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(民衆闘争報道 <奈良-沖縄連帯委員会から、全国の友人・支援団体 の皆様へ 201911


  奈良-沖縄連帯委員会から、全国の友人・支援団体の皆様に報告し訴えます


1214、 辺野古に土砂を投入、日本政府・沖縄防衛局の極悪非道な暴政を弾劾する。
● 奈良県議会において「米軍基地負担に関する提言の推進を求める意見書」が決議される
た。
●日本の植民地主義を打ち砕く<琉球人遺骨返還訴訟>が開始された。大法廷を埋め尽くし、辺野古と連帯して全力で闘い抜こう


                                        奈良-沖縄連帯委員会代表/崎浜 盛

 

▲沖縄・辺野古沿岸部への土砂投入に抗議する人たち=12月13日夜、防衛省前にて(沖縄タイムス)

12・14  辺野古に土砂を投入、日本政府・沖縄防衛局の極悪非道な暴政を弾劾する
この卑劣な仕打ちが日本政府・安倍首相の本性なのか。「県民に寄り添う」「丁寧に説明する」「基地負担軽減」。憲法・法律を無視し、民主主義を破壊し、人権・生命を蹂躙する極悪非道な暴政そのものだ。
本日、12月14日午前、日本政府・沖縄防衛局は沖縄の民意を踏みにじり、美しい大浦湾に土砂投入を強行した。美ら海が瀕死の危機に叫びをあげている。午前4時頃から市民や我々の仲間達がキャンプ・シュワブゲート前で土砂投入阻止行動を展開した。山城議長は「ねじれるような胸が張り裂けるような思いでやっている。折れる心を奮い立たせよう。」と日本政府・防衛局の暴挙・暴政を厳しく弾劾した。
去る9月30日の沖縄県知事選挙に於いては、翁長元県知事の遺志を尊重し、辺野古新基地建設阻止を訴えた玉城デニーさんが、知事選史上最高の約39万票を獲得して圧勝した。沖縄県民の民意は、辺野古新基地建設反対であり、絶対に揺るがないことを内外に表明したのだ。我々は、沖縄の「民意」を尊重することが日本の民主主義のあるべき姿だと確信している。日本政府がこの沖縄の民意を踏みにじり辺野古の自然を破壊し、新基地を建設するために土砂投入を強行した暴挙は絶対に許されない。

奈良県議会において「米軍基地負担に関する提言の推進を求める意見書」が決議される
故・翁長元沖縄県知事は全国知事会において「基地問題は一都道府県(沖縄)の問題ではない」と訴えられ、これを受けて全国知事会は2年近く論議を重ねて、本年7月27日に「米軍基地負担に関する提言」を政府に提出した。
我々は、沖縄県民の民意を尊重するために12月の奈良県議会に於いて全国知事会の「米軍基地負担に関する提言」を政府が尊重し、積極的に取り組まれれる事を要求する「意見書」を決議するよう働きかけてきた。
奈良平和フオーラム・部落解放同盟奈良県連合会・沖縄の高江・辺野古につながる奈良の会等の市民団体や労働組合が呼びかけに積極的に賛同し、共に行動を展開してきた。
県議会会派の「創生奈良」(社民党・無所属)の梶川県議や山本県議等が奮闘されて、12月4日の県議会において下記の通りの意見書が全会一致で採択された。
琉球・沖縄の厳しい現状を考えると、決して十分とは言えないが、自民党政府と全国民に蔓延する、琉球・沖縄問題に対する「無知・無関心・無視・無理解」の状況を打開していくためのも「琉球・沖縄」問題に関する議論を深め、差別と不平等の下に米軍基地が70%も集中し、なおかつ辺野古新基地が強行建設されている危機的状況を何とかして突破しなければならない。

琉球・沖縄を犠牲にした「日本国と国民の安全」は決して許されない。辺野古新基地建設・土砂埋め立て阻止闘争は完全に阻止するまで諦めない。全ての力、あらゆる手段を駆使して琉球・沖縄との連帯行動をさらに強化し、辺野古新基地建設・土砂埋め立て阻止闘争に勝利しよう。全国から抗議と怒りの声を日本政府・沖縄防衛局に集中させよう。


