ホームページ タイトル

 

(民衆闘争報道−朝日関係に関する、朝鮮民主主義人民共和国外務省との会談記録2012512日)


20012
52日、ピョンヤン(平壌)での朝鮮民主主義人民共和国外務省・日本課 チョ・ビョンチョル(趙炳哲)研究員との会談/53日、朝鮮外務省の宋日昊・朝日国交正常化交渉担当大使との会談記録
 (その1


●「日本外務省は、瀋陽合意において、<拉致問題・再調査委員会は、拉致問題解決のため委員会ではなない>と朝鮮側に確言した。」(チョ・ビョンチョル研究員)

[趙炳哲研究員は、"日本側は、088(瀋陽合意における)拉致問題・再調査委員会の設置は、'朝日関係改善のムード作りの為であって、拉致問題解決のための委員会ではない'と我々に確言した。日本側は我々に、朝鮮側からその設置を、外交ルートで発表する事を要請し、我々がそれを実行すれば、我々に対する制裁の一部を解除する事を約束した。我々はその約束を実行した。しかし日本側はその合意を破り捨てた。"と明らかにした。]
▽写真中央 朝鮮民主主義人民共和国外務省−日本課 チョ・ビョンチョル(趙炳哲)研究員(課長待遇)  (於ピョンヤン52日)


[
趙炳哲研究員は、"日本側は、088(瀋陽合意における)拉致問題・再調査委員会の設置は、'朝日関係改善のムード作りの為であって、拉致問題解決のための委員会ではない'と我々に確言した。日本側は我々に、朝鮮側からその設置を、外交ルートで発表する事を要請し、我々がそれを実行すれば、我々に対する制裁の一部を解除する事を約束した。我々はその約束を実行した。しかし日本側はその合意を破り捨てた。"と明らかにした。]


柴野貞夫時事問題研究会


今回、ピョンヤンを訪問した「日朝友好京都ネット訪朝団」の構成グループのひとつである、「新聞−報道学グループ」の4名(・浅野健一同志社大学教授、・立命館大学コリア研究センター専任研究員、・同志社大学大学院学生、・柴野貞夫時事問題研究会代表)は、52日 朝鮮民主主義人民共和国外務省アジア局−日本課 チョ・ビョンチョル(趙炳哲)研究員との会談を,またその翌3日、 朝鮮外務省のソン・イルホ(宋日昊)・朝日国交正常化交渉担当大使と会談を行った。
5
2日、ピョンヤンにおいて、チョ・ビョンチョル研究員は、我々の以下の質問事項に対する朝鮮民主主義人民共和国の外務省見解として、忌憚のない誠実な回答を示された。また、柴野貞夫時事問題研究会からの、「六者協議と拉致問題」に関する補足質問にも、快く答えていただいた。
以下は、我々の質問事項と、チョ・ビョンチョル(趙炳哲)研究員との会談の、記録である。この会談で、チョ・ビョンチョル(趙炳哲)研究員は、拉致問題と日本人遺骨問題について、注目すべき発言を行った。

