(韓国民衆言論/「二大労総、初の公共部門の共同罷業」 ハンギョレ 2016年9月29日付)
http://www.hani.co.kr/arti/society/labor/763502.html
韓国二大労総、初の公共部門の共同罷業
「常時解雇と成果主義」を押し付ける労働法改悪粉砕
−民主労総と韓国労総が初めての共同ゼネスト
(文−チョン・ウンジュ記者、写真−シンソヨン記者)
韓国労総の全国公共労働組合連盟(公共連盟)が、史上初の罷業に突入するなど、成果年俸制に反対する公共部門の労働組合の、連続罷業が29日も続いた。
公共連盟と、民主労総の全国公共運輸労働組合(公共運輸労組)は、29日午後3時、ソウル・ヨエド(汝矣島)文化広場で、6万名(主催側試算、警察の試算で3万5000人)が参加した中、共同全面スト・総力闘争大会を開き、'解雇年俸制・強制へのリストラ制度の粉砕、社会公共性強化'を主張した。公共連盟3つの労組6300人と公共運輸労組14の労組万1000人が同日ストに参加した。両大労総の初の公共部門の共同ストだ。公共運輸労組側は"政府の弾圧にもかかわらず、鉄道・地下鉄・病院・ガスなどでスト対象機関士、看護師などがほぼ100%ストに参加して、健康保険・国民年金など事務職でも全員ストに参加する状況"と明らかにした。
両大労働組合総連盟の公共・金融部門、連続ストは、この22日と23日、労総の公共労連と金融労組の大規模集会を開始された。以後、27日、鉄道・地下鉄・ガス・国民健康保険公団などが含まれた民主労総・公共運輸労組が無期限ゼネストに突入し、28日には保健医療労組と金属労組などが参加した。
( 訳 柴野貞夫)
▲(上写真)9月29日午後、ソウル汝矣島(ヨイド)公園で'労働改悪阻止、成果退出制度(リストラ)の粉砕、ゼネスト闘争勝利のための公共運輸労組総罷業の総力闘争大会'が開かれ、全国から上京した公共運輸労組員たちで、汝矣島(ヨイド)公園が溢れている。
▲(上写真)9月29日午後、ソウル汝矣島(ヨイド)公園で‘労働改悪阻止、成果退出制度(リストラ)の粉砕、ゼネスト闘争勝利のための公共運輸労組総罷業の総力闘争大会'が開かれ、全国から上京した公共運輸労組員たちが成果主義反対のスローガンを叫んでいる。
▲(上写真)9月29日午後、ソウル汝矣島(ヨイド)公園で‘労働改悪阻止、成果退出制度(リストラ)の粉砕、ゼネスト闘争勝利のための公共運輸労組総罷業の総力闘争大会'が開かれ、全国から上京した公共運輸労組員たちが成果主義反対のスローガンを叫んでいる。
<訳者解説>
「常時解雇と成果主義」で労働者を支配しようとするパク政権と、南朝鮮資本家階級に対する韓国労働者階級の反撃
パク・クネ政権の雇用労働部が、1月22日に強行発表した、一般解雇と就業規則に関する二つのガイドライン(政府指針)は、使用者が労働条件を始めとする賃金体系を、労働者の同意なしに変更することを指示、常時解雇も可能とするものである。この政府による労働ガイドラインは、既存の労働諸法規を無視して、その上に君臨するものであり、国家が恣意的に、ガイドラインを事実上立法化した様なものだ。日本安倍政権の、憲法の上に立つ「戦争法規」の強行を彷彿とさせる。
これは、賃金と労働条件に対する団体交渉権を事実上無力化するものであり、軍政時代の労働支配へ逆戻りするものとの批判もあるほどだ。イ・ギグオン雇用労働部長は、1月25日、全国の政府機関長会議を招集し、このガイドラインの指示徹底、フォローアップを計ったと韓国各紙は報じている。
イ雇用労働部長は、“政府が労働改革を早急に実施して、仕事の危機を克服せよと言う国民と産業界の要望だ。”と、韓国資本主義の危機の責任を、もっぱら、働く労働者に転嫁する、韓国資本家階級の決意を代弁する事を隠さない。
