(民衆闘争報道 <翁長沖縄県知事と県民を愚弄する朝日放送の差別放送を糾弾する>奈良−沖縄連帯委員会 2015年11月5日)
抗議声明及び公開質問状
−朝日放送「教えてニュースライブ正義のミカタ」−
翁長沖縄県知事と県民を愚弄する差別放送を糾弾する
篠原氏の「元々普天間基地はいも畑」「県民はたかりの名人」発言をはじめ、司会者・出演者の事実を歪曲し、悪質で意図的なヘイトスピーチを許さない
奈良−沖縄連帯委員会 (代表 崎浜 盛喜)
私の故郷は、沖縄県中頭郡北中城村瑞慶覧(ずけらん)。1945(昭和20)年4月1日沖縄島本島に上陸した米軍は、翌日瑞慶覧に侵攻し「名幸のガマ」にガス弾をぶち込み約80人もの人々を虐殺しました。住民を捕虜収容所に強制収用している間に133世帯の家々を焼き払い、米軍基地を建設したのです。現在の海兵隊基地、キャンプ・ズケランが私の故郷です。普天間基地はその南にあります。
去る10月24日(土)、朝日放送「教えてニュースライブ正義のミカタ」は「翁長知事が辺野古埋め立て承認を取り消し、政府と対立で泥沼化・・・沖縄の民意は本当に移設反対なのか。翁長知事の本当の狙いとは」と題して放映されました。
しかしながら、その内容は極めて事実誤認が多く、翁長沖縄県知事や沖縄人と県民を愚弄し、かつ悪質で、差別に満ちた言動そのものであり、厳重に抗議します。以下、この差別放送の主な問題点について述べますので、貴社の見解を明らかにしてください。
@.「元々普天間基地はいも畑」
「沖縄のスペシャリスト篠原章先生」は、手書きのテロップ「翁長知事は実は辺野古移設を望んでいる。県民も移設に大賛成」を示した上で次のような発言をしました。「沖縄県や知事なんかは新基地だと言ってるけど、新基地じゃなくて改築なんです。」
これは事実と明らかに違います。現在のキャンプ・シュワブには、滑走路や軍港は一切存在しません。オスプレイが離発着する1800mV字型滑走路、海兵隊の強襲揚陸艦が寄港する軍港が建設されるのです。これが新基地でなくてなんなのでしょうか。
1966年、ベトナム戦争が激化していた時に米軍は、老朽化した普天間飛行場を現在の辺野古に移す計画を作成していましたが、財政危機のために実現出来ませんでした。しかし、今回は日本政府が莫大な建設費用(約1兆円?)を出すというので、現在の新辺野古基地建設が実行されようとしているのです。国民には何も知らされていません。貴重で莫大な税金が使われようとしています。
「元々普天間基地の周りはサトーキビ畑と、あの・・・いも畑、まあ百田さんはそれで虐められたんですけども、ほんとにさつまいも畑だったんですよ」「事実です。田んぼもありましたけども。」あまりにも沖縄を愚弄する発言です。
百田氏の「差別・暴言発言」を擁護する発言は、あなたも「(政府に反対する)マスコミは潰してしまえ」という考え方なのですか。普天間基地が存在する宜野湾市役所に再確認をしたら「元々宜野湾村の人々が生活、住んでいた地域(新城地区等)を、沖縄戦の時米軍が占領して普天間基地が造られた」との回答でした。あなたは歴史を無視するどころか、書き換えるつもりですか。人として、かつ学者としての良心は無いのでしょうか。
米国の海兵隊は、朝鮮戦争の時に米国本国から日本の岐阜県や静岡県等に移駐してきました。しかし、1950年代の「本土」における反基地闘争の激化を恐れた日米両政府が、50年代後半から60年代にかけて当時米軍の占領下にあった沖縄に海兵隊を再移駐させたのです。普天間基地には1960年に移駐し、空軍基地から海兵隊基地になったのです。
沖縄の海兵隊は元々「本土」に駐留していたのです。元の「本土」に返してあげたらどうですか。「(普天間は人口密度が高い)ところが辺野古は寒村です・・・騒音はそれだけ減るのが当たり前。軽減される。」この発言は、辺野古の人々の命と人権を軽視する発言です。普天間の人の命より辺野古の人の命が軽いというのですか。あなた方「本土」の人々は大阪や東京の人口密集地に置くよりも、人口が少ない沖縄に米軍基地をおいた方がいい、というのですか。そのような身勝手な考えで戦後70年もの長い間、沖縄の人々に基地を押しつけてきたのです。そのために我々沖縄人と県民は「生命と生活」を脅かされ、人権が蹂躙されてきました。日本国土面積のわずか0.6%しかない沖縄に、今なお73.8%の米軍基地が集中している不平等、不公平な現実をあなたはどのように考えているのですか。我々は、もう「日米両国と両国民の安全と平和のため」の犠牲にはならないと決断したのです。