●瀋陽合意について

08
811日〜12日中国瀋陽で行われた朝鮮外務省ソン・イルホ(宋日昊)朝日国交正常化交渉担当大使と、日本外務省斎木昭隆アジア太平洋局長とのあいだで取り交わされた「瀋陽合意」をめぐる協議で、「日本側は、拉致問題に関する再調査委員会の設置に関する発表を(朝鮮側から)してほしいと頼んできた。それ(再調査委員会の設置とその発表)は、朝日関係改善のムード作りの為であって、拉致問題解決のためではない」と我々に確言し、それを外交ルートに乗せると同時に、対日制裁の一部解除を決定すると取り決めた。しかし、日本はその約束を反故にした。」と、政府間の合意を破り続ける日本政府に対し、「瀋陽合意」の真実を明らかにした。
この「瀋陽合意」における表の合意と同時に取り決められた、両国の外務省同士の約束を反古にする日本側の行為は、200210月、ブッシュ政権に変わった米国が、19936月のクリントン政権時に取り決められた「朝米基本合意」に付属する《非公開了解録第7項》で、米国側が負うべき約束を不履行しておきながら、それをひた隠し、ピョンヤンに乗り込んだブッシュの特使ケリーが、「北朝鮮は、約束を守らなかった。核兵器製造を目的に濃縮ウラニウム計画を推進し、朝米基本合意文に違反している」と攻撃し、「それを中止しない限り、朝米対話も無ければ、とりわけ朝・日関係や北・南関係も破局する」と恫喝した行為を彷彿とさせるものである。(☆ 朝鮮半島の戦争危機を煽る張本人は誰か[シリーズ・その@] (2010年12月31日更新)を参照)
朝鮮民主主義人民共和国との交渉で、白を黒と言いくるめ、北侵略核戦争の口実作りを画策する米国の外交トリックは、これまでの6カ国協議においてもいかんなく発揮されてきた。日本外務省と日本政府は、対朝外交において、この米帝国主義の卑劣極まる欺瞞外交に追随し、そっくりそのまま真似ているのだ。
現在まで朝鮮民主主義人民共和国政府は、一貫して、「拉致問題は、最終的には2004119日〜15日にわたる、薮中外務省アジア大平局長を団長とする日本側合同調査団(外務省、内閣官房−家族支援室・法医学・7名の警察関係者)のあらゆる要求を受け入れ、その対象となった(横田めぐみを含む)8名の死亡にかんする現地調査と朝鮮側の再々調査のすべての資料を日本側に移管し、薮中日本側団長が、調査完了を確認し、"朝鮮当局の誠意ある努力に感謝"を表明した時点で、すべてが完了した」と明らかにして来た。(注―近日中に当研究会より発表される、[拉致問題は、何故解決済みなのか。 拉致問題を、現地取材と最新の資料によって分析する]を参照)
しかし、その後日本政府は、国内に向けては、如何なる科学的根拠もない「横田めぐみ生存説」の主張や、13名以外の「拉致被害者」なるものを次から次へと増やす虚構によって、朝鮮民主主義人民共和国への敵対感情を煽り立ててきたが、この瀋陽での朝日関係改善に向けた協議で、朝鮮当局に対しては、拉致問題を取り上げるいかなる論拠もないため、この様な「瀋陽合意」の「拉致問題再調査委員会」をめぐる虚構が生まれたものと考えられる。
国内向けには、日本政府と外務省は、拉致問題が未解決であり、朝鮮側にもそれを認めさせたと、日本国民に虚偽と捏造の情報を今も流し続けている。
日本政府と外務省は、国民に対し、日本側の提案で作為された「拉致問題解決の為でなく、朝日関係改善のムード作りの為」と言う名目の「再調査委員会」なるものが、朝鮮側から提案されたと偽装することで、朝鮮当局もまた拉致問題が、未解決であることを認識しているかの様に装ったのである。
日本国民に、朝鮮民主主義人民共和国への敵対感情を植え付け、「北脅威論」のねつ造を通して、憲法改悪と軍拡、日米侵略軍事同盟の強化に利用し、日本資本家政府の政権維持の梃子にしようとする魂胆はあきらかである。
国民を欺き、朝鮮民主主義共和国との外交的合意を、平然と踏みにじる日本政府は、朝鮮外務省が明らかにした「再調査委員会」の真相を、自分の口から、国民の前に速やかに明らかにしなければならない。
日本外務省HPは、08811日〜12日の中国瀋陽での「日朝実務者協議の概要」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/abd/jitsumu_gai.html)で、拉致問題に関し、事実を根底から歪める次の様な荒唐無稽な作文を書いていた。
<北朝鮮側は、当初、日本側要求を本国に伝達する等の対応にとどまったが、改めて北朝鮮側の具体的行動を厳しく要求した結果、下記(イ)のとおり、「拉致問題は解決済み」との立場を変更し、具体的行動をとることを約束。
1
)北朝鮮側は、「拉致問題は解決済み」との従来の立場を変更して、拉致問題の解決に向けた具体的行動を今後とるための再調査を実施することを約束。
 日本側より、「再調査」は、「生存者を発見し、帰国させるための調査である必要がある」旨を明確に指摘し、先方も同意。今後、調査の具体的態様等につき日朝間で調整していくこととなったが、迅速な調査が行われ、拉致被害者の帰国を含め、拉致問題の最終的な解決に向け、早期に具体的な結果が得られることが重要。>(日本外務省―日朝実務者協議の概要)
この様な、国家の、国民に対する外交交渉の報告を、これ程までに、事実を歪め厚顔無恥に改ざんする行為は、日本政府に依って事実を知らされず、歪曲された情報で翻弄されてきた拉致家族心情をも踏み躙るものである。
また、国家間の外交的取り決めを、面従腹背する行為は、相手国を冒?し、国民を愚弄する19世紀的国家犯罪である。
日本政府は朝鮮側に対し、自らの不当な行為を謝罪し、瀋陽合意時に取り決められた約束に基づき、朝鮮民主主義人民共和国に対する「制裁」を即刻中止しなければならない。

