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(民衆闘争報道 「朝鮮新報」より 2017年4月7日) 


         [クワラルンプール事件]米「韓」情報機関の謀略劇
                    (広島修道大学名誉教授、元共同通信編集局次長) 菱木一美


検証無き報道の氾濫

「北朝鮮公民死亡」事件をめぐって、険悪化した朝鮮とマレーシアの関係は、両国政府の真摯な努力によって一か月半で正常に復した。アジアの平和と安定にとって歓迎すべき外交成果だ。
今回の事件では、事実の検証を欠くメディア報道の氾濫が、日本と韓国で特に目立った。情報源不明のリークなどを基に、「北朝鮮の犯行」と決めつけるもっともらしい伝聞報道や、憶測解説が、テレビのニュース・ショウを埋め尽くした。活字メデイアも例外ではない。

国際世論を誤導

この事件のために、久しぶりの米朝間の準公式協議が中止になり、朝鮮の当局者は協議のための米国入りを直前で阻止された。
朝鮮にとっては、核問題と平和協定の協議をトランプ米政権に迫るための最初の外交攻勢の場だった。その様な大事な外交の場を、バレバレの暗殺劇によって自らつぶすだろうか。
マレーシアのナジブ首相が30日の声明で述べた様に、事件捜査は継続される。事件報道も続く。今後、メデイアは、事実の厳密な検証を基本とし、曖昧情報や未確認情報に踊らされない冷静で公正なジャーナリズムに立ち返えるべきだ。国際世論の誤導は、報道機関の使命放棄につながるからだ。