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(韓国・社会主義政治組織 労働解放実践連帯-ウェブサイト 2011・3・2付)
http://www.hbyd.org/freeboard/12723

 

 

 

 

[声明]韓・米軍事合同訓練に、韓半島の運命を任せてはいけない!

 

 

 

 

<新しい基督教運動連帯(準)>




 

2月28日から始められた、大規模な韓・米合同軍事訓練である<キー・リジョルブ>訓練を契機に、韓半島がまた再び、戦争の危機へ駆け上がっている。<フォール・イーグル(禿鷲)>訓練へとつながり、4月末まで二ヶ月間継続される今回の訓練について、北韓はソウルの火の海に言及した声明を出しており、韓国軍は北韓が挑発の名分をつくろうとする戦術と見て、実際挑発する場合3倍以上に報復よう懲(こらしめ)すると、応戦している。

 

しかし今回の状況が、チョナン(天安)艦事態当時よりもっと危ういのは、‘韓米合同軍事演習である、キー・リジョブル/フォール・イーグルに対して’と題する、朝鮮人民軍板門店代表部名義の先月27日付声明が、“委任に依ったもの”と、明らかにした様に、北韓最高司令部の直接的な意思が含まれ、平素宣言的な意味の声明に比べ、強度の差が見えると言う事実だ。

 

今回の訓練と関連し、韓米両国が、自分達を目標に戦闘態勢に突入したものと見做した北韓の立場が、以前と顕著に異なる他はないのは、アラブ圏の民主化革命など、最近の世界情勢の激変化とも無関係ではない。更に、軍専門家らの間で、‘世界最大規模の戦争訓練’(米軍一万2千八百名と、韓国軍二十万名参加)として、訓練の性格が“南侵と全面戦争に備えた訓練から、北韓の不安定事態に備える訓練”に変えられたと言うことは、北韓政権の危機意識を一段と煽ったものと見る事が出来る。

 

実際に、<キー・リジョルブ>訓練では、北韓政権崩壊時、叛軍に核とミサイル、そして生化学武器が渡る場合に備えた訓練と、北韓住民が蜂起する場合、韓国軍や多国籍軍が介入し、状況を統制するシナリオも含まれていると言う。なおかつ、アラブ圏民主化革命に対する反政府示威内容を盛ったビラ散布計画など、対北心理戦を強化するとしたり、北韓の立場から見れば体制危機への恐怖を感じざるを得ない状況だ。

 

<キー・リジョルブ>訓練に対する我が社会の立場は、名目上‘戦争反対’にも拘わらず賛成、反対、両非論(訳注―北・南両方とも悪いと言う)の三つに分割される。

 

賛・否は、保守と進歩の政治的立場で明らかな差があり選ぶのは容易であるが、両非論の様に、南北を同時に批判する中間的(あいまい)な観点は、この様な重大な時期に対処する態度としては満足出来るものではない。何故かと言えば、<キー・リジョブル>訓練の作戦計画5029の作成には、現韓米同盟で戦時作戦権を持っている米国の影響力が絶対的であるからだ。

 

いま、国内の保守勢力達は、アラブ圏民主化革命を(北韓での)反政府示威におとしめて混用しながら、政権崩壊の展望に期待を賭けている。そして、国連安全保障理事会のリビア制裁決議の様に、北韓の崩壊を念頭に置きながら、北にも‘リビア原則’を適用しなければならないとし、中国を狙った発言を曝け出している。

 

しかし、専門家達は作戦計画5029が、対北内政干渉と、先制武力攻撃であり、国際法と国内法すべてで違反すると解釈する。

 

国連憲章51条は、武力攻撃が発生した場合に限って自衛権が許容され、我が憲法4条と5条は、侵略戦争を否認する。

 

従って我々は、韓・米軍事合同訓練の性格が常識と法理を逸脱する場合には、両非論でない反対意思を組織し、戦争を未然に防止しなければならない。

 

情勢と諸般の条件に差があっても、或る者が、アラブ圏の民主化革命の様に北韓でも「革命」が起こる事を願って想像をするのは自由だ。

 

しかし、世界唯一の超強大国である米国と一緒に韓国が、貧困と飢餓に苦しむ北韓を相手に、‘世界最大規模の戦争訓練’を繰り広げるのは、北を極度に刺激するものであり、韓半島全域を戦争へ追い立てる手順に違いない。

 

従って我々は、‘どんな場合にも’超強大国の利害と権力の政略に韓半島の運命を任しては駄目だと、声を高らかにこそ、しなければならない。

 

今我々は、全国民の前で、韓・米両国政府に問う!

 

 

1、韓・米両国政府は、その理由が何であるにせよ、万に一つでもソウルが火の海となって、韓半島が焦土化される戦争が起こっても、甘受することが出来るのか?百万名以上の生命を奪い取られた6・25(訳注ー1950年6月25日朝鮮戦争)を見ても、こんな残酷な戦争がこの地に起こっても、構わないと言うことが出来るのか?

 

2、韓・米軍事合同訓練の否定的余波(あおり)が目に見えないか?

当局の主張通りであれば、この訓練は戦争を抑制する為の止むを得ない措置となる。しかし、戦争は理性的でも予測することが難しい変数が多い。いわんや、最近の激変する対外的要因と、内部的不安要因を抱かえている北韓の実情を勘案する時、ソウルを火の海にすると言う北の脅しは、単純な威嚇的発言と見るのは難しい。これは、キム・グアンジン国防長官が先月25日国会で、対政府質問の答弁で、“3月、キー・リジョブル訓練前後に、北韓が挑発する可能性があると判断している。”と是認したところにも表れている。

 

3、米国は、この様な危険千万な火遊びを、自国の国民達が直接戦争の惨禍を経験する事となる米国の領土内でも、繰り広げる事が出来るのか?米国が韓半島の平和を願うなら、戦争の導火線となる恐るべき軍事訓練を、韓半島の中で実施することが出来るのか?

そうであっても、訓練を中止せず引き続いて戦争の端緒を提供すれば、これは訓練の真の意味が、平和維持にあるのでは無く、戦争を引き起こそうとする何かの目的があるものと看做しても否定するのは困難である。

 

4、韓・米両国政府は、戦争を挑発しようとするどんな政治的陰謀や帝国主義的意図がない事を、国際社会に明らかにし、今でも、もっと遅くなる前に、韓・米合同連合訓練を即刻中止しなければならない。

 


(訳 柴野貞夫 2011・3・4)