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 (韓国・チャムセサン 国際通信 20111113日付)
http://www.newscham.net/news/view.php?board=news&nid=63935&page=1&category1=38



             戦争の道具となった国際原子力機関(IAEA


                                          チョン・ウンヒ客員記者


ウィキリークス暴露の米国外交文書「IAEA総裁(天野之弥事務局長)は米国と一体関係にある」


イランに対するイスラエルの軍事的脅威、制裁案の賛否論難がひろがっている中で、国際原子力機関(IAEA)に対する批判が出ている。
それは、
118日発表した報告書の信憑性、そして国際原子力機関の政治的道具化の問題についてだ。周知のように、イラン政府は我々は核爆弾を必要としないという立場だ。
イランは核兵器プログラムを稼働させているとするIAEAの報告書は、捏造された。専門家も、報告書は政治的意図の下で作成されたし、新しい事実はなく、事実操作の可能性も除外する事は出来ないと言う立場だ。(写真 アメリカの戦略的立場に一体化する「政治化」と、欧・米・イスラエルの戦争道具としてのIAEAを目指す、天野之弥IAEA事務局長)


IAEA報告書は政治的に作成され、事実操作をおこなっている

地域に関する米軍事分析報告書を発表してきたドイツの[LUFTPOSThttpwwwluftpost-klde]は、1111日、国際原子力機関の対イラン報告書を発表した。この報告書では「10ページの報告書と15ページの付録文書には、イランが今日まで核兵器を開発してきた事を立証できる、原本記録は唯一つもなかった。国際原子力機関の推測と推論が存在するだけだ」と述べている。(以下、報告書からの引用。)
2003年以後、イランは核武器に関するあらゆる活動を中断した、と米国政府要員は確認している。(こんな状況で)IAEAはどうして、出処を簡単に明らかにできず、信ずるに値しない情報に根拠を置かなければならないのか。これは、国際法に違反する空爆をする口実を作ろうとするためだ。」

一方、核心的な問題となっているコンピューター記録の出処に対しては、米国の歴史学者であって政治分析家であるカレス・ポータース(Gareth Porters)の寄稿を引用して、以下のようにのべている。
「コンピューター記録はイランの反政府勢力と一緒に、モサド(イスラエル政府機関)に依って捏造されたうえ、CIAからIAEAに渡されたものだ。」「コンピューター資料の信憑性について、2005年に米国国務省の武装統制と国際保安の為の国家秘書・ロバート・ジョセフに依って提起された。この事に対しては、どうして沈黙するのか。
当時、IAEA総裁だったムハマド・エルバラダイは、コンピューター記録の真実性に対し疑心を明らかにして、IAEAの公式認定を拒否した。どうして、天野之弥体制のもとで、今再びこれを信憑性あるものとするのか。」
「IAEA20以上の加入国から受けた他の情報の大部分も秘密機関の情報である。天野のもとで、IAEA報告書は、真実と偽造と嘘偽がごちゃ混ぜになっている。、イランを襲撃できる様にするために、イスラエル、米国そして他のNATO加入国の<戦争しかけ人>が、この報告書を作った。」

IAEA総裁(事務局長)天野之弥は、IAEAを政治化する

スイスETH大学の保安研究センターのイラン専門家・ローラン・ポドップ(Roland Popp)は、119日スイス日刊紙[アルカウアツァイトAARGAUER ZEITUNG)で、国際原子力機関の米国による政治的道具化を問題にした。彼は、天野之弥体制の下では、以前のムハマド・エルバラダイの時より従属的になっていると評した。
(今の)国際原子力機関の政治的中立性は、極めて疑問だ。ムハマド・エルバラダイ総裁では、政治的道具化、特に米国に立ち向かい、独立性を守ろうとした。しかし現在の天野之弥の国際原子力機関は、始めから政治化している。周知のように、原子力機構の報告書は、顕著に西欧政府機関の情報に基づく。国家情報機関の報告がいかに間違って主導されたのか、あるいは、甚だしくは意識的に捏造することが出来たのか、それはイラク戦争で見る事が出来る当時、IAEAはイラク戦争を正当化する事に協力しなかったため、米国と英国に大きな損害を与えた。今再びこんな事にならない様にしているのだ。」

米外交文書には「
IAEA総裁(天野)はあらゆる国家にとっての総裁だが、米国とは(意見が)一致しており」とある

IAEAが米国に偏向し、政治化している点は、去年ウィキリークスが暴露した米外交文書でも確認できる。昨年11月にウィキリークスか゜出した米国外交文書について、[ガーディアン]が報道している(10日付け)。この外交文書によれば、天野之弥が総裁に選出された時、米国外交官は、彼に対し「あらゆる国家の総裁であるが、米国とは一体である」と記している。
また、この外交文書には、つぎの様にある。「アマノは外交官に、あれこれ自分に公正で独立的な事を要求した77グループ(開発途上国グループ)に譲歩する必要があると言及したが、彼は担当者の任命から、イランの核武器プログラムに関する処理まで、主要戦略的な決定では米国側の立場だ。」「米大使との会合で、立候補に対する米国の支持に感謝し、この機関(IAEA)で米国の戦略的な目標に対する支持を強調しようと努めた。」
天野之弥は、G7で核分野の責任者や、武装関連専門家として国連日本代表を務めた事がある。

アラブの春の下での攻撃、極めて疑問なこと

イスラエルが、クリスマスから来年始め、イランを軍事的に攻撃するだろうとの予測が出ている。(前掲の)ローランド・ポップ(Roland Popp)は、イスラエルの軍事的攻撃は、極めて難しいであろうと見通した。彼は、イスラエルは、米国に対して(制裁強化に関する)圧力を強めようとしていると解釈した。また彼は、アラブの春’の影響下にある現在、イランを攻撃しようとするのは大変疑問だ」と語った。

(訳 柴野貞夫 20111119)


<参考サイト>


☆ 46 米国はイラン侵略準備を完了した (韓国・チャムセサン 2007年3月5日付)