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 ([解説]と[主張]  柴野貞夫時事問題研究会 2016年3月24日)


            米韓合同軍事演習を直ちに中止せよ
                 −朝鮮「祖国平和統一委員会 重大報道」に寄せて


                                                  柴野貞夫時事問題研究会

●米国とパククネ政権は、もし、朝鮮半島で一触即発の事態となれば、一瞬のうちに焦土となるのは南朝鮮である事を、自覚すべきである
●‘斬首’作戦なるものを標榜する米韓合同軍事演習は、近代の人類の歴史においても、人間精神の腐敗と退廃の極致を示す、例を見ない野蛮な事件である。

この祖国平和統一委員会 重大報道」は、韓米合同軍事演習 という 一触即発の全面的な戦争に拡大しかねない、米国と南朝鮮の重大な挑発行為の中でも、この21日の演習目的なるものが、朝鮮民主主義共和国の≪執務室精密打撃訓練≫という、空中から、朝鮮政府首脳部を殺戮する事を目的にした、世界に類を見ない、主権国家に対する野蛮な殺人行為にあることを公言してはばからない米帝国主義とパククネ南朝鮮政権に対し、“この様な挑発を繰り返すなら、南朝鮮の大統領府である<青瓦台>とパククネの主要な権力の中枢を、 実戦配置された超精密打撃手段 で一瞬のうちに焦土と化してしまうであろう”と警告した声明である。
朝鮮〈軍事境界線〉から、ソウルの大統領府・青瓦台まで、せいぜい3050q。ピョンヤンからでも200kmしかない。朝鮮政府がその気になれば、人工衛星を打ち上げる正確な運搬手段を持つ朝鮮の技術なら、1000万人が居住するソウルは、一瞬のうちに焦土と化すであろう。朝鮮政府が、執拗に繰り返される米韓合同軍事演習という挑発行為が、彼らにとって勝算のない危険極まりない軍事的火遊びだと指摘するのは 当然のことだ。
朝鮮戦争の停戦状態を、「平和協定の締結」に置き換え、朝鮮半島と東北アジアの冷戦構造に終止符を打とうと、 一貫して主張してきた朝鮮政府の提案を、今も反対し、無視し続けているのは、 米国とパククネ政権である。
朝鮮戦争から、60有余年、米国は、 停戦協定を 最初に踏みにじり、大量の核兵器を朝鮮半島に持ち込み、以来、米国は、朝鮮を核攻撃の脅威に晒してきた。 米国は南朝鮮と結託し、朝鮮の体制崩壊と、朝鮮半島の資本主義的統一の妄想に固執し、朝鮮に対する核侵略戦争の画策を繰り返してきた。
現在、大規模に展開されている韓米合同軍事演習(3月7日〜4月30日)「キー・リゾブル」「フォール・イーグル」は、朝鮮の体制崩壊を狙った、これまでで最大の、核侵略戦争演習である。
21日には、南朝鮮空軍は、F15KF16、軽攻撃機FA50からなる戦闘機16機と、攻撃編隊軍訓練としては初の、C130H輸送機2機を投入した。 南朝鮮の公表資料によれば、「敵の核心軍事施設打撃シナリオを仮定し、敵の作戦を混乱させ、戦争遂行意志を弱化させる実戦的な空中作戦」を行ったという。

▲写真上 21日 、韓国空軍の主力戦闘機であるF15K22日午後、大邱(テグ)の空軍飛行場上空で実戦兵器であるスーパーサイドワインダー、空対地巡航ミサイルを搭載して非常訓練を行っている。
(出処 ハンギョレ紙)


