(論考/ 「安倍・国連演説の欺瞞を徹底批判する」 2017年10月6日)
安倍・国連演説の欺瞞を徹底批判する
朝米基本合意から今日までの朝米交渉の歴史を捏造し、朝鮮に対する米国の核戦争恫喝を正当化する、安倍の<米紙寄稿文>と<国連演説>を糾弾する。
柴野貞夫時事問題会
<連載項目>
@ ブッシュ政権による、朝米合意(ジュネーブ合意)の一方的破棄から朝鮮のNPT脱退へ(今回)
A 第1回六者協議の開催から第3回六者協議までの問題点
B 朝鮮の核保有宣言と、第4回六者協議による<9.19合意>に至る朝米協議の過程
C 第一回核実験から2.13合意と冷却塔爆破(2006年、6.15南北共同宣言−キム・デジュン)
D 第二回核実験から人工衛星の打ち上げ(2009年、10.4共同宣言―ノ・ムヒョン)
1.ブッシュ政権による朝米合意(ジュネーブ合意)の一方的破棄と、朝鮮のNPT脱退
●国連の演壇を朝鮮への核戦争を呼号する場に変えた安倍晋三
安倍は、9月20日、世界の国際紛争を話し合いによって解決しようとする理想を掲げたはずの国際組織―国連総会の演壇から、そのスピーチの80%を、朝鮮民主主義人民共和国に対する敵対的圧力を呼びかける不穏なスピーチにす費やした。
安倍は、核兵器の列強による独占と<NPT>体制の欺瞞に加担し、米国と列強による、絶える事なき核威嚇に対し、やむなく自衛的核武装をせざるを得なかった朝鮮を名指しし、核の放棄に応じなければ、一切の「対話」は無駄であると主張した。この主張は、前日19日のトランプの演説と、軌を一にする内容であった。
トランプは、“朝鮮の脅威により米国が自国や同盟国の防衛を迫られれば、北朝鮮を完全に破壊するしか選択肢がない”と、国連の構成国である朝鮮に対する核戦争を挑発したのである。“防衛を迫られれば”と言う至極曖昧な条件は、朝鮮に対し、一貫して準備して来た「核先制攻撃」政策を実行に移す場合の常套的口実であり、それと同様に、安倍の、“核の放棄に応じなければ、一切の対話は無駄”と言う恫喝も、米国に同調した「核先制攻撃」政策への協力への別の表現である。
朝鮮が、米帝国主義と資本主義列強の核武力による恐喝を前にして、武装解除するはずがない事は、トランプも安倍も百も承知だ。即ち、「核の放棄に応じなければ、一切の対話は無駄である」と言う事は、明確に、朝鮮に対する侵略戦争を呼号したのである。
安倍とトランプは、朝鮮に対する更なる安保理制裁を積極的に煽り、国連の演壇を、世界に向かって朝鮮への核戦争を呼号する場に変え、日本列島と日本国民を、米国による核侵略戦争の阿鼻叫喚の地獄に引きずり込もうと企んだのである。
安倍は、この演説で、朝鮮半島の核問題を巡る、1994年の<朝・米ジュネーブ基本合意>以降の朝米協議の歴史の歪曲を前提に、“北との対話は無駄であり、更なる制裁と圧力の道しか残されていない”更に、米国・トランプの演説を引用し、“‘全ての選択技は、テーブルの上にある’と言う米国の立場を支持する”と、ヒステリックに叫んだ。
対話が“無駄”と言うなら、残された道は、核戦争しかない。凡そ、国際連合は、二度に亙る世界戦争の惨禍を、三度と繰り返さない為の「国際平和」の為の組織のはずだ。
国連憲章第1条は、平和の破壊をもたらす国際紛争や状態を平和的方法で、そして正義と国際法の原則に合うように、調停したり解決することを規定している。 朝鮮民主主義人民共和国は、1950年代から始まり、世紀を超えて続いてきた、米国の常態的な核威嚇から国家の安全を守るために、できること全てをやった末に、やむを得ず核武装の道を選んだ。朝鮮が核武装を決定したのは、米国の常態的な核威嚇から、自国を防衛するための正当な自衛的措置である。
●国連総会決議<3390号>(1975年)を今も拒否し続ける米国
1975年国連総会決議<3390号>で、地球上に唯一残ったホットスポットである、朝鮮半島における「停戦協定」を、直ちに「平和協定」に置き換え《国連軍司令部》を解体することを決議し、その決議の履行を要求したのは、国連の当然の義務であった。
世界のどこを探しても、半世紀にわたって戦争状態が続く、そんな場所はない。この、国連総会決議―<3390号>に基づく平和協定の締結を、朝鮮は、米国に向かって、再三呼びかけて来たにも拘わらず、米国は今日まで、拒否し続けて来た。国連とその構成員が、「決議」にとどまっているだけでは、何の意味もない。総会決議を履行しない米国のこの横暴を糾弾し、それを実行させる「制裁」を加えなければならないはずである。
「停戦」とは、戦闘が中断している状況の戦争状態のことである。今日繰り返されている、停戦協定のもとでの大々的な米韓合同軍事演習は、それ自体が<戦争状態>を意味している。
当時でさえ(国連総会決議<3390号>を決議した1975年)、朝鮮戦争停戦から22年も経過し、今日、2017年段階でも、一触即発の状況が既に64年間も継続している。朝鮮の人民は、一時も、過酷な「戦時状態」と、国連安保理による度重なる非人道的な<経済制裁>から解放されていないのだ。
とりわけ、米国はこの状況下で、朝鮮に対し、停戦協定の違反行為を執拗に繰り返し、核戦争の一触即発の危機を生み出してきた。
停戦協定は第2条13項で、「南朝鮮の国境外から増員する軍事人員と作戦飛行機、装甲車、武器弾薬を持ってくることを中止する」と規定している。1976年以降、大規模兵員、核空母核潜水艦、重爆撃機、戦闘機など、戦略兵器を配備する米韓軍事演習は、明確な停戦協定の違反である。演習の開始は宣戦布告と同じである。
平和を追求する場である国連総会で、戦争を煽ったり、戦争に向けて、加盟国の一方を威嚇する国家は、かって存在しなかった。安倍演説は、安倍に先立って行ったトランプの“北朝鮮の脅威により米国が自国や同盟国の防衛を迫られれば、北朝鮮を完全に破壊するしか選択肢がなくなるだろう”と言う主張に、完璧に同調したものであり、この二人の演説は、総会参加者に戦慄を呼び起こした。
米国はこの8月、米韓合同軍事演習で、ステルス戦闘機F―35Bと戦略爆撃機B−1Bランサー編隊が同時に、休戦ライン付近で実弾訓練を展開し、38度線・太白山には、模擬核爆弾を投下した。朝鮮が自衛的に、数回、ミサイル発射試験を公海上行で行うのとは意味が違う。明確に、停戦協定を踏みにじって、1975年から40数年間も、朝鮮に対する軍事行動を大規模に展開して来た只中で、二つの強国の執権者が“朝鮮との対話は無駄だ”と叫んだのである。この二つの国の執権者の発言の深刻な意味を、国際社会は糾弾しなければならない。
●<朝米基本合意と9.19合意(第6回六か国協議)>をすり替える安倍
