手に手錠をかけ、即刻逮捕するであろう。しかし、124日(金)の、京都朝鮮第一初級学校では、一人の暴漢ではなく11人もの暴漢が、これと同様の事をしたのだ。しかも公然と、襲撃の事前予告まで行っていたのである。

日本の小学校(と児童)に対する強迫暴行は、その場で立件し逮捕鎮圧するが、「朝鮮人」の学校と児童に対する暴行や強迫は、その必要に値しないとでも言うのか?!

「朝鮮人」の児童に対しては、如何なる危害が加えられるかも知れないとしても、それは、日本警察としては関心が無いとでも言うのか?日本警察は、「朝鮮人」に対してなら、日本人が何をしても黙認するつもりなのか!

学校側は、「在特会」が、自分たちのサイトなどで、京都朝鮮第一初級学校を「公園不法占拠」を理由に襲撃する事を予告していたので、事前に学校長は、町内会長、所轄の南警察に報告をし、対応を要請していた。「在特会」は京都府内で、1121日には24~25名規模で総連京都本部に押しかけ、「在日特権撤廃」などと、人種差別と社会排外的主張をがなりたて、1220日にはウトロ地区にも押しかけた。これらの行為は、日本人による、韓国朝鮮人に対する反社会的・反人倫的襲撃事件以外の何者でもない。事前相談を受けたにも拘らず南警察の出足は遅く、「在特会」による構内突入の危険を予測できる強迫行為を目視しながら、彼らを逮捕さえしなかった。

200944日のサンケイ新聞は、「20081219日と2009115日、兵庫県西宮市内の市立小学校を訪れ、‘同校教員がストライキを計画している。処分しなければ入学式で街宣活動を行う。’などと女性校長(56)を脅した疑いで、兵庫県公安2課などは44日、暴力行為等違反容疑で、増木重夫(56)と遠藤健太郎(36)を逮捕した。増木容疑者は、多くの国会や地方議員が名を連ねる市民団体「教育再生・地方議員百人と市民の会」(大阪府吹田市)の事務局長を務めている。(当時、増木は、「救う会全国協議会」大阪代表と、「在特会」関西支部長であった。←時事研究会・注)」と報じた。

日本の警察は、『入学式に街宣活動をする』と言う言動だけでさえ、日本人校長と日本人小学校に対する暴力行為と断じ、逮捕したにも拘らず、京都朝鮮第一初級学校に対しては、歴然たる襲撃・暴力行為を目前にしながら逮捕しなかった事実がここにある。

 

○日本人の小学校で、運動場をもたない小学校が何処にある!「運動場」さえ持つ事が許されない民族学校の、どこが「特権」だ!

日本人には許されない行為でも、朝鮮民族には許されるとでも言うのであろうか。これは国家による犯罪行為である。国家による朝鮮民族に対する差別である。警察組織が、朝鮮民族に対する人種差別を容認し、社会的排外思想を助長、右翼国家主義ごろつき集団のテロ行為を黙認し、組織を泳がせているのに他ならない。それは、国家が、民族の母国の言語と文化を学ぼうとする他民族の子弟たちの、生存権と教育権を蹂躙する事でもある。

50名の同胞は、この11名の輩(やから)に対して、憤怒に張り裂けながらも、一時間に渡る彼ら11人の暴行に対し、自衛的実力行使を冷静に自制した事実は、賞賛に値する。

ところで、「在特会」が襲撃の口実とした学校側の「児童公園の不法占拠」とは何であるか。

日帝が敗北した、終戦間もない1946年当時、朝鮮民族はその子弟に、日本帝国主義国家によって奪われた母国の言葉(日帝は、1939年朝鮮語の使用を禁止した)を取り戻そうと、自力で、朝鮮民族の学校を全国600箇所で設立した。京都朝鮮第一初級学校の創立も、その当時に遡る。

しかし、日本政府と、(占領下時期の米国軍政)は、自らの植民地支配に対する反省どころか、朝鮮民族の学校設立に、一貫して(そのつど理由を付け)反対し敵対してきた。

1948年〜49年には、在日朝鮮民族が日本国籍のままである事を理由として、朝鮮学校を閉鎖し、今度は1952年のサンフランシスコ講和条約で日本国籍を剥奪するが在日子弟の民族学校は認めず、19653月、「学校教育法1条」の「各種学校」として容認したものの、日本人児童生徒と等しい権利の保障や、同等の教育環境で教育を受ける権利を剥奪された。京都朝鮮学校も同じ経過をたどって所在地を転々とせざるを得なかった。特に大きな用地を必要とする運動場の確保は、国家の必要な財政出動のない学校にとって大変である。

同校のコ・ビョンギ校長が次のように指摘するように、[「財政難の中で、1960年台当時、朝鮮学校前の、現在の「勧進橋児童公園」一帯は、平井さんの所有する牧場であった。京都市と町内会(会長は平井さん)の諒解の下で、これを運動場用地として確保し、その後、市当局と町内会の理解の中で両端に遊具、真ん中にサッカーが出来るスペースを確保した「児童公園」として建設し、町民と朝鮮学校の児童生徒が共に協同で使用する「勧進橋公園」=「京都朝鮮第一初級学校運動場」として50年以上使用してきたもの]である。

現在も、この歴史的経緯を踏まえ、町民と京都市から立ち退きを求める事はありえない。むしろ、今起こっている「高速道路建設」に伴う公園用地の縮小に対し、新しい用地の確保を行政に要求している最中である。

