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(韓国・統一ニュースコム−'ハン・ホソクの進歩談論' 201264日付 )

http://www.tongilnews.com/news/articleView.html?idxno=98694



アメリカ陸軍准将ニール・トリーの衝撃発言で暴露された<合同非在来戦機動軍>の正体

朝鮮半島の本当の戦争挑発者、米国軍と韓国軍の対北浸透秘密作戦の実態


                                             [ハン・ホソク統一学研究所 所長]


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米国フロリダ州テンパに現れた、駐韓アメリカ軍 特殊作戦司令官"

2012528日、日本の東京にあるオンライン言論媒体<The Diplomat>が衝撃的な一遍を載せた。記事題目は'アメリカの対北偵察' U.S. Spy on North Korea'だ。この記事を書いた人は、米国で有名な軍事専門フリーランサー、デイヴィッド・アクス(David Axe)だ。彼は米国軍指揮官の発言を引用し、その記事を書いた。
題目から刺激的なその記事によれば、米国軍と韓国軍の偵察兵たちが北側に浸透、潜入し、坑道(トンネル)軍事施設を偵察する極秘作戦を繰り広げてきたと言うものだ。
この衝撃的な事実を取り出した公表者は、米国陸軍准将ニール・トリー((Neil Tolley)だ。トリーは、200110月から20035月まで、駐韓米国軍司令部配下のCJ13 特殊作戦部指揮官として服務したし、20125月末現在、駐韓米国軍特殊作戦司令部・司令官であり、合同非在来機動軍(Joint Unconventional Warfare Task Force)副司令官であり、韓国陸軍特戦司令部・司令官顧問(adviser)だ。デイヴィッド・アクスが、自身の報道記事で引用したトリー特殊作戦司令官の発言内容は、以下の通りだ。
第一に、米国軍は北側に、坑道(トンネル)軍事施設がどれほど多いか分らないが、今まで捕捉したところによれば、部分的にトンネル化された飛行場 (partially subterranean airfield)20個所、地下布陣地(underground artillery position)1000余ヵ所、非武装地帯トンネル4ヵ所などだ。
第二に、北側のあらゆるトンネル軍事施設は、米国軍の偵察衛星から隠蔽されているので、米国軍と韓国軍の偵察兵を北へ送り特殊偵察をする事とする
第三に、北派遣偵察兵たちは、人民軍に発覚されない様に、最小限度の装備だけ持って落下傘で浸透し、北側のトンネル軍事施設を偵察する。
駐韓米国軍特殊作戦司令部が、偵察兵を北側に浸透、潜入させ、偵察活動をして来たと言う衝撃的な事実が、現地司令官の発言を通して世上に知られるや、大きな波紋が起こった。
発言波紋に驚いた米国軍部は、デイビッド・アクスの記事内容を全面否認した。要するに、駐韓米国軍司令部はデイビッド・アクスの記事が出るや否や、数時間後に即刻解明書を発表し、"言論媒体が、トリー准将の発言とは全く異なる内容を勝手に引用し、報道した。"としながら、"米国軍と韓国軍は、落下傘に乗り北側で偵察した事がない。たとえ特殊偵察活動が特殊作戦司令部の核心任務であるとしても、偵察兵が特殊偵察を遂行する為に、北側に投入された事は全くない。"と明らかにした。
また、駐韓米国軍司令部は、代弁人(スポークスマン)ジョナサン・ワシントン(Jonathan Withington)も、"トーリ准将の発言に関する報道内容は、(話の)脈略を完全に欠落させたものであり、引用文自体が捏造されたもの"だとしながら、報道内容を否認した。2012529日、米国国防部代弁人ジョージ・リトル(George E. Little)は、国防部出入り記者團に、"トリー准将の発言は歪曲され、間違って報道されたものと理解している。そんな主張には中身がない。米国軍が北側に浸透した報道は誤報"だと言いながら、報道内容を否認した。
しかし、対北浸透偵察に関するトーリ准将の発言を引用したデイビッド・アクスの報道記事は、捏造されたものではなかったし、トリーが公式の席上で発言した内容を、現場で取材したデイビッド・アクスが、自分の記事に引用したものだった。ここで注目する問題は、トリー准将がどんな場所で、対北浸透偵察に関し発言したのかと言う事だ。トリー准将は、2012522日から24日まで、米国フロリダ州タンパにあるタンパ大会場(Tampa Convention Center)で、'世界的に構築される特殊作戦軍の協調関係(Building the Global SOF Partnership)'と言うテーマで、開かれた特殊作戦軍関連工業大会(Special Operations Forces Industry Conference)の討論の場の発題者として出て、公式発言したものだ。その大会は、米国国防工業連合会((National Defense Industrial Association)が、毎年何回も開催される行事であるが、今回の大会には、政府官吏、軍部人士、軍事企業関係者7000余名が参席し、350個の軍需企業が、各種最新型軍事装備を展示した。
デイヴイッド・アクスが<ザ・ディプロマット>に寄稿した問題の報道記事によれば、米国国防工業連合会が主催した大会場で、トーリ准将は、特殊作戦軍の偵察作戦能力を強化する為に、以下の様な新しい軍事装備が要求されると参加者たちに語った。
第一に、北側のトンネル軍事施設内に何が入っているかを、遠い距離から捕捉出来る軽量化された感知機(lightweight sensor)が必要だ。
第二に、人民軍に発信位置が発覚されない高周波発信機(high frequency radio)が必要だ。
第三に、北側に浸透、潜入する時、重いバッテリーを背に持って行かず、軽い装備で電力を供給する事が出来る無線送電システム(wireless power transmission system)が必要だ。
これは、空想科学小説に出てくる様な軍事装備を列挙したものだが、トリー准将は浸透偵察作戦の現場経験から、提起された問題点を解決する新しい偵察装備を作ってくれと、米国の軍需企業に公開的に要請したのだ。