東アジアの核戦争火付け人・安倍晋三は、9月20日の国連総会での一般討論演説を前に、17日(現地時間)ニューヨークタイムズ(NYT)に寄稿し、「北朝鮮の脅威に対抗する連帯(Solidarity Against the North Korean hreat)」なる題名の寄稿で「全世界が、前例なく深刻かつ差し迫った北朝鮮発の脅威に直面した」とし「国際社会は団結して制裁を加えなければならない」と主張した。また、北朝鮮の相次ぐミサイル試験発射と化学兵器攻撃の可能性が「北東アジアでは四半世紀にわたり実質的な脅威」だったとし、特に北朝鮮が1970・80年代に起こした日本人拉致事件に言及し、日本が北朝鮮問題において利害当事者であることを強調した。
さらに「依然として外交を優先視して対話の重要性を強調するのは、北朝鮮が相手では意味がない」と、その根拠として、北朝鮮が1990年代初めに軽水炉の建設と重油提供を受ける条件で核プログラムを凍結することに合意したが数年後にウラン濃縮プログラムなどで合意を違反した点、2000年代初めの6カ国協議で非核化に合意しておきながら2006年に核実験をした点などを挙げた。
安倍首相は「国際社会は北朝鮮に対して制裁緩和と支援を見返りとして提供したが、北朝鮮政権は多くの約束を無視した」とし「このような歴史と相次ぐミサイル発射および核実験を考慮すると、北朝鮮とのこれ以上の対話は行き詰まり(dead end)の道」と主張した。この寄稿文は、その後行われた、国連総会での安倍の演説の要約でもあるが、この晋三の主張は、全くの捏造と欺瞞の上の成り立った根拠無き主張である。
安倍は「全世界が、前例なく深刻かつ差し迫った北朝鮮発の脅威に直面した」とする根拠に、「相次ぐミサイル試験発射と化学兵器攻撃の可能性」を挙げている。まず、何をもって北の「ミサイルの発射が脅威」と言うのか。
米国は論外だが、日本も、軍事衛星を打ち上げる大陸間弾道技術を持った運搬手段である、<H−2>ロケットを持っているではないか。フランス、中国、イギリス、インド、イスラエルはもちろんの事、南朝鮮でさえ、<なろ>、<ありあん>など、人工衛星や、軍事ロケットを、欲しい侭に打ち上げている。問題の本質は、「ミサイルの発射」自体が問題なのではなく、衛星発射であれ、長距離ミサイル発射であれ、誰がそれをするのかによって、「挑発と脅威」の基準が変わると言うことである。主権平等の原則を謳う国連安保理が、この様な二重基準によって朝鮮に対する不法な「制裁」を行い、それが、資本主義列強とその追随者によって「法の支配」であるとされている事こそが、問題なのである。
また、もう一つの根拠無き捏造が、「化学兵器攻撃の可能性」である。安倍は、3月の、米「韓」情報機関による謀略劇、いわゆるクワラルンプール空港事件なるもので、朝鮮が化学兵器(毒ガス)を使ったとする事件を臭おわせながら、朝鮮の「化学兵器攻撃の可能性」をでっち上げ、挙句の果ては、それをミサイルに装着しようとしていると、捏造を膨らませ、日本人と「国際世論」に、根拠のない脅しをかけている。
朝鮮の「化学兵器攻撃」なるものについて、何を根拠としているのかを、何一つ証明できない為に、「可能性」と言う表現で、国際社会を欺いている。安倍らしい卑劣な行為である。マレーシア政府は、VXの使用証拠はないと、「北犯行」説を全面否定しており、元来、朝鮮の「毒ガス製造」そのものも、どんな根拠もない。
●米国は<2005年の六者協議の成果文9.19合意>を如何に歪曲し、如何に破ったか
安倍は、「対話の重要性を強調するのは、北朝鮮が相手では意味がない」とする理由を、「軽水炉の建設と重油提供を受ける条件で核プログラムを凍結することに合意したが数年後にウラン濃縮プログラムなどで合意を違反した点、2000年代初めの6カ国協議で非核化に合意しておきながら2006年に核実験をした点」と言う2点の不履行を挙げている。これ等は、<@1994年の朝・米枠組み合意とA2005年の六者協議の成果文9.19合意>を指しているが、これ等こそ、白を黒と言いくるめる不埒な欺瞞である。
@について言えば、この9.19合意を破ったのは、互いに核兵器を含む武力を使用せず、威嚇もしない事を約束し、また2003年までに北が稼働させている黒鉛炉の代わりに、2基の軽水炉を完成させると言う大統領の担保書簡まで破棄し、クリントンに代わって、朝鮮を「悪の巣窟」と名指しし、核先制攻撃を公言したブッシュの米国に他ならない。
Aについて言えば、「相互尊重と平等の精神、関係正常化と平和保障条項、同時行動原則」(9.19共同声明)を破って、朝鮮に対する核攻撃計画を撤回せず、威嚇を継続し、朝鮮の海外口座に制裁を加えた米国に、全ての責任がある。
今日まで、ほぼすべての資本主義商業媒体や「国際世論」、また、日本の一部左翼まで巻き込んで、「朝・米基本合意」以降の朝米協議の歴史に対する歪曲が、「常識」としてまかり通っている。これを「常識」として、朝鮮に対する巨大な核武力で威嚇して来た帝国主義列強こそが真の加害者であり、米国による苛烈な核威嚇に曝されてきた朝鮮が真の被害者である事実を見失ってきた。やむを得ず自衛的に核武装し、ミサイル能力を高める事が「挑発行為」であるとする,歪曲された主張がまかり通って来たのである。
朝鮮に対する蔑称としての「ならず者国家」は、世界の秩序を「挑発行為」で破壊する輩として「圧力」を加えられ、「制裁」対象とする事を容認する「世論」を作り上げられて来た。その場合、「朝鮮の合議違反」の核心として、挙げられるのが、<@1994年の朝・米枠組み合意とA2005年の六者協議の成果文―9.19合意>に対する朝鮮による「不履行」である。これほどの歴史の真実に対する歪曲はない。
国連総会で、過去、朝米交渉と六か国協議の経緯の歪曲を通して、朝鮮が核武装せざるを得なかった歴史の真実を隠蔽し、米国と共に、朝鮮に対する核戦争を鼓吹した安倍は、国連総会から帰国後の9月25日、首相官邸で記者会見を行い、28日の臨時国会の冒頭で、衆議院を解散する事を表明した。
●安倍は、「憲法九条に自衛隊を明記」を強調
安倍の国会解散の狙いは、籠池(森友)/加計疑獄に対する高まる国民の追及を、国会審議を閉ざすことで隠蔽するも、その後も、籠池(森友)問題で新たな疑惑が浮上し、財務省摘発に動く大阪地検特捜部を封じ込める狙いと、朝鮮によるミサイル・水爆実験に対する世論操作が、資本主義媒体の「反朝鮮キャンペーン」の一定の効果によって、安倍自民の急落していた支持率が、数か月ぶりに上昇した事を、政権維持のチャンスと考えたからに他ならない。
安倍は、この日の記者会見で、解散・総選挙の「争点」を、「北朝鮮問題」に据える事を明言した。「朝鮮の脅威を煽る」事しか、腐敗堕落した安倍自公政権の生き残る道はないのである。
