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(韓国 民衆言論 チャムセサン 2009年1月14日付)

http://www.newscham.net/news/view.php?board=news&id=45090&page=1&category1=38

 

 

 

“イスラエルは今、‘人種清掃’の最中だ”

 

 

 

《インタビュウ》 ホン・ミジョン教授が語る、ガザ攻撃の真実

 

 

 

<訳者解題>

 

○1月18日(現地時間)イスラエルは、パレスチナに対する空爆と地上軍による暴力と虐殺行為の、一方的停戦を宣言した。しかし、パレスチナ側(ハマス指導部)が、停戦の基本3条件とした「ガザ地区の封鎖解除、エジプトーガザ国境の開放、イスラエル軍の即時撤退」は、未だ不明確だ。イスラエルは、ハマスを「無視」したつもりだが、イスラエルの虐殺に対する、全世界の抗議を無視することは出来なかったのだ。パレスチナ人を、イスラエルに売り渡したエジプトは、何の役割も果たせなかった。黒い帝国主義者(この意味は後で分るだろう)・オバマの就任式も手伝って、一時的停戦に過ぎないかもしれないが、イスラエルの蛮行は、アラブ世界と全世界の民衆のこころに、イスラエルに対するパレスチナ人の(とくにガザ住民の)反帝民族主権と、民衆の基本的人権を守る戦いとして、改めて刻み付けた。

 

○韓国建国大、(中東問題専門家)ホン・ミジョン教授との、この1月14日のインタビュウは、今回のイスラエル国家による大規模な軍事作戦による、パレスチナ人への類を見ない虐殺行為の本質を、鋭く追及している。

 

○ホン教授は、イスラエルの行為を「戦争」などではないと言う。手製の不正確な着弾しかしないロケット砲と、小火器しか持たない抵抗組織・ハマスは、軍隊でもなくテロ組織でもない、民衆によって選ばれた政治組織である。パレスチナ人は「戦争」などできる力もない。イスラエルは、ハマスを巨大な軍事組織にでっち上げる事で、「戦争」を仕掛けただけだ。実はパレスチナ人の虐殺が目的だったのだ。

 

○イスラエルの戦争目的こそ、この「虐殺戦争>を通して、パレスチナ人をガザ地区とヨルダン西岸地帯から「人種清掃」することであると、ホン教授は指摘する。イスラエル国家の、建国の虚構とシオニストのパレスチナ人への血なまぐさい歴史から明らかになる。

 

○イスラエル周辺のアラブ国家(指導者達)が、アメリカ帝国主義を仲介にパレスチナ人を、イスラエルに「売り渡していた」事実が明らかになる。エジプトとヨルダンは、アメリカとともにイスラエルによるパレスチナ人の「人種清掃」と言う虐殺行為を黙認していたことになるのだ。(訳者)

 

 

ピョン・ジョンピル記者

<記事本文>

 

イスラエルが13日、ガザ地区の最大都市である‘ガザシティ’を大々的に攻略した。イスラエルのガザ攻撃が始まって以来、18日目である13日現在、ガザ地区では、イスラエルの攻撃で死んだ人だけ971名だ。

 

エフトゥ・バラクイスラエル国防相は、13日イスラエル空軍基地を訪問し、ハマスのロケット発射と、武器密輸を根絶やししようと言う軍事作戦を継続するだろうとし、“我々は、この二つの目標に向って前進している。”と明らかにした。

 

                    



△ホン・ミジョン教授(建国大教授)は、イスラエル・パレスチナ問題専門家

 

 

韓国で、珍しくイスラエルとパレスチナ問題を研究してきたホン・ミジョン建国大教授は、真の目標は‘ハマス’では無いと語った。ホン教授は、“イスラエルは今、ハマスと言う敵を膨らまし、事実上‘人種掃除’をしている、”と主張した。

 

インタビューを始めるやいなや、ホン教授は直ぐに、死亡者統計資料から出した。

 

“米国とイスラエルから出る資料です。死亡者統計資料さえも”

 

情報の接近も、イスラエルと米国を除いては、ほとんど統制されている。ホン教授は、米国ワシントンの中東政策協議会(Middle East Council)の資料を持って説明した。

 

