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<ワールドソシャリストウェブサイトthe International Committee of the Fourth International >(ICFI−第四インターナショナル 201526日付)
http://www.wsws.org/en/articles/2015/02/06/pers-f06.html



  サウディアラビアが連座した9.11そして米帝国主義の“テロとの戦い”の欺瞞

−政権によって廃棄され、隠蔽されていた、ムサウィ(唯一の有罪確定者)の宣誓供述書の核心部分(28ページ分)が明らかになった



                                           第4インターナショナル・ウェブサイト
                                            (翻訳 柴野貞夫時事問題研究会)


<訳者解題>

● アメリカの<テロとの戦い>の欺瞞が暴かれた

● 米の同盟国・サウジは、アルカイダを資金提供で支え、911に連座した
● テロを自ら演出した米帝国主義は、それを口実に、アフガンとイラクへの侵略戦争を開始した
● 米国が育てたアルカイダが、イスラム国家(ISIS)へと拡散している
● オバマは、シリア、イラン両政権の‘崩壊’を狙って、<イスラム国家>の“残忍性”を最大限悪用しながら、ブッシュと同様、<テロとの戦い>の名の下に中東での侵略戦争を拡大しようとしている
● 米帝国主義は、安倍政権を侵略的有志連合に組み込みながら、アジア―朝鮮・中国、そしてロシアとの戦争準備を企んでいる


<本文>

● 911攻撃での、サウジ王国の連座の証拠を示す被告の宣誓供述書は、米政権によって隠蔽されてきた

911、テロリストの攻撃後、三年以上経って、犠牲者の親族によって行われた米連邦裁判所での訴訟の証拠は、この事件とその関連の途方もない(圧倒的な)暴露である。それらは、長い間、メデイアや政治体制によって拡散され、曖昧にされていた。
つまりこうである。アルカイダ(Al Qaeda.)と911のハイジャッカー達は、サウジアラビア王国によって資金を与えられていたということである。サウジアラビア王国は、合衆国の情報機関と幅広い繋がりを持った合衆国の同盟国である。
連邦地方裁判事、ジョージ・P・ダニエル(George P. Daniels)によってファイルされている陳述書は、以下の事を実証している。即ち現サウジ王国・サルマン王(King Salman)の長い期間、ワシントン駐在大使であったバンダルビン・サルタン卿(Prince Bandar bin Sultan)を含むサウジ王国の指導的人物達が、アルカイダ(Al Qaeda.)を財政的に支えていたという事実である。

この文書は、ザカリアス・ムサウイ(Zacarias Moussaoui)の宣誓供述書(deposition)を含んでいる。この者は、2001911日、航空機をハイジャックし、それを飛ばして世界貿易センターや、他の合衆国の標的に突入させる陰謀に直接関与した事で有罪が決定している唯一の人物だ。
ムサライの証言によると、彼は1990年代にアフガニスタンでアルカイダの下で働き、このグループ(Al Qaeda.)の財政的支援者のデジタルデータベースを作っていた。支援者には、バンダルビン・サルタン卿 (Prince Bandar bin Sultan)と他の二人の高位のサウジ王族がいた。一人はタルキ・アル・ファイサル卿 (Prince Turki al-Faisal,)で、サウジの情報機関の長官を長く勤めた。もう一人は、アルワリード・ビン・タラル卿(Prince Alwaleed bin Talal)で、王室が所有する会社の会長で王室でも最も豊かなメンバーだ。
彼はビンラデインの密使として働いて、サウジ王室のメンバーにメッセージを届けたりした。その中には、当時はリャドの知事であったが、先月王位を継いで、今ではサルマン王であるサルマン卿もいた。
The New York Timesは、水曜、木曜のトップ記事を載せ、911攻撃へのサウジの支援(手助け)の、新しい申し立てを強調(highlightingしている。
しかしながらこれらの記事は、暴露(すっぱぬき)というよりも、むしろ911犠牲者家族の訴訟の結果として公表されている、衝撃的な資料を含んでいるという、半ば公式な試みである。
これが、その証言が政治体制によって、より簡単に排除され得る一人の証人・ムサウイ(Moussaoui)に、これ等の記事が殆ど専ら焦点を絞っている明白な理由でもある。