安倍は、ここでも、“北朝鮮に全ての核兵器・弾道ミサイル計画を完全な検証可能、かつ不可逆的な方法で放棄させなければならない。そのことを北朝鮮が受け入れない限り、今後ともあらゆる手段による圧力を、最大限まで高めていくほかに道はない。私はそう確信しています。”と、国連総会における主張を繰り返した。
凡そ、100%不可能な条件を前提に、それを受け容れられないならば対話はあり得ないと言う安倍の主張に対し、或る日本の資本主義言論は、“圧力は、対話を引き出す為の手段である。にも拘らず、首相は、対話路線を否定し、対立軸を無理やり作り出そうとしている様に見える”と、批判している。
更に安倍は、国連総会における対北戦争宣言を、国内における総選挙に向けての選挙政策に置き換え、(北朝鮮の脅威から)「国民の命と平和な暮らしを守り抜く<国難突破選挙>だ」と主張した。その為には、この選挙を通じて、「憲法九条に、自衛隊を明記」し、日米軍事同盟における自衛隊の軍事活動をより強力に展開しなければならず、そのことを、「国民に信を問う選挙だ」と強調した。
「北朝鮮の脅威」を煽り、安保法制における「存立危機事態」なるものを自ら捏造して米国の核戦争に自衛隊を投入し、米国と競いながら東アジアと朝鮮半島における独自の軍事的覇権を狙う事を公言したのである。8月から9月にかけて行われた朝鮮半島での米韓合同軍事演習に、日本航空自衛隊が参加した事実は、その演習が、朝米間の<停戦協定>下と言う準戦時下での演習である事を考えれば、即時に戦闘が開始する可能性がある事を意味する、明らかな戦闘行為への参加である。これは憲法蹂躙行為であることは勿論だが、(憲法違反の)安保法制からも容認されていない不法行為だ。
●安倍は<ピョンヤン宣言>と<ストックホルム合意>から免れる事は出来ない
日本国民は、自分自身の為にも、過去日本の支配者たちが遂行した植民地支配と、侵略戦争によって過酷な被害を蒙った朝鮮の人々の為にも、安倍と日本の支配者の許しがたい企みを許す事があってはならない。
安倍は、今日でも一貫して、朝鮮・中国をはじめとするアジアに対する、侵略戦争を否定している。この態度こそ、日本国民にとっての<国難>であり、朝鮮民族にとっての<脅威>ではないのか。
2002年9月17日ピョンヤン宣言で、「植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した」時、その場に副官房長官として同席したはずだ。
また、2014年5月26日から28日にかけて、ストックホルムに於いて朝鮮民主主義人民共和国との間に交わした、“過去を清算し、懸案事項を解決また、国交正常化を実現する意思を改めて明らかにし、日・朝間の信頼関係を醸成し、関係改善を目指して誠実に履行する事にした」のは、安倍政権として決定したもののはずだ。
安倍は、これ等、朝鮮に約束した国家間の約束を、一つとして「履行」しないばかりか、また再び、「朝鮮の人々に多大の損害と苦痛」を与え様としている。アジアと朝鮮民族に対する正真正銘の加害者が、被害者を装って戦争を企み、過去の犯罪を帳消しに出来ると考えたら、どんな神も許さないだろう。
●「拉致事件」は矮小な歴史の1コマにすぎない
安倍は、ニューヨークタイムズ寄稿文と国連総会において、“拉致被害者問題”を、北朝鮮による脅威として蒸し返しているが、敢えて言えば、「拉致事件」と言う、矮小な歴史の1コマが、日本の植民地支配の長い加害の悲劇の歴史より、もっと大きな重さを持つと言う事は断じてあり得ない。
日朝関係のあらゆる問題で、植民地支配に対する歴史的罪過と「拉致問題」を、同じ天秤にかける事は、広大な海と狭小な水たまりを比較する様なものだ。「拉致問題」なるものは、既に解決済みの問題である。しかし、安倍は拉致問題を未解決だと主張して来た。であれば、「北朝鮮との対話はあり得ない」とする安倍の主張は、<拉致問題>に何らの関心もないと言う事を示している。
ストックホルム合意は、簡潔に言えば、日本の責任と朝鮮側の双方の懸案事項を取り決めたものだ。それは、「 共和国側と一緒に、朝・日平壌宣言に基づいて、不幸な過去を清算し懸案事項を解決また、国交正常化を実現する意思を改めて明らかにして、日朝間の信頼関係を醸成し、関係改善を目指して誠実に履行すること」そして、「1945年を前後して共和国領内で死亡した日本人の遺骨と墓地と残留日本人、日本人の配偶者、拉致被害者と行方不明者を含むすべての日本人のための調査を包括に全面的に実施しよう」とするものであった。
しかし、ストックホルム合意は、<拉致問題>の進展を不服として、これ等の懸案を解決しないまま、日本政府によって破綻させられた。朝鮮民族にとっては、日本が果たすべき歴史清算が未解決のままであり、日本人にとっては、3万〜4万体と言われる遺骨が、朝鮮の山野に、日本政府の怠慢によって十分な埋葬が行なわれないまま放置されている。安倍は、何故、ストックホルム合意を破たんさせたのか、明確に日本国民と、朝鮮の人々に誠実に釈明しなければならない。
ただ言える事は、「北朝鮮との対話はあり得ない」とする安倍晋三の態度からは、どんな解決もあり得ないと言うことである。要するに、安倍は、それらの解決に、どんな志(こころざし)もないと言うことである。安倍のニューヨークタイムスの寄稿文と、国連における<拉致問題>の蒸し返しは、その解決を訴えたのではなく、朝鮮に対する敵意を脚色する材料として、利用しただけである。
安倍と、彼を取り巻く極右グループが、常にその衿に着けている青いバッチは、“横田めぐみ”救出運動のシンボルと言うことらしいが、彼らが実際にやっている事は、“横田めぐみの救出”に名を借りた、朝鮮への敵意発揚と戦争キャンペーンに過ぎない。
韓国の保守系日刊紙・<東亜日報>は、2014年11月、横田めぐみが、既に死亡している事実を、大きく報じた。しかも、この情報は、日本の外務省も安倍内閣も、共有していると伝えている。要するに、安倍は<拉致問題>の事実関係を隠蔽し、<横田めぐみ>の生死さえ‘コントロール’しながら、政治的利用の為に時々出し入れする、ポケットの中のカードにすぎないのである。
我々日本人は、この様な捏造と欺瞞と退廃のごみ溜めから、不愉快な顔を突き出している安倍ファシストを、徹底的に踏みつぶさなければならない。
●日本の反戦運動は「朝米協議の歴史」の巧妙な歪曲に影響されてはならない
米国による「朝米協議の歴史」の巧妙な歪曲は、朝鮮国家の正当な自衛的核保有を毀損する為に最大限利用されてきた。それは、先述した様に、<@1994年の朝・米枠組み合意とA2005年の六者協議の成果文―9.19合意>に対する履行を、米国が破った諸事実を歪曲し、恰も朝鮮がその合意を履行せず、その結果として核保有を強行したと、世界の世論を誤導してきた。この誤った認識は、日本の左翼陣営にも影響を与えている。
