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(民衆闘争報道  <朝鮮民主主義人民共和国・訪問記32011522)

 

 

晴れた5月、あんずの花咲くピョンヤンは、

 

強盛大国に向かう社会主義朝鮮の力強い建設の鎚音が響いていた。

 

 

朝鮮民主主義人民共和国訪問記<その3>

 

 

民族解放を「社会主義を通して」実現した社会主義朝鮮は、歴史的大義と人民の自由な意思で支えられている。


万寿台革命記念群像。民族解放闘争とその理念の継承は、日帝40年だけではない。朝鮮戦争をへて、米日韓による今日の帝国主義者の核の恫喝を恐れず、朝鮮半島の統一を勝ち取るまで継続される。(写真時事研)

 







1937年6月、朝鮮人民軍司令官・金日成の布告。「人民革命軍は、日帝朝鮮総督府と直接戦う目的で、豆満江と鴨緑江を渡り、ハムギョン・ナム、プク一帯に遠征することとなった。反日民族統一戦線に団結し、・・本軍の遊撃戦に呼応しよう。・・」などと書かれている。朝鮮革命博物館にて。(写真時事研)

 

列強の植民地支配からの解放と、被抑圧民族の自決に向かう戦いの歴史から生まれた、「アジアの社会主義」(中国、朝鮮民主主義人民共和国、ベトナム)の真髄は、それぞれの革命の指導部が、民族の自立と独立を「社会主義を通して」実現しようとした点にある。その革命は、それぞれの民族と民衆の圧倒的支持と、その自主的な意思に支えられて来たが故に、強固であり、歴史的必然性と大義を持った革命である。

 

「ベルリンの壁」に象徴される「東欧社会主義」の崩壊とともに「アジアの社会主義」もその後を追うだろうと言う、帝国主義者等の期待と予想を裏切ってきたのは、彼等がこの革命の持つ歴史的な過程を理解することが出来ないと言う、基本的な間違いを犯しているからだ。「アジアの社会主義」と東欧を重ね合わせることが出来ない決定的理由はここにある。「アジアの社会主義」がソ連、東欧の挫折と崩壊に、易々と追随しない原因もここにある。

 

58日ベルリンで、ブランデンブルク門を通過しながらベルリンの壁が崩壊する時の事を思った。と、イ・ミョンパクは、朝鮮民主主義人民共和国の「崩壊」を重ね合わして妄言を垂れた。イ・ミョンパクとその与党ハンナラは、427日の補欠議員選挙と知事選で決定的な敗北を喫したことは、国民に対する3年まえの公約をことごとく反故にした事が原因だ。韓国の失業者は、約330(126%)と言う高率だ。新自由主義と言う、資本家階級の「利潤追求」と私的利益のために、働く勤労者を、日々の生活と命の危機の淵まで追い込んで来たハンナラ・イミョンパク徒党こそ、その崩壊の危機が迫っている事に気がつかねばならない。

 

朝鮮共和国は、2008年共同社説で、「強盛大国」の構想を掲げた。



ピョンヤンから20数キロ郊外にある、第一期工事が完成した「大同江タイル工場」。建物外壁、床、各種タイル、屋根瓦を、製造している。ピョンヤン万寿台地区に労働者集合住宅10万戸を建設する為の工場だ。大同江に面し、専用ふ頭、専用発電所を備え、工場に隣接して1000名の労働者の住居もある。強盛大国への力強い姿だ。(写真時事研)






大同江タイル工場のコントロールセンター。ホッパーからの材料投入、種類別管理、製品管理すべてを、数人で行う全自動工場だ。(写真――時事研)

 

 

 




△CNC
全自動旋盤機は、朝鮮共和国が開発した先端技術製品である。輸出にも力を入れている。「ミサイルの輸出」などと言う、帝国主義者の妄言しか知らされない日本国民は井の中の蛙となり、日本国家は、世界の正しい情報から取り残された情けない浦島○○だ。3大革命博物館(写真――時事研)




共和国の主要な電力発電所の分布図である。青が水力。赤が火力、緑が水力予定地、橙色が火力予定地。黄色が一つあるが、これがクムホ(??)の軽水炉原発の予定地だ。これを見ると水力発電が圧倒的に多く、また、水力発電の予定地がずいぶん多い(緑)ことが伺える。共和国は、国土の85%が山地で、多くの豊かな水資源がある。クリーンな動力源だ。

 

共和国では、朝鮮戦争停戦以後の復興期から、人民生活を向上させるためには、自国の資源の活用と技術開発を推し進め、人民経済の主体化を図ること、すなわち、原料、燃料、動力を主として国内資源で解決し、重工業の発展と軽工業の発展のバランスをとり、工業製品と農業製品の格差をなくし、農業の機械化と生活環境改善、農業と都市勤労者の生活の差を縮め、人民すべての平等な社会主義の未来を指向してきた。