琉球人の尊厳、美しい自然、人権と民主主義を土砂で扼殺しようとする暴政を絶対に許さない
日本政府・沖縄防衛局は12月14日(金)午前11時、辺野古・大浦湾に土砂投入を強行した。全体の埋め立て予定面積約160ヘクタールの4%ではあるが、大浦湾が死滅の危機に瀕している。「安倍悪政の辺野古・大浦湾災害」が今、まさに襲来しているのだ。
このような暴虐、無法なフアッショ的暴政が許されるのか。2月24日の県民投票ー民主主義の実践を踏みつぶし、沖縄の「民意を埋め立て」ようとする暴政にストップをかけなければならない。憲法や法律を無視し、事実をねじ曲げ、隠蔽、改竄し、そして責任を取らない安倍首相ー日本政府は、この日本の国を戦争と破滅へ突き落さんとしている。  安倍自民党政府の暴走トラックは絶対に止めなければならない。
新聞等の報道を中心に問題点を述べ、皆様方がさらに「沖縄問題」の論議を深め(少々遅れた感は否めないが)、琉球(沖縄)との連帯行動を強められるよう訴えたい。

12・14JR奈良駅前緊急抗議行動〜中学生が参加
寒風の中、土紗投入に強く抗議するために当連帯委員会と高江・辺野古につながる会が呼びかけて緊急抗議行動を展開した。午後5時にはアイ女性会議や脱原発の会、水平社博物館等の仲間達約30人が集まって怒りの抗議行動を行った。途中から3人の中学生も「僕たちも抗議したい」とプラカードを持ってスタンデイング抗議行動に参加してくれた。正直大変感激した。

日本政府の軍事植民地主義が襲いかかってきた
岩屋毅防衛相が「(辺野古新基地建設は)日米同盟のためではない。日本国民のためだ」と発言。日本国民の利益に反して辺野古新基地建設に反対するのは『国賊=非国民だ』と言わんばかりの軍事植民地主義、フアッシズム・排外主義を煽動する暴言だ。
日米両政府は1996年の普天間飛行場返還合意で「5〜7年後に返還」と約束し、さらに2006年の米軍再編では「2014年の代替施設完成後」と発表した。また、2013年4月には「米軍普天間飛行場を22年度またはその後に返還する」と合意したにも拘わらず、岩屋は「2022年度の返還は困難」と政府の約束を反故にする発言を行った。
菅義偉官房長官は「日米同盟の抑止力維持と普天間飛行場の危険性除去を考えた時、辺野古移設が唯一の解決策だ」「沖縄の気持ちは理解できるが、工事は進める」、要するに、「聞く耳は持たない」という悪政のドンらしい虚言を繰り返した。
日本政府が一貫して主張している「辺野古新基地か普天間の固定化か」の二者択一、「米軍基地の沖縄県内たらい回し」は欺瞞政策に他ならず、普天間基地の危険性を放置してきた重大な責任を日本政府は果たさなければならない。
日本政府は、戦後米軍基地を巡って終止一貫琉球(沖縄)人と沖縄県民に分裂(分断)と混乱を持ち込む謀略政治を行ってきた。我々は日米両国・国民の安全保障の犠牲を琉球(沖縄)に押しつけてきた日本政府の軍事植民地主義が一挙に琉球(沖縄)の民衆に襲い掛かってきたことを肝に銘じなければならない。

無法・暴虐な暴政を許さない

玉城デニー県知事/「法をねじ曲げ、民意をないがしろにして工事を進めるのは法治国家、民主主義国家としてあるまじき行為だ。」「国は一刻も早く工事を進めて既成事実を重ね、県民を諦めさせようと躍起だが、工事を強行すればするほど県民の怒りは燃え上がる」「あらゆる手段を講じて新基地建設を阻止する」(12.15毎日)
玉城県知事/「対話は大事だが、対抗すべきところは対抗する。ひるんだり、恐れたり、くじけたりはしない。勝ことは難しいが諦めない。」「うちなーぬぐすーよー、負けてーないびらんどー(沖縄の皆さん、負けてはいけませんよ)」(12.15毎日)
玉城県知事/「地方の声を無視し、国策を強行するやり方は地方自治を破壊する行為で、沖縄だけでなく他の国民にも降りかかってくると危惧している」「全国民の皆様には、このような国の在り方を目に焼き付け、心にとどめていただき、共に声を挙げ、行動していただきたい」。<12.15 記者会見>