1994年10月21日、クリントン政権下の米国は、朝鮮との間で、‘政治的経済的関係の完全な正常化に向けて行動する’〈本文から〉「ジュネーブ基本合意書」を取り交わした。紆余曲折を経た対米平和交渉は、大きく進むかに見えたが、朝鮮は、ブッシュ政権の露骨な‘悪の枢軸’論による、 対朝鮮敵視政策によって、 それまでの対米平和交渉を一方的に破棄され、核攻撃の脅しに晒された為、2002年10月 余儀なくNTPを脱退した。
朝鮮の NTP脱退 を契機に、2003年8月、中国主導による第一回6者協議が、朝鮮の核をテーマに開催された。2009年4月14日の朝鮮政府による「6者協議の破棄」に至るまで、数度開催された協議で、米国とその追随国家は、言葉による「合意」を、ことごとく「行動」において破り続けた。
特に朝鮮政府は、 朝鮮の核放棄だけを迫る米国に対し、米国が協議で履行することを約束した南朝鮮に於ける核の検証を米国に要求した。 核の検証を迫られた米は、逆に、6者協議における朝鮮の「合意不履行」をでっちあげ、朝鮮側に全ての責任があるかのように取り繕い、‘国際社会’を欺き続けた。
2009年4月14日、朝鮮政府は、“短期的には6者協議、長期的には北の崩壊”を公言する米国とその追随国家との6者協議からは、朝鮮半島と自国の平和は守れないとして、「6者協議の破綻」を宣言した。
1991年末に南朝鮮当局者の口を通して、“核不在宣言”なるものを発表させ、次の年、1992年、米国が直接口を開き、南朝鮮に配備した彼等の核兵器をすべて持ち出したと言う、所謂“核兵器撤収宣言”を行って、「世界世論」を信じ込ませた。
しかし一方で、米国は、南朝鮮に対する核兵器の」査察を一貫して拒否して来た。米国は、6者協議に於いても、あらゆる言論媒体を総動員し、「国際世論」に向かって、6者協議の‘目的’が「北の核除去」であるかの様に装い、「朝鮮半島全体の核除去」である事実を徹底して隠ぺいしてきた。

現在も米国は、南朝鮮を世界最大の 核兵器庫にし、厚かましくも自分達の核兵器搬入を、認めることも、否定することもしないと言う、<NCNDneither Confirm NOR deny)政策>を持ち出して、世界世論を愚弄している。
南朝鮮から、米国の核兵器が一掃されたというのは、真っ赤なウソである。南朝鮮は今も、米国の核爆弾と核砲弾、核弾頭、核地雷、核運搬手段と核貯蔵庫などがぎっしり詰まった世界最大の核前哨基地である。
朝鮮が、自衛的な核武装に追いこまれたことを批判する権利は、欧・米はもとより、国連安保理にもない。所謂「国際世論」なるものは、世界の中で、唯一朝鮮国家だけを、未だ米帝の核威嚇に晒された冷戦状態に放置し、米帝とその核の傘に潜り込んでいる南朝鮮の、北崩壊を画策する日常的核戦争準備策動を、何ら批判もせず放置するばかりか、国連安保理を動員し、朝鮮に対する一方的な政治的・経済的制裁に加担してきた。
この様な国々に、朝鮮の核兵器開発を批判する資格は、一かけらもない。核実験や、人工衛星の発射の国際法上の権利が、他の国にあって、朝鮮にだけ無いと云う事実は、国際法や国連憲章に照らしても、あってはならないことである。
同様に、尊厳ある主権国家であって、国連の加盟国である朝鮮国家に対し、その首都中枢を攻撃し、国家首脳を捕らえ‘斬首’する為の軍事演習を、公公然と展開すると云う、気違いじみた行為が、「国際世論」の黙認下で進行しているという驚くべき事実は、近代の人類の歴史においても、人間精神の腐敗と退廃の極致として、例を見ない事件である。
我々時事問題研究会は、この米韓軍事演習の実態を通して、 反対勢力や世界の民衆を、ひたすら‘斬首’という野蛮な手段で見せしめにする「イスラム国家―ISIS」が、米国政府がアラブで育てた鬼子である事を、既に明確にしてきたが、黒い帝国主義者―オバマが、この米韓合同軍事演習の目的を、別名「斬首作戦」と言って来た由来を知ることとなった。即ち、米国の執権者とパククネ、さらにその追随国家の支配者どもは、人間の名を語る腐敗した屑だという事である。
米国とパククネは、直ちに 米韓合同軍事演習を中止せよ!
安倍政権は、朝鮮に対する「独自制裁」を直ちに、全面解除せよ!

参考サイト>

☆[論考・2]戦争法廃棄と安倍政権打倒の戦いは、日・米・韓がたくらむ朝鮮に対する核侵略戦争を糾弾する闘いと連結しなければならない  (2016年2月26日)

[論考・1]朝鮮の水爆実験を<非難>する帝国主義者の偽善と欺瞞 (2016年1月22日)

☆377 朝鮮半島における核問題の発生、その主犯は米国 (ウリミンジョクキリ 2013年1月29日付)


☆461 朝鮮半島での核兵器使用計画は、いまだに維持 (韓国・オーマイニュース 2014年10月9日付)

476 米国の将軍がキム・ジョンウン暗殺を公開的に言及した (韓国・プレシアン 2015年1月11日付)

☆482 朝鮮を狙った米国の核兵器は、どれ程のものなのか (労働新聞 2015年2月6日〜12日付)