● 911攻撃に於けるサウジの連座の証拠は、米国の<テロとの戦い>の欺瞞的性格を暴露している

連邦地裁によってファイルされたこの法律文書は、ムサウイの宣誓供述書(depositionを含んではいるが、むしろ更に多くの、前フロリダ選出上院議員ロバート・グラハム(Robert Graham)の様なワシントン体制の大物からの、911に対するサウジ政府の連座に関する申し立てを含んでいる。
彼(Robert Graham)はこの様に書いている。“私は、911の攻撃を実行したテロリストのある者達とサウジアラビア政府との間に、直接の繋がりがあったと確信している。”
グラハム(Robert Graham)は知り得る地位にあった。2002年に、上院情報委員会の議長であった。この年この委員会は、911攻撃に関して28nに及ぶ部分を含んでいる。この部分は、ブッシュ政府により分別され廃棄された。
これは、オバマ政権によって支持され継続されている検閲行為でもある。この資料の公表を熱望していた上院議員グラハムは、この様に書いている。“この28nは、第一に、誰が911に資金を出したのかに関して報告し、主要な資金提供者として、サウジアラビアを非常に強く指摘している。”
911攻撃に於けるサウジの連座の証拠は、13年以上に渡る合衆国の公安政策の中軸(the axis of US national security policy)である<テロとの戦い>の欺瞞的性格を大いに暴露しているのだ。ブッシュ政権は、911攻撃(テロ)を、アフガニスタンへの戦争とイラクに対する戦争の口実に利用した。
アフガン政府は、オサマ・ビン・ラデイン(Osama bin Laden)に隠れ家を提供していたが、911には関与していなかった。イラクは、アルカイダにも911にも繋がりを持っていなかった。(訳注―無論、“大量殺傷兵器”の存在も)

    米・軍事情報機関の暗黙の積極的連座が、911攻撃を引き起こしたと信ずる理由がある

アルカイダやその主要リーダー、1519名のハイジャッカーに資金を提供したサウジアラビアは、合衆国の主要な協力者である。
911攻撃(911 attacs)の、あらゆる公式調査は、サウジコネクションを誤魔化し、検閲を受けねばならなかった。上院情報委員会の報告と同じ様に。問題は、アルカイダに資金を与え、支えて来たサウジ王国の反動的役割に留まらず、合衆国の情報機関と反米テロリストと想像されるグループとの密接な繋がりであるが、これについては、最新のタイムスの記事は完全に沈黙している。
3000人近いアメリカ人が、2001911日に、合衆国軍事情報機構の或る部署の暗黙の積極的連座の下で、殺されたと信じるに値する理由がある。関係した個人の多くが、合衆国の公安機関によって知られ、その内数人は彼らが合衆国の4機のジェット旅客機を同時にハイジャックする計画を立てていた時に、監視の下に置かれていたにも拘らず、CIAFBI、その他の機関は、テロリスト達の作戦を粉砕する行動を取らなかった。
911攻撃への、合衆国の機関の連座に関して多くの疑問が、ワールド貿易センターの破壊の数週間以内に持ち上がった。その幾つかは  “Was the US government alerted to September 11 attack? →http://www.wsws.org/en/articles/2002/01/sept-j16.html) に記述されている。
13年経っても、これ等の疑問への答えはない。
○ 何ゆえに911日のハイジャッカー達は、合衆国へ自由な出入国が認められたのか、アルカイダとのコネクションの為に、監視下に置かれていたムハンマド・アタ(Mohammed Atta,)の様な者までが。
  アルカイダの二人の関係者が、2001年の初めに合衆国に入国した事を、CIAは何故FBIに知らせなかったのか、これ等二人はサンデイエゴでFBIの情報提供者の家に住んでいた。パイロットの訓練を求めながら、ワシントンのサウジスポンサーから得ていたにも拘らず。もう一人は、FBIの電話帳にリストされていた。2001911日、彼等は19人のハイジャッカーの二人だった。
  何故、これ等将来のハイジャッカー達が、飛行訓練を受ける事が出来たのか。彼等の中には、どうやって離陸したり着陸したりするのかではなく、どうやってジャンボ機の操舵をするのかだけを学びたいと求めたムサライ(Moussaoui)も含まれていた。9111ヶ月前にミネソタのFBI捜査官が、ムサライの行動と動機を探ろうと求めた時に、FBI本部は彼のコンピューターを調べたいと言う要請を拒んだ。
  何故、外国の情報機関から繰り返し行われた警告に応える努力が行われなかったのか。これ等の警告には、合衆国の旅客機をハイジャックしビルデイングに突っ込む計画をしていたテロリストについての、ロシア、イスラエル、ドイツからのものが含まれていた。
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11に犯された犯罪は、3000人近い人命を奪った。911に行われた犯罪を利用して、イラク、アフガニスタン、シリア、リビア、その他多数の国々での何十万の生命を奪ってきた犯罪を正当化してきた。911は、合衆国や、他の帝国主義国家においては民主的諸権利の大量破壊の為の多目的的な正当化として役立っている。これ等の国々は、「もう一つの911」を阻止するという名目で、警察国家への枠組みを構築しているのだ。