翁長樹子さん「また立ち上がる強さを県民はもっている」
翁長樹子さんは12月14日に辺野古の現場で抗議の座り込みを行った。「これだけ民意をないがしろにできてしまう国はいったい何なのか。この国の在り方が問われている。」「沖縄だけ民意を軽んじることが許されるのはおかしいと思わないか」「翁長(前知事)は側にいてくれていると思う。『(基地建設を)止める最後の最後は現場だ。』と言っていた。県民の心をへし折ることはできない。チルダイ(虚脱)しても、

また立ち上がる強さを県民はもっている」。 (12月14日   琉球新報)

「届かぬ苦しみ 市民ら抗議 政府に怒り、辺野古土砂投入 民意を無視」(12.14毎日新聞)
山城博治議長/「激しい憤りを感じる。ふざけるな。ウチナーンチュ(沖縄の人)の誇りと燃え上がるような正義の情熱を高々と掲げ、ゲート前で闘い抜こうじやないか。みんな頑張ろう。政府に負けるな」。
金城秀幸(74)/「安全保障は沖縄だけの問題ではないはずだ。政府は埋め立てによって県民のあきらめを誘おうとしているが、本土に届くまで反対の声を上げ続ける」。
金城節子(69)/「普天間飛行場から辺野古に移したところで沖縄の米軍の事故や事件に巻き込まれる状況は変わらない」「安倍政権が民意を無視することも分かっている。ここで声を上げずにいられるか」。


強行−沖縄の民意は、差別−気づかないのか」(12.14朝日新聞
北山睦子(60)/「政府は辺野古が唯一と言い続けるが、その発言が沖縄への差別になっていることに気づかないのか。なぜ沖縄が戦後70年以上もこんなに基地負担を受け続けなければいけないのか。全国の人に自分たちの問題だと気づいてほしい」。
 稲嶺進(オール沖縄会議共同代表)/「沖縄は戦後ずっと民主主義も地方自治もない。憲法の「番外地」だった。その上、さらに『新たな基地』を受け入れることはできない」「政府が悪いことをした時、止める方法がこの国にはない。無人のダンプカーが暴走するようだ」。

国、「対話」を放棄/県、権限使い対抗(2・15琉球新報)
日本自然保護協会(亀山章理事長)/「この海域の自然に不可逆的な影響を与える」と抗議声明。「工事再開は世界的な生物多様性保全の流れに逆行するもので、直ちに工事を中止すべきだ」。
同協会の安倍真理子氏/「この大浦湾には防衛省の調査で5334種の生物がおり、内262種が絶滅危惧種だ。 象徴的なジュゴンをはじめ、ウミガメや珊瑚など多様で希少な生物が住んでいる」。(*今年は、皮肉にも「国際珊瑚礁年」)
日本生態学会など19の学会が移設反対の共同声明を発表している。

猿田佐世(新外交イニシアテイブ代表)/「なぜ、沖縄だけが実体のない『抑止力』論などによって過剰な米軍基地の重荷を背負い続けなければならないのか。住民の圧倒的多数が反対する政策を政府が強行することが許されるのか」「沖縄に基地負担を押しつけてきた私たちが果たすべき責任」。

「国の強行 県民悲痛、胸 張り裂けそう」(2.15琉球新報)
青木理(ジャーナリスト)/「恫喝。でも基地はできない」「辺野古には日本のあらゆる問題が集約されている。安倍政権には憲法に則った適正な手続きがない。権力に正当性がない。土砂投入は『もう諦めろ』と言う恫喝だ。しかし、基地はできない」。

沖縄国際大学・知花あかり(20)/「辺野古の美しい海が政治の都合で埋め立てられ、外国の軍事基地が造られようとしている」「沖縄に負担を押しつけている。政府は沖縄のための政治をしていない」
移設完了まで早くても13年。反対運動でもっと遅れる。計画から20年余り経ってもまだできていない。

当初政府予算では約2400億円(全て国民の税金だ)。沖縄県予測では約2兆5500億円(さらに、基地の維持経費が1年間で約2000億円かかるとも言われている)