ピョンヤンの労働者集合住宅。ベランダには、花が飾られている。韓国や中国のように、窓を泥棒よけの鉄格子はどこにもない。(写真――時事研)




 



ピョンヤン市内は、この様に到る所花で飾られた美しい町である。左の屋台は、飲み物や簡単な食事を売っている屋台だ。形はすべて同じである。(写真――時事研)

 

 

 

「強盛大国」は、それを更に推し進めるために必要な路線を明示した。

一言でいえば、人民全てが栄え、何不自由ない生活を保障する為に、経済の分野で自力更生を基本に、最先端技術開発をおしすすめ、農業労働も労働者との差をなくし、「先軍思想」を旗幟として、帝国主義の侵略に備え軍事も疎かにしない。と言う国家の姿である。

 

外国企業と私的資本を容認せず、利潤を目的としない共和国にあって、計画経済に基づく国家の投資と収益は、全人民に還元され、人民の生活改善へと直結する。ここに人民が主人公の姿が刻まれている。

「先軍思想」は、帝国主義の侵略に備えるために軍事はおろそかにしないと言う意味だけではない。

それは、「軍権政治」とは無縁である。外圧の中で革命の成果を守ること、自国を守るため軍を先頭に人民が力を合わせること、40年にわたる植民地支配に対する民族解放の戦いの理念である。米・南朝鮮とその同盟諸国からの侵略の危険から、社会主義の獲得物を守るための思想でもある。全人民がその思想で武装し、自主経済を推し進めることが、「何不自由しない」人民の生活の実現を生み出すこととなる。

共和国にとって、帝国主義者による、社会主義革命への干渉と、核の脅しによる侵略策動がなければ、核武装の必要性など一つもないと共和国の人々は語る。

人民の生活を豊かにし、社会主義を強盛する事が1番の目的だと主張する。

我々が見た朝鮮共和国の姿が、それが真実の姿である事をみせてくれる。

 

朝鮮民主主義人民共和国は、2012年を、「強盛大国の入り口」としている。

「アジアの社会主義」にあって、中国は、いまだ土地の国家所有と主要産業の国家独占、金融と外国貿易の支配を維持し政治的権力の労働者支配を守っているが、中国GDP50%が私的資本に占められている。中国の労働者の少なからぬ部分は、社会主義国家からの配分を受ける一方で、私的利益を追求する資本家による搾取によって支配され、失業と過酷な労働、低賃金の下にいる。

 

我々が会った朝鮮共和国の多くの人々は、この「中国社会主義」の姿を、批判的に評価する。「人民が主人公」の社会主義から離れていると、ほとんどの人々が口をそろえる。

 

 










この「ダチョウ牧場」には、驚きである。約1万羽が何百と言うブロック毎に飼育されている。アフリカ産ダチョウを共和国の気候に順化させ、極めて清潔かつ整然とそだてられている。ダチョウは、食肉、羽毛、たまご、毛皮(オーストリッチ)など捨てる所がないと言う。約五百人が働く牧場内には、ハム・ソウセイジ工場が併設、皮はフランスの業者と提携し、バッグ靴などに加工される。糞は、周辺の農業協同組合が有機肥料として引き取っている。(写真――時事研)


「大同江農園」の見学。ここには軍と農民の提携、農業の機械化と農民の生活条件の向上を実現しつつある、社会主義朝鮮の農業の未来がある。

見渡す限りの果樹園は、、それに関連する果樹製品工場、蜂蜜生産、豚飼育、すっぽん飼育など、一大総合農園を形成していた。1000戸の農家と人民軍(内務軍)によって開拓された農園は、すでに1000町歩に至っている。




大同江総合農園 向こうの山裾まで、農園が広がる。(写真雑誌「??」より。――時事研の写真機電池切れのため)

200812月から始まった農園建設は、当初135町歩であった。建設には現地村落の1000戸の農民と、人民軍(内務軍)の共同作業として、3段階に分けて行われている。現在すでに1000町歩の広大な果樹園だ。当初ここには村落があり建物も多かった。いまは、青い屋根の瀟洒な農民住宅が整然建っているのが見える。

リンゴを主体に、もも、スモモを育て、500t能力のリンゴ保存工場、3000t能力の加工工場を持っている。2012年には年30000/ピョンアン市民一人当たり60kのリンゴ生産を目標にしている。

水は、大同江から引き、散水式ダクトを縦横に引き、収穫と管理の機械化をはかり、朝鮮労働党と朝鮮国家が言う「農民の労働の質を軽減し、労働者と同じ労働条件を実現する」方針を具体化するものだ。

また果樹以外に、1000t能力の豚とスッポンの養殖、1t5002010実績)の蜂蜜生産を手掛け、自然循環式の農業経営を実行している。現在もなお、総合農園の規模と内容を拡大する予定と言う。ここを訪れた金正日総書記は、農民と軍を励まし、農園にバス2台を送り、1000戸の全農家に最新式のテレビを手配、ピョンヤンなみに有線化を実現するように指導したと言う。(続)