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(韓国ネット民衆新聞/オーマイニュース 2009年12月1日付)

http://www.ohmynews.com/NWS_Web/view/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0001272434&PAGE_CD=16

 

 

 

日本の平和憲法・第9条をご存知ですか?

 

 

 

○第2回・平和憲法9条アジア宗教人会議が、11月30日より三日間、ソウル・インスドン(仁壽洞)・アカデミーハウスで行われている。

 

 

 

日本の憲法第9条は、次のようだ。

 

 

 

 

日本国憲法9条


 

[日本国憲法]1項: 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 2項:前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 

 

しかし、憲法に戦争の放棄を明示した日本は、久しく前から平和憲法を廃棄しようとしている。

この為に日本は、すでに「国民投票法」など関連法制を整備している。即座ではないにしても、近い将来に、日本が平和憲法を捨て、再び軍事大国化への道を合法的に踏み出すなら、アジアの軍備競争体制は加速化するだろうし、それだけ、平和は我々から遠くなり戦争の可能性は大きくなるのだ。

 

 

 




△第2回平和憲法9条アジア宗教人会議。インスドン(仁壽洞)アカデミーハウスで進行中である平和憲法9条アジア宗教人会議には、約100余名の参加者達が参集している。  写真―キム・ミンス

 

 

平和を愛する人々の苦悩を深くするのは、米国が世界戦略により、日本の再武装を求めている事であり、経済大国となった日本国内の極右勢力が、粘り強く合法的な軍事大国化を推進すれば、その実現可能性が次第に高まると言う点だ。

 

こんな日本の改憲の動きに、もっとも敏感でなければならない大韓民国は、驚く程度に無関心だ。こんな中で日本国内の平和主義者達が9条を守る為に立った。

 

日本の改憲の動きに、最も鋭意注視しなければならない大韓民国は、驚くほど無関心な中で、日本国内の平和主義者達が2007年から‘平和憲法9条を守ること’に立ち上がった。この会議を通称して‘9条の会’と言う。幸いにわが国でも、‘韓国9条の会議’と言う市民団体が結成された。

 



△各宗教の代表者たち。平和の為に祈祷をしている。写真―キム・ミンス

 

 

日本憲法9条の廃棄は、単に、日本に局限された問題ではなく、アジアと世界の平和に直結される重大な問題である事に、アジア人達の関心と協力を通して、解決策を模索してみようと言う試みだった。2007年日本で開かれた第1次大会に続いて、大韓民国でアジア各国の平和を愛する宗教人達が40余名、そして、日本の参加者達まで合わして100余名が11月30日(月曜)から三日間、インスドン(仁壽洞)のアカデミーハウスで、講演と討論会を開く。

 

これを通して、平和の意志を強固にし、平和を守る為の人間的、活動的連結の環を形成した。これらは、改新教(Protestantism),カトリック教、仏教、イスラム教等、宗派と国家が異なっても平和を念願する心で一つとなり、ともに祈祷し知恵を集め、宣言して行動しようとする。第1次会議は、日本キリスト教協議会が中心的な役割を果たしたが、2次会議は、韓国キリスト教教会協議会が、中心的役割を果たしている。



△参加者達。多様なアジア宗教人たちが、ともに平和の為のエキュメニカルな(訳注―ecumenical movement-教会一致運動?)運動次元から一つとなった。

 

12月3日、参加者達は宣言文を審議し発表する予定だ。第1次会議時、発表された宣言文を詳しく見てみると、第2次会議でどんな内容が主側を成し遂げるのか、計ることが出来るであろう。

 

次は、第1回の平和憲法9条アジア宗教人大会の宣言文だ。

 

 

 

第一回平和憲法9条 アジア宗教人大会宣言文

 

 

①日本政府に対して。

 

・・・(中略)・・我々は今、「非暴力・平和」への動きを推進する為に行動する事を決議し、次の内容を要請し訴える。

 

1、    憲法9条を拠り所として、現在の外国との条約、協定を再考し是非を協議せよ

2、    米国一辺倒の日本外交政策を、東北アジア観点の平和外交に変更せよ。

3、    沖縄米軍基地建設を中断し、基地を縮小、廃止せよ。

4、    海外派兵を撤回せよ

5、    軍隊放棄の為に、今の自衛隊を災害援助隊に転換せよ。

6、    平和憲法廃棄準備過程である国民投票法を白紙化せよ。

7、    日本は、アジア、太平洋地域に対する加害責任を認め、国会で謝罪を決議せよ。

8、    外国人の指紋捺印を義務化する現行の入国管理法を撤廃せよ。

 

②日本の宗教界に対して。

 

1、    我々は、市民の平和運動に連帯する。特に2008年5月に日本の幕張で開催される9条世界会議に参加する。

2、    祈祷とともに、平和の実現に熱情を注ぎ、全ての生命大切にする。

3、    日本の次の世代に、加害の歴史的事実を知らせる。

4、    各宗派、教派、団体は、各地域で「非武装地帯宣言」のための努力をする。

5、    生命を大切に思い、平和を実現するために、各宗教間の連帯を強化する。

6、    他宗教の伝統に基ずく論議、又新しい平和教育を創出し平和教育に積極関与する。

 

③アジア、世界の宗教界に対し。

 

1、      日本憲法9条を、全人類の財産として大切に守り、世界9条ネットワークを作る。

2、      各国憲法の条文に、戦争放棄と非武装条項を入れるように提議する。

3、      戦争放棄を広く訴え、人類の歴史に新しい道を開く。

4、      あらゆる地域と社会で、平和の為に祈祷し、非暴力と平和行動の日を制定する。

5、      宗教が、暴力を固定化し暴力に悪用される時、その宗教に対抗して立ち上がり、共犯者としての行動を悔い改める。

6、      日本政府に対して、憲法9条を保有し生かして行くように、提議する。

7、      世界の人権侵害情報を共有し、共に祈祷しながら民主主義を促進する為の行動を組織する。

8、      非憲法的、非道徳的な戦争行為と政策を明らかにする、民衆の国際平和法廷を設立する。

9、      共に良心的兵役拒否の道を模索する。

 

 

「9条アジア宗教人会議」参加者一同、2007年12月1日 

 

 



△取材中のフランス国営放送記者。フランスでは、平和憲法9条と関連した宗教人の集会に対し、深い関心がある。

 

 

しかし、この様に重要な案件を持ってアジア宗教人達が集まったが、フランス国営放送では、2007年第一回大会に続いて今年も積極的に報道し紹介しているのに反して、(韓国)国内では‘日本平和憲法9条’自体に対する認識の不在の為、宗教界は無論のこと一般言論社でさえも、関心を置かない現実だ。

 

‘第2回平和憲法9条・アジア宗教人大会’は、単純に宗教人だけの問題ではなく、東アジアの平和とも深い関係がある。12月3日(木)午後4時この集会に参加した参加者達がどんな内容の宣言文を発表するのか、目を注いで見ることだ。

 


(訳 柴野貞夫 2009年12月3日