鎌尾章司・日大準教授/「辺野古北東側の大浦湾には、約40mという厚い砂質や粘土質の軟弱基盤がある」大規模な改良工事が必要であり、「当初の想定を大きく超える時間と費用がかかる」。

辺野古の土砂投入始まる 民意は埋め立てられない(12.15毎日新聞)
目取真俊(作家)は次のように言っている。
「沖縄を犠牲にして日米安保の恩恵を享受してきた戦後日本の象徴だ」「負の連鎖」「この島にアイデンティティーを持つ我々には世代を超えた歴史感覚があり、苦しみを次世代に味わわせたくないとの思いがある。市民の力で日米両政府に沖縄は米軍が居ずらい島だと認識させなければならない。変えられない世の中などない」。

「9月末の沖縄知事選挙で玉城デニー氏が当選して以降、表向きは県側と対話するポーズを取りつつ、土砂投入の準備を性急に進めてきた政府の対応は不誠実というほかない」「民間の桟橋を使う奇策まで講じ、力ずくで工事を強行したのが政府だ」「国家権力が決めたことに地方は黙って従えといっているのに等しい」「埋め立て海域の一部に軟弱地盤」「政府は2022年完成の目標を取り下げず黙りを決め込む」
10年先の安全保障はどうなるのか。普天間の危険性はなくならない。普天間は何時返還されるのか。「埋め立て工事は強行できても、民意までは埋め立てられない」


「美ら海 島の声 潰す土砂」(12.15朝日新聞)
平良亜紗美(32)/「日本の発展や防衛のため、沖縄はずっと「ゴミ箱」なんでしょうか」「沖縄はいつも日本に利用され、都合の悪いものは押しつけられてきた。その延長線上に基地問題があり、今の辺野古の問題がある」

「日米地位協定の不平等性」「責任は本土の国民にもある」(12.16日本経済新聞)
「過重な負担には、広大な基地面積だけでなく、騒音、振動、悪臭や米軍人の犯罪をきちんと取り締まれない日米地位協定の不平等性という問題」「責任は本土の国民にもある。『沖縄は借地料を貰っておいて文句を言うな』と言う人がいる。基地用地のほとんどは、戦時に収奪されたものだ。対等に結んだ契約とは話が違う。歴史を知れば、そんな悪口は出ないはずだ」。

高江も工事再開〜卑劣な沖縄防衛局

12月14日、辺野古の土砂投入の「どさくさ」に紛れて、北部訓練場内にあるヘリパッド関連工事が再開された。高江の伊佐育子さん(58)は「辺野古のどさくさに紛れて、高江の工事も同時に進めるなんて県民をバカにしている」と憤った。(12.5沖縄タイムス)

[資料]
「米軍基地負担に関する提言の推進を求める意見書」
奈 良 県 議 会 (平成30年12月14日)

四十七都道府県の知事で組織する全国知事会は、沖縄県をはじめとする在日米軍基地に係る基地負担の状況を、基地等の所在の有無にかかわらず広く理解し、都道府県の共通理解を深めることを目的として、平成二十八年十一月に「米軍基地負担に関する研究会」を設置し、これまで六回にわたり開催してきた。
研究会では、日米安全保障体制と日本を取りまく課題、米軍基地負担の現状と負担軽減及び日米地位協定をテーマに、資料に基づき意見交換を行うとともに、有識者からのヒアリングを行うなど、共通理解を深め、七月二十六日・二十七日の両日に開かれた全国知事会において「米軍基地負担に関する提言」を決定した。
四十七都道府県の知事が、「各自治体住民の生活に直結する重要な問題」として、米軍基地負担の現状や改善すべき課題について共通理解を深め、米軍基地負担の軽減や日米地位協定の見直し等に関する提言を決定したことは、極めて重いものである。
よって、国に対し、国民の生命・財産や領土・領海等を守る立場からも、全国知事会の「米軍基地負担に関する提言」を踏まえた次の事項について積極的に取り組まれるよう強く要望する。
(一)  米軍機による低空飛行訓練等については、国の責任で騒音測定器を増やすなど必要な実態調査を行うとともに、訓練ルートや訓練が行われる時期について速やかな事前情報提供を必ず行い、関係自治体や地域住民の不安を払拭した上で実施されるよう十分な配慮を行うこと。
二)  日米地位協定を見直し、事件・事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立ち入りの保障などを明記すること。
)  米軍人等による事件・事故に対し、具体的かつ実効的な防止策を提示し、継続的に取り組みを進めること。
また、飛行場周辺における航空機騒音規制措置については、周辺住民の実質的な負担軽減が図られるための運用を行うとともに、同措置の実施に伴う効果について検証を行うこと。
)  施設ごとに必要性や使用状況等を点検した上で、基地の整理・縮小・返還を積極的に促進すること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成三十年十二月十四日
奈 良 県 議 会