例えば、日本共産党は、従来から一貫して、“無謀な挑発行為”として朝鮮の核武装とミサイルの開発を無条件に反対して来た。2017年9月23日付党機関紙―<赤旗>の報道によれば、笠井亮副委員長は、22日の記者会見で、<北朝鮮問題>を(安倍政権が)解散・総選挙の争点に浮上させようとしている事について問われ、“核・ミサイル開発は、断じて許されない。経済制裁の強化と一体に、今こそ対話による解決が必要だ”と述べ、“トランプが朝鮮を完全に破壊する選択技を口にし、北朝鮮が史上最高の超強硬な対応措置に言及しています。北朝鮮の暴挙に対し、威嚇・挑発し合うのは、極めて危険です。偶発や誤算による軍事衝突になるのが一番危険。米朝の前提なしの、直接対話が、いよいよ重要だ。”と強調したと述べた後、笠井副委員長は、“北朝鮮が1994年の『枠組み合意』や、2005年の『6者共同声明』を裏切ったのは事実だが、問題はオバマ大統領の時代に、『戦略的忍耐』で、対話拒否の立場を取った事だ。その間に北朝鮮は、核開発を急速に進めた。”と回答した。
笠井亮副委員長は、朝米間の極限的な対立構造の進展に対し、その主たる原因を、(核・ミサイル開発を進める)“北朝鮮の暴挙”に求めている。それは、“北朝鮮が1994年の『枠組み合意』や、2005年の『6者共同声明』を裏切った”末の核開発であると言っているのである。こんな視点は、“無条件の対話”を主張する一方で、朝鮮の“核・ミサイル開発”を「暴挙・挑発」と糾弾し、「経済制裁の強化」が当然だと言う、無謀にして反人道的な主張や立場が必然的に導きだされるのだ。何故、朝鮮にだけ、核・ミサイル開発が“断じて許されない”のか、何故、朝鮮にだけ、乱発される安保理決議を非難しないのか、少なくとも、“共産主義”を看板に押し立てる党のするべき行為ではない。
笠井副委員長は、“北朝鮮が1994年の『枠組み合意』や、2005年の『6者共同声明』を裏切ったのは事実”と主張するなら、その根拠を明確に精査した上で、党員と支持者、そして共産党を唯一の革新政党として期待を込めて見守る国民大衆に、正しい情報と真実を伝えるべきである。
日本共産党が、朝米関係の正しい視点を持つための問題点を以下に指摘したい。それは、第一に、朝鮮が核保有に至った朝米交渉の歴史に対する深く正しい認識を欠如している事(朝米基本合意や、六者協議における9・19合意等に対する)、第二に、朝鮮が、今もなお、米国を軸とする帝国主義列強による体制打倒を狙う攻撃に晒され、戦時体制真只中に置かれている現実を理解していない事、第三に、国際平和組織を自称する国連が、米国と列強の世界支配の為の政治的道具と化し、意に沿わぬ国家に対する警察機能となって、主権平等の原則が著しく損なわれている現実を理解していない事、第四に、帝国主義勢力の侵略に晒された社会主義朝鮮に対する、国際連帯意識が根本的に欠けている事、そして、第五に、世界の資本主義言論媒体と国家権力によって捏造された朝鮮社会の<悪魔化>を、見破り批判する、目的意識的な党の努力の欠如。等が挙げられる。
我々は、日本共産党が、今後、これ等の認識を確立し、日本の社会運動における最も大きな力として、朝鮮を巡る誤導された国民意識を正しい方向に転換する努力をすることを、切に願うものである。
我々は、トランプと安倍が、朝鮮半島の核侵略戦争を、「北の不法行為による脅威」に対する正当な反撃かのように見せかける欺瞞を、暴かねばならない。
●核兵器拡散防止条約<NPT>とは何か
我々は次に、<朝米ジュネーブ基本合意>を起点として、朝米外交の真実を具体的に明らかにしたいと思う。ここで、前提的に確認すべきことがある。
●そもそも、核兵器拡散防止条約<NPT>とは何であるか。
米ロ英仏中に核保有と新たな核開発を認めながら、非核保有国に核兵器の生産と保有を禁止し、2)非核兵器国のみに保障措置を義務付けるなど、基本的に差別的であり、<NPT>は、保有国に軍縮の義務と、非保有国への核の威嚇、攻撃を認めていないが、実際には、米国によって破られている。
70年間にわたって、米国の核による恫喝に耐え、止むを得ず、自衛的核武装に至った朝鮮だけが問題視され、インド、パキスタン、イスラエルが、制裁対象に成ったことはない。<NPT>体制の維持とは、列強の世界支配を核の威嚇で貫く不当な政策である。
●朝鮮は、朝米合意による黒鉛炉の中断と、約束されたはずの「軽水炉」建設の意図的遅延によって、エネルギー供給の重大な損失被害を受けて来た被害者である。
その損失は―2003年完成予定とされた《軽水炉》まで、エネルギー供給の中断がおこなわれるのであるから、すでに稼働し始めた《黒鉛炉》とその関連施設を中断する事による損失は、代替え燃料、年間50万tの重油を、遥かにこえるものであった。しかも、重油供給は中途で中断され、軽水炉は、基礎工事だけで放置された。軽水炉1号機が完工する計画であった2003年には、年間100万キロワット、その翌年からは200万キロワットの電力損失をこうむることとなった。米国による軽水炉建設の約束不履行は、その口実として「核疑惑」の捏造にとどまらない、いくつもの「難癖」が持ち出された(後述。)朝鮮は、「黒鉛炉」を中断し、核兵器に転用されにくい「軽水炉」を受け容れたにも拘らず、米国主導の「朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)」は、「軽水炉」の建設を引き延ばしていったのだ。
安倍は、国連演説で、朝鮮に《黒鉛炉》を断念させる代わりに、《軽水炉》の提供を,1995年3月、「朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)」を通して着手したことを、次の様に捏造した。
“朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)をこしらえ、これを実施主体として、北朝鮮に軽水炉を2基つくって渡し、またエネルギー需要のつなぎとして、年間50万トンの重油を与える約束をしたのです。これは順次実行されました。”(原文のまま)
これ程の欺瞞と捏造があるだろうか。“軽水炉を2基つくる約束は、順次実行された”と言うのは、真っ赤な嘘だ。
米国が、1994年10月の<朝米基本合意>で、2003年までに作ると約束した軽水炉2基は、2003年時点でも、土台を作っただけで放置され、さらにブッシュ政権に代わり、<悪の巣窟>に対する核攻撃の政策化に沿って≪朝鮮による秘密の核計画≫なるものが捏造され、KEDOそのものも活動を停止したのだ。
<軽水炉>建設の約束は、米国に対し、核の平和利用を認めさせ、朝鮮が中止を約束した黒鉛炉との対等交換条件であって、安倍の言うような“与える”などと言う、尊大に、一方が他方に物を恵み与えるなどと言う、筋合いのものではないだろう。計画は、期限通り実行すべきものであり、重油は、約束通り納納入すべき義務である。