国家と地方行政は、本来、発育盛りの幼児、児童生徒が通う「初級学校」に於いて、絶対的に必要不可欠な「運動場」が「各種学校―民族学校」を理由として、財政的保障を含め確保する事を拒んでいる。

日帝と日本民族による朝鮮民族への植民地支配の如何なる清算もせず、むしろ、在日永住者子弟を極端な差別に放置し、その教育権を踏みにじるこの状況を、「在特会」の輩は、「朝鮮人の特権」と妄言しているのである。

彼らの主張の中に、如何なる正当な根拠が有ると言うのだろう。如何なる人間精神が有ると言うのだろう。今後この排外的国家主義集団の跋扈を許す事は、日本民衆の恥辱である。

朝鮮労働党機関紙・労働新聞は、2009124日付社説で、「日本は在日朝鮮人問題の責任から絶対に免れる事は出来ない」世界の新聞 139
http://www.shibano-jijiken.com/SEKAI%20O%20MIRU%20SEKAI%20NO%20SHINBUN%20139.html

では、次のように指摘している。(この文章は、在日問題の本質を捉えた日本人必読の名文である。)

  

●「在日朝鮮人問題」とは、

〇それは第一に、日本帝国主義による朝鮮植民地支配から生まれた問題だ。自分の意思で日本を居住地としたのでもなければ、国際紛争からの避難民でもない。大部分は、日帝の朝鮮侵略によって強制連行されて来た人々だ。

〇それは第二に、日本が米帝と南朝鮮と共謀し、今日まで解決せずに残して来た深刻な問題だ。

〇それは第三に、日本の支配者が、朝鮮人に対する日本人の、世襲化され、社会の中に構造化された民族差別意識を掻き立て、理念的旗じるしとしての軍国主義を実現するために利用する事によって、先鋭化されている問題だ。

(文責―柴野貞夫、20091226)

 

<付>

 
          「朝鮮学校への攻撃を許さない!1222緊急集会」 集会アピール

 

私たちは今日、「在特会」による124日の、京都朝鮮第一初級学校への攻撃に抗議し、このような攻撃を二度と許さないと誓う為に、この場に集まりました。在日朝鮮人への民族差別、朝鮮学校と民族教育への侮辱に満ちた罵詈雑言を浴びせられた子供たちの恐怖、傷ついた心を思うとき、今なお、私たちの心は張り裂けんばかりです。

朝鮮人であると言うだけで、何故このような攻撃を受けねばならないのでしょうか。子供たちが、朝鮮の歴史と言語・文化を学び、朝鮮民族の一員として胸を張って生きようとする事が何故許されないのでしょうか。

今日本社会は、朝鮮学校の子供たちとその保護者、今回の騒動に強い怒りと憤りを抱いている多くの日本人と在日外国人、そして国際社会から、このように問いかけられています。

今回の事件は、「多文化共生」、「国際化社会」促進の掛け声の裏に、民族差別・外国人排斥と言う醜いものが潜んでいたと言う事を思い知らせる事件です。在日朝鮮人への差別と蔑視、朝鮮人には何をしてもかまわないとする排外主義が、日本社会の中に更に広まっていく中で「在特会」は生み出され、その排外主義的土壌を肥やしとして成長して来た物です。今回の事件は、「在特会」を生み出し、彼らの暴挙を許容してきた日本社会の変革を改めて迫る事態でした。

しかし、「在特会」は、ほんの一握りの集団であり、大多数の日本人は彼らに同調しているわけではありません。12月の4日の事件に対して、多くの日本人が「在特会」による攻撃を止めることが出来なかった恥ずかしさと悔しさ、怒りを胸に抱きながら、抗議の声を上げてきました。

いま、朝鮮学校とその子供たちに対して、激励の花や、無数のメッセージが日本全国から、アメリカ、カナダ、スペインなどからも送られてきています。そして、民族差別に反対し、排外主義を根こそぎなくそうとする動きが、京都だけでなく、関西各地から全国へ広がっていこうとしています。私たちは、ここにこそ、未来への希望を見出す事が出来るのだと思います。

今求められている事は、このような日本人の努力と在日朝鮮人をはじめとする在日外国人の努力をしっかりと結び合わせていく事です。

朝鮮の子供たちが、明るい陽光の下で朝鮮民族の一員として、誇りを持って生きていく事が出来る社会を作りましょう。

60余年にわたって幾多の困難を乗り越えて、守り発展させられて来た朝鮮学校と民族教育に対して、「在特会」の攻撃を二度と許してはなりません。

日本社会の中に広く存在する排外主義と戦い、在日朝鮮人とすべての移民・滞日外国人が、その尊厳を保障され、共に生きていく事が出来る真の共生社会を作り出していく為に、力を合わせましょう。

 わたしたちは、「在特会」による朝鮮学校の攻撃に抗議するためだけではなく、このような日本人と在日朝鮮人の新しい連帯、協同の努力を作り出していく為にこの場に集まったのです。 

「在特会」は、1月や2月にも朝鮮学校を再び攻撃すると予告しています。なお緊迫した情勢が続きます。決して油断することは出来ません。私たちは彼らを社会的に包囲し、孤立させ、二度と朝鮮学校を攻撃できないような状況を作り出していくことを、日本に住む全ての良識ある人々に広く訴えます。共に頑張りましょう。

 

2009年1222

 

朝鮮学校への攻撃を許さない!1222緊急集会参加者一同