(韓国ネットニュース PRESSIAN−国際ニュース 2011月3月30日付)
http://www.pressian.com/article/article.asp?article_num=40110330151209&Section=05
福島、時間の闘いで敗北 <メルトダウン>が進んでいる
イ・スンソン記者
日本政府は事実上、日本福島原発の事態に対し、お手上げ(束手無策)である。この事が憂慮される中で、事故原子炉を制作したゼネラルエレクトリック(GE)の安全責任者であると同時に、福島原子炉事態に対し最も良く理解している専門家から憂鬱な診断が出てきた。
29日、GE沸騰型原子炉安全研究所長であるリチャード・レイヒは、英国≪ガーディアン≫とのインタビューで「原子炉復旧作業に投入された職員は、時間との闘いで敗北した」と語った。
≪ガーディアン≫は、「この分析後、日本政府も炉心溶融(メルトダウン)が進んでおり、とけた核燃料が圧力容器の底から外に流れ出てきている事を初めて認めた」と伝えた。
現在の放射能は、核燃料がとけている時に出てくる水準だ
また、≪ガーディアン≫は、「福島第一1〜3号基を冷却させる為に水をかけているが、これら原子炉は、核燃料棒の一部が漏出した状態だ」と付け加えた。レイヒは、「原子炉の外で高い放射能が検出されているが、こんな水準の放射能は、もっぱら炉心がとけて出てくる」と語った。
≪ガーディアン≫は、「現在原子炉2号基などにある汚染水には、時間当たり1,000mSvの放射能が測定されているが、現在の作業指針によれば、こんな水準では作業要員は15分しか留まれない」と指摘している。
すでに、福島原発事態は、世界原発事故上二つ目に数えられる米国のスリーマイル・アイランド(TMI)原発事故を凌駕するものだ。≪ガーディアン≫によれば、「TMI事故では、核燃料棒がとけたが、圧力容器の外へ漏出される直前で辛うじて冷却作業をやり抜いた。しかし福島原発では、一部原子炉は圧力容器まで損傷し、とけた核燃料が漏出されている事態だ」という。
処置が困難な‘放射能海水’ 海水汚染が加速化している
問題は、高い放射能の為に冷却の復旧作業がなかなか進捗をしていない点だ。3月30日、共同通信によれば、日本原子力安全委員会のシロヤ・セイジ委員は、「冷却作業完了まで数週或いは一か月程度懸かる」と言う一縷の希望を混ぜた見通しに冷や水を浴びせた。彼は「原子炉の運転が停止しても、使用済み核燃料にともなって、核燃料の熱は下がっていかない。冷却に至るで1年以上の長期間が懸かる」と語った。
▲福島原子炉は水素爆発で建物が砕け、冷却作業も出来ない程の放射能が吹き出している
▲写真(AP)屋根が飛んで行った3号基(プルサーマル発電中)の醜い姿
原発運営会社である東京電力によれば、核燃料棒損傷の程度は1号基が最も深刻だ。70%を越えて損傷していると推定。2, 3号基も30%以上損傷していると判断されるだけではなく、2号基は圧力容器まで損傷し、とけた核燃料が漏出している。
さらに、原子炉付近では基準値の3,300倍に達する放射性ヨウ素が検出されたところがあり、時間が経つほど放射線量が増えていく趨勢を見せており、憂慮をふかめている。
(訳 柴野貞夫 2011年4月2日)
<訳者解題>
3月31日付けロイター通信によれば、米国の専門家らは「福島原発は、悪夢の様なシナリオに直面している。あらゆる取組は生命の危険を伴い、福島原発危機が最終的に収束するには数十年かかる見通しだ。それまでに多くの挫折や失敗、恐ろしい局面を迎える可能性がある。現時点では、金銭的コストや作業員らが健康面で被る代償がどれほどのものになるか、予想すらおぼつかない。東電の作業は、原子炉に水を入れては流す状態<feed and bleed>に陥っている。<原子炉の冷却と汚染水の管理>という、相反する問題に直面している」と指摘している。
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