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<ワールドソシャリストウェブサイトthe International Committee of the Fourth International> (ICFI −第4インターナショナル 2015217日付)

http://www.wsws.org/en/articles/2015/02/17/pers-f17.html


US
帝国主義とリビアに於ける大惨事

ISISによるリビアでの斬首は、カダフィ政権追い落としの為の巨大な犯罪―2011年・NATO戦争の産物である



                                           ,第4インターナショナル・ウェブサイト
                                     (訳 柴野貞夫時事問題研究会 


● ワシントンとその政治同盟者達(NATO)は、政治的にも道義的にも、これ等の残虐行為に責任がある


この週末、イスラム国(the Islamic State ISIS)は、リビア東部のシルテ(town of Sirte)で拘束されたコプト派キリスト教徒21人の惨たらしい斬首のビデオを公開した。この野蛮な行為は、英国、日本、ヨルダンの人質斬首や焼殺を含む一連の最近のものである。
ISISによるこの最新の残虐行為は、合衆国のニュースキャスターや、編集者達による予想通りの言い回しと、怒りの引き金となった。そこには更なる大虐殺への懸念も含まれている。
このヴィデオ放映の数時間以内に、合衆国に後押しされている独裁者、アブデル・ファタ・アル−シシ(Abdel Fattah el-Sisi,)将軍に率いられたエジプトは、波状奇襲を行い64人を殺した。中には7人の市民が含まれる。
ワシントンとその政治同盟者達は、政治的にも道義的にも、これ等の残虐行為に責任がある。イスラム主義者によるリビアでの斬首は、巨大な犯罪、つまり、リビアでのムアムマル・カダフィ大佐(Colonel Muammar Gaddafi.)政権追い落としの2011年のNATO戦争の産物なのである。

● オバマとサルコジがカダフィ政権転覆を画策、イスラム主義者とアルカイダに大量の資金と武器を注ぎ込んだ

NATOの干渉以前は、リビアに於いてはキリスト教徒に対するセクト的被害は無かったし,イスラム主義者とアルカイダとの結びつきは小さく、広い影響力は無かった。かれらの軍事力は、2011年オバマ政権と、その欧州の同盟国が、フランス大統領ニコラス・サルコジ(Nicolas Sarkozy)に指導されてカダフィ政権転覆を決定した時に、武装し増強したのだ。
帝国主義諸国は、イスラム主義民兵やアルカイダ工作員に、大量の資金と武器を注ぎ込み、彼等に数十万人のリビア人を殺害する大量爆撃行動により、彼等に空からの支援を行った。(訳注―当時米国とNATO諸国は、世界のメデイアを動員し、“独裁者カダフィによる反政府勢力への大量虐殺”と言うデマを振りまき、リビア政権に対する空爆と‘イスラム民兵・アルカイダへの支援を合理化した。)
この時、World Socialist Web Siteは、次の様に書いた。“(この戦争は)自由の為の革命や闘争とは程遠い” “今世界が目撃しているものは、帝国主義国のシンジケートによるリビアの収奪である。石油の富を掌握し、この地を中東と北アフリカ全域にわたる、更なる干渉作戦の基地としようとするものである。”  (2011826http://www.wsws.org/en/articles/2011/08/liby-a26.html
リビア収奪の荒涼たる結果は、今や余りにも明確である。この戦争は、シルテ(Sirte)への絨毯爆撃と、カダフィ(Gaddafi)に対する殺戮と拷問の中で最高潮に達した。当時の米国務長官・ヒラリークリントンは、満足げに“我らは来た、見た、彼(Gaddafi)は死んだ(We came, we saw, he died.”と言った。その時以来、リビアは多くのイスラム主義各派とそのライバル民兵(非正規軍)が、国の支配権を求めて張り合う果てしない流血の内戦に陥っている。