貴社の考えを聞かせてください。
A.辺野古の漁民と土建業者がぼろ儲け
<漁業補償金>について、篠原氏は、次のように発言されました。「支払われた漁業補償は32億円」「平均は3000万円ですけども辺野古の漁業組合員は5000万円から7000万円で基地と関係がない西海岸などの漁業の組合員は2000万から3000万くらい。」
名護市役所に尋ねると、「市役所には一切報告がない。漁業関係者の補償金の関係書類は、重要な箇所が黒色で塗りつぶされている」と、「基地対策係」の担当者の答えでした。篠原氏は、何を根拠に発言されたのですか。この補償金は、貴重な日本国民の税金です。
沖縄防衛局(日本政府)は、漁業補償の経過や内容を名護市や沖縄県、そして全国民に全く説明せずに「裏金」のごとく扱っています。名護市民をいがみ合わせる卑劣な差別・分断政策を行っています。この沖縄防衛局(日本政府)の卑劣な政策こそ第一に問題すべきではないのでしょうか。
沖縄の土建屋が儲かるために建設計画を現在の計画に変更したと、発言しました。美しい自然環境を破壊して、人殺しの軍事基地を建設する、それによって日本本土のゼネコンや地元の零細業者が儲かる。しかしながら軍事基地によって被害や犠牲を受けるのは一般県民です。こんな理不尽は許せません。だから、沖縄の人々は、新辺野古軍事基地建設は止めようと主張しているのです。
現在マスコミ各社の県民世論調査では、約70%から80%の県民が新基地反対を訴えています。これが沖縄の民意と思いますが、この状況を直視すべきではないでしょうか。
これらについて貴社の考えを聞かせてください。
B.沖縄人と県民はたかりの名人
さらに篠原氏は次の発言を行いました。「(沖縄振興予算)これは47都道府県ありますが沖縄だけに特別に認められている振興予算でして毎年3000億円以上なんです。」「基地の見返りです。ですから基地反対運動が激化するとこの予算は増える傾向にあるわけです。国の方がより沢山小遣いを上げる。」
これに賛成するかのように、司会者の東野さんは次の発言を行いました。「反対、反対、と言葉は悪いですが、ごねればごねるほど金額が上がっていく。」
引き続いてテロップ「基地が無くなった方が経済が活性化して儲かる。沖縄は年間1兆円の経済効果が見込まれる。」を流した上で、 高橋洋一氏が下記の発言を行いました。「こんなにも経済効果があるのなら沖縄予算なんか無くなっちゃいますよ。・・・沖縄予算を増やすためになら言っちゃたらまずいですよ」まさに沖縄人と県民は、「お金のためには、どんな悪どい事もする、低劣な人間だ。」と言わんばかりの悪意に満ちた差別発言の乱発、ヘイトスピーチそのものである、と断じます。あのメア元沖縄総領事の差別発言「沖縄人はごまかしとゆすりの名人」と同根にほかなりません。「沖縄振興予算」、さも沖縄県と県民が最優遇されているかのような誤解(意図的な誤解があまりにも多すぎる)について、朝日新聞出版の木村司著『知る沖縄』から引用します。
<「沖縄振興予算」とは、沖縄だけ通常予算にプラスしてもらっているという意味のお金ではありません。他の都道府県ももらっている「国庫支出金」とほぼ同義のお金です。内閣府の沖縄担当部局が窓口になり、各省庁の予算をまとめて一括計上しているという特殊な仕組みの予算にすぎません。>
<もともとは27年間、米軍占領下にあったために遅れた、道路や橋などの社会資本や生活基盤の整備を進めて、他の都道府県と同じレベルにするためのものです。>
<3千億円前後の沖縄振興予算も含め、国から沖縄県に入ったお金は、1人当たりで計算すると、被災3県を除いて、島根、高知、鳥取、秋田、青森に次ぐ6番目。1位の島根県(69万4千円)の4分の3にとどまります。>
