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韓国民衆言論/「対決にとらわれた朴槿恵大統領」 統一ニュース 2016101付 )
http://www.tongilnews.com/news/articleView.html?idxno=118333


             対決にとらわれた朴槿恵大統領(1)

南北関係破綻は朝鮮の対話提案まで振り切っパク・クネ大統領の責任

                                     グヮクドンキ(韓国社会研究所常任研究員


2007104日、祖国統一のビジョンと経路を提示した2次南北首脳会談の感動がまだ深く残っています。しかし、それから9年が過ぎた今、現実は生易しいものではありません。特に今年、朴槿恵(パククネ)政府の対北朝鮮政策は南北関係を破局に駆り立てたと考えることが出来ます。韓国社会研究所は以下の文章で、朴槿恵(パク・ク)政府の対北政策の問題点を指摘したいと思います。
1.対決にとらわれたパク・ク大統領(今回)
2.朝鮮の崩壊だけを追った外交・国防部
3.政府の資格を喪失した統一部

1.対決に捉われた朴槿恵(パク・ク)大統領

去る11日、新年の挨拶でパク・ク大統領は"強固な安保は、国家発展の最も基本的な土台""抜け目のない安保態勢で朝鮮の挑発には断固として対応しながら、対話の扉はいつも開いておき、平和統一の韓半島時代を向かって進ます。"と言いました。れから10ヵ月経った現在、パク・ク政府の対北政策を見ると、南北関係を完全に破綻させてしまったと、咎める他はないのです。

大統領の話とは違って、パク・クネ政府は対話の扉は徹底的に閉めたまま、ひたすら反北対決の一歩だけを駆けて来ました。
その先頭.にはパク・クネ大統領がいました。振り返ってみれば、パク・クネ政府が無理のある対北対決政策を全面化しているのも、何よりも大統領の意思がそうだからと見ることが出来ます

 陳腐な<制裁を踏襲するパク

朝鮮が16日、第4回目の地下核実験を強行すると、パク・クネ大統領は113日、対国民談話や記者会見を開き、"今回の核実験過程を通じて改めて確認された北朝鮮政権の欺まん的で無謀な行動を考慮すると、北朝鮮の追加挑発の可能性はいつでもあり得る"と宣言しました。
ご存知のように朝鮮の核問題は基本的に朝鮮と米国間の対決から派生した事案です。米国は1958年からこの地に核兵器を持ち込んでその時から朝鮮に対する核の脅威を加えて来た事は周知の事実です。
そうであれば,政府の対応はどうあるべきでしょうか。朝鮮は統一の当事者であり、米国は軍事同盟国です。政府は,朝鮮と米国が対話で問題を解決できる様に、積極的に仲裁に乗り出してこそ正しいです。
ところでパク・クネ大統領は米国の理解と自身を一致させたまま、朝鮮の軍事的措置を、“韓国に対する軍事的挑発と断定しました。更に、パク・クネ大統領は当時会見で、“北朝鮮の後方テロと国際テロ団体の脅威に備えるためには'テロ防止法'制定が必ず必要な状況"だと述べ、テロ防止法を対策として提示しました。
パク・クネ政府は朝鮮と米国の和解仲裁したのではなく、対決を激化させました。パク・クネ大統領は34日、朝鮮に向かって"核兵器が体制を保障するという誤った妄想を捨て"と主張しました。
朝鮮の核を無くすのだと、外から、けたたましい嵐を吹く格好です。しかし、そのような対決政策で朝鮮を変化させることが出来れば、父親の朴正煕(パク・ジョンヒ)から全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)、金泳三(キム・ヨンサム)政権に至る多くの対決政権等が、朝鮮を変化させたのなら、そうでしょう。しかし、朝鮮の態度を変化させたのはむしろ南北和解を推進した金大中(キム・デジュン)政府と"北東アジア均衡者"を言及した盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府の時でした。
しかし、パク・クネ大統領は"今回は必ず北朝鮮が'核を放棄しなければ体制の存続が不可能だ'と言う事を、明確に自覚するようにしなければならない"としながら、国連安保理の対北制裁決議案だけ可決されれば、近いうちに朝鮮が崩壊して、南北は早期統一されるかの様に話しながら反北対決を一途に固執しました。

 独自の制裁に乗り出した大統領

パク・クネ大統領は国連の対北制裁決議案の推進が遅々として進まないため、国際社会の制裁の世論を導くとして独自的な対北制裁に乗り出して、開城工業団地を中断させました。
325日、パク・クネ大統領は"開城(ケソン)工業団地の全面中断をはじめとする政府の独自な対北制裁は我々の断固とした意志を示す始まりに過ぎない"と言いました。
パク・クネ大統領は、“今、北朝鮮は国際社会の前例のない制裁措置で、事実上の孤立無援の状態に置かれており、それによって、無謀な挑発を強行する可能性がいつになく高い""北朝鮮が絶えず不安と危機感を助長している状況で、韓国社会内部が対立して国論が分裂したら、我々の未来は保障されない"とまで主張しました。
さらに、パク・クネ大統領は428日、国家安全保障会議を開き、"(北朝鮮が再び核実験を)強行したら未来がないことになるだろう"とし、"内部の反発で自滅することになるだろう"と主張しました。
それなら、パク・クネ大統領の主張どおり、朝鮮は果して、近いうちに崩壊するのでしょうか?多くの北朝鮮専門家たちは、今の北朝鮮の経済状況は1990年代の経済危機の時期より、ずいぶん改善されたと評価しています。
国連が対北制裁に乗り出すなら、朝鮮が崩壊するのでしょうか?朝鮮は1950年代から米国の制裁を経験してきました。2006年、北朝鮮の1回目の核試験の時にも国連は対北制裁決議案を通過させました。20092回目の核試験の時にも国連は制裁決議案を採択しました。20133回目の核試験の時にも制裁決議案を通過させました。
しかし、北朝鮮は4次、5次核実験を断行しました。果たして対北制裁が朝鮮の核問題を解決する方法だったでしょうか?つじつまが合わない主張です。