資本家寄りの韓国労総は、日本の「連合」の様なものだが、パク・クネの政労協議のメンバーとして「労働改革」の論議に加わってきた。しかし、昨年、12月以降、労使協議への参加を、公式、非公式に拘わらず拒否してきた。特に、政府ガイドラインの「通常解雇」に対し、「合意した事実はない」と反発、自分達の自殺行為になりかねない危機を感じたと思われる。イ雇用労働部長は、記者会見で“この労働ガイドラインが実施できれば、‘誠実な労働者’は、60歳まで成果と能力に応じて働けるだろう。殆どの‘誠実な労働者’は、通常解雇の対象ではない。‘例外的’に業務能力の低い労働者は、この限りではない”と、牙を剥き出した犬のように本音を吐いた。長官の言う、‘誠実な労働者’や、‘例外的に業務能力の低い労働者’の基準は、もちろん使用者(資本家階級)がきめると言うのだ。韓国資本家階級とパク・クネ政権が、労働者を虫けらのように差別する事を合理化する用語―‘低成果者(チョソンクァジャ)’を使う神経は、資本主義と資本家階級の道義的・道徳的退廃と、人間精神の腐敗を示して余りある。
パク・クネ政権と韓国資本家階級による暴力的な反撃の予兆は、2015年の11.14−民衆総決起大会に対する国家権力の暴力に示されており、労働運動を、刑事罰と民事上の賠償の対象とする韓国の諸法規によって、戦いが暴力的に弾圧される状況もある。日本の現実も、同じように成ってきたことの自覚も必要である。
日本の「連合」は、既に、現場における資本家階級の、法を無視した労働者に対する攻撃を、諾々と受け入れている。安倍と日本の資本家階級は、「連合」が安泰な限り、今のままで、思うような「労働改革」が進められると考えている。革命的労働運動の創出が必要な理由である。
<参考サイト>
☆世界を見る−世界の新聞/パク・クネの容易い解雇と、賃金削減のための政府指針を廃棄せよ(韓国・労働者連帯166号 2016年1月27日付)
▲(写真上)民主労総は、2016年1月30日、午後ソウル市庁前ソウル広場で、‘労働改悪政府指針阻止!公安弾圧粉砕!総罷業勝利!民主労総全国労働者大会’を開催している。写真―民主労総「労働と世界」より転写。(訳者注―この写真は、「労働者連帯」の写真ではありません)
☆ 2015年11・14民衆総決起大会(於・ソウル)−労働改悪・教科書国定化反対に集まった10万人の市民(韓国・ハンギョレ 2015年11月14日付)
http://www.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_516.html
▲(上写真)「民衆総決起大会」が開かれた14日午後、ソウル光化門(クァンファムン)広場近隣で、警察が車壁を作り放水銃を撃って市民の行進を阻んでいる
(キム・ソングァン記者/ハンギョレ)
▲(写真上) 2015年11月 14日夜、ソウルの光化門で開かれた民衆総決起大会で、一人の農民(ペク・ナムキ氏)が車壁に綱をかけて引いている間に警察の放水銃の直射を受けて倒れている。
鼻血を流して倒れた彼は脳震盪の症状を示し、救急車で搬送された。命が危険な状態と伝えられた 。
(注)
ペク・ナムキ氏 は昏睡状態にはまってから317日後の先月9月25日息を引き取った。
ペク ・ナムキ氏を追悼する「国家暴力真相究明!殺人政権糾弾!ペク・ ナムキ農民の追悼大会」が10月1日午後、ソウル大学路(テハクロ)ソウル大学ビョッウォンの前で開催された。3万人の労働者・市民が集まった。
▲'(写真上2葉)国家暴力真相究明!殺人政権糾弾!ペク・ナムキ農民の追悼大会'が1日午後、ソウル大学路(テハンノ)で万人の労働者、市民が集まった中で開催された。[写真-統一ニュース李スンヒョン記者]
▲ ぺク・ナムキ農民国家暴力の責任者処罰!殺人政権糾弾!
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