しかし、その約束はすべて履行されなかったのが、事の真実である。安倍は、国連の演台から、朝米協議の核心部分で、世界に向かって嘘をついたのだ。
核開発、宇宙開発における二重基準によって、主権国家の自主権を侵害して来た安保理は、戦争を挑発する組織と化している。(朝鮮の宇宙開発と、核開発が《制裁対象》とするなら、核保有するイスラエル、インド、パキスタン、大陸間弾道ミサイル技術によって軍事衛星を打ち上げる日本、米国、中国、南朝鮮(2013年1月、羅老を打ち上げた)をどうして「制裁」しないのか。)
●核開発、宇宙開発における二重基準によって、主権国家の自主権を侵害して来た安保理は、戦争を挑発する組織と化している。
●国連安保理は、列強の利害を優先し、主権国家に対する抑圧組織になっている。アフガン、イラク、リヴィア、に対する制裁決議は、これ等の諸国に対する米国とNATOの侵略戦争を支えて来た。
●国際条約と国連決議
国連は立法機能を持つものでもなく、あくまでも国際法の原則が前提とならなければならない。安保理決議は、関連する国際法と整合しそれに準じるべきである。
●「挑発と補償」の構図が朝米交渉の歴史だとする米国の主張は「国際世論」を欺く、全くの虚構である。
●米国は、六か国協議を通じて、朝鮮との外交的確認事項を、「国際社会」に歪めて伝え、朝鮮側の主張を毀損したり無視する事を繰り返してきた。重大なのは、自らの履行義務を、朝鮮側との「核交渉」の課題と無関係の事柄で難癖をつけ、自らの不履行を合理化して来た点である。
●米国は常に、「対話」の「ふり」をしながら、「主権国家」の崩壊を意図した 軍事的恐喝」を常用して来た。
●米国は常に、「対話」での「約束」を、「朝鮮国家」の崩壊までの、「口約束」と考えて来た節がある。米国が自らの履行義務を守らなかったのは、朝鮮の「崩壊」を常に妄想して来たからだと考えると、米国の対朝鮮外交における不埒にして、不可解な、直ぐばれる19世紀的騙しと欺瞞の手管の意味が、少し理解できるのである。
●国際原子力機構(IAEA)の査察受け入れから、朝米合意(ジュネーブ合意)まで
●朝鮮政府は、1985年12月、核兵器拡散防止条約<NPT>加入した。
●1986年、黒鉛炉の稼働、再処理施設の完成。(再処理は、NPT体制下でも合法である。)
●1992年、国際原子力機構(IAEA)の査察を受け入れ、1992年5月から1993年2月までの期間に、6回の不定期査察を積極的に幇助してきた。
●米国は、根拠無き<核疑惑>に基づいて、NPTの<特別査察>を要求し、拒否した朝鮮に対し、中断していた米韓軍事演習を再開して軍事的圧力を行使した。
●米国(クリントン政権)は、「寧辺核施設の北爆」を準備した。ここに、第2次朝鮮戦争の危機が、米国によって生みだされた。
1991年のソ連の崩壊は、その同盟国であった朝鮮にとって、ソ連の核による傘を始めとする安保体制も含めて、経済的、政治的に、致命的な打撃となった。
しかし、原子炉発電に関しては、既に朝鮮は、1985年12月26日、ソ連との間で、「朝鮮民主主義人民共和国での原子力発電所建設における経済・技術協力協定」を締結し、黒鉛炉原子炉・VVER−440を4基建設する計画をもち、92年に3基に変更し、既に一部、黒鉛炉の稼働、再処理施設を完成させていたが、ソ連の崩壊は、その計画に大きな支障が生まれたであろう事は想像に難くない。
米国は、ソ連の崩壊後、朝鮮の黒鉛炉が、核兵器に転嫁されることを警戒し、朝鮮の体制崩壊を長期目標にしながら、短期的には、民生用であっても、原子炉の破壊を執拗に追い求めて来た。一方、崩壊直前のソ連は、朝鮮に対し核武器拡散防止条約への加盟圧力を加えていた。
「1978年に、核武器拡散防止条約の寄託国である米国と、かってのソ連、英国は、条件付きではあるが、この条約に加入した非核国家に対して核武器を使用しないと言う≪核不使用担保≫声明を発表した事がある。
朝鮮民主主義人民共和国は、我々に対する米国の核脅威を、除去することに手助けになるだろうと言う希望から、1985年12月、核武器拡散防止条約〈NPT>に加入した。米国が≪チーム・スピリッツ≫核戦争演習を中止すると約束したことに伴って、我々は核武器拡散防止条約の該当条項に準じて、1992年5月から1993年2月までの期間に、国際原子力機構(IAEA)が進めた、6回の不定期査察を積極的に幇助して来た。」(朝鮮外務省備忘録 ≪朝鮮半島と核≫労働新聞2010・4・21付―当サイト参照)
1992年1月、朝鮮政府は、IAEAとの<核安全措置協定>締結、同5月16日、核施設のリストをIAEAに提出し、再処理したプルトニウム(NPT体制の下で、再処理は、容認されている)が90グラムである事まで申告し、IAEA要員の受け入れ、監視カメラの設置、核施設の凍結など、朝鮮は、驚くほどの対応をした。本来5か国の列強による核の独占と、それを担保する<NPA>体制こそが、国際政治における大国の横暴であり、核を持たざる国を核で脅迫する、不法行為を横行させる根源であるが、当時、韓国の政治学者リ・ヨンヒ教授が“北の政治的軍事的後退”と評するくらい、朝鮮は、100歩も200歩も譲って対応したのである。
しかし米国は、1993年2月25日、IAEA理事会による <特別査察要求>を突き付けて来た。担保協定に従う機構の不定期査察がまだ完了する前に、根拠のない≪核疑惑≫を云々し、それまで前例のなかった、核施設のみならず、軍事施設を含む未申告設備の<特別査察>を受け入れるよう圧力を加えて来た。この<特別査察>なるものの実態は、その後、1992年のイラク事態で赤裸々に露見した。米国は査察の美名の下で、イラクの大統領宮殿までくまなく探し、大量殺戮武器があると言う≪情報≫をでっち上げ、軍事的攻撃の口実とした。IAEAの査察官は、米国のCIA要員だったのである。
朝鮮政府は、当然の事ながら、この要求を拒否した。朝鮮は、1991年―1992年、「朝鮮半島非核化共同宣言」と、「南北基本合意書」に署名したが、その根拠は、1992年1月7日、米韓の「チームスプリット」合同軍事演習が中断した事が大きな理由である。
しかし、米国は、1992年、10月8日、それまで中断されていた「チームスプリット」合同軍事演習を再開し、朝鮮に対し、軍事的恫喝によって、<特別査察要求>を強要しようとした。朝鮮の自主権と安全に対する侵害と捉え、1993年3月8日、朝鮮はチームスピリット再開に対して準戦時態勢宣布した。
朝鮮を丸裸にするIAEAの<特別査察要求>と、軍事的圧力でそれを強要しようとする<米韓合同軍事演習の再開>に対し、朝鮮は、米国の明確な<合意違反>と捉えた。
