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民衆闘争報道/「1・24高浜原発再稼働を許すな!全国集会」が、高浜現地でおこなわれた (2016年1月24日)


         「1・24高浜原発再稼働を許すな!全国集会」(その1)


高浜原発ゲート前抗議行動


氷点下6度の寒風の中、全国から600名が結集!
再稼働をやめろ!と、高浜原発に抗議行動

 


 高浜原発正門(ゲート)前    (出処 柴野貞夫時事問題研究会)

 高浜原発正門(ゲート)前で、抗議文を読み上げる(出処 柴野貞夫時事問題研究会)

新規制基準では高浜原発の過酷事故は避けられないとした樋口判決を、科学的根拠もなく覆した林判決は、司法と資本家階級(関電)の癒着を証明した

福井地裁・樋口英明裁判長は、2015年4月、原子力規制委員会が出した新規制基準は、、過酷事故を防ぐ条件を満たさないものであり合理性を欠くと厳しく断罪し、大飯原発3、4号機の運転差し止めを認めた2014年年5月の福井地裁判決に続き、高浜原発3、4号機について、再稼働差し止めを命じた。
しかし、関電が同地裁に異議を申し立てを行い、2015年12月24日、同地裁・林潤裁判長は、樋口判決の科学的根拠を全面否定し、原子力規制委員会の新規制基準に基づく判断は不合理な点はなく、高浜原発3、4号機の安全性に欠ける点はないとして、異議申し立てを受理した。これは、司法の国家権力とその政策への迎合であり、司法と関電資本の癒着である。

高浜原発正門前で、関電・取締役社長 八木 誠、および高浜発電所・所長 大塚 茂樹に対し、「高浜原発3、4号機再稼働に対する抗議申し入れ書」を手渡す

この日、「1・24高浜原発再稼働を許すな!全国集会」に、全国から駆け付けた600人有余の抗議団は、まず、再稼働を企む高浜原発正門前に集結に、抗議行動を行った。関電・取締役社長 八木 誠、および高浜発電所・所長 大塚 茂樹に対し、「高浜原発3、4号機再稼働に対する抗議申し入れ書」を、読み上げ、手渡した。
高浜原子力発電所正門現場からは、左手に40年超えの1号機、奥に2号機、手前右奥に30年超えの3号機が見える。ここから1番近いところが舞鶴だ。2.5kしか離れていない。14km先にはイージス艦の出撃基地−舞鶴軍港がある。
その向こうに宮津、天橋立、伊根町、米軍のIバンド基地がある京丹後市に続く。南東50k先に<関西の水瓶である琵琶湖があり、その横に、日米軍事演習が頻繁に行われている饗庭演習場がある。

原発が面する若狭湾は閉鎖水域-海洋汚染は福島と比べると、とてつもない事になる

60km圏には京都市内、80km圏に大阪市内がある。再稼働を推進する、福井県知事西川知事が住んでいる県庁は、それよりもずっと遠い90km圏だ。過酷事故が引き起こされた場合、地区住民の避難経路はどうなのか。
この正門前道路の先2qに、「おとめ」と云う集落がある。そこには150名の人々が暮らしているが、原発事故が起こった場合この原発の前を通って逃げるほかはない。また、原発が面するこの若狭湾は、閉鎖水域であり、福島原発のように大洋に面していないことから、海洋汚染はとてつもないことになる。若狭湾を隔てて14kmに大飯原発もある。

昨年再稼働した九電・川内原発は、10日目に復水器の細管破損事故

昨年8月、加圧水型の川内原発1号機が再稼働したが、その10日後に復水器の細管事故をおこした。九電は、正しい情報を流していない。重大事故になりかねない事故である。また、2010年1月29日、この1号機の配電室という中枢施設で7人が死傷する事故をおこしている。
多くの研究者が、特に危険な原子炉だと指摘するものだ。しかも30年超の老朽炉である。にも拘らず原子力規制委員会は、安全とは縁遠い国民騙しの「新基準」に適合したと再稼働を認めたのだ。

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写真  高浜原発が面するこの美しい若狭湾は、閉鎖水域であり、福島原発のように大洋に面していないことから、海洋汚染はとてつもないことになる。(出処 柴野貞夫時事問題研究会)