米国軍部の苦しい弁明と、電撃的な解任措置

デイヴイッド・アクスの報道記事が予測できない波紋を引き起こすや、<ザ・ディプロマット>は、2012529日、慌ててその報道記事を削除し、短か目の弁明記事で置き換えた。弁明記事によれば、<ザ・ディプロマット>は、物議を呼び起こしたデイヴイッド・アクスの報道記事内容に対する確証を探しているとし、デイヴイッド・アクスは、自身がトリーの発言内容を捏造したと言う主張を強く否認していると明らかにし、トリーが仮定(と)して(hypothetically)発言した可能性を認めたと言った。
波紋を引き起こした口外者であるトリー准将も、慌てて'火消し'に出た。米国の<全国公営ラジオ(National Public Radio)2012530日の報道によれば、トリー准将は、自身が発表した弁明書で自分の発言は、特殊作戦軍偵察兵に、どんな軍事装備が必要かを説明する為に、仮説的状況を現在時制を使い、描写したものだと弁明しながら、"確かなことは、我々が特殊作戦軍兵力を北コリアに送ったことはない"と断言した。
2012
61日、米国国防部出入り記者達がその問題を又取り出した。今度は、米国国防部報道担当次官補、ジョン・コビー(John Kirby)が答弁に出た。対北浸透偵察に関するトリー准将の発言内容自体を否認した二日前の態度を変え、トリー准将の発言内容を事実と認めながらも、その発言は仮説的状況を言及したものと主張した。
これによって、デイヴイッド・アクスの報道記事の内容が、捏造か真実なのかと言う争点は解消され、その報道記事が仮定発言を引用したものなのか、そうではなく経験発言を引用したものなのかと言う新しい争点が生れ出た。
こんな新しい争点が提起されるや、デイヴイッド・アクスが追加弁明を始めた。彼の追加弁明によれば、トーリ准将が問題の発言を始めた現場で、デイヴイッド・アクスと一緒に取材した名前を明らかにしない他のジャーナリストがいたが、そのジャーナリストは、トーリの発言内容を自分の取材手帳に、この様に記録して置いたと言う。
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北側の軍事基盤施設(インフラ)全般が、衛星偵察や、他の空中偵察から隠蔽されたし、それが我々(米国軍の意味-動きが)に問題となり、我々の情報―監視―偵察基盤(ISR platforms)は、我々の要求ほど効果的でない。従って我々は、北側に人を送る。我々の戦争計画に関する詳しい内容をこの場で言及する事は出来ないが、我々は、韓国軍兵士達と米国軍兵士達に特殊偵察任務を与え、北に送る。我々が1980年代、ヨーロッパで遂行した作戦と全く同じだ。"
ジャーナリストの二人が、現場で一緒に聞いて取材した内容は、トリー准将が対北浸透偵察に対する仮定発言をした事でなく、対北浸透作戦に対する経験発言をした事だった事を語ってくれる。
対北浸透偵察を指揮する現地指揮官が、対北浸透偵察作戦の成果を高める為に、三つの先端軍事装備を開発してくれと、米国の軍需企業達に公開的に注文しながら、対北浸透偵察に対して語った事が、どうして、実際の状況でなく仮定の状況を言及したものだったのだろうか?
トリー自身と米国の軍部が、トリーの発言が対北浸透偵察に関し、仮定的に発言したものだと言う'ごり押し'を押し立て、何度も言い逃れした訳は、対北浸透偵察に対する極秘情報が、世上に知られる事態をはばかる為だ。
しかし米国の対北浸透偵察に関する軍事機密は、現地司令官の軽率な発言を通して世上に暴露されてしまった。
米国が対北浸透偵察を強行していると言う軍事秘密が、その偵察作戦を指揮する現地指揮官の口から流れ出て来たので、事態は深刻に成らざるを得なかった。したがって、米国国防部は201261日、トリーを駐韓米国軍特殊作戦司令官から解任し、アフガニスタン駐屯副司令官エリック・ウェントゥ(Eric P. Wendt)准将を後任に任命した。