朝鮮民主主義人民共和国は、「<NPT>条約第10条により、国の自主権と安全を守るため、1993年3月12日、核兵器拡散防止条約<NPT>からの脱退」を決定した。‘米国の核脅威を除去する事に、手助けになるだろうと言う希望から’締結した<NPT>が、逆に朝鮮の自主権と安全を脅かす道具に使われたのである。
米国は、4月1日、IAEAを動員し、朝鮮が保障措置協定を違反していると判定させ、安保理に<違反>を報告させ、 5月11日安保理を利用して、保障措置協定の下での義務を果たすよう要請することを決定させた。
1993年5月、国連安保理は、<朝鮮のNTP脱退宣言 の見直し要求>なるものをでっち上げた(安保理決議825号)。しかも米国政府(クリントン政権)は、案の定、朝鮮のこの自衛的対応に、1994年、寧辺の核施設に対する核攻撃を公然化した。米国の朝鮮に対する核侵略戦争の危機が生まれた。米国は、「寧辺核施設の北爆」を準備した。朝鮮は、「戦争も辞さず」と応じた。
全面戦争の危機が迫った朝鮮半島情勢は、1994年6月、ジミー・カーター元大統領のピョンヤン訪問で劇的に変わった。それまで米国が拒否していた朝米高位級会談が再開された。(南朝鮮キム・ヨンサン政権は、反対した)同10月、ジュネーブで、朝米基本合意が締結された。
●朝米基本合意が締結され、ひとまず米国の核攻撃は回避された
1993年6月11日、ニューヨークにおいて、クリントン政権との政府間協議に基づく、朝米「核問題に関する共同声明」が発表され、それに沿って、ジュネーブで1994年10月21日、「朝米基本合意文」が合意に達した。
ここで朝米両国は、「朝鮮半島の非核化、平和と安全を実現するために」次のような「行動措置」を取り決めた。
@双方は、朝鮮民主主義人民共和国の黒鉛減速炉と諸関連施設を、軽水炉発電所に交替するために協力する。(代用エネルギーは、熱および電気生産用重油で提供する。)
A軽水炉対象が完全に実現された時、朝鮮民主主義人民共和国の黒鉛減速炉と諸関連施設は完全に解体される。
B双方は、政治および経済関係を完全に正常化するために努力する。(3ヶ月以内に通信サービスと金融決済に対する制限措置などの解消を含む貿易と投資の障壁の緩和。相互の首都に連絡事務所を開設。その進展と共に関係を大使級に格上げする。)
Cアメリカ合衆国は、核兵器を使用せず核兵器で威嚇もしないと言う公式保証を、朝鮮民主主義人民共和国に与える。共和国もまた終始一貫、朝鮮半島の非核化に関する南北共同宣言の履行の為の諸措置をすすめる」と。
D「朝米基本合意文」を具体化した、「朝米共同コミュニケ」の締結。
さらに、それまでの韓国における軍事独裁政権にけりを付ける事となった、韓国の金大中と、朝鮮の金正日委員長との南北首脳会談〔2000年6月〕と言う劇的な南北関係の変化を背景に、2000年10月12日、金正日国防委員長の特使である国防委員会第1副委員長趙明禄特使が、直接クリントンにその意思を伝え、「朝米共同コミュニケ」が発表された。
それは、「核問題に関する共同声明」と、「朝米基本合意文」にそって、今後両国の正常な外交関係を(朝鮮戦争停戦後初めて、)開く道筋を具体的に取り決めたものであった。
「朝鮮民主主義人民共和国と米合衆国は、歴史的な南北首脳の出会いによって、朝鮮半島を取り巻く環境が変化した事について認めながら、アジア太平洋地域の平和と安全を強化するために利益になるよう、両国関係を根本的に改善する措置をとる事をきめた。
これと関連して双方は、朝鮮半島で緊張状態を緩和し、1953年の停戦協定を強固な平和保障システムに転換して朝鮮戦争を公式に終息させるために、4者会談などの様々な方途があると言う事で見解をともにした。
朝鮮民主主義人民共和国側と、米合衆国側は、関係を改善する事が国家間の関係で自然な目標となり、関係改善が21世紀の両国人民にとって共に利益になると同時に、朝鮮半島とアジア太平洋の平和と安全も保障する事になると認め、双務関係で新たな方向を取る用意があると宣言した。最初の重大措置として、双方は、両政府とも他方に対し、敵対的意志を持たないと宣言し、今後、過去の敵対感から脱した新たな関係を樹立するために、あらゆる努力を傾けると言う公約を確言した」と。
金正日委員長の特使である国防委員会第1副委員長の趙明禄特使が、2000年10月9日から12日にわたって米国を訪問し、この共同コミュニケを取りまとめる過程での、米国側と特使とのやり取りと雰囲気が、この共同コミュニケの中で生き生きと述べられている。
「趙明禄特使は、歴史的な南北首脳の出会いの結果を始め、最近の数ヶ月の間の南北対話状況について米国側に通報した。米国側は、現行の南北対話の継続的な前進と成果、また安保の対話の強化を含めた南北間の和解と協力を強化する為の諸提案の実現の為、あらゆる適切な方法で協力するとの確固とした公約を表明した。
趙明禄特使は、クリントン大統領と米国人民が、訪問期間、暖かく歓待してくれた事に謝意を表した。
朝鮮国防委員会の金正日委員長に、クリントン大統領の意志を直接伝え、大統領の(朝鮮への)訪問を準備する為に、オルブライト国務長官が近いうちに朝鮮を訪問する事で合意した。」
米国のクリントン政権は、1997年の韓国大統領選挙で、ハンナラ軍政与党候補イ・フェチャンが敗北し、キム・デジュンが勝利したと言う半島情勢の大きな変化が、北に対するこれまでの米政権の対北敵対政策の舵を、本気で大きく切らざるを得なかったことは、少なくともこの「朝米共同コミュニケ」から伺う事ができる。
●不履行の責任を朝鮮に転嫁、国際世論を欺いてきた米国
2001年米国大統領選挙で勝利したブッシュ共和党政権は、全世界に対し「対テロ戦争」を大義名分とした軍事的・政治的覇権を通して、帝国主義的復活を図った戦争国家として登場する。ブッシュがまず手をつけたのが、9・11事件を最大限利用し、アフガニスタンに対する侵略戦争でタリバン政権を崩壊させる事だった。これに味をしめ、更に次の侵略戦争の矛先を、イラン、イラク、北朝鮮に定めた。ブッシュは2002年1月29日の一般年頭教書で、この3カ国を名指しして、「悪の枢軸」と主張したのである。
米国が、イラクに対する大量破壊兵器の存在をでっち上げ、国際原子力機関(IAEA)もまた、米の意に沿って「イラクの申告書に矛盾がある」と根拠の無い情報を世界に流布し、国連を巻き込んで、主権国家に対する侵略戦争を開始したのは2003年3月である。米帝国主義は、2001年以降、侵略戦争の狙いを北朝鮮を含む3カ国に絞り、国際「世論」を誘導するためのデマと捏造の数々を積み上げながら、侵略戦争の手順を計算していたのである。
