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(韓国 ハンギョレ紙 2009年1月4日付 国際記事)

http://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/331233.html

 

 

 

民間人被害、(実際は)‘雪だるま’・・・(しかし)イスラエルは“最小化”だと繰り返す

 

 

○ “ハマスだけ攻撃”と強調する中、死亡23名中、武装隊員3名だけ。パレスチナ難民機構は“全体死亡者の25%が民間人”と。

○ 「ロケット砲を運ぶハマス隊員の曝殺」は、(実際は)「酸素ボンベを運ぶ住民」だった。

○ 「ハマスの武器庫」として爆撃されたモスクで、祈りを捧げる住民達が虐殺された。                      

イ・ジョンエ記者

 

 

イスラエルは、ガザ地区攻撃に対する国際社会の批判を避けるため、‘民間人の被害を最小化している’と言う宣伝戦を強化している。“我々の敵は、民間人ではないハマスの武装組織だけ”だとし、民間人の被害が増えていると言うのは、“ハマスが、市民達を‘人間の盾’に使用している為”と言うのが、イスラエルの主張の核心だ。しかし、イスラエルの宣伝とは違って、パレスチナ民間人の被害者はひき続き増えている。‘精密爆撃’の場面が歪曲されたと言う主張まで出てきたのだ。

 

 

イスラエル軍は、先月28日、動画共有サイト‘ユーチューブ’に、ロケット砲を貨物車に載せているハマス隊員達を爆撃する場面を出した。ハマスと関連された目標物だけ正確に攻撃していると言う点を、強調したのだ。イスラエルはハマス要人達の身上と居住地などに対する詳細な情報を収集して来たとし、出撃した戦闘機とヘリコプターが、目標物の95%を正確に命中させたと強調した。この動画は、3日まで、26万名が視聴し、イスラエルの軍事作戦に対する国際的支持を引き出すための宣伝道具として活用された。

 

 

しかし、イスラエル人権団体ベチェルレムは最近、この貨物車が、自分の物だと主張するパレスチナ人・アフメドゥサヌル(55)の主張と、爆撃当時の写真をヌリジブに公開した。サヌルは、爆撃当時、自分の家族と職員達が作業場から持ってきた酸素タンクを、車に載せていただけだと言った。

彼は、イスラエル日刊紙<ハレツ>インタビュウで、この攻撃で自分の息子達8名が死んだとし、“彼等はハマス隊員ではないし、ロケット砲を載せていた事も無い”と明らかにした。






△写真説明 継続される攻撃と死/イスラエルが3日、ガザ地区北部ペイトゥラヒヤを空襲したあと、爆発した場面が捉えられた。イスラエル軍はこの日、戦闘機と艦船、歩兵を動員し武器庫と訓練所などハマス施設40箇所以上を攻撃した。(上)、ペイトゥラヒヤでは、イスラエルのミサイル攻撃で死亡したハマス軍人の葬礼式が行われ、一人の親戚が涙を流している。(下)ガザ/AP ヨンハップ

 

 

イスラエル軍はまた、民間人の被害を最小化するために、爆撃前、目標物周辺の居住民らに電話を掛けたり、ビラ数千枚を撒いて、退避せよと知らせたと宣伝する。しかし、孤立状態にあるガザ地区住民達に、こんな警告は‘面目を立てる’だけだ。ガザ地区住民の大多数は“行くところなく、出る事もできない”と訴えると、<ニュウヨークタイムス>が報道した。

 

 

ハマスの、軍需物資保管倉庫の役割をすると言う、イスラエルが目星をつけたモスクには、民間人たちが礼拝をあげていた。イスラエル軍は3日、地上戦の始まりを前に、ガザ地区北部、イブラヒム アルマカドゥマ・モスクを空襲した。この空襲で、少なくとも民間人13名が死んで数十名が負傷した。犠牲者中には、10歳と12歳の兄弟など、子供も4名も含まれたとパレスチナ医療当局が伝えた。

 

 

先月27日、イスラエルがガザ地区に対する攻撃を始めて以来、子供たちを含んだ民間人死亡者はひき続き増加している。いままでガザ地区で480余名が死に、2300余名が負傷したことと推定される。国連パレスチナ難民機構は、今回の事態による死傷者中、25%が民間人であると推定した。

この日、地上軍の投入で、パレスチナ人の人命被害は雪だるまのように膨れ上がることと予想される。

 

 

<ニュウヨークタイムス>は3日、ガザ地区のシパ病院に運ばれてきた負傷者の大多数が、民間人であると見えると伝えた。この日10歳の息子と、負傷した親戚達を連れて病院に来たパレスチナ人、サルラアブ・ラピア(38)は、ガザ西部ジェイトゥンにある自分の家の前に家族達が座っていたのだが、イスラエルのF-16機がミサイルを発射したと明らかにした。彼は、村にハマス武装勢力がいたがミサイル発射直後無事に出たとし、“戦争の代価を払うのは、我々(民間人)だと憤怒した。

 

 

 

(訳 柴野貞夫)