 朝鮮の対話提案を拒否し、制裁一辺倒の対北攻勢を続けて来たパク政権の深刻な失敗

さらに、パク・クネ大統領は朝鮮の対話の提案も振り切って制裁一辺倒の対北攻勢を続けて行きました。
パク・クネ大統領は613日、20代国会開会の演説で"(朝鮮の)非核化のない対話提案は、局面転換のための欺瞞に過ぎない"とし、朝鮮の軍事会談提案を簡単に一蹴しました。彼は"性急に北朝鮮との対話再開に向けた対話に応じてせっかく形成された国際社会の対北制裁のモメンタムを逃したら、、北朝鮮の非核化の道はさらに遠のくばかり"と主張しました。
それなら一度諮問してみましょう。国際社会の対北制裁のモメンタムは今どれほど維持されているでしょうか。パク・クネ政府が78日、サード韓半島配置を宣言し、中国の北制裁の効果は期待しづらくなりました。
朝鮮は昨年99日、5次核実験を断行し、今は"核兵器の規格化"を主張する段階に突入しました。パク・クネ大統領が対北制裁にこだわった結果、朝鮮の非核化どころか、もう"核兵器の規格化"を目前にすることになりました。朝鮮の核を廃棄すると乗り出したが、対話を拒否して制裁と圧迫にこだわった結果、朝鮮核兵器の規格化まで認めてしまった結果です。このどれほど深刻な政策失敗ですか?

 対北対決に乗り出すパク政権は、南北関係破綻の責任を取らなければならない

或る人は、パク・クネ大統領が朝鮮に対して強硬に対応するのは、朝鮮の核実験のため、朝鮮に責任があると思うかもしれまパク・クネ大統領の強硬な対北立場はただ北朝鮮核の為だけで見る事ができません。パク・クネ大統領は朝鮮の核だけでなく、朝鮮の人権とテロの可能性を問題視して、朝鮮体制に対する根深い反感を表出している為です
613日、パク・クネ大統領は"特に、北朝鮮住民の人権問題はこれ以上無視できない問題だ。政府は国際社会とともに北朝鮮住民の人権状況改善に向けた努力を続けていくのだ"としました。74日の閣議では、"どの地域もテロから安全でない。北朝鮮が韓国社会内部の葛藤を狙って様々なテロを試みている。北朝鮮のテロ行動が差し迫っているという観点から、備えなければならない"と言いました。
朝鮮の核開発と関係なく朝鮮を統一の対象というよりも人権蹂躙集団、潜在的テロ勢力と規定することで、和解協力を拒否して対北対決に乗り出すものと見ることができます。
パク・クネ大統領は朝鮮が核を放棄しさえすれば、朝鮮体制が生きる道が開かれると主張しているが、朝鮮が実際核を放棄したと仮定してみましょう。潜在的テロ勢力と和解をして協力をする可能性は非常に低いものです。
朝鮮との対話が大韓民国を危険に陥れる悪い政策かどうかをチェックしましょう。朴正熙(パク・チョンヒ)政権も19727.4南北共同声明で北朝鮮政権と自主、平和、民族大団結の統一原則を合意しました。
盧泰愚(ノ・テウ)政権も1991年南北基本合意書で、南北関係を"国と国との間の関係がなく統一を志向する過程で暫定的に形成される特殊関係"と認定し、南北和解と協力の必要性を認めました。
パク・クネ大統領は、軍部独裁政権と批判された朴正熙(パク・チョンヒ)や盧泰愚(ノ・テウ)大統領よりさらに半くらいにぎやかな対決観点に捉われていると考えられています。
国家の外交政策は絶対的な善悪の視点に捉われて悪を懲罰しなければならないという一方主義が採択されてはならない。対北政策の目的も"北朝鮮への懲罰"ではなく、"韓半島平和"だからです。米国のジョージ・ブッシュ行政部を見てみましょう。歴史的に善悪の二分法的な観点にとらわれて一方主義を追求した外交は成功した事例がありません。
北朝鮮の5次核実験以降、米国内でもケリー国務長官が北朝鮮の核凍結を条件に対話の必要性を言及している状況です。ところでパク・クネ大統領は99日、北朝鮮の核実験について、"核実験を通じて得られるのは国際社会のより強力な制裁と孤立だけで、このような挑発は結局、自滅の道をさらに要請するものだ。"述べました。南北関係をさらに回復しにくい局面に追い込むということです。
今日の南北関係破綻は、パク・クネ大統領が責任を負わなければなりません。
                                              (訳 柴野貞夫)