福島では、50kmも離れた飯館村が全村避難している。京都市内まで60km、<水かめ>琵琶湖までは飯館と同じ50kmだ

この様な原発が事故を起こせばどうなるか、4基の原発の内、1基でも事故を起こせば他の3基に近付けない。汚染水は、前の入り江と沖の若狭湾全域を汚染する。福島惨事で、太平洋に垂れ流すのとは格段に違いがある。
避難はどうなのか。若狭は、福島と比較しても、道路も交通網も限られた陸の孤島だ。舞鶴も宮津も同様だ。
福島では、50kmも離れた飯館村が全村避難している。京都市内まで60kmしかない。関西の<水かめ>琵琶湖までは飯館と同じ50kmしかない。京都も滋賀も大阪も200〜300万人が避難させられるのだ。
国や自治体の避難計画は、1週間のピクニックに行くようなものだ。福島の現実を見よ。一度避難したら二度と帰れない難民となる。自殺者や病人が続発している。
どう考えても人類の手に負えない核発電ー高浜3号、4号機を再稼働させてはならない。原発は、台風や地震などの自然災害ではない。原発は、人間が動かしているものだ。だから、止めることができる。我々の大きな力で、関電と安倍政権の心胆を寒からしめる反原発闘争を展開していかなければならない。

 
高浜原発正門(ゲート)前、抗議行動(出処 柴野貞夫時事問題研究会)

<抗議文>

関西電力株式会社 取締役社長 八木 誠 殿
関西電力株式会社 高浜発電所 所長 大塚 茂樹 殿


             高浜原発3,4号機再稼働に対する抗議申し入れ書

八木社長、貴方は、12月24日の福井地裁での仮処分逆転決定がされるや、翌日には原子炉に燃料を装荷し、1月末の高浜原発の再稼働を発表しました。
樋口裁判長による運転差し止めの仮処分を無視し、逆転決定を見越して再稼働の準備を周到に準備してきました。福島の惨事に学ぼうとせず、福島の方々の思いに向き合おうとしない、道義的に許されない行為です。私たちは、満身の怒りを込めて抗議します。
福島では、5年近くたった現在でも、10万人以上が故郷を失い、いまだに避難生活を余儀なくされ、事故収束の目途も立っていません。
高浜原発で事故が起これば、地元若狭だけではなく、関西一円に被害は及び、数百万の人々が故郷を失い、健康・生活・生命の危機に陥ることになりかねません。高浜原発は、危険度が高い加圧水型 MOX 燃料原子炉で、さらに、30年超えの老朽ポンコツ原発です。
また、樋口裁判長も指摘したように、地震に対して十分な対策もなく、フィルター付ベントもなく、重要免震棟もないままです。
再稼働に対して、6割以上の人々が反対し、また、近隣の京都府や滋賀県が反対しているにも拘らず、一片の説明だけですませて事を進めるのは、言語道断と言わねばなりません。さらに、避難計画は、実行性がなく、避難が困難、あるいは不可能であることを証明する以外の何物でもありません。また、原発再稼働のためには住民を切り捨てても良いという発想が前提となっているのも許せません。
原発がなくても電気は足りているのです。金儲けのために、原発を動かすのは倫理に反します。私たちは、被曝なく安心して生活する権利を求めます。
八木社長、貴方たちと安倍政権、規制委員会の三者は、お互いに責任を転嫁し合い無責任体制の中で再稼働を進めています。この様な体質が福島の事故を生じさせたことを真摯に反省し、再稼働を即時断念すべきです。原発は、人類の手に負える装置ではありません。再稼働を断念し、原発を全廃する事を要求します。貴方達が、再稼働を進めるならば、私達は、あらゆる手段で粘り強く全原発の廃炉まで戦う事を宣言します。
                        1.24「高浜原発再稼働を許さない!全国集会」参加者一同

 

<参考サイト

<福島でのシンポジウム報告>恐怖の福島 その後4年(1)(韓国・オーマイニュース 2015年3月11日付)
http://www.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_484.html

民衆闘争報道/大飯発電所3・4号機の原子炉を運転してはならない(2014年5月21日)
http://www.shibano-jijiken.com/nihon_o_miru_jijitokusyu_108.html

民衆闘争報道/さよなら原発3.9 関西行動<2>(2014年3月9日)
http://www.shibano-jijiken.com/nihon_o_miru_jijitokusyu_106.html

民衆闘争報道/さよなら原発3.9 関西行動<1>(2014年3月9日)
ttp://www.shibano-jijiken.com/nihon_o_miru_jijitokusyu_105.html

民衆闘争報道/「大飯原発3、4号機の再稼働に断固反対する」(2012年6月15日)
http://www.shibano-jijiken.com/nihon_o_miru_jijitokushu_64.html

民衆闘争報道/「6・17大飯原発再稼働に抗議する県民大会 」(2012617日)
http://www.shibano-jijiken.com/nihon_o_miru_jijitokushu_65.html

「福島第一原発事故は、国家と御用学者達の詭弁を断罪した」
http://www.shibano-jijiken.com/NIHON%20O%20MIRU%20JIJITOKUSHU%2058.html