サウジコネクション(The Saudi connection)を隠蔽する事は、単に2001911日の事件での合衆国情報機関の役割を隠蔽しているという事においてだけではなく、中東全域で進行中の合衆国帝国主義の作戦においても、危機的に重大なことである。
この地域で、ワシントンは保守的なサウジ王国を、主要な代理機関のひとつとして信頼を置いているのである。この事は、オサマ・ビン・ラデイン(Osama bin Laden)への資金提供者として名前が挙げられている者達の一人、サルマン(Salman)新国王への表敬訪問に、先月オバマが、リャドを訪れた事からも理解できる。

●米国とサウジコネクションは、ISISがシリア・アサド政権を崩壊させる為の軍事力である限り、空爆と反ISISプロパガンダを必要としないだろう

 

サウジコネクションは、アメリカ帝国主義とアルカイダ、及び他のイスラム原理主義グループとの間に続いてる関係にとっても、きわどく重大なものであり続けた。これらの武装勢力は、1980年代にソヴィエトに後押しされていたアフガニスタンの政権を転覆させ、ソヴィエト連邦の崩壊を促進する為の、カーター、レーガン政権のキャンペーンの一部として動員された。
オサマ・ビン・ラデインを含むムヒャデイジン(The mujahedddinは、CIAによって武装させられ訓練され、サウジアラビアによって資金を提供されていた。彼らは、ごく最近では、ムアマッド・カダフィ(Muammar Gaddafi)のリビア政権を転覆させ、バッシャ・アル・アサド(Bashar al-Assad)大統領シリア政府の足元を掘り崩しつつある。
ISIS自体は、こうした陰険な関係の産物である(ISIS itself is a product of this insidious relationship.。ISISは、合衆国による侵攻よりも前の2003年に、合衆国のイラク侵略に対するスンニ派原理主義者の反撥の中に起源を持つ。そしてイラクにはアルカイダがあった。アルカイダは、‘イラク・シリア・イスラム国’として再生した。
これは、シリアに於いては、アサド政権と戦う最も強力なイスラム主義グループの一つで、合衆国、サウジアラビア、クエートの支援と訓練を受けて来た。このグループ(ISIS)が、合衆国による爆撃とプロパガンダの目標となったのは、ISISの戦闘員が越境してイラクに引き返し雪崩れ込んでからのことである。
尚も、“テロとの戦い”の全体の中心には、巨大にして厚顔な一つの嘘がある。それは、合衆国の巨大な軍事情報機関の中に、テロリストが何を準備していたのかという事に気付いた者が誰もいない内に、19人のハイジャッカー達がニューヨークシテイとワシントンDCに主要な攻撃を計画し、実行したのだという主張だ。9.11におけるサウデイアラビアの役割についての最新の意外な新事実は、偽造と隠蔽に対するもう一つの打撃である。

(訳 柴野貞夫時事問題研究会 2015223日)