(韓国・社会主義政治新聞 ‘解放(ヘバン)’42号 2009/02/06 )
http://hb.jinbo.net/view.php?ho=&cat=international&pg=1&no=4231
ガザ地区空襲の共犯、オバマの黒い帝国主義
キム・プソン
○中東で継続されるイスラエルのゴロツキ的振る舞いと虐殺は、米国の積極的な強力と支援の下で成し遂げられた。
○オバマは、本質的にブッシュと異なる事はできず、そんな意思も無い。
○オバマは、さらに巧妙な方法で‘テロとの戦争’を進めようとしている。
○全世界の民衆は、断固とした反帝闘争を広げ無ければならない。
(本文より 訳者)
△イスラエルの無差別空爆で負傷し、逃げまどうガザ地区民衆の姿
年末年始の雰囲気で騒がしかった、去る12月末、1月初めは、パレスチナ民衆達には苛酷な日々だった。イスラエルがパレスチナガザ地区に、20日以上一方的に軍事攻撃を浴びせる惨劇が繰り広げられたのだ。ガザ地区の武装抵抗組織であるハマスの攻撃に対する‘自衛権発動’だと言って始めた攻撃であるが、死亡したパレスチナ人が1300名以上であるのに、イスラエル側の死亡者数が13名に過ぎない事実、さらに、武装闘争の当事者であるハマスの構成員より、民間の犠牲者の数がもっと多いと言う事実は、この惨劇の性格を明らかに見せてくれている。
‘イスラエルとパレスチナの紛争’であると、しばしば表現されるが、事実上‘イスラエルによるパレスチナ人虐殺’であると呼ぶのが似つかわしい事と一緒の事件は、すでに中東地域で日常的なものだ。2006年には、レバノンに対する空襲が全く同じ経路で起こったし、その間の‘中東戦争’を通して、イスラエルが不法に占領している土地は更におびただしい。
シオニズムを根拠に、パレスチナ地域に国家を建設したイスラエルの一方的行動で、今まで何回も中東で大規模な戦争が起こった。パレスチナ民衆は、彼らの生きる拠り所から追い出され、定着村を建設しなければならなかったし、それさえもイスラエル強硬派政権が登場すれば、今回の攻撃と同じ、絶える事なき生存の危機に置かれる事と為る。
それゆえ、パレスチナ民衆が完全な生存権を争取するために、武装闘争をしなければ為らないと言う主張が出て、支持されるのは至極自然な現象であり、イスラエルが主張するように、‘紛争’の原因が、一方的にハマスの過激武装闘争にあると言うことは、虐殺者の自己正当化論理に過ぎない。ガザ地区には、75万余名の人々が救護物資に頼って生きているが、イスラエルは救護の為の建物にも無差別攻撃を浴びせた。
しかし、我々はこの惨劇の主犯が、イスラエル一人ではないと言う事実を明らかに認識しなければならない。
イスラエルの虐殺が、第2次大戦当時、ユダヤ人達が被った事よりましなことがないのに、彼らが似たり寄ったりの事を続ける事が出来る背景が有る為だ。
中東で継続されているイスラエルの‘町のごろつき的振る舞い’と、虐殺は、米国の積極的な協力と支援の下で成し遂げられている。すでに全世界的な恐慌で、資本主義自体が脅威を受けている中で、米国が覇権の没落を、狂暴な軍事力の使用で阻止しようとした事が、イラク侵攻を初めとする一連の強硬な帝国主義戦略であったし、これを体質としてイスラエルは、さらに周辺の国々を手当たり次第に攻撃することが出来たのだ。今回、パレスチナの攻撃は、同様に、米国とイスラエルの帝国主義による挟み撃ちだと呼ぶ以外にない。
ガザ地区で数千名の死傷者が出ている頃、米国では騒がしい祝祭のムードの中、オバマが新任大統領として就任した。
かれはイラク戦に反対し‘平和主義者’と言うイメージを構築、強硬な帝国主義路線をとったブッシュと、自身を差別化しようと必死の努力をしている様だが、本質的にブッシュと異なる事はできず、そんな意思もない。
既に彼は、度外れた軍事力を動員し無差別爆撃を浴びせることが出来るイスラエルが、ロケット砲と迫撃砲を数十発撃っただけのハマスの攻撃に対して発動したと言う‘自衛権’を、強力に支持すると発言したことがあり、就任のまえまで、今回の攻撃に対しても沈黙で一貫してきた。
就任直後には、パレスチナとイスラエルの平和のために最善を尽すとし‘協力と対話’で問題を解決するとするが、彼が取り出す仲裁案、或いは対話の内容も、すでに推測することが出来る。彼が就任前に設定した米国の外交目標がすでに、中東でイスラエルの安保能力を強化して、パレスチナの武装団体等を解体すると言うところにあるためだ。
最近、一部ではブッシュと異なる新しい道を行くと言う、オバマの、新しい米国に対する期待があるようだ。しかし、‘最初の黒人大統領’、‘平和主義者’と言う呼称が顔負けで、オバマの周辺にはユダヤ人ロビースト達がうようよ集まっていると言う。
政権が交代されたと言っても、中東での惨劇を引き起こす米国の帝国主義的本質が、変えられる事は決してない。むしろオバマは、更に巧妙な方法で‘テロとの戦争’を完遂しようとしているのだ。平和を争取するためには彼に対する期待を引っ込め、全世界の民衆達が、断固とした反帝闘争を広げなければならない。
(訳 柴野貞夫 2009/2/19)
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