<琉球人遺骨返還を求める奈良県会議>通信2号
<12・4裁判当日>
2018年12月4日午後3時、京都地方裁判所に原告団が訴状を提出。多くの支援者が集まったため会場を変更して、京都弁護士会館の一室で、記者会見が行われた。

テレビカメラが林立する中、丹羽雅雄弁護団長から原告団と支援者が紹介され、各自の自己紹介があった。亀谷正子さんと玉城毅さんは、琉球を統一した第一尚氏王朝子孫のお二方、照屋寛徳衆院議員(社民党)、松島泰勝龍谷大学教授、彫刻家の金城実さんの5人が原告団である。奈良県会議からは、共同代表の崎浜盛喜さんが壇上に上がった。
京都大学に対して、琉球人遺骨26体の返還と各人に慰謝料10万円を支払えという請求である。訴訟に至ったのは、松島さんと照屋さんが京大に対して、2017年5月以降、遺骨に関する情報の開示等を求めたが、2018年3月以降、京大は対応を拒否してきたからである。ひとえに京大の対応の悪さが訴訟に至らしめた。琉球では、祖霊神が遺骨に宿ると考えられ、遺骨そのものが「骨神(ふにしん)」として崇拝される。これをプラスチック製の直方体ケースに保管するなどという扱いはあってはならない事だと、第二尚氏王朝の子孫という照屋さんは、怒り心頭に発する。当然の思いであろう。

返還訴訟の法的根拠については@憲法20条による信教の自由及び宗教的行為を行う自由、A憲法13条による宗教的自己決定権としての祖先祭祀に関する自由、B「市民的及び政治的権利に関する国際条約」第27条による民族的マイノリティの権利、C民法897条1項の系譜、祭具及び墳墓(遺骨も含む)の「所有権(管理権含む)」は、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が継承(法律では承継という)する。これらのことを裁判所がどのように判断するかである。さらに、国連自由権規約委員会等の所見が紹介された。@2008年10月30日の自由権規約委員会による総括所見にある<琉球民族を国内法で先住民族と明確に認め、彼等の継承文化や伝統的生活様式を保護、保存及び促進する特別な措置を講じなければならない>としたこと、A2018年8月28日の人種差別撤廃委員会による総括所見で<琉球の人々を先住民族として認識することに関して、締約国は、その立場を再検討すること、及び彼・彼女たちの権利を保護するための措置を強化するよう勧告する>としたこと、B2007年9月13日、第61期国連総会での「先住民族の権利に関する国際連合宣言」採択で<宗教的及び文化的な場所を維持し保護し、儀式用の物の使用と管理の権利、人間の遺骨などの返還に対する権利について>が確立している。これらの国際的人権基準もまた、判決に反映されなければ、日本はあいかわらずの「人権赤字国」と判断されよう。
今後とも、裁判の行方をしっかりと注視し続けよう。

<報告集会(響都ホール)>
当日午後6時半から、京都アバンティ9階にある龍谷大響都ホールを会場に報告集会がもたれた。原告でもある松島さんからの基調報告「学知の植民地主義批判−琉球人の自己決定権行使としての遺骨返還」があり、弁護団からの思いが各人語られ、原告の琉球王朝の子孫お二人の決意、各地支援者からの発言があった。丹羽弁護団長からは、このホールが一杯になるようにならねばとの苦言が呈された。参加者は約百名、奈良からは約20名が集会に参加した。集会終了後、京都駅で反省会を行い、解散。以上報告。

      ●琉球人遺骨返還訴訟・第1回公判
           3月8日(金) 午前11時半 京都地裁・大法廷
            日本の植民地主義を打ち砕く裁判が開始される。
            大法廷を埋め尽くし、辺野古と連帯して全力で闘い抜こう。