(韓国ネットニュースPRESSIAN−世界ニュース2011年03月15日付)http://www.pressian.com/article/article.asp?article_num=40110315150946&Section=05
日本は、‘事故確率90%’と分かっていながら、福島原発を建設した
イ・スンソン記者
14日、米国の核監視団体である核情報サービス(NIRS)は、以下の事実を暴露した。「福島第一原発の原子炉6基は、ゼネラルエレクトリック(GE)の同じ型の沸騰水型原子炉だ。このモデルは爆発する危険性が高く、当初から原発建設中断の勧告をを受けていたにもかかわらず、日本は建設を強行した。」
とくに、1971年〜1979年に建設された5基の原子炉は‘マーク1’モデルで、問題点を改善する以前の初期モデルだ。(訳注−6号機は‘マーク2’モデル)
福島原発は始めから欠陥のある‘経費節減型’モデル
GEは、米国で沸騰水型軽水炉(BWR)を独占的に製作してきた。このモデルの欠点は、経費節減の為に大型コンクリートの格納施設の代わりに、相対的に規模が小さい格納容器を採用している点だ。
すでに25年前の1986年に、米国原子力規制委員会(NRC)の安全担当責任視野者ヘラルド・デントンは「マーク1’モデルは「(地震とは関係なく)重大な事故を引き起こす確率は90%に達する」と警告していた。原発産業関係者と会った席で「‘マーク1’は圧力抑制装置を備えていが、耐圧能力が小さすぎる。圧力制御に失敗する確率は90%に達する」と警告していたのである。
1996年に、米国原子力規制委員会はこの内容で報告書を出している。現在、福島で起きている原発事故は‘時間の問題’だったのだ。
GEの核技術者3名は深刻な欠陥を認めていた
この報告書に依れば、GEの‘マーク1’型モデルの原発炉は、一旦冷却システム事故が発生すれば、なすすべがないのだ。
1972年に、米国原子力委員会(AEC)の安全担当官スチーブン・ハヌオ博士は、「圧力制御方式モデル沸騰水型軽水炉の原発建設を中断すべきだ」と勧告していた。GEの核技術者3名も、この勧告が出た直後に、GEモデルは深刻な欠陥がある事を内部告発し、ついに会社を辞めている。
1985年、米国原子力規制委員会(NRC)は、分析報告書で「‘マーク1’では、事故の数時間後に炉心溶融になる可能性がある」と警告していた。
この様に、このモデルは圧力制御機能に欠陥があり、爆発に至る可能性がきわめて高いのだ。核専門家と米国の核規制委員会(NRC)関係者が過去数十年間指摘していた。
福島原発事故は‘人災’だ。天災地変という言い訳はできない
このモデルは、一旦冷却システムが故障すれば、格納容器から水蒸気を放出させるペントができない。このため、炉心溶融が進行、格納容器が破裂し、放射性物質の大量放出に至る。
今、福島第一原発の1・3号機は発生した水素で爆発し、2号機は格納容器が損傷し炉心溶融が進行している。
こんな事態になるのを止められなかったのは、地震が原因ではない。‘マーク1’自体の安全性が始めから抜け落ちていたからだ。
一方、日本政府や当局の学者たちは「格納容器が多重構造になっており、放射能の大量放出にいたる可能性は極めてすくない」と主張していた。
米国では110基の稼働原子炉中で36基が問題のGEモデル
この原発事故を見守っている米国は、どの原発国家よりも驚いている。現在、米国で稼働している110基の原子炉のうち、およそ36基が福島第一原発と同じGEモデルであるためだ。
米国政策研究所(IPS)の核専門家ロバート・アルバゼルと米国エネルギー環境研究所(IEER)のアジュン・マキジャニー博士は14日の記者会見で、「冷却システムと格納容器の損傷が発生し、核燃料棒が溶融すれば、夥しい量の放射性物質を外部に放出することになる」と警告した。
(訳 柴野貞夫 2011年3月16日)
<参考サイト>
☆ 266 爆発した福島第一原発・3号機には、‘死の灰’プルトニウムがある (韓国・PRESSIAN 2011年3月14日付)
☆福島原発の炉心溶融と核爆発の危険性を隠ぺいしてきた東電と菅政府の責任を追及する
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