この現実と事実をどのように考えますか。我々沖縄人と県民は、「振興予算はいりません。軍事基地を無くしてください」と主張しているのです。今までは自民党沖縄県連と日本の自民党本部が手を組んで(これこそ軍事基地で金儲けをしたのだが)「米軍基地によって沖縄は潤う」政策が中心でした。
しかし、1972年の沖縄返還当時は沖縄経済全体の約15.5%を占めていた基地経済は、現在では約5%前後で推移しています。返還された軍用地の跡地利用は、那覇市新都心地区では雇用者数が93倍の1万5560人となり、税収効果をみても16億円から199億円と31倍に増加するという絶大な経済効果を生みだしています。
現在では、翁長県知事をはじめ「米軍基地は沖縄経済発展の阻害要因」と断言しています。「沖縄は米軍基地のおかげで潤っている」は、もはや「神話」となりました。
以上の問題点について、貴社の見解をお聞かせ下さい。
C.「翁長沖縄県知事はウソつき」屈辱的差別発言を糾弾する
最後の場面がこの番組のクライマックス、象徴的場面です。篠原氏の発言です。「仲井真さんと翁長さんが仲が悪くなった。それで知事選で闘った。仲悪くなった理由はいろいろあって・・・」「(翁長知事は辺野古問題を)解決する気ないですよ」「共産党や支持者に面目が立つ。」「(翁長知事は)誰も止めてくれないと文句を言っている。」(出演者笑い)
また、この番組の冒頭にほんこんさんは次の発言を行っています。「翁長さんが言っているのは反対、反対で、その前の仲井真知事の時は推進派だったのに、コロット変わっている」「反対派の人のイントネーションがなんか沖縄っぽくない人もいるんですよ。」
全く事実誤認も甚だしい上に、 最後は笑いで終了ですか。「沖縄問題」を「お笑いのネタにした」ということですか。沖縄人と県民の民意と人間としての尊厳と人権を守るために全身全霊をかけて奮闘されている翁長県知事に対して、それも事実をねじ曲げて悪意に満ち、侮辱的、屈辱的差別発言は、絶対に許せません。
仲井真元知事と翁長さんは、元々辺野古反対論者であり、そもそも仲井真さんは県外移設を公約に掲げて当選しました。しかしながら、知事になった仲井真さんは、2013年12月に公約を破って「辺野古埋め立て承認」を行ったのです。しかも、自民党政府に脅かされ、「振興予算」をエサに、東京の病院に入院して(仮病?)の「決定」でした。政治家として、人間として、決して許されない恥ずべき行動でした。この県民への裏切り行為に怒った翁長雄志氏が、昨年の11月の県知事選に出馬して約10万票という圧倒的大差で当選しました。名護市長選挙、県知事選挙、衆議院選挙、沖縄県民は「普天間飛行場即時撤去」「辺野古新基地建設反対」を選択したのです。これこそが「沖縄の民意」に他なりません。
以上の点について、貴社の考えを聞かせてください。
D.沖縄の願いは、人間としての尊厳と人権を尊重すること
翁長沖縄県知事は、9月21日、翁長県知事は国連人権理事会において次の声明を発表しました。
(1)沖縄人の自己決定権や人権がないがしろにされている現状と自己決定権確立。
(2)米軍基地は沖縄人が自ら提供したものではなく、米軍によって強制収用されて造られたという歴史的原点の確認。
(3)現在の軍事基地による事件・事故、深刻な人権侵害・環境問題。
(4)自国民の自由、平等、人権、民主主義が守れない日本国がどうして世界の国々と価値観を共有できるのか、と批判。
(5)日本政府は沖縄の民意を一顧だにせず、美しい辺野古の海を埋め立て、辺野古新基地建設作業を強行しようとしている。あらゆる手段を使って阻止する、と宣言。
これが翁長沖縄県知事の覚悟であり、沖縄県民の総意であります。翁長県知事と沖縄人、県民の願いは、人間としての尊厳、人権を尊重することです。 安倍自民党政府は、「沖縄県民に寄り添う」「基地負担軽減」等繰り返し、繰り返し強調してきました。しかし日本政府は、沖縄の民意を全く無視し、踏みにじって、辺野古新基地建設を強権発動(国家権力の暴力)によって強行しています。