“去年、下半期に殺害されたパレスチナ人が37名です。37名中6名だけハマスです。残り31名は民間人だと言うのです、12月4日イスラエルがガザを攻撃しました。休戦期間ですよ。イスラエルが先制攻撃をする為、ハマスがロケットを撃ちました。そうしておいて、イスラエルは、休戦を中断するつもりがないとしながら、休戦に帰ろうと言ったんです。その為休戦となったのです。

 

 

 

(イスラエルのガザ侵略と虐殺は)“ハマスが最終目標ではない”

 

 

ハマスには、戦争を開始する決定権限も能力もない。ホン教授は、イスラエルのガザ地区攻撃を、戦争だと呼ぶ事も反対した。

 

“2006年、ヒズボラとイスラエル間の戦争で、レバノン人が1200名死にました。民間人が大部分です。イスラエル人は160名死にました。何処で起こったのでしょうか?国境を出入りしながら争ったのではなく、レバノンの土地だけで争ったのであって、今もガザでだけ成し遂げられているんじゃないの。”

 

2006年、イスラエルのレバノン攻撃の時も、世界の言論は、イスラエルが敗れたしヒズボラは政治的に勝利したと評価した。ホン教授は、言論のこんな評価は‘落とし穴’だと言った。

 

“ヒズボラは、願う事を得たか?ヒズボラの目標は占領軍を追い払うことなんです。だから目標を達成したことがありますか?同じ様に、ハマスが凄い様に話をして、強いと言うイメージを与え、イスラエルが敵に包囲されている。そうだから、(イスラエルを)武装をしなければならないと言う式の結論を導いてくる。”

 “(ハマスは)本当に、取るに足らない粗雑な武器しかない。その様に言えば、(イスラエル側に)攻撃の名分がないんですよ。イスラエルは、ミサイルとか戦車、核武器、こんなものがあるのに、(ハマスは)粗雑な小銃を持ってするので、相手にならないのです。争いたいとも武器が無いのだから。”

 

 

 

“天地創造のはじめに、ユダヤ人がイスラエルの土地に住んだと言うシオン主義(シオニズム)は、捏造された虚言”と、ホン教授

 

 

そんなに弱いハマスを、イスラエルが敢えて攻撃する理由が、何であるのか?と問うと、

 

“ハマスの解体ではない。イスラエルの真の狙いは、ガザからパレスチナ人を放逐する事なのです。虐殺し、人口を(取り除き)処分することです。そこに住むパレスチナ人を処分し、人種清掃することです。結論的には人種清掃、放逐、これです。”

 

ホン教授は、イスラエルが‘シオン主義(シオニズム)’によって領土的権利を主張するが、イスラエルは“初めから虚言を土台に、建設された。”と説明した。

 

“六世紀、ローマ帝国時代に追い出された。それは嘘です。八世紀、740年、黒海とカスピ海沿岸でカジャール帝国の王がユダヤ教に改宗しました。現代のユダヤ人の80%以上がその後裔です。”

 

1948年、「イルグン」(訳注→1930年代、パレスチナのユダヤ人コミュニティのハガナ、エツェルと言ったユダヤ人諸民兵組織の別称)と、「シュテルン・ギャング」(訳注→「イルグン」内の、更に過激な民族排外的右翼暴力集団)を引き連れ、デイル・ヤシン(エルサレム近郊、パレスチナの村)を攻撃し、245名以上のパレスチナ人を虐殺した、

 

イツハク・シャミル イスラエル首相(訳注→かれは、このシュテルン・ギャングの頭目の一人である。イスラエル建国後諜報機関に入り1983年にメナヘム・ペギンの後釜となり首相となる。デイル・ヤシンの虐殺では、245名の男女子供の無差別殺人が、2日間に亘って行われた。シオニストは、生き残ったパレスチナ人をエルサレム市内で引き回し、女性の性的暴行を白昼おこなった。イスラエル首相となったメナヘム・ペギンは、後に、この虐殺の目的を、「パレスチナ人を恐怖に落としいれ、故郷を捨てさせることにあった。ナチ以上に残忍でなければその目的は達成できない」と公然と語っている。)は、1991年“長い葛藤の歴史が語ってくれるように、紛争の本質は領土問題ではない。われわれは、400万名を持った国家だ。大西洋から湾岸までアラブの人口は1億7千万名だ。われわれは、ただ28000平方キロメーターだけを支配しているだけだ。アラブ人たちは14,000,000平方キロメーターと言う大量の領土を所有している。