対北浸透偵察が、どのように可能なのか

対北浸透偵察に対するトリーの発言は、現場で一緒に取材しながらも、デイヴイッド・アクスの取材内容と、他の匿名のジャーナリストの取材内容で、差異点が見える。特殊作戦軍偵察兵の対北浸透方法に対して、互いに違って評価したのが差異点だ、デイヴイッド・アクスは、偵察兵が空中浸透し、落下傘に乗って地上に降りると言う方法で評価したのだが、他の匿名のジャーナリストは空中浸透だと明示的に評価しなかった。
常識的に判断しても、偵察兵たちを乗せた米国軍輸送機が北側の領空を深く侵犯し、落下傘で偵察兵達を浸透させる事は人民軍に晒される外はない'自殺行為'に見える。人民軍のレイダー追跡網をくぐりぬけることができると言うステルス輸送機を、米国軍が空中浸透に使用すると言っても、対空防護網が世界で最も発達された北側領空奥深く、空中浸透を敢行する事は撃墜に合う危険が極めて高いので、現実的に不可能に見える。2012528日、駐韓米国軍司令部が発表した弁明書で、"米国軍と韓国軍は、落下傘に乗り、潜入した事はない"と言いながら、デイヴイッド・アクスの報道記事を否認したのは、北側を相手に空中浸透偵察をしないと言う点を強調した言葉と解釈される。
無論、米国軍空輸特戦團が南側に常時駐屯している事は、既に知られている事実だ。米国の軍事専門ヌリジブ(ホームページ)<グローバル セキュリティ(Global Secuirty)>に掲示された資料によれば、196591日から1984101日まで、ドイツ・ベルリンに駐屯した、空中浸透作戦を専門にする米国軍・第39空輸特戦團は、ソ連と戦争をする場合、ソ連の後方に奥深く浸透し、第2戦線を構築する対ソ空中浸透を作戦任務に受け持った事があるが、ソ連が解体された後、暫く行方が知る事が出来なかった。
その空輸特戦團は、南側に入って行って軍事活動を再開し始めた20051016日から、韓国軍空輸特戦團を吸収統合し、対北空中浸透訓練を、今も継続中だ。米国軍は北側で起こる所謂'急変事態'に備えるとして、大規模空中浸透作戦を訓練するのであって空中浸透偵察を実際に敢行しているのではない。
空中浸透偵察でなければ、陸上浸透偵察か?米国特殊作戦軍偵察兵達が、非武装地帯に布陣した人民軍のちょう密な多重警備線を潜り抜け、陸上浸透を敢行する事も、空中浸透ぐらい発覚される危険が高く、現実的に不可能と見える。
こんな条件を問いただしてみると、焦点は結局、水中浸透へ集められる。米国特殊作戦軍偵察兵らが、北側領海に水中浸透し、海岸に隠密に上陸し潜入した後に、北側のトンネル軍事施設を偵察する可能性を考えて見る事が出来る。

  