先日、中谷防衛大臣は、佐賀県に「オスプレイ訓練の佐賀空港移転」を要請しました。しかし、佐賀県に「危険な訓練は受け入れられない」と断られると、いとも簡単に訓練要請を撤回しました。沖縄県の全市町村や議会の「オスプレイ反対」の意見を無視して強行したのに、一体全体どういう事でしょうか。明らかに日本政府の沖縄差別政策です。
朝日放送のこの番組は、このような安倍自民党政府のあからさまな沖縄差別政策に同調するかのごとく、我々の当然の願いを踏みにじるどころか、事実を故意に歪曲し、「たかりの名人」と罵り、暴言を吐き、笑いものにして、我々沖縄人と県民の人間としての尊厳と人権を泥靴で踏みにじりました。報道機関として、人間として決して許されません。
以上、満腔の怒りを以て厳重に抗議します。貴社及び出演者の皆様方がこの問題に真摯に向き合い、貴社の見解を明らかにされ、明確な謝罪を文書で回答することを要求すると共に、話し合いの場を持つよう要請します。 (2015年11月1日)
朝日放送(株)代表取締役 脇阪 聰史 様
「教えてニュースライブ正義のミカタ」制作担当者 様
奈良−沖縄連帯委員会 (代表 崎浜 盛喜)
(付)参考資料
朝日放送 「教えてニュースライブ正義のミカタ」 9:30〜11:00放送記録(2015年10月24日土曜日)
「翁長知事が辺野古埋め立て承認を取り消し!政府と対立で泥沼化…沖縄の民意は本当に移設反対なのか?翁長知事の本当の狙いとは?」(32分から)
司会:東野幸治
アナウンサ:乾麻梨子
参加者:ほんこん・海原ともこ(吉本興業)
東幹久・中間淳太・神山智洋・桧山進太郎(俳優・歌手・元選手)
宮崎 哲弥(評論家)
高橋洋一(経済学者)
大渕愛子(弁護士)
ゲスト 篠原 章※2(日本の評論家・元大東文化大学環境創造学部 教授。専門は財政学)
発言内容(テープ起こし)
「今週のミカタ」の中「沖縄辺野古埋め立て取り消し 迷走する基地移設問題」での発言内容(放送開始から31分ごろ)
アナ:先週、13日沖縄の辺野古基地移設問題で翁長知事、辺野古移設取り消しで新たな動きがありました。
テロップ「辺野古埋め立て承認を取り消し、沖縄の民意は本当に移設反対?」
映像:辺野古問題、膠着状態が続く中、辺野古沿岸部の埋め立て承認に瑕疵あり承認取消し防衛大臣、執行停止の申し立て、不服審査請求を提出、翁長知事は却下するように求めた。採決結果までは数カ月かかる見通し。国土交通大臣・石井啓一は執行停止を決定するとみられる。工事再開が可能になり来月にも埋め立てに着手することになりそうだ。
映像:ゲート前で反対市民の抗議行動、海上から抗議
映像:ただ沖縄県民全員反対一色ではないようだ
映像:普天間周辺住民からは、翁長知事の承認取消しは権限の乱用だという声も聞く。宜野湾市民12人は「辺野古移設が取消し」→「普天間飛行場が固定」→「周辺住民の生存権侵害」として20日、取消しの無効確認と翁長氏に総額1億2000万円の損害賠償を求めて那覇地裁に提訴した。
ほんこん質問:翁長知事は辺野古移設に反対ということですが基地は普天間のままで良いということですか?どうしたいのかビジョンが見えません。また沖縄県民は本当に反対しているのでしょうか?教えてください。
東野:なんどもしています基地問題で御座いますけども、ホンコンさん、なかなか前には進みませんけども・・
ほんこん:基地はみなさん嫌だと思いますけども翁長さんが言っているのは反対、反対で、その前の仲井間知事の時は推進派だったのに、コロッと変わっている、僕だけかな、ニュース見てたら反対派の人のイントネーションがなんか沖縄っぽくない人もいてるんですよ。標準語。年配の人って絶対ナマッテいるじゃないですか。さー付いたりね。気になるねん。
東野:反対している人にこの人沖縄なんかなぁと素朴な疑問あったりする、この問題はこの方に教えてもらいましょう。
アナ:学生時代に聞いた沖縄県出身の音楽バンド、りんけんバンドの影響で沖縄にのめり込み、依頼、沖縄を研究すること30年以上、沖縄のスペシャリスト篠原 章先生です。
東野:篠原先生のみかたは?