●日本人遺骨問題について

チョ・ビョンチョル(趙炳哲)研究員は、「ここ数年、大規模工事が行われている中で、多くの日本人遺骨が出てきたのは事実であり、その処理をめぐる問題が生まれている。当方としては、人道的原則に基づいて(日本側から)提起がある場合は、この問題に対応する考えである。人道的立場から対応したいと明らかにしたうえで、しかし、日本における朝鮮人遺骨問題は、絶対に解決しなければならない」と強調した。

<朝鮮民主主義人民共和国アジア局日本課、チョ・ビョンチョル(趙炳哲)研究員への質問事項>
@ 日本の現政権の姿勢について
野田佳彦・民主党政権は、自公時代や、鳩山・菅両政権の対朝鮮敵視政策を変えず、昨年12月の金正日総書記の突然のご逝去の際に、弔意の表意さえしないと言う国際的儀礼、人間として常識に欠く姿勢をみせました。
4
月初めには、不当な制裁を、延長する暴挙を続けています。また、朝鮮学校への無償化除外など、非人道的、非人間的差別を続けています。
この様な状況下で、日本は、平壌宣言を履行し、国交正常化に向かうためには何をなすべきでしょうか。
A 朝日国交正常化交渉の今後について
4
20日、東京新聞(共同通信電)によりますと、ソン・イルホ(宋日昊)・朝日国交正常化交渉担当大使は、4月月16日、金日成主席生誕百周年祝賀行事の日本訪朝団との会合で、日本の敗戦前後の混乱で残留した日本人のものとみられる多くの遺骨が見つかっており、日本側から収集や返還の要請があれば応じる考えがあると言明されたと報じました。また宋日昊大使が、民主党の元拉致問題担当相の中井洽と4回会い、在日朝鮮人帰還事業で朝鮮に渡った日本人妻の一時帰国問題などについて、協議した事も明らかにしたと書いています。
一方、所謂「拉致」被害者家族の横田滋氏は、このほど、「拉致問題」以外の問題から朝鮮政府と交渉するのが望ましいと発言するなど、日本の中にも変化が出ています。
両国の正常化を目指す02917日の日朝平壌宣言、そして宋日昊大使と齋木昭隆アジア太平洋局長が、088月瀋陽での会談で、拉致問題の再調査委員会の設置で合意した事などを踏まえ、今後の両国関係改善の道を拓く為に、日本側が取るべき行動は何でしょうか。
B 人工衛星の打ち上げに関する、日本と国連安保理の対応に対する見解をお聞かせください
貴国が国際機関などに1カ月以上も前から(米国には昨年から)、「人工衛星を搭載したロケットを412日から16日のあいだに打ち上げる」と通知したうえで、416日に行った人工衛星打ち上げに対し、米日韓三国はこれを、≪北朝鮮による「人工衛星」と称するミサイル発射≫と断定した日本政府に従い、メディアも大々的な「ミサイルの脅威」報道を展開しました。
衛星打ち上げも「安保理決議違反」と非難する、米国など国連安保理・常任理事の各国は、アンフェアな二重基準を隠しています。
日本政府はロケットの飛行予定コースに近いとされた沖縄県に「ミサイルを迎撃する」と称し、「自衛隊と称する軍隊」約950人を派遣。PAC3を、初めて沖縄本島、先島諸島に配備し、迎撃ミサイル(SM3)を搭載したイージス艦2隻を沖縄近海に配置。さらに、災害用の全国瞬時警報システム(Jアラート)を使い、沖縄県内26市町村で2度も事前テストを実施し、今にも武力攻撃が始まるかの様な不安感が煽られました。
4
14日付各紙社説は、<発射強行に抗議する>(朝日新聞)、<強固な北朝鮮包囲網の構築を>(読売新聞)、<安保理で厳正な対応を>(毎日新聞)、<さらなる暴挙に備えよ>(産経新聞)、<軍事力よりまず民生だ>(東京新聞)と、「北朝鮮非難」一色でした。
今回の人工衛星の打ち上げに関する、日本と国連安保理の対応に対する見解をお聞かせください
C 海外メデイアが、平壌に支局を開設する可能性はありますか?
今回、人工衛星発射、閲兵式などで、日本のテレビ(NHK、テレビ朝日、日本テレビ、TBS)と、共同通信を含め海外メデイアが入国し、生中継を含め多くの報道を行いました、海外メディアが平壌に支局を開設する可能性はありますか。
D 六カ国協議再開の為に何が必要か、見解をお聞かせください。
E 米国との2.29合意を破棄されましたが、今後の米国との平和条約締結、国交正常化交渉の展望をお聞かせ下さい。
F 日本の東電福島第一原発事故について
昨年311日に起きた日本の東電福島第一原発事故により、放射性物質が朝鮮の大気や海洋を汚染していると思いますが、日本政府は、国交がないから通知していないと言う無責任な回答(浅野教授の質問に対する日本政府の回答)をしています。その後日本政府から原発事故について何か連絡がありましたか。
G  朝鮮には日本統治時代、広島・長崎で被ばくした人たちが多数おられると思います。高齢になられている被ばく者の方々について、日本政府に要求したい事をお教えください。

