(韓国 ソウル新聞 2008年8月5日付 国際記事)
http://www.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20080805018012&spage=3
日本で再び台頭している社会主義
東京=パク・ホンギ特派員
貧富の差がいくほど広がる両極化は、韓国だけの問題だけではない。日本では深化される格差のために、盛りが過ぎた社会主義が、再び蠢いている。
日本共産党の党員が増えた上に、プロレタリア文学と社会科学書籍も脚光を受けている。それゆえ、大きくはないが認識の変化が始まっていると言う分析が出ている。
日本共産党の機関紙である‘赤旗’は、去年9月中央委員会総会以後、先月までに新規党員が1万名を通り越したと、去る2日伝えた。共産党員は1990年の50万名を頂点に減少して行き、現在40万の線に留まっている。共産党は“経験した事がない新しい状況”であると、内心驚いている。今年新規党員の目標を2万名以上に高めて決めた。
日本総務省の2007年就業構造基本調査統計に依れば、パートタイムやアルバイト、派遣社員などで生計を遣り繰りする非正規職は、全体の労働者の35・5%である1737万名に達した。歴代最大となる。
注目する点は、新規党員の20%が30歳以下、20%が60歳以上と言う事実だ。共産党側は“幾ら働いても、ビジョンを持つことが出来ない現実に対する自分の責務、自分のせいにした若い人達が、政治責任、社会構造に向き合っている。”と解析した。政治の変革を企んでいると言う主張だ。高齢者らの場合、75歳以上の医療保険料を、年金から源泉控除する‘後期高齢者医療保険制度’の推進による反発だ。働く貧困層である‘ワーキングプアー’専門家である赤木智弘は、“若い人達が共産党を選択する積極的な理由はない。社民党に食傷したうえ、民主党に期待しない人々の反射的判断”だと診断した。
社会的雰囲気も変化している。日本プロレタリア文学の代表格の1929年出版された小林多喜二の小説、‘蟹工船’(かに缶詰製造船)が新たに飛ぶように売れている。80年前、オホーツク海で蟹を取って缶詰を作る船‘博光丸’の船員達が経験する酷い労働、憤怒、闘争を描いた作品だ。出版社新潮文庫によれば、毎年5000部程度が売れたが、去る3月から6月まで読者の需要に合わして、35万7000部を新たに印刷した。また、28年ぶりに‘追善冊100巻’に入った。読者の30%は20代で、日本社会を支配する‘自己責任論’に押さえつけられた世代達だ。昨年、11月発行された漫画、‘蟹工船’も1万6000部を通り越した。日本の労働の現実と比較して、マルクスの資本論を再解釈した、経済学者・的場昭弘の‘資本論’は、さる4月発刊されすでに5万部も売れベストセラーに上った。
外交評論家・家田久保忠衛は産経新聞で、“日本政治の機能は不完全だ。国民は日本が何処へ行くのかが判らない。頼るところを失った。ワーキングプアーは増加し、格差は拡大している。それでも、分配論の論議はない。危険な兆候”だと指摘した。
(訳 柴野貞夫)
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