● メデイアは、帝国主義の召使となっている。ISISのリビアにおける残虐を、合衆国・NATO帝国主義が、何等の関係もなかったかの様に報じている

この戦争の4年足らず後に、アメリカのメデイアはISISのリビアにおける残虐を、合衆国帝国主義が何等の関係もなかったかの様に報じている。
New York Timesの日曜日の社説(What Libyas Unraveling Means)を読んだ者には、この大破壊を生み出した事でのワシントンの役割や、この作戦を支援していた合衆国メデイアの役割に、気付いている者は誰もいないであろう。
この戦争の鍵を握る人物の一人は、故合衆国大使クリストファ・ステイブン(Christopher Stevens)だった。彼はこの戦争のあと、ベンガジでイスラム主義者の襲撃を受け、死んだが、彼自身は大勢のTimesのジャーナリスト達の友人であった。
The Timesは、“この石油の豊かな国が、完全な混沌(無秩序)に向きを変えている”ことと、“イスラム主義者のグループが、リビアの大きな部分がイスラム国の衛星国になり得る可能性を高めている。と心配している。
The Timesは、カダフィの転覆に繋がった争いを、‘内戦’と述べる事に腐心しているが、NATO6ヶ月にわたる爆撃には触れていない。
ISISは、ワシントンが最も攻撃的に干渉して来た、今では最強のものである。週末に出たThe Timesの記事は、“イスラム国は、シリア、イラクの基地を越えて、アルジェリア、エジプト、リビアまで広がり、アフガニスタン、アルジェリア、エジプト、リビアに於いて軍事的併合を確立しようとしている”と。しかし、先に述べた6カ国のうち、4カ国、つまりシリア、イラク、アフガニスタン、リビアに、合衆国が侵略した事も、これ等の国での、イスラム主義者による代理戦争に合衆国が資金を出していた事にも言及していない。
世界は今や目撃しているのである。ワシントンとNATO同盟諸国による仮借ない蛮行と貪欲と無限の愚かさを。
リビアに於ける災禍の責めは、明らかに元フランス大統領、ニコラス・サルコジ(
Nicolas Sarkozyにある。彼はリビアに於けるNATO戦争のもともとのチャンピョンである。それにオバマ―彼の政権はリビアの軍隊と主要都市を粉砕した大量の火器を与えた。それにNATO同盟諸国も殺人の冒険に加わった。
今日、中東で明らかに成りつつあるものは、帝国主義者とその支配層のエリート達、その政治的召使達、その嘘つきのメデイアに対する告発である。
                            (訳 柴野貞夫時事問題研究会 2015227日)

<参考サイト>

308 (コプト教徒とモスリムの)離間で、革命を破壊し様とするエジプト軍部 (韓国・タハムケ 2011年10月13日付)

385 ラクで作り出された惨状が残した教訓 (労働新聞 2013年4月11日付)

☆ 403 オバマはシリアに対し、戦争を始めるのか (韓国・オンラインジャーナル 2013年8月27日付)

☆ 402 
シリア軍化学兵器使用説はフセイン大量殺傷兵器説と類似している(韓国・チャムセサン 2013年8月22日付)


  世界を見る−世界の新聞/サウディアラビアが連座した9.11 そして米帝国主義の“テロとの戦い”の欺瞞(ICFI−第4インターナショナル 2015年2月6日付) 

世界を見る−世界の新聞/イスラム国(ISIS)の死刑を上回る、帝国主義者の偽善 (ICFI−第4インターナショナル 2015年2月5日付) 

安倍は‘イスラム国家と戦う’という愚かな公言をして、‘平和主義’を投げ捨て、十字軍諸国家の戦争に参入した(<dibig>2015年2月12日付)

[論考] 「2邦人の死を利用して<有志連合>の侵略戦争に加担する意思と法整備を明らかにした安倍政権」(2015年2月6日)

[論考] 「安倍は、アラブ世界の<ならず者国家>イスラエルと手を組んで、初めて公然と、アラブの民衆に敵対することを宣言した」(2015年1月27日)