(韓国ネット言論 PRESSIAN 世界ニュース2013年9月9日)http://www.pressian.com/article/article.asp?article_num=40130906174133&Section=05
福島アルマゲドン(連載・2)
日本政府は、‘政治ショー’に近い対策だけ羅列している
日本・原子力規制委員長は、“放射能汚染水排出は不可避”と、是認している。
福島事態が、2年半が過ぎた時点で再び‘現在進行形’と、浮き彫りにされているのは、‘放射能汚染水流出’を日本政府が初めて認めてからだ。
さる7月22日東京電力が、放射能汚染水の海流出を初めて認めた後、日本政府は8月7日、福島核発電所の原子炉1〜4号基周辺に流れる一日約1000tの地下水中、約400tが核発電所に流れ込み、300tが高濃度の放射能汚染水に混ざり、海へ流れ込んでいると言う事実を発表した。
挙句の果てに、去る5月東京電力は、“核発電所近隣地下水のサンプル調査の結果、放射能に汚染されたものと、確認された”と明らかにした。地下水が核発電所に流れ込んで行き、汚染水として変化する次元を越え、地下水自体が汚染されたと言う事実も、今回初めて認めたのだ。
▲毎日、途方もなく新たに生じる放射能汚染水をタンクに貯蔵する事が、解決策となる事ができるのか(出処―AP=連合通信)
土地を凍らせ、浄化すると言う‘荒唐無稽な諸対策’
問題は、これ以上事態悪化を防ぐ方法があるのか?だ。ソ・キュンリョル ソウル大原子核工学科教授は、“事実上、無い”と語る。放射能汚染水問題が世界的に浮き彫りにされるや、日本政府があわてて取りだした対策は、‘政治ショー’に近い方案だけと言うものだ。
代表的なものが、核発電所に地下水が流入するのを予め遮断すると言う<凍土遮水壁>構築方案だ。核発電所周辺の土地を冷却剤で凍らせると言うものだ。しかし、工事の為にしばらくの間、周辺を凍らせる事は可能だが、長期的に土地を凍らせて置いた状態で維持すると言うことは、不可能だと言うことが、専門家達の評価だ。
日本政府の対策が即座に施工される事もない。日本政府の日程表従えば、国費470億円(約5200億ウォン)を投入すると言う<凍土遮水壁>建設と、高性能浄化装置増設など核心対策は、早くて来年下半期からぐらい、施工が可能なものとなっている。
日本政府の対策が、実効性がないものだけであれば、事実上残った解決法は、海に汚染水を捨てるが、最大限浄化して出す事だ。
原子力規制委員長、“放射能汚染水、希釈して排出する他はない”
現在まで、日本政府は、汚染水をタンクに入れてきた。しかし毎日300tの汚染水が新たに生まれる場所に、こんな方法が持続可能であり得ない。今まで1000個の汚染水タンクに、約33万tの汚染水を貯蔵して置いているが、むしろタンク管理の頼りなさで、タンクが汚染水流出の新しい通り道となっている。
去る3日、東京電力は、“一部タンクの底から時間当たり最大2200ミリシーベルトの放射線量が測定された”と明らかにした。汚染水漏出が原因と推定されている。<朝日新聞>によれば、3時間余り露出されれば死亡に至る程の、高濃度汚染水がぎっしり埋まったタンクを管理する職員は、たった2名だ。事実上、管理自体が駄目であると言うことだ。その上、タンクの70%がボルトで連結され、急造されたものなので、時間が経つほど‘漏出タンク’は、もっと増えていく見通しだ。(訳注−9月1日共同通信は、 タンクは鋼鉄製の円筒形で容量約千トン。底部と側面、上部などの鋼板接合部をボルトで締めて組み立てる「フランジ型」。増え続ける汚染水対策のため、東電などからは工期を守るよう指示され、3日に1基のペースで設置し続け、品質は二の次だったと業者の談話を伝えている)
高濃度汚染水漏出の事実を、東京電力が明らかにした直ぐ前日、日本政府の機構である原子力規制委員会の田中俊一委員長は、外信記者会見で“放射性物質の濃度を下げ、汚染水を海に放流する事は不可避だ”と語った。
田中委員長は、“浄化装置で62種類の放射性物質を除去した次に、この装置でも除去されない三重水素は希釈し、放流する事が出来るだろうと考える”と付け加えた。田中委員長の発言が知られるや、英国BBC放送は“国際的な波紋が起こっている”と伝えた。しかし、田中委員長の発言は、ぬけぬけとしながらも、日本政府の官僚としては珍しく率直な発言だと言う評価だ。(次回は福島アルマゲドンB)
(訳 柴野貞夫 2013年9月14日)
<参考サイト>
☆原発 特集(反原発関連記事特集)
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世界を見る−世界の新聞/福島−現在進行形のメルトダウン、コンクリートも覆う事が出来ない状況(韓国・PRESSIAN 2013年9月9日付)
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