△米国海軍が運用するバージニア級核推進潜水艦に、<浸透潜水艇>が乗せられている(写真出処 David Axe

そんな水中浸透偵察が、具体的にどんなに可能なのか?この質問に対する回答の手がかりは、デイヴイッド・アクスが200937日、米国の軍事専門プログ<戦争は退屈で>(War Is Boring)に載った文'最高速海軍特殊船団潜水艇を研究する海軍(Navy Studies Super-Speedy SEAL Sub)'2009411日のフェイスブック<Big Blue Tech>に載せられた文'新しい海軍特殊戦兵力の水中運搬体(New Navy SEAL Swimmer Delivery Vehicle)'で探し出すことが出来る。この二つの文に出てきた情報と他の資料に出てきた情報を総合すれば、対北浸透偵察の輪郭が明らかになる。
第一に、現在、米国の特殊作戦軍兵力は12321名だ。地上軍8591名、空軍2022名、海軍1327名、海兵隊381名で編成された。艦艇2隻、作戦機94台を運用している。米国特殊作戦軍司令部(SOCOM)配下に、2個単位の合同非在来戦機動軍(Joint Unconventioal Warfare Task Force)と、6個単位の特殊作戦機動軍(Special Operations Task Force)が配置されている。
第二に、現在、米国軍の水中浸透偵察に使用される軍事装備は、'MK 8 MOD 1'と呼ばれる小型浸透潜水艇だ。この浸透潜水艇は長さ6.7m、幅1.8m、排水量17tであるが、乗操員2名と浸透メンバー4名を乗せて、時速11kmの速度で水中6mの深さで、33kmを潜航する事が出来る。この浸透潜水艇は、排水量6900tのロスアンジェルス級核推進潜水艦上板にも載せる事が出来、大型輸送ヘリにも載せる事が出来るし、揚陸艦にも搭載できる。
第三に、米国海軍特殊戦司令部は、性能を改良した新型浸透潜水艇一隻を2003年に建造し使用して来た途中、2009年ハワイでその浸透潜水艇で火災が出るはずみで、廃棄した。浸透潜水艇の火災事件以後、米国軍部は最高航続を時速185kmまで高め、潜航時間を最長12時間まで伸ばした最先端浸透潜水艇の開発を構想した。
米国の軍事技術で、そんな最先端浸透潜水艇を開発できるのかは、未知数であるが、万一その最先端浸透潜水艇の開発に成功すれば、海岸から160km離れた遠い海から海岸まで、超高速で潜航し、偵察兵の海岸浸透を保障する事が出来る事となる。

今回の事件で、世上に発覚した挑発者の正体

トリー准将は、対北浸透偵察に関する自分の発言が波紋を引き起こし、結局解任されたのだが、彼は解任されるまで、駐韓米国軍特殊作戦軍・司令官、合同非在来戦機動軍・副司令官、韓国軍特戦司令官・顧問だった。
合同非在来戦機動軍・副司令官と言う、初めて聞く軍職は何なのか?軍事学に出てくる非在来戦と言う概念は、非対象戦、非正規戦、市街戦、心理戦を統合した作戦方式を意味するが、合同非在来戦機動軍と言うものは何なのか?<ニューヨークタイムス>2010524日の報道によれば、合同非在来戦機動軍の実行命令は、2009930日、当時米国中部軍司令官としてイラク戦とアフガニスタン戦を指揮していたデービス・ペトゥレイオス(David Petraeus)の署名で、中東戦線に下達された米国国防部(国防省)の秘密命令だった。その秘密命令は、敵対国に浸透し反乱勢力と連携する事で、敵対軍を崩壊させ敗退させ破壊する、作戦環境を準備する為のものだ。
<ザ・アトランテイック>誌(米国の総合雑誌)2010525日報道によれば、'アボカド計画事業(Project Avocado)'と呼んだ、既存の秘密軍事作戦と秘密偵察作戦を、全世界的範囲で拡大する合同非在来戦機動軍の作戦方案を、2010年夏のある日、米国大統領オバマが承認するだろうとした。それから既に2年たったので、その作戦方案はすでに実行されたはずだ。
案の定米国は、合同非在来戦機動軍の作戦として、20111020日、リビアのカダフィ政権を倒して、その後に続き、今はシリアのアサド政権を倒そうと策動している途中だ。
合同非在来戦機動軍に関する上記の報道内容によれば、米国軍は北側に浸透、潜入し、反乱勢力を育成する事で北側を崩壊させ敗退させて、破壊する作戦環境(いわゆる'急変事態')を準備する為の秘密軍事作戦と秘密偵察作戦を、リビアとシリアに続いてこの土地にも敢行しているのだ。
トリーが合同非在来戦機動軍副司令官と言う軍職にあるのは、北側で'急変事態'を挑発する秘密軍事作戦と秘密偵察作戦が、作戦計画としてだけ存在するのでなく、実際行動に移された事を語ってくれるものとして驚愕と衝撃を感じざるを得ない。
合同非在来戦機動軍 副司令官トリーが、特殊作戦軍司令部所属陸軍准将であるので、合同非在来戦機動軍司令官は海軍特殊戦司令部所属海軍少将であろう。
合同非在来戦機動軍司令官が、誰であるかは知られていなかった。この様に、合同非在来戦機動軍 司令官と副司令官が、海軍少将と陸軍准将としてそれぞれ任命された事を見れば、合同非在来戦機動軍の対北浸透偵察が、米国海軍特殊戦司令部の主導で成り立って居る事を知る事が出来るのであり、従って、米国海軍特殊戦團の偵察兵が、浸透潜水艇を利用し、北側に潜入し、トンネル軍事施設を偵察すると言う点を知る事が出来る。
また、トリーの軍職が、韓国軍特戦司令官・顧問と言うことは、彼が韓国軍特戦司令部作戦統制権を掌握した事を意味する。トリーが問題の発言で、米国軍偵察兵と韓国軍偵察兵が一緒に、対北浸透偵察に投入されると言った内容は、彼がこの土地で掌握した作戦統制状況について言った言葉だ。

