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(韓国民衆言論 ハンギョレ 国際ニュース 2015年9月21日付)
http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/709795.html


‘戦時作戦統制権’のない韓国は、米国の要請時には日本自衛隊の韓半島派兵を防ぐのは難しい


日本が集団的自衛権を押し立て、韓半島事態に介入する時、東アジアを揺るがす全面戦争に拡大するだろう
●米軍後方兵站支援の名目
 ・釜山など、非戦闘地域への派兵は可能
 ・韓国軍の直接支援が出来る様にする
 ・韓・米・日―三角軍(軍事)同盟の強化への圧力が大きくなるようだ
 ・韓国国防部“大統領が許諾しなければ、自衛隊の韓国への侵入はない”と国監(国政監査)の回答

“集団的自衛権を行使することが出来る<存立危機事態>と言うのは、‘日本と密接な国家’が攻撃を受ける場合、これを排除(武力で解決)することだ。この場合にも他国の領域には入らないと言うが、良く理解が出来ない”(オガワ・トシオ民主党参議員)
“例を挙げれば、周辺国(北韓を指す)が米国を攻撃する。そうであれば、A国(北韓)と米国は戦争状態となる。以後、A国のミサイル攻撃を警戒する米国の艦船が攻撃を受ける場合、これは、新3要件(集団的自衛権を行使できる場合の3要件)に該当する可能性がある。したがって、この艦船に対する攻撃は(集団的自衛権を通して)阻止することになる。しかし、A国に自衛隊が出向き、米国と共に戦う事はない。”(安倍晋三日本総理)
去る19日(919日)明け方、安倍政権が集団的自衛権行使を骨格とした安保法制を通過させながら、日本自衛隊が今後、韓半島事態に何処まで介入する事が出来るのか、に対する論難(論議)が高まっている。
安倍総理が824日、参議院予算委員会などで明らかにした内容を見てみると、日本が今回行使する事にしたものは、韓国が1960年代〜1970年代に、ベトナムに大規模の軍隊を派遣した事と同じ,完全な形態の集団的自衛権でないため、自衛隊の戦闘部隊を海外に派兵することは無いと言うのだ。安倍総理は、韓半島事態と関連して北韓が米国のイージス艦などを攻撃する状況だけを、集団的自衛権行使の例として挙げた。
そうであれば、自衛隊が韓半島に上陸する可能性は全くないのだろうか?そうではない。日本は1997年制定された<周辺事態法>を、今回、<重要影響事態法>に改定し、当初米軍に限定した後方支援(兵站)の範囲を‘米軍など他国軍’に拡大し、米国の武力行使と一体化する可能性があるのであり、禁止して来た弾薬補給と発進準備中の戦闘機などに対する給油も認めた。また、‘非戦闘地域’と言う概念を大きく拡大し、‘現在戦闘行為が繰り広げられていない地域’であれば、自衛隊の兵站部隊が後方支援活動が出来る事とした。
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以下<上記−写真チャプターの日本語訳>
日本の集団的自衛権は、韓半島にどんな影響を及ぼすか?Q and A
@Q 自衛隊の韓半島派兵は可能

  A 可能だ。戦闘部隊が来ることはない。
 ・自衛隊兵站部隊の南韓地域上陸は韓国政府の同意の下で可能
 ・韓半島近海で米国艦船が北韓の攻撃を受ける場合にも自衛隊が反撃可能
 ・大規模戦闘部隊の韓半島上陸は,現在のところ不可能
AQ 自衛隊が北韓のミサイル基地を打撃する事が出来るか?

  A 可能だ。日本は韓国の‘事前同意’が必要でないと言う立場なので、葛藤が予想される。
 ・北韓攻撃を受ければ、‘個別的自衛権’を通して反撃可能
 ・最近になって、北韓が米国などをミサイルで攻撃する‘徴候がある場合’にも、自衛隊が集団的自衛権  を活用し、北のミサイル基地を攻撃する事が出来ると主張している。
 ・韓国政府は、この場合、韓国の‘同意’が必要だと主張するが、日本は必要でないと言う立場
BQ 自衛隊はどの様に変わるか

  A 全世界に活動舞台が広げられて、米―日・戦力の一体化が急速に進められる。
 ・米国が‘世界平和を維持する為に’イラク、アフガン戦争を展開する場合、自衛隊が大規模後方支援(  兵站)部隊を派遣する事となる
 ・自衛隊は、米海兵隊のオスプレイ<MV―22>、<F−35B>(垂直着陸モデル)などに対する弾薬供  給、後方支援が出来る事となる

韓半島(朝鮮半島)で、戦争が発生する場合、韓国軍と米軍が前に出て戦い、自衛隊の兵站部隊が‘現在戦闘行為が繰り広げられていない’釜山などに上陸し、後方支援をすることが出来る体制が作られている事を知ることが出来る。日本はこの場合、自衛隊が米軍だけでなく、韓国軍を直接支援する事が出来る様に、‘相互軍需支援協定(ACSA)’を締結しなければならないと主張していた。これは今後、韓・米・日―三角同盟を強化しようと言う米・日の圧力が、一層強化する事を暗示するものでもある。
無論日本は、後方支援は“外国の同意がある時に限定し、施行するものとする”(重要事態法の2条4項)と言う内容を包含させた。
ハン・ミング国防長官は、9月21日これと関連して、国会法制司法委員会の国政監査で、“戦時作戦統制権は、連合司令官が韓・米両国大統領の統帥手続きに従い、遂行するものであるため、我が大統領が認めなければ、(自衛隊の進入)は駄目だ”と述べた。
しかしこれは、原則論を確認しただけで、韓国が“自衛隊の上陸が必要だ”と言う米軍の要請を拒否する事は現実的には不可能な事と思われる。
さらに大きな問題は、韓―日間の異見が発生する場合だ。現在、韓・日間の最も大きな争点は、安倍総理が提示した例の様に、日本が米国の艦船を守るために北韓を攻撃する場合、韓国の事前同意が必要なのかの当否だ。
これと関連して、韓国政府は“韓半島の安保、また我が国益と関連される事案”に対しては、韓国の同意が必要だと言う立場であるが、日本は、‘北韓は国連に加入した独立国家’(前防衛相)だとし、これを受け入れることは出来ないと言う態度だ。
日本が集団的自衛権を押し立て、韓半島事態に介入する場合、偶発的な衝突に終わるハプニングが、東アジアを揺るがす全面戦争に拡大される可能性も排除する事は出来ない。
現在、安倍総理は、“自衛隊戦闘部隊の海外派兵はない”と言っている。この約束が守られるかは分からない。小川議員も去る19日、質疑で“総理は海外派兵をしないと言うが、法律には‘しない’と明確に書いていない”指摘した。
その上、自民党は、平和憲法を覆がえそうとする改憲まで、推進している。安倍総理の法律解釈が、幾らでも変える事が出来る事を意味するもので、南北関係を改善し、中国と米・日間で,均衡外交を追及しなければならない韓国には、大きな苦悶を投げかけている。
                                    訳 柴野貞夫 2015927

<関連サイト


☆論考/日本の集団的自衛権は日本軍の朝鮮再侵略に道を開くもの(2014年6月17日)

☆論考 /アジア・リバランス戦略は日本に集団的自衛権行使を要求している(2014年5月12日)


日本憲法理念こそ、平和構築である(2)(2007年3月18日)

☆9条1項・2項の破棄>は、日本の軍事大国化と、働く民衆の諸権利を抑圧体制を作ることにある(1)
(2007年 3月18日)