こんな状況の中で、2002年10月3日〜5日、米国のケリー大統領特使の訪問を朝鮮は受け入れた。アメリカ帝国主義者の代弁人ブッシュがこの訪問にかけた狙いは明らかであった。米国のクリントン前政権との間で、「朝米共同声明」(1993年6月11日)と「朝米基本合意文」(1994年10月21日)を取り交わし、2000年10月12日の段階で、クリントン大統領の朝鮮訪問を準備するためのオルブライト国務長官の来訪まで実現した朝鮮としては、国家間の協定が取り交わされてから1年も経たないのに、2002年1月の、ブッシュに依る朝鮮に対する「悪の枢軸」発言は信じられなかったであろう。しかし、朝鮮は、ブッシュの特使・ケリーの來訪要請を一縷の期待を持って受け入れた。
しかしそれは、ブッシュの「悪の枢軸」発言に沿った一方的な敵対的通告の場となった。前政権との外交的取り決めの文脈と約束事項を歪曲・否定して、「北はウラン濃縮に依る秘密核計画を推進し核計画を認めた」と、全世界の言論に虚偽の情報を流布した。
その後の、「イラクは大量破壊兵器を隠し、国連の査察を妨害した」とするブッシュのでっち上げによる国際世論を平然と欺く手法が、「朝鮮核問題」でも実行されたのである。それは、米帝国主義者によるイラク侵略戦争の火蓋が切られる、ほんの5ヶ月前のことである。ケリーの朝鮮訪問の前後の時期、米国はイラクが、1991年湾岸戦争停戦決議に違反しているとする嫌疑を国連と世界世論に流布、執拗な査察要求を行い、しかも査察要員にCIAメンバーを使い、イラクの軍事施設を丸裸にする調査まで行っていた。
「核問題」と関連した朝鮮外務省代弁人談話(2002年10月25日)は、次の様に記述している。
「敵対的関係を根源的に解消し、平等な立場から懸案問題を解決できるであろうとの期待を抱き、先日米国大統領の特使を受け入れた。しかし、遺憾な事に我々は、特使の訪問を通じ、我々を力で圧殺し朝鮮半島と東北アジア地域での肯定的な情勢発展を逆転させようとのブッシュ行政府の敵対的企図が、絶頂に達している事を確認することになった。」
ブッシュの特使、ジェームス・ケリー次官補(アジア太平洋問題担当)以下8名の随員は、前政権の、未だ何一つとして解決されていない懸案事項の具体化の為に、朝鮮を訪問したのではなかった。最初から、「韓米基本合意文」を一方的に紙くずのように破棄するため、その合意文での、朝米取り決め事項を踏みにじる要求を突きつけてきた。すなわち、ケリー特使は、朝鮮に対し、直ちに無条件に、核査察を受けなければならないと主張したのである。
合意文1条では、米国は、2003年までに合わせて200万kWの発電能力の軽水炉発電所を朝鮮に提供する事に責任を持ち、朝鮮は黒鉛減速炉とその関連施設を凍結する事となっていた。しかし、朝鮮が各施設を凍結してから8年が経過したケリー訪問時においても、軽水炉はその基礎工事を終えたにすぎなかった。合意文では、「軽水炉提供と代用エネルギー保障に対する米国の諸保障を得たうえで、朝鮮民主主義人民共和国は黒鉛減速炉と諸関連施設を凍結し、究極的に解体する。〜凍結期間に、(共和国は)国際原子力機関(IAEA)が凍結状態を監視するように許容し、機関にこれに関する協力を十分に提供する」となっている。
しかし、この合意文には、本来公開されない付帯合意事項を(米国のこの時点での核査察要求を前にして)「始めて公開しなければならなかった」と言う、「非公開了解録」が、米国との間で取り交わされている事を朝鮮外務省代弁人談話(2002年10月25日)は、暴露している。
「基本合意文第4条と、合意文に付属する《非公開了解録第7項》に沿って、我々は、《軽水炉のタービンと発電機を含む非核部分の納入が実現した後に》核査察を受ける事になっていたが、米国は当初から核査察を受けなければならないと言う一方的な論理を持ち出し、恰も我々が合意文を違反しているかの様に国際世論を誘導した」と指摘している。
ブッシュ政権は、米国政府と朝鮮が外交文書として取り交わした国家間の約束を踏みにじり、それを履行する意思がないことを公然と主張したばかりではない。米朝合意に沿った米国の義務の履行を放棄して置いて、逆に朝鮮が「米朝合意」を履行していないかのように装ったのだ。もちろん朝鮮との付属議定書とも言うべき「非公開了解録」の存在などまったく触れなかった。
クリントン政権の下で取り交わされた合意文が示す、「政治および経済関係を完全に正常化する」点に関しても、クリントンからブッシュに至る8年間、何一つ履行されないばかりか、米国の対北敵視と経済制裁は継続のままであり、それどころか、ブッシュ政権は、イラク・イランと共に朝鮮を、「悪の枢軸」と規定し、北侵略戦争の画策をおこなっていた。
更に重大な米国の合意蹂躙を、朝鮮外務省代弁人談話は指摘する。「基本合意文第3条に沿って、米国は核兵器を使用せず、核兵器に依る威嚇もしないと言う公式的保障を我々に提供することになっていたが、米国はそうした保障提供の変わりに、我々を核先制攻撃対象に含めた」と。
米国が基本合意文で義務付けられた4つの項目、即ち、○2003年までに軽水炉発電所を提供する。○政治・経済における正常化、敵対政策と経済制裁の破棄。○核兵器に依る威嚇をしないと言う公式的保障。○非公開了解録で規定された、核査察を受け入れる前に、軽水炉の「タービンと発電機を含む非核部分の納入の完全な実現」←これらすべてを、米国政府は遵守しなかった。
しかし、ブッシュのケリー特使は、(朝鮮が)「核兵器製造を目的に濃縮ウラニウム計画を推進し、朝米基本合意文に違反していると攻撃し、それを中止しない限り、朝米対話も無ければ、とりわけ朝・日関係や北・南関係も破局する」(代弁人談話)と恫喝したのである。
ブッシュの特使の恫喝に対して、朝鮮政府は、代弁人談話で次の様に指摘している。
「・ブッシュ政府は、我々に対する核先制攻撃を政策化することで、核拡散防止条約(NPT)の基本精神を踏みにじり、北南非核化共同宣言を白紙化した。
・ブッシュ政府の無謀な政治、経済、軍事的策動により、我々の生存権は史上最悪の脅威を受けており、朝鮮半島には深刻な事態が到来する事となった。
・こうした状況で、我々座視する事はない。我々は、米大統領特使に、増大する米国の核圧殺脅威に対処し、自主権と生存権を守るため、核兵器はもちろんそれ以上のものも持つ事に成るであろう事を明白に述べた。」
ブッシュの特使の、主権国家に対する不遜にして傲慢な主張に対し、この北韓の反論は、極めて正当である。米国が朝米基本合意の自らの不履行を逆手にとって、北に「査察の受け入れ」を主張するのは、北を米帝国主義者の前に丸裸にし、武装解除する事と変わらない。
先の朝鮮外務省代弁人談話は、一方で次の様に米国に指摘した。
「・しかし、我々は最大の雅量を持って、米国が第一に我々の自主権を認め、第2に不可侵を確約し、第3に我々の経済発展に障害をもたらさないと言う条件で、この問題を協商(話し合い)を通じて解決する用意がある。
