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(韓国ネット言論・PRESSIAN20121111日付)

http://www.pressian.com/article/article.asp?article_num=60121111155314&section=03

 

 

    教授1052脱核宣言 “核発電の(廃絶でなく拡大を狙う) 逆走行を止めろ”

 
          (韓国)脱・核エネルギー教授会合 創立1周年迎え発表

 

 

“核発電をすると言うこと、更にすすんで、拡大すると言うことは、未来世代、未来の生命を、死と破滅に追い込む暴力行為です。”(脱核宣言文より)


核発電に反対する教授たちが、環境財団レイチェルカスンルームで、‘脱核宣言文’を発表し、原子力発電所の閉鎖を迫った。脱核エネルギー教授会合創立1周年を迎え、発表された脱核宣言には全国の教授 1052名が同意参加した。

 

彼等は、昨年3月発生した“福島核災難は、(旧ソ連の)チェルノブイリ(1986年)や、(米国)のスリーマイル(1979年)の時より遙かに恐るべき災害”であり、“<核安全神話>の主役だった日本で起こったこの災難は、科学技術と合理化された社会システムで、核の危険を統制する事が出来ると言う者達の確信が、傲慢である事を暴露”したと明らかにした。

 

致命的な核の危険(リスク)によって、人類は生存と絶滅の岐路に立っているのであり、核発電と関連して、完璧な安全を保証する技術は理論的に存在しないと言う事が、彼等の判断だ。さらに彼等は、核発電の危険が爆発事故に限定されるものでなく、現世代が核発電を放棄しても、未来世代は永い間、核廃棄物の危険(リスク)を背負い込む他はないと言う点も指摘した。

 

彼等はこのような点から、“ヨーロッパ各国は(・・・)新規核発電所建設の放棄、既存核発電所の段階的閉鎖など脱核政策等、脱核政策に急旋回している。”と明らかにした。彼等はこれとは違って、“韓国の政官界、経済界、言論界、学会の原電利権勢力は、()事故が頻発し時限爆弾の様な老朽原電を、延長稼働する事を固執している”とし、“現執権勢力は隣国の核災難を見ても、核発電所を拡大建設すると言う、逆走行を継続している”と憂慮した。

 

教授達は、“我々自身と我々の子孫が、自然と共生する持続可能な命を営為出来るようにする為、核発電の破滅的危険を除去しなければならない”と主張した。この為に ▲エネルギー節約と再生可能エネルギーに基づいた、持続可能な社会に転換すること ▲エネルギー転換計画を、国家がもっと積極的に押し立て、実践すること ▲核発電所追加建設を阻止し、既存核発電所を速やかに順次的に閉鎖すること ▲核廃棄物の安定的処理と保管のための国家政策を、適切に樹立することを要求する。

 

    

http://image.pressian.com/images/2012/11/11/60121111155314(0).JPG

 

 

 

<脱核宣言文>

 

福島核災難は、全世界の市民に途方もない衝撃を与えました。全世界が被曝されるほどの、多くの放射能と核のゴミ(廃棄物)が漏出されたのであり、半径数十kmは、死の土地と変わりました。福島核災難は、チェルノブイリ(1986)やスリーマイル(1979)の時よりも遙かに過酷な災難でした。‘核安全神話’の主役だった日本で起こったこの災難は、科学技術と合理化された社会システムとして、核の危険を統制出来る事が出来ると言う者達の確信が傲慢であることを暴露してくれました。


致命的な核の危険の前に、人類は生存と絶滅の分かれ道に立っています。

危険(リスク)社会の核心的な問題は、“統制出来ない危険を統制する”と言う矛盾的な目標追求にあります。


核発電所とは、極端的な(両者が相容れない)相克の世界である、生命と核連鎖反応の間を完璧に遮断しながら、同時に両者間に連結通路を作りエネルギーを引き出さなければならないと言う、矛盾的要求を追求する装置です。
しかし、両者の間を完璧に遮断する事は不可能であり、完璧な安全を保証する技術は理論的に存在しません。


核発電の危険は、爆発事故に局限されません。大型事故なく核発電が行なわれるとしても、核廃棄物の危険は未来に拡大されて行きます。現世代が核発電を放棄するとしても、未来世代は末永い歳月にわたって、核廃棄物の危険を背負い込む事となります。核発電を続けると言う事は、また更に拡大すると言うことは、未来世代、未来の生命を死と破滅に追い込む暴力行為です。


今ヨーロッパ各国は、福島核発電所事故を想像を超越する核災難として見做し、新規の核発電所建設放棄、既存の核発電所の段階的閉鎖など、脱核政策として急旋回しています。反面、韓国の政・官界、経済界、言論界、学会の原電利権勢力は、コリ1号基、ウォルソン1号基など事故が頻発し、時限爆弾の様な老朽原電を延長稼働する事を、固執しています。もっと進んで、現執権勢力は隣国の核災難を見てからも、核発電所を拡大建設すると言う逆走行を続けています。大統領選挙候補達も核の危険に対し、真正性ある関心を見せておらず、保守言論達はこの問題に無視をきめこんでいます。


我々人間は、他人の尊厳ある人格と天賦の権利を侵害したり、剥奪するのはいけません。これは自然環境と生命に対しても同じです。我々の地球は、我々が未来の世代、未来の生命から借りたものです。我々が、現在の安穏と貪欲に目が疎(うと)く、自然と環境を搾取し破壊を止めなければ、人類は取り返す事が出来ない破滅の道に踏み込みます。


我々は、我々自身と我々の子孫代々が、自然と共生する持続可能な命を営為出来る様にするため、核発電の破滅的危険を除去して行かなければなりません。エネルギー節約と、再生可能なエネルギーに基づいた持続可能な社会に転換しなければならないし、国家は、より積極的なエネルギー転換計画を樹立し、実践しなければなりません。そして、人間と他のあらゆる生命を担保として自身の利潤だけを追求する勢力を解体する為に、あらゆる人々が連帯する事が必要です。団結された力は、核発電所の追加建設を阻止し、既存の核発電所を速やかに順次閉鎖する事と同時に、核廃棄物の安定的な処理と保管の為の適切な国家政策が樹立されるようにする事が出来ます。

世界の市民が連帯し、人類が核の破滅的危険から解放される様にしなければなりません。


我々教授たちは、次のように宣言します。
1. 我々は、核発電が人間の尊厳性を毀損し、未来世代の権利を侵害すると言う認識の上に、脱核とエネルギー節約、再生可能エネルギーへの転換の為に、知識人としてする事が出来るあらゆる行動に、積極的に乗り出すでしょう。
2.我々は、脱核と持続可能な社会の実現の為に、政・官界、経済界、言論界、学界の原電利権勢力を解体する為の、学問的、政治的実践に積極的に乗り出すでしょう。
3.我々は、韓国の知識人達と連帯し、全世界的次元の脱核実現の為の活動に積極的に乗り出すでしょう。 (20121111日)                 大韓民国 脱核宣言教授一同

                                          (訳 柴野貞夫 201211月12)

 

<参考サイト>


『反原発記事特集』