 
 
△米国軍偵察兵らが、水中(で母船から)分離された、訓練用浸透潜水艇で、水中浸透訓練をしている[写真資料 Big Blue Tech] 


上に叙述した色んな情報を総合すれば、対北浸透偵察シナリオの輪郭が明らかになる。例えば、母船(mothership)として使用するロスアンジェルス級核推進潜水艦の上板に、浸透潜水艇を積んで東海を北上し、北側海岸から約15km離れた沖合の水中で浸透潜水艇分離する。浸透潜水艇には米国軍偵察兵2名と韓国軍偵察兵2名が乗っている。浸透潜水艇が北側海岸近く接近すれば、偵察兵4名が潜水艇の門を開き、水中に出て海岸に向かって水中浸透する。偵察兵らは、偵察衛星が送った空中偵察資料に従って、北側の海岸監視が相対的に粗末な地点を選び、夜影を利用した時間に隠密に上陸する。偵察兵らは夜間透視鏡とGPS通信機などを利用し、目標地点に迅速に移動した後に、偽装術で自身を隠蔽し、トンネル軍事施設の動きを偵察する。偵察任務を終われば、指定された時間に海岸へ移動し、待機中の浸透潜水艇に乗り、母船へ帰るのだ。
今回の事件で世上に露見したのは、米国軍部が偵察衛星と高空偵察機を動員し、北側を対象に、24時間、空中偵察を勝手気ままにするのも足りなくて、浸透偵察まで勝手気ままにしながら、"北側内部に潜入し反乱勢力を育成し北を崩壊させ破壊する"<急変事態>を挑発する為の秘密軍事作戦と秘密偵察作戦を敢行していると言う事実だ

だれもが知るように、駐韓米国軍特殊作戦司令官が、対北浸透偵察に関し発言した事件は、米国が対北浸透作戦を敢行しながら<急変事態>の挑発を実際行動で準備している事を現実に立証した事例だ。
明白にも、合同非在来戦機動軍の対北浸透偵察は、国連憲章と国際法を蹂躙し、北側の国家主権を毀損する軍事挑発であるだけでなく、北側を刺激して、北・米関係に葛藤を呼び起させる深刻な政治問題に違いない。
今回の事件で北側は、海岸浸透に備えた警備体制を更に強化するだろうし、米国が、その様に執拗にしがみ付く<急変事態>の挑発企図に対応した、戦争抑止力を更に強化するものと見える。今回の事件についてだけ見ても、韓半島の平和を破壊し、戦争危機を造成した帝国主義ゴロツキ国家が、即ち米国だと言う事実を知る事が出来る。

それゆえに、この土地(韓国)の国民達は、米国に対する幻想を捨て、帝国主義ゴロツキ国家の正体を正確に把握しなければならず、国民の力で、米国を韓半島平和協定締結に引出し、駐韓米国軍を撤収するように強制してこそ、韓半島と東北アジアを戦争の危機から救い出す事が出来る。
さらに、この土地の国民達は米国の侵略的軍事戦略に盲従し、北側を相手に無謀な軍備競争を広げ、米国の軍需企業だけ有利にする南側政府の従米政策を阻止し、南側政府が6.15共同宣言と10.4宣言を履行し、軍事的緊張を解消し、平和統一の道に乗り出す様に、(政府を)圧迫しなければならない。

(次回に続く)                                    (訳 柴野貞夫 2012610日)

<参考サイト>
☆朝鮮半島の戦争危機を煽る張本人は誰か (1)

☆論評[国連安保理の役割と、朝鮮民主主義人民共和国に対する制裁](1)