・朝鮮半島に醸成された深刻な事態を打開するために、朝米韓で不可侵条約を締結する事が、核問題解決の合理的かつ現実的な方途となる。
我々に対する核不使用を含む、不可侵を法的に確約するのであれば、我々も米国の安保上の憂慮を解消する用意がある。
小国である我が国にとって、すべての問題解決の方式の基準は、自主権と生存権に対する脅威の除去である。」
朝鮮は、既に8年前に米国と一度は合意した事柄を、それを簡単に踏みにじって北韓を追い込み、逆に、北韓侵略の捏造材料探しに狂奔するブッシュ政権に対し、その不条理な行動にもかかわらず、辛抱強く、話し合いでの解決を訴えている。
しかし、ブッシュ政府は、ケリーの訪北の後、「北が核武装を目的に濃縮ウラニウムを製造し、朝米合意を踏みにじった」と全世界に喧伝し、北侵略準備を合理化し、一貫して協商による問題解決を訴え続ける北韓を挑発し続けた。
<資料>米朝枠組み合意(1994年10月21日、スイス・ジュネーブ)全文
米合衆国(以下「米国」)代表団と、朝鮮民主主義人民共和国(以下「北朝鮮」)代表団は、1994年9月23日から10月21日まで、ジュネーブで朝鮮半島核問題の全般的な解決のための交渉をもった。
双方は非核化された朝鮮半島の平和と安全を確保するためには、1994年8月12日の米国と北朝鮮間の合意発表文に含まれた目標の達成と、1993年6月11日の米国と北朝鮮間の共同発表文上の原則ならびに遵守が重要であることを再確認した。
双方は核問題の解決のために次のような措置を講じることを決定した。
1. 双方は北朝鮮の黒鉛減速原子炉および関連施設を軽水炉原子炉発電所に交換するために協力する。
@ 米国大統領の1994年10月20日付けの保障書簡に基づき、米国は2003年を目標時限とし、総発電量約2000MWeの軽水炉を北朝鮮に提供するための措置を進める責任を持つ。
−米国は北朝鮮に提供する軽水炉の財政調達および供給を担当する国際事業体を米国主導の下に公正する。米国は同国際事業体を代表し、軽水炉事業のため北朝鮮と主に接触する役割を遂行する。
−米国は国際事業体を代表し、本合意文に署名後、6か月以内に北朝鮮と軽水炉提供のための供給契約を締結できるように最善の努力を傾ける。契約に関する合意は本合意文署名後に、可能な限り早く開始する。
−必要な場合は、米国と北朝鮮は核エネルギーの平和的利用分野における協力のための両者協定を締結する。
A 1994年10月20日付けの代替エネルギー提供と関連する米国の保障書簡に基づき、米国は国際事業体を代表し、北朝鮮の黒鉛減速原子炉の凍結に従い喪失されるエネルギーを、一つ目の軽水炉完工時までのあいだ保全するための措置を取り持つ。
−代替エネルギーは暖房と電力生産のために重油で供給する。
−重油の供給は本合意文への署名後、3か月以内に開始され、双方間で合意された供給日程に従い年間50万トン規模まで供給される。
B 軽水炉および代替エネルギー提供に対する保障書簡の受付後即時、北朝鮮は黒鉛減速原子炉および関連施設を凍結し、究極的にはこれを解体する。
−北朝鮮の黒鉛減速原子炉および関連施設の凍結は、本合意文への署名後、一か月以内に完全に履行される。同じ一か月の間および、全体の凍結期間の中で、IAEAがこうした凍結状態を監視することが許され、このために北朝鮮はIAEAに対し、全的な協力を提供する。
−北朝鮮の黒鉛減速原子炉および関連施設の解体は軽水炉事業が完了する時に完了する。
−米国と北朝鮮は、5MWe実験用原子炉で抽出された使用済み燃料棒を、軽水炉を建設する間、安全に保管し、北朝鮮内で再処理しない安全な方法で同燃料が処理される方案を探すため、互いに協力する。
C 本合意後、可能な限り早い期日内に、米国と北朝鮮の専門家たちは二種類の専門家協議を持つ。
−片方の協議で専門家たちは、代替エネルギーと黒鉛減速原子炉の軽水炉への代替に関する問題を協議する。
−もう一方の協議で専門家たちは、使用済み燃料の保管および究極的な処理のための具体的な措置を協議する。
2. 双方は政治的、経済的関係の完全な正常化を追求する。
@ 合意後3か月以内に双方は、通信および金融取引に対する制限を含む、防疫および投資制限を緩和させていく。
A 双方は専門家級の協議を通じ、領事およびその他の技術的な問題が解決された後、双方の首都に連絡事務所を開設する。
B 米国と北朝鮮は、相互の関心事項に対する進展が見られるに連れ、両国関係を大使級まで格上げしていく。
3. 双方は核の無い朝鮮半島の平和と安全のために共に努力する。
@ 米国は北朝鮮に対し、核兵器を脅威として用いないこと、ならびに使用しないことに関する公式な保障を提供する。
A 北朝鮮は朝鮮半島の非核化共同宣言を履行するための措置を一貫性を持って取り進める。
B 本合意文が対話を促進する雰囲気を造成していくことの一助となるため、北朝鮮は南北対話に着手する。
C 双方は国際的な核非拡散体制の強化のために共に努力する。
(1)北朝鮮は核非拡散条約(NPT)当事国として残留し、同条約上の安全措置協定の履行を許容する。
(2)軽水炉提供のための契約締結後すぐ、凍結対象ではない施設に対し、北朝鮮とIAEA間の安全措置協定に従い臨時および一般査察が再開される。軽水炉の供給契約を締結する時まで、安全措置の連続性のためにIAEAが要請する査察は、凍結対象ではない施設で続く。
(3 )軽水炉事業の相当部分が完了する時に、しかし主要な核心部品の引き渡し前に、北朝鮮は北朝鮮内の全ての核物質に関する最初の報告書の正確性と完全性を検証する点と関連し、IAEAとの協議を経て、IAEAが必要だと判断するすべての措置をとることを含み、IAEA安全措置協定(INFCIRC/403)を完全に履行する。
「基本合意文には、“非公開了解録第7項”があった
朝鮮政府は、2002年10月25日付朝鮮外務省代弁人談話で、「基本合意文第4条と合意文に付属する非公開了解録第7項」の公開に踏み切った。
朝鮮が進めて来た黒鉛炉に代わる軽水炉事業の進行の中で、ブッシュ政権が「朝鮮の合意違反」を捏造し、朝鮮に対し、2003年までの完成を約束した軽水炉建設を中止させる口実に利用したことに対し、非公開であった「非公開了解録第7項」を明らかにした。
それは、「軽水炉のタービンと発電機を含む非核部分の納入が完全に実現した後に、核査察を受ける」と規定されているにも拘らず、米国は、「当初から核査察を受けなければならない」という一方的論理を持ち出し国際世論を誤導している。
<参考サイト>
☆「拉致問題の検証−日本政府は、拉致問題が決着済みである事実を隠蔽している」
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