(民衆闘争報道 奈良−沖縄連帯委員会・米軍ヘリ墜落事故に対する抗議声明 2017年10月20日)
<抗 議 声 明>
米軍ヘリ墜落-怒りに震える人民(沖縄人)の声
奈良−沖縄連帯委員会(代表 崎浜 盛喜)
沖縄県東村高江の民間所有地に墜落炎上し、黒煙を上げる米軍のヘリコプター(2017年10月11日)
[住民提供]
沖縄県名護市安部の海岸で軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイ墜落事故(2016年12月13日)
米軍事故を無くす根本的な解決策は基地の撤去しかない
10月11日、またもや我々琉球(沖縄)人が恐れ、震撼する米軍ヘリが東村高江に墜落炎上するという大事故が発生した。米軍北部訓練場近くの牧草地(民有地)であり、オスプレイ・ヘリパッド建設をめぐって、現在でも地元住民・沖縄県民が激烈な反対闘争を展開している現場である。しかも墜落したのは米軍普天間飛行場所属の大型輸送ヘリコプターCH53Eで、2004年8月に沖縄国際大学に激突炎上した米軍ヘリと同型である。翁長沖縄県知事「とんでもない話しだ。昨年の名護市の墜落事故から1年も経たない内に再び同様の事故を起こしたことに強い憤りを感じる。事故発生に強く抗議する」。「沖縄のおかれた環境にはただただ悔しくもあり、怒りもある」と、怒りを露わにした。
仲嶺高江区長「心配していたこと。こういう事があってはならない。」「区民は、ずっと何時ヘリが落ちるのか、不安を抱えながら暮らしている。米軍はどうしたら聞き入れてくれるのか」。
當山区長(名護市安部)「またかという気持ち。近隣区長とも話すが、余りに頻繁すぎて大丈夫なのかと心配でならない。」「私たちの区も米軍機の飛行ルートにある。(昨年近海にオスプレイが墜落した)落ちない保障はないのに解決策を出さない米軍は信用できない」。
平安区長(伊江村真謝区)「地元でこのような事故がもし起きたら、と考えると怖い。 事故の度ごとに操縦士の教育を徹底するという話しになるが、米軍事故を無くす根本的な解決策は基地の撤去しかない」。
高江の住民の抗議の声「いつか落ちるのではないかと心配していたが、あんな近くに落ちるとは・・・」「こんなにびくびくしながら生活するのは嫌だ」「住民は米軍による訓練の危険性をずっと指摘してきた。事故は危険な状態を放置してきた日本政府の怠慢だ」。(以上、沖縄タイムス、琉球新報より引用した。)
沖縄の憲法は、「日米地位協定」なのか
このような大事故が発生したにも拘わらず、米軍の統制下、地元の消防・警察は勿論のこと翁長沖縄県知事・県幹部さえ米軍に阻止され現場検証もでき無い内に、早々と機体が撤去された。放射線の危険性さえ放置されたままだ。沖縄県民の生命のみならず、財産(土地等)までもが米軍の支配下にあるのだ。軍事植民地・軍事占領地そのものだ。沖縄には日本国憲法は適用されず、「日米地位協定」が沖縄の憲法なのか。日本政府=安部首相、くたばれ、地獄に落ちろ!!
衆議院議員選挙のため、当然事ながら日本政府の対応は「早かった」。だが、その無責任さと腰抜けぶり、そしてアメリカへの遠慮、対米従属ぶりは何ら変わっていない。日本政府は、「沖縄の基地負担軽減」と欺瞞的主張を喧伝してきたが、米軍の相次ぐ事件・事故を黙認、容認してきた結果が今回のヘリ墜落事故に他ならない。
米軍北部訓練場(ほとんど使用されていなかった)の過半を返還する見返りと称して東村高江地区周辺に六つのオスプレイ・ヘリパッドの建設を強行してきた。その理不尽極まりない建設に反対する地元住民や市民に対して、全国から機動隊を動員して、差別(「土人」「シナ人」差別発言)を煽動し、暴力を振るって建設を強行したではないか。
何が「日本国の安全」か。高江の人々や沖縄県民は日本国民ではないのか。高江の住民や沖縄県民には日本国憲法の「平和的生存権」が適用されないと言うのか。米軍機が民家などに墜落し、人々が死亡すれば、一体全体誰が責任をとるのか。安倍首相か、菅官房長官なのか。狡猾な日本政府、わずかな補償金で済ませるつもりなのか。
沖米軍基地の全面撤去を強く要求する
1959年6月、宮森小学校(石川市)に米軍機が墜落し、児童11人を含む18人が死亡、210人もの重軽傷者が出た。68年にはB52戦略爆撃機が嘉手納基地で墜落炎上し、核爆発の恐怖に県民が震え上がった。2004年には、沖縄国際大学に海兵隊ヘリが激突炎上した。2013年には、キャンプ・ハンセンでHH60救難ヘリが墜落した。昨年12月には、辺野古近海にオスプレイが墜落・大破した。・・・・・
沖縄県の発表によると1972年の沖縄返還(併合)以来、米軍機関連の事故は709件に上り、米軍機の墜落事故は48件が発生している。なんと、1年に1回も米軍機が墜落事故を起こしているのだ。こんな深刻な事故の続発が世界のどこにあるのだ。高江ヘリパッド撤去、普天間飛行場の即時閉鎖、辺野古新基地建設を白紙撤回せよ。
今回の事故は、米軍機は至る所に墜落する、ということを改めて証明した。普天間が「世界一危険」だからといって、辺野古に新基地を造ってもその危険は決して亡くならない。危険の分散であり、転移そのものだ。米軍機の墜落事故への不安、恐怖は米軍基地が全面撤去されない限り決して解消されない。これが戦後72年も続いてきた沖縄の現実なのだ。
「日米両政府と両国民の安全と安心」は、我々琉球(沖縄)人の「不安と危険」の犠牲の上に成り立っているのであり、「日米安保」が必要、重要であると考えるならば(日本国民の約70〜80%が賛成という)我々の「不安と危険」も全国民で負担すべきではないのか。それが日本国民が誇りとする「民主主義」の精神であり、選択すべき「道」ではないか。
飛行再開(墜落ヘリ同型機)は、言語道断
10月18日、高江に墜落したCH53Eヘリが飛行を再開した。翁長沖縄県知事は「あの状態で原因が究明できているわけがない。米軍の再飛行を許した日本政府の当事者能力にも疑問を禁じ得ない。」「私たちの気持ちからすると使用禁止だ。切なる思いは撤去だ。」と語気強く抗議した。
我々は、改めて日米両政府に対して米軍ヘリ墜落事故に満腔の怒りをもって抗議すると共に高江ヘリパッド撤去、普天間飛行場の即時閉鎖、辺野古新基地建設白紙撤回、そして在沖米軍基地の全面撤去を強く要求する。
(2017年10月18日)
奈良−沖縄連帯委員会/ 代表 崎浜 盛喜
(奈良市法蓮町432−1中企連内)
TEL 0742−34−7007
<参考サイト>
☆[論考]/日米安保条約と日米地位協定の歴史と、その反民衆的本質(2012年11月1日)
http://www.shibano-jijiken.com/nihon_o_miru_jijitokusyu_77.html
☆[論考]/オスプレイ沖縄配備と、規制なき米軍基地の実態を暴く (2012年10月10日)
http://www.shibano-jijiken.com/nihon_o_miru_jijitokushu_75.html
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