篠原:手書きテロップ「翁長知事は実は辺野古移設を望んでいる!?県民も移設に大賛成!」
東野:われわれが見てるニュースと違う意見ですけども、どういうことなんでしょう?
・まずは辺野古移設案というのはこちらです。
テロップ:辺野古への基地移設 辺野古場所、辺野古基地
篠原:人口密集地の普天間飛行場をどちらかというと過疎地の名護市の辺野古という所に持ってくる。距離にすると普天間基地から50キロ、那覇から車で2時間30分くらい。ここが、(大浦湾)岬の右の所ですね、埋め立てる間取図からいいますと。
東野:大きさはどうなんですか
篠原:普天間基地340ヘクタールでそこがなくなります。ここに埋め立てて滑走路を作ります160ヘクタールですから基地全体からすれば180ヘクタール小さくなると。ここはもともと基地なんですよ、キャンプシュワブという米軍基地で基地の海岸部分に滑走路を増設するという案、沖縄県や知事なんかは新基地だと言ってるん。だけど新基地じゃなくて改築なんです。
参加者:エーー!
東野:でも新基地というわれわれの印象ですけども・・
ほんこん:そこの住民の人は困るんやろなと思うけど
東野:そこで住民の方が困るということなんですが県民も賛成で御座いますけども、2007年ですか、辺野古区の住民投票の結果ですけど7割が賛成で中立が2割、反対が1割ということで8年前のデータですが・・
宮崎:今も同じなんですかね。
篠原:今も同じ、むしろ増えているかもしれません。中立が賛成になっている。
東野:辺野古にきてほしいというメリットが辺野古区民はあると思うんですけども、メリットで御座いますけどもこちらで御座います。
テロップ:「辺野古移設に伴うメリット 街の人口が増え活性化する!」
東野:やっぱり活性化するもんなんですか。
篠原:もともと辺野古も人口2〜300人の寒村(※1)だったんですよ。でキャンプシュワブというのがあるんですけども基地ができてから辺野古も2000人になりました。で一方、移設元の普天間ですね、普天間も元々は周辺の人口は全部で1万人くらいだったんですが今は、宜野湾市は10万人(言い直す)9万人ですね9万人になっています。元々普天間基地の周りはサトウキビ畑と、あの・・いも畑、まぁ百田さんはそれで虐められたんですけども、ほんとにさつまいもといも畑だったんですよ。
東野:それは事実なんですね
篠原:事実です。田んぼもありましたけども
東野:メリットもありますが、反対派もいるので反対派の意見はこちらです。
テロップ:「辺野古移設の主な問題点 基地周辺の騒音問題 漁業への影響」
東野:騒音問題はどのような感じなんですか
篠原:普天間基地がある宜野湾市の人口密度はロンドンより密度は高いんです。でそこに基地があるからウルサイと思う人がたくさん居るわけなんです。ところが辺野古は寒村ですから人口は2500から2300人くらいなんです。で海と山に囲まれていますので騒音はそれだけで減るのが当たり前。軽減される。テロップ:「市街地から離れている」。
東野:漁業への影響は?