論争の核心は、領土でなくわれわれの存在問題“だと演説した。

 

シャミル首相が、イスラエル領土だとはっきり言った、28000平方キロメーターには、現在イスラエルが占領した西岸地帯とガザが入っている。

 

結局イスラエルは、現占領地の返還は、協議対象ではない事を明らかにしたのだと、ホン教授は説明した。そうなら、国境を開いてアラブ人達を追い出せばよいのではないか、強く人種清掃と言う選択をしなければならない理由があるのか?と問うた。

 

“誰がよいのか?どこにいくのか?エジプトがよいのか?ヨルダンが良いのか?エジプトで留まれば通帳に500万ウオン以上無ければならないのです。エジプト政府、レバノン政府、など周辺に在る政府らは、イスラエルとほとんど同じ側です。エジプトとヨルダンは、すでにイスラエルと平和協定を締結しました。それがどんな意味なのかと言えば、‘西岸地帯とガザはイスラエルの領土だ’と言うことです。”



△イスラエルは、占領地であるガザ地区と西岸地帯に対するパレスチナ人の権利も認めていない〔出処 パレスチナ平和連帯〕

 

 

アラブ国家の背信

 

 

ホン教授は、イスラエルと結んだ、ヨルダンとエジプトの平和協定を米国が仲裁した実例を挙げた。

 

 

“1979年に、イスラエルと平和協定を締結したのです。このとき、イスラエルーエジプト平和協定の国境線を決めたのです。ここ(エジプトと西岸地帯のあいだを通る国境)を越えるのがイスラエルの土地だと言うのです。ジミー・カーターが締結した。締結条件として、イスラエルとエジプトに度外れた援助をします。1年に20億ドル以上エジプトに、イスラエルに30億ドル以上、その外にヨルダンも94年に、ヨルダンとイスラエル国境確定の協定を結ぶので、これが(エジプトとガザ地区を通る国境)です。これは、クリントンが仲裁した。対価で、7億ドルの負債帳消しと、毎年5億ドルの援助を。そうであるから、このように見れば、パレスチナ人はアラブ国家に背信されたのですよ。”

 

ホン教授は、アラブ国家らが口先だけ、イスラエルのガザ攻撃を中断せよと言っていると言った。ハマスの存在が、むしろアラブ国家にとって、更に脅威的だと言うことだ。

 

“ヨルダンやエジプトの中に居るパレスチナ人を、良しとしないでしょう。政府に対しては、アラブ国家の政府らは、強力な反対派の挑戦を受けている。彼等はハマスを支持するグループたちだ。ヨルダンでも、エジプトでも、相当な人気があるのです。そうだから公正な選挙をすればこの政権は全て覆ってしまいます。不公正に、選挙の企てをすることで維持されるのですよ。”

 

“ハマスが2006年1月、選挙で執権した時、最も恐れる人はイスラエルではなく、アラブ国家達だった。あー、ハマスが良くするよ、あのようにイスラムが執っても、よくする事ができるよ。こうなれば、ドミノ現象が起きることになる。そうだからハマス政権に震えているのは、周辺のアラブ国家達です。今回の戦争で、何もしないのは、事実暗黙的に同意する事で、じっとしているからなのです。”

 

ホン教授は、イスラエルが虚構的にシオン主義(シオニズム)に土台を置いているだけではなく、49年国連加入時と、一次中東戦争を経験しながら確保した、78%以外の歴史的なパレスチナの土地も、不法占領をしている事実を、もう一度強調した。

 

“67年に、イスラエルが、ガザ地区と西岸地帯を占領しながら、イスラエルの軍事占領地となったのです。国際法上の不法占領地となったのです。67年安保理決議242号は、ここで、イスラエルが撤収しなければならないと言う内容です。ところが、撤収をしないのです。国連安保決議が100件も越えます。どれだけ前に休戦すると言うことまで含んで、103件となります。国連総会決議もあります。”

 

“現住民の90%が、自分の土地から追い出されたのです。今、ガザの人々が150万名であるが、国連難民機構(UNRWA)に登録された難民が110万名です。ヨルダンのこんな状態の人々まで合わせれば難民はもっと多いです。

 

