(民衆闘争報道- 「飯館村の危機的な放射能レベル」2011年4月7日)
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)HPより
http://www.jca.apc.org/mihama/index.html
(3月24日、既に今中氏は、飯館村のセシウム137のレベルは、チェルノブイリ事故での強制退避レベルの6倍以上と警告していた)
福島県飯舘村のセシウム137 による土壌汚染レベルの推定
今中哲二 (京都大学原子炉実験所)
http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/iitate_imanaka_estimate20110325.pdf
○チェルノブイリ原発事故の当初の強制移住レベルの2倍以上
○1990 年にベラルーシ最高会議が決定した強制移住レベルの約6倍
○政府は:速やかに住民の避難区域を拡大すること。とりわけ妊婦・乳幼児の避難を。汚染に関する詳細な情報を公表すること
○福島第一原発の事故によって、野菜、原乳、水、土壌が高濃度に、広範囲に汚染されていることが次々と明らかになっている。
23日に文部科学省が発表した、福島県飯舘村のセシウム137 による土壌汚染のレベルについて、今中哲二氏(京都大学原子炉実験所
原子力安全研究グループ)は、チェルノブイリ事故の強制移住(戻ってこれない)レベルと比べても、極めて高い汚染状況にあり、住民避難が拡大されなければならないと述べた(3月24日)。
・飯舘村(いいたてむら) 福島第一原発から北西 約40q
・土壌 セシウム137 汚染 163,000Bq/s(文部科学省
3月23日発表)
[今中氏の推定方法]
・文科省が発表した数値は、16 万3000Bq/s。土壌1s当たりの汚染値になっている。
・サンプリング方法は不明。
・チェルノブイリの汚染と比べるためm2(平方メートル)に換算する簡易な方法として、(チェルノブイリ事故では、土地の表面の汚染レベルを測定。今回の文科省の発表はs当たりのため)
・表面2pの土を1m2にまいたとして、体積は20g。比重を1とすると、土壌20sに相当。
・1m2の土地のセシウム137 による汚染 16.3万Bq×20=326万Bq/ u
・チェルノブイリ事故当時(旧ソ連)の強制移住(戻ってこれないという意味)レベル40キュリー/km2=148万Bq/ u(1キュリー/k u=3万7千Bq / u)
・飯舘村の土壌汚染は、チェルノブイリ事故当時の強制移住の2倍以上の汚染
・その後のベラルーシ等の強制移住基準15キュリー/k u(55万5千Bq/ u)の約6倍にもなる。
今中氏は、飯舘村では高濃度のヨウ素131 も確認されており、早急に住民を避難させるべきだと語った。政府は汚染に関する詳細なデータを公開すべきです。
チェルノブイリ事故による移住区域
・旧ソ連政府の当初の移住区域 40キュリー/k u(148万Bq/ u)
・その後、社会的批判や関心の高まりにより、1990 年ベラルーシ最高会議は15キュリー/k u(55万5千Bq/ u)以上の住民15万人を移住させる決議。1991 年5月には旧ソ連最高会議も同様の基準を決定。
<附録>
●2011 年4 月4 日発表の今中氏を代表とする汚染調査チームの報告
3 月28 日と29 日にかけて飯舘村周辺において実施した放射線サーベイ活動の暫定報告
飯舘村周辺放射能汚染調査チーム
・今中哲二(代表) 京都大学原子炉実験所
・遠藤暁 広島大学大学院工学研究院
・静間清 広島大学大学院工学研究院
・菅井益郎 国学院大学
・小澤祥司 日本大学生物資源科学部
3 月11 日に発生した福島第1原発における事故に関連し、原発サイトから北西方向25km〜45km に位置する飯舘村において、福島県内の他地域に比べて汚染の大きい、ホットスポットと推定される放射能汚染の生じていることが認められた(添付1)。当該地域に住民が居住中であるという事態の緊急性に鑑み、ホットスポットの広がりの概略を把握するため、3 月28 日と29 日の両日、飯舘村当局の協力を得て放射線サーベイ活動を実施した。
◇サーベイ参加者
今中哲二 京都大学原子炉実験所
遠藤暁 広島大学大学院工学研究院
菅井益郎 国学院大学
小澤祥司 日本大学生物資源科学部
浦上健司 日本大学生物資源科学部・飯舘村後方支援チーム(2日目のみ)
◇調査の方法
飯舘村役場提供のワゴン車に放射線測定器を持ち込み、村内の道路を走行しながら、車内での放射線量率を測定した。用いた測定器はALOKA 社製ポケットサーベイメータPDR-101(CsI 検出器)とALOKA 社製電離箱式サーベイメータICS-313 である。初日(3 月28 日)は、到着時刻がすでに夕刻であったため、1時間あまり村内を走行し汚染の概況を把握し、村内南部での汚染が強いことを確認した。2日目は、午前中に比較的汚染の少ない北部において92 点、午後には南部を中心に38 点、合計130 点での放射線量を測定した。数カ所では、車内と車外での測定を実施しワゴン車の遮蔽効果を確認した。測定点はおおむね舗装された道路上であった。また、核種分析用の土壌を5カ所において採取し、広島大学においてGe 半導体検出器を用いたガンマ線核種分析を行った。
(以下詳しい内容は、 PDFを参照して下さい)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No110/iitatereport11-4-4.pdf
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