篠原:埋め立ては当然、漁業にも影響でまして漁協の方は保証を求めました。組合員が名護市漁協に対して組合員120人で準組合員50人いてるんですが、払われた漁業保証は32億円。
東野:払われたんですか・
篠原:もうみんな払っている。
東野:組合員が120人
篠原:36億円
東野:36億円ですから一人3000万円くらい。
篠原:平均は3000万ですけども辺野古の漁業組合員は5000万から7000万で基地と全然関係ない西海岸などの漁業の組合員は2000万から3000万くらい。これは漁業で組合員ですから同じ受け取る資格があるんですよ。
東野:そりゃそうです。とういか言葉なくなりますよね。先生が注目しているのはこちらです。
テロップ:「沖縄の土建業界」
篠原:基地は大活躍なんですね。
東野:基地の移り変わりがありまして、テロップ「@海上案 A陸上案 B現状案」
篠原:18年前に出てきた案で最初は@の案が出てきました。関西空港と同じ方式ですよね、ところが沖縄には技術がない、沖縄の土建屋は儲からない、本土の建設業とかプラント会社が儲かる。メガフロート形式。
東野:これをしようとしたら本土から土建屋さんをもってこないといけないから・・沖縄の人が儲からないから・・
篠原:沖縄の人は大反対ですよ。じゃ、Aのキャンプシュワブの中に滑走路を作りましょうと、これだったら埋め立てないので海は汚染されないじゃないですか。ところが陸上案(A案シュワブ内)だと埋め立てがなくなると儲けが減っちゃうんですよ。埋め立てってすごく儲かる仕事なんですよ。砂利はタダですから。
ほんこん:基地の反対でなくして建設に対して・・
篠原:埋め立てれば結果としてあのー、折衷案(B現行案)。これもですね、1m、2m沖合に出せば儲かるから、これが決まるまでに2年くらいかかりました。わずか数メートル伸ばすだけで土建屋は頑張ったわけなんですよ。そういう意味では頑張った。
東野:現行案で落ち着いたが尚且つ反対している人もいらっしゃる。ほんこんさんがおっしゃるように反対派の中に沖縄の言葉でない方もいると言ってましたが。反対派の方はどういう方が多いんですか
篠原:ほんこんさんのおっしゃるように集会とか辺野古の現場のプラカード掲げている方たちはおそらく、3分の2は本土からですね。地元の方もいらっしゃるんですが地元といっても那覇の方も多い。那覇から出張してくるんです、バスで。
東野:那覇から主張して反対して那覇に帰るのか、引越して・・
篠原:だから辺野古にいって那覇に住んでるけど辺野古までいって反対運動やって翌日は普天間に行って反対運動やる。仕事です。ほんと仕事です。日当も出ています。日当は労働組合から出ています。
参加者:反対要員??
質問:海上案、現行案、現行案というのは沖縄の与党構造の中でこういうことが行われてきた。沖縄権力構造の中でこういうシフトになってきたわけですよね。翁長さんはそこに関わったいた方じゃないですか、そもそもね。
篠原:現行案をまとめる時に頑張った方です。
東野:翁長知事は知事になる前に自民党ですよね、尚且つおっしゃっているのが翁長知事は望んでいるということなんですけれども。
宮崎 哲弥:なぜ、今は反対を表明されているのか。私はよくわからないのですが。
東野:じゃ、沖縄の復興予算、毎年毎年、国から頂いているお金ですが、平成27年度は3340億円。
篠原:はい、これは47都道府県ありますが沖縄だけに特別に認められている振興予算でして毎年3000億以上なんです。これ以外にも税制優遇処置はたくさんあるんですが、沖縄だけに認められた軽減税率とかいろいろあるんですが、この3340億円を1円でも増やすことが沖縄の政治家の勲章ですね。
東野:今年はこれだけもらったというのが政治家の力の見せどころ?
篠原:で、これは要するに一言で言ってしまえば基地の見返りです。基地負担の見返りです。基地があるから申し訳ないから、お金払いますというのが本当なんですが誰もそれを言わないわけなんですよ。基地とは関係ない沖縄は特別な場所だから上げますよと言ってるだけで、ほんとは基地があるから特別なわけで基地がぬけちゃっていると、で基地の見返りで。ですから基地反対運動が激化するとこの予算は増える傾向にあるわけです。国のほうがよりたくさんの小遣いを上げる。
東野:反対、反対、と言葉は悪いですがごねればごねるほど金額が上がっていく?年々、上がってきてるんですか?