放逐された人が、また再び追い出されるのです。2次放逐をしようとするのです。レバノン、シリアに42万名、ガザの人の中の150万名中110万名を放逐しようとするので、行くところがないのです。エジプトも嫌がり、ヨルダンも嫌がり、何処に行くのです。そのまま、殺すんです。これが、人種清掃ですよ。

 

‘不在者財産法’と言って、イスラエルを出た人の財産をイスラエル国家の財産となる。そして、‘帰還法’は全世界のユダヤ人たちであって、全て帰って暮らすようにしてくれる、この様なものなんですよ。”

 

結局、パレスチナ人たちが追いだされた土地を没収し、新しく入るイスラエル人達に分け与えながら、ユダヤ人国家を建設するのが即ちイスラエルの目的と言う話だ。

 

“ウエストバンク(ヨルダン川西岸地帯。第3次中東戦争でイスラエルがヨルダンから占領―訳注)も、続いて「逮捕」し、人殺しして、そうでしょう。昨年で432名が殺されました。大部分ウエストバンクの人だと言う。引き続く戦車攻撃が起こり、続いて殺害し、67年以後にウエストバンクとガザは、そのまま戦争の中で生きるのです。

新しく戦争だと言うものはありません。結論的に‘出て行け’それです。そうでなければ殺す。(パレスチナ人が)ともに共生したいなら、こんなに苦しめますよ(と言っているのです)、人種清掃ですよ。完全に!”

 

 

 

“イスラエルは民主主義の国家ではない”

 

 

ホン教授は、オバマが米公共政策委員会(AIPAC)の演説で‘イスラエルの安保は神聖不可侵だ。イスラエルは唯一に民主的な国家’だと言ったオバマの発言を批判した。ホン教授は、イスラエルは民主主義国家ではないといった。

 

“イスラエルが民主的なのか? ほとんどがそう考える。民主的だと言う話をするとき、パレスチナ人は人間ではないと言うことです。イスラエルが22%の土地(パレスチナ人が押し込められている、ガザとヨルダン川西岸を指す)全て望めば、ここに居る人々に市民権を与え投票をするようにして、共同政府を構成すればいいじゃない。しかし、イスラエルは悪辣な人種差別国家、戦争国家だ。”

 



△引っ張って行かれる、パレスチナの子供〔出処 パレスチナ平和連帯〕

 

ホン教授は、ハマス解体が目標ではないと言った。むしろイスラエルは適当な水準でハマスを‘敵’として活用する程度で、生かしておくのだと話した。

 

“ハマス解体が目標ではないのです。ハマスが居なければ、また他の、或る団体をテロリストとして見なすのです。強大国の政策には敵を決めておかねばならないし、適当な線で維持されるよう活かしておくと言うものです。”

 

ホン教授は、2000年以後に更に多くのパレスチナ人が出て行っていると言った。

検問所、貫通道路(イスラエルの不法な入植地から、パレスチナ人の村と畑を分断して作られた道路によってパレスチナ人の生活が破壊されているー訳注)、分離障壁、こんなものがパレスチナ人たちの息の根を締め付けていると語った。毎年、パレスチナ人を訪問するホン教授は毎年パレスチナ人に対する制裁がさらに甚だしくなっていると語った。

 

米国が、アラブ国家とユダヤ人国家を、並立させる‘2国家’方案を推進していると言った。ホン教授は、米国の案も、全体の歴史的なパレスチナの土地を対象とするのでなく、イスラエルが不法占領したガザ地区と西岸地帯を新たにイスラエルと二分しようと言うものだと、説明した。

(米国の言う)新たに立つパレスチナ国家は、防衛同盟や軍事協力を遂行する権限がない非武装の国家だ。貨物の出入りと領空、通信媒体、テレビジョン、ラジオ、電話などはイスラエルが統制する。これさえも‘ハマス’など武装勢力の存在を前に立て、米国とイスラエルは協議自体を難しくしていると説明した。それで、“2国家も解決策”となることは出来ないと語った。

 

“占領したら市民権をあたえれば良いが、この人達に市民権を与えてくれますか。じゃ、主権がアラブ人たちに移るのよ、内部が1代1人だから、外部に(パレスチナ人が)480万名もいるから、イスラエルが本当に民主主義の国家と言うなら、解体されてしまうよ”

 

 

(訳 柴野貞夫 2009年1月19日)