（韓国 ハンギョレ紙 国際ニュース 2009年3月20日付）
http://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/345349.html
イスラエル軍人‘（パレスチナ・ガザ）民間人虐殺’告白の波紋
○“禁止線を越えた、パレスチナ女性・子供達をそのまま撃ってしまった。”
○（イスラエル）参戦兵士ら、相次いだ暴露・・・イスラエル政府は、“我々は道徳的”と。
○国連、“最も深刻な戦争犯罪”国際社会の非難が溢れる。
キム・ウエヒョン記者
“女性と子供達が、接近禁止線を越えたのを発見した狙撃兵は、調べる事無く彼らを撃ってしまった。”
今年初め、パレスチナ・ガザ地区侵攻に投入されたイスラエル軍(IDF)の分隊長が打ち明けた話だ。彼が属した小隊は‘作戦’中に、女性と、子供が二人住んでいる家に入っていった。イスラエル軍によって、数日一部屋に監禁された3人家族は、何日間か後、釈放されたが、すぐ狙撃兵によって命を失った。
この分隊長は、“パレスチナの人々の命は、我が軍人達の生命より、とてもとても、つまらないものと考える雰囲気があった”と、伝えた。彼は、“‘テロ犯だ’と言う警告が絶えずあった。血に飢えてするような感触だった”と、付け加えた。
イスラエルの日刊、＜ハレーツ＞＜マリブー＞は、イスラエル軍のパレスチナ民間人の殺傷と財産破壊を伝える証言が、北部チボンのオラニム大学・予備軍事過程の卒業生達の間で、湧き出てきたと19日報道した。ガザ地区侵攻に参戦した卒業生数十名が、出身者の消息紙に、当時の状況を打ち明けた。
故意的民間人殺傷は無かったと、主張して来たイスラエル政府は、突然大騒ぎになった。当局が、あたふたと真相調査にのりだす一方、エフートゥ・バラク国防長官が“イスラエル軍は、世界的に最も道徳的な軍隊”だとし、鎮火に乗り出した。イスラエルの専門家たちは、ガザ地区で女性が、たびたび‘自殺爆弾’攻撃を繰り広げるので、女性が近ずいて来ることが安全かどうか分らないのだと主張する。
参戦兵士達の暴露は、とめどなく溢れている。予備軍として参戦した歴史学専攻大学院生のアミル・マルモル（33）は、＜ニュウヨークタイムス＞のインタビュウで、ガザ地区侵入をまえに、最高位層から下りて来た命令は、“ひとたび撃った結果は、心配するな”だったと語った。彼は予備軍生活12年ずっと、‘民間人の被害最少化’教育を受けたが、今回の作戦を前に、司令官は“道徳は放り出し、ひとまず我が任務を果たさなければならない。涙は後で流そう。”と語ったとし、慨嘆した。
民間人殺傷が、事実として発覚すれば、イスラエルは国際的な非難を免れない見通しだ。今日、リチャード・フォーク国連人権委員会特別調査官は、イスラエルのガザ地区侵攻が“国際法上、最も深刻な水準の戦争犯罪を構成するものとしてみる。”と明らかにした。彼は、学校と寺院、救急車に対するイスラエルの攻撃と封鎖措置が、ジュネーブ協約に違反したものとして判断され、国連安保理が別途のガザ地区戦犯裁判所を設立しなければならないと提案した。
ガザ地区侵攻に対する国際的非難のなかで、イスラエルは、外交的に次第に孤立している。
最近、いろんな国が、イスラエルの運動選手らのビザ発給を拒否して、イスラエル反対示威がスウェーデン、スペイン、トルコなどで広がっていると＜ニューヨークタイムズ＞が19日伝えた。
執権が、有力な保守右派の恋情に、極右性向のイスラエル・ペイテイヌ（我が家）党が参加する予定であり、この党のアビクロド・リーベルマン代表が外務長官を引き受けることで知られているが、イスラエルの対外関係は、最近20年の間、最悪に突っ走っている。
（訳 柴野貞夫/2009/3/23）
＜訳者解題＞
国連人権委員会特別調査官・リチャード・フォーク（ユダヤ系米国人）は、19日、スイス・ジュネーブでの同理事会に年間報告書を提出した。
2,008年12月から2009年1月のガザ地区に対するイスラエル軍の侵攻で、1434人のパレスチナ人が殺されたが、これは人口密集地に対する無差別攻撃と言う、国際法上重大なイスラエルによる戦争犯罪であると指摘した。また、ガザ地区の全ての検問所を封鎖したうえ、救急車を攻撃し、住民の避難する権利を侵害した事、白燐弾等の残虐兵器の使用など人道に反する犯罪を構成していると非難した。
パレスチナから、パレスチナ人を「人種清掃」する意図を露骨に示したイスラエルのガザ地区攻撃と、依然として継続する非人道的封鎖を黙認する欧米帝国主義の罪業は、決して許されるものではない。中東アフリカに於ける、欧米帝国主義の支配と連係するイスラエルの役割と存在を、明らかにして行く分析が更に必要であると言える。
（参考サイト）
☆ 140 （パレスチナ）監獄国家を、越えなければならない （韓国・チャムセサン紙 2009年2月3日付け）
☆ 136 “イスラエルは今、‘人種清掃’の最中だ” （韓国・チャムセサン紙 2009年1月14日付け）
☆ 131 イスラエルの五つの嘘 （韓国・チャムセサン紙 2009年1月6日付け） 訳者 解題掲載
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