<朝鮮民主主義人民共和国アジア局日本課チョ・ビョンチョル(趙炳哲)研究員の回答>
金日成生誕100年、人民軍創建80周年の意義深い日に訪朝された事に歓迎の意を表します。我が国民は、突然の民族の父を失った悲しみと悲嘆を、力と勇気に代えて、敬愛するキム・ジョンウン同志の周りに一致団結し、キム・ジョンイル総書記の遺訓を貫く戦いに力強くたちあがりました。
金日成生誕100年、人民軍創建80周年を迎えて様々な政治的行事が行われた。朝鮮人民軍の閲兵式や武装装備展示館の開館式、キム・ジョンイル総書記の、軍業績を示す社会主義強国の偉業を、全世界にとどろかす勝利者の大祭典でした。
また経済分野においても、水力発電所、マンスデ住宅建設やルンナ人民遊園地などが、最後の完成段階にはいるなど、これらは、我々が、チュチェ朝鮮の永遠なる総書記、永遠なる国防委員長としておしいただいた偉大な金正日同志の業績であり、キム・ジョンイル主義の旗を高く掲げ、白頭山から始まった主席と総書記、キム・ジョンウン同志の、一歩の揺るぎもなく、一歩の譲歩もない確固たる意志を、党と人民の一致した意思として表示してきたものです。
我が国は、もはや、昔の帝国主義列強達の角逐戦争の場として踏みにじられて来た過去の弱小国家などではなく、堂々たる強力な政治軍事強国として、如何なる国も手をかける事が出来ない自主強国として発展しました。
私たちは今後とも、キム・ジョンウン同志の周りに一致団結し、チュチェ革命完成の為に更に勇敢に闘っていくでしょう。
さて、先生方の、予めお出しになったご質問に対し、ひとつに纏めながらお答して行きたいと思います。
朝日間の原則的立場や、朝日間で行われた話の内容などは、詳しくご存じだとおもいます。今日、朝日間係は最悪の状況が続いています。ご存じの様に朝日間係の基本は、過去の清算であります。ところが、日本政府は、過去の罪過を否定、回避し、「反北敵視政策」で朝日間係を最悪の状況に追いやっています。
日本では、民主党が政権を握った時以来、数人の首相が交代しました。しかしながら両国関係では、いかなる変化もなく、むしろ悪化の一途をたどっています。
昨年我が民族の慈父である、キム・ジョンイル総書記の永訣に際しての日本政府の対応は、朝鮮人民の憤激を呼び起こしています。総連幹部達の永訣参列のための祖国訪問に対し、制裁にひっかけて妨害し、また「危機管理」や既に解決済みの「拉致問題」を持ち出すなどをして攻撃しました。また、総連の機関に対する強制捜査、在日朝鮮人学校の授業料無料化適用除外などの反総連策動等が、朝日関係悪化の原因となっています。それ以外にも、我が国の民生用人工衛星打ち上げを、長距離弾道ミサイルと攻撃し、軍事的挑発を働くなど、敵視政策に固執してきたことは、先生方も良くご存じのところです。
朝日関係改善の為に何が必要か、日本政府が第一になすべき事は、まず、対朝鮮敵視政策を放棄すること、過去清算を基本内容とするピョンヤン宣言を実行に移す意志を持つこと、またアメリカの対朝鮮の孤立化・圧迫政策に便乗するのではなく、日本の独自的、自主的な対朝政策を樹立することだと思います。また「拉致問題」を騒ぎ立てながら、反朝鮮雰囲気の醸成を図り、それを持って、政権維持の材料としてはならないと考えます。また、総連への民族的権利と自由・平等を保障することであります。
朝日関係の正常化への、これからの道筋について