篠原:これは知事の実力、その都度の首相の懐具合・・裁量で関係あります。
東野:翁長知事は依然このようなことをおっしゃっています。
テロップ:「基地が無くなった方が経済が活性化して儲かる、沖縄は年間1兆円の経済効果が見込まれている」
篠原:これは翁長知事自身がもちろん計算したものでなくて県議会事務局というのが計算したんですね、経済効果1兆円という、最初は1兆円でのち9千億円と訂正はあったんですが、まぁ約1兆円ですね、ところがこれをですね、経済効果1兆円を僕の方で計算し直したら、だいたい半分くらいなんですよ。経済効果そのものはね、5000億円。で5000億円なんだけれども沖縄のGDPに計算し直してみると中国より経済成長する計算なんですよ。基地が無くなると中国より経済成長する。
東野:おかしな話ですよね。
篠原:はっきりいって計算ミスなんです。
東野:中国の計算はほとんど信用してはいけないとこの番組で教わったじゃないですか。という感じになっちゃう?
東野:高橋さんは経済の専門家としてどうなんですか?
高橋洋一:こんなにもしかね、経済効果があるなら沖縄予算なんか無くなっちゃいますよ。(翁長知事が)こんなこといったらいけないですよね。沖縄予算を増やすためにならいっちゃったらまずいですよ。
篠原:(翁長知事発言は)全部基地をなくしたらの前提なんですが全部基地を無くして今の計画だと全部ショッピングモールになる話ですから。
宮崎:条件闘争をやっているというお話ですよね。ざっくりいえば。翁長さんのこの1年の行動というのは条件闘争の領域を超えていて、たとえばアメリカのワシントンに沖縄の事務局を作ったり国連で演説したり、そういうのを見ていると条件闘争というにはちょっと越えてきているとは思うんですが。
篠原:翁長さんはもともと那覇市長で那覇市長から知事になると。知事になりたかったんですよ8年前から。仲井間さんが知事であって最初は仲井間さんと翁長さんは仲良しだったんですが、いろいろなにかあったんですよね見境が。で仲井間さんと翁長さんが仲悪くなった。それで知事選で闘った。仲悪くなった理由はいろいろあって多分、公開できない理由もあるんみたいなんですけども、仲井間さんの指示が得られないので共産党2名を付けて共産党の支持をもらった。今、翁長知事が言ってることは共産党と同じですから。
東野:共産党の意見を汲んでいるが腹の中は辺野古移設を望んでいるで落ち着くんですか?
大渕愛子:翁長さんなりに辺野古承認取消しとかやっているんですけども結局認められないでしょうし法的にはあまり成果をあげることはないと思いますけどね。
東野:じゃ、どのあたりで解決しそうなんですか?
篠原:解決する気ないですよ。つまり最終的には基地はできます。裁判やってもなにしても。(基地ができても反対してたよと)共産党や支持者に面目がたつ。
ほんこん:ほんまに自分の保身だけじゃないですか、南西諸島、尖閣問題もあるのに、そういうことを1個も言わない。反対だけしか言ってないから。
海原:(思っていたことと)全然違った。
東野:もやもやとするが選挙では勝ったんですからそれは民主主義ですよね。
篠原:民主主義です。
宮崎:解決条件が見えてこないんですよ。いくら話しても。
篠原:翁長さんが次、どのような行動に出てくるのか、県の幹部に聞いても分かんないですよ。友達に聞いても分かんないですよ。ただ誰も俺を止めてくれなかったと文句言ってる。(参加者笑 それは失言ですけど)
東野:どうも有難う御座いました。 (以上)
(注)
※1 かんそん【寒村】とは。貧しい村。さびれた村
※2 篠原章 過去の犯罪大東文化大学に在職中に学科予算等の不正流用及び海外出張補助金の不正請求を行っていたことが発覚し、刑事告訴がなされた。2011年1月には同大学を懲戒解雇され、同年5月頃詐欺容疑で警視庁に逮捕された。東京地裁は同大学から計930万円を詐取したことを認定し、懲役3年、執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。
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