日本人遺骨問題、日本人妻の故郷訪問問題について、20088月(11日〜12日、実務者協議)の瀋陽合意に基づき、日本側としてどう言う対応が必要かについてお答へします。
まず日本人遺骨問題は、1956年から日本赤十字社から我が国赤十字会に提起された問題です。そして93年の村山訪朝時にも提起され、また様々な民間団体からも提起されてきました。この問題は、どこまでも日本側が関心を持つべき問題であることを指摘します。ここ数年、我が国で大規模工事が行われている中で、多くの日本人遺骨が出てきたのは事実であり、その処理をめぐる問題が生まれています。当方としては、人道的原則に基づいて(日本側から)提起がある場合は、この問題に対応する考えです。しかし、私たちの見るところでは、日本側の態度は、極めて消極的だとおもいます。
日本側からこの問題の提起がない限り、我々も議題として取り上げることはないでしょう。
しかし、日本側にある朝鮮人の遺骨問題は、絶対に解決しなければならない問題です。
日本人帰国妻の故郷訪問の問題は、これまで既に実現して来た問題ですが、日本側の不誠実な態度で中断している状態です。1998年に、これは2回にわたって実現しました。2002年小泉訪朝でも提示され合意をみました。
ところが、合意に基づき帰国妻を送ろうとしたら、日本側は、これは「拉致問題を覆い隠すための北朝鮮の戦術である」としながら、これを受け入れなかったのです。然し私たちは、この問題も人道的立場から解決する立場に違いはありません。
2008
811日〜12日の朝日実務者協議での瀋陽合意を、交渉の出発点にできるかと言う質問にお答えしたいと思います。
会議では、相方の関心事や原則的問題について話し合い、ピョンヤン宣言に基づき、不幸な過去を清算し、懸案問題について協議を通して解決して行くことを確認しました。具体的には共和国側は「拉致問題」については、再調査のための「調査委員会」を設置し、外交経路を通じて日本側に通知すると同時に、日本側は一部制裁解除を行うことで合意しました。
日本側は、「再調査委員会」の発表は、「朝日関係改善のムード作りの為であって、拉致問題解決のためではない」と確言しながら、調査委員会の発足を(朝鮮側から)発表してほしいと頼んできました。
私たちは、要請にしたがって「再調査」のためのグループの責任者を決め、その名前・経歴を駐中国日本大使館に通報しました。
私たちは、この様に約束を守りました。ところが日本側は、この約束を履行しませんでした。当時日本政府は、福田政権から麻生政権に変わりました。日本側は、我々との合意を守らず、制裁延長を図り、拉致被害者たちが生きている事を前提にして対決局面へと方向転換を果しました。つまりこれは、日本側の合意不履行であって、瀋陽合意は日本側の約束不履行で破壊されたのです。
日本は、朝日両首脳までもが署名している朝日ピョンヤン宣言の履行を拒否する、信頼できない国であることは知ってはいました。そこで私たちが理解したのは、もう日本側との「合意」は存在しない。いらないと言うことです。
日本が朝鮮と関係改善できるとすれば、対米追従から脱し自国の国益を優先する自主意識をもったときになって始めて可能です。(つづく)


参考サイト

7月10日、蓮池透氏の講演会が京都で開かれた [2009年7月14日更新]

拉致問題の核心である「横田めぐみ・偽遺骨」は、日本政府による国家的でっち上げである[2011年11月19日更新]