(世界の新聞/ 朝鮮民主主義人民共和国・外務省第一次官談話 2018年5月16日付)
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[朝鮮外務省キム・ケグァン(金桂寛)第一次官・談話発表]
一方的な核放棄だけを強要するのであれば、我々はそうした対話に興味を持たない
▲ 朝鮮外務省キム・ケグァン(金桂寛)第一次官
朝米首脳会談を前にして対話相手側を甚だしく刺激する妄言が飛び出している
朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長金正恩同志は、朝米関係の芳しくない歴史を終わらせる為の戦略的決断を下され、我が国を訪問したポンペオ米国務長官と二度も接見され、朝鮮半島と世界の平和と安全の為に、実に重大且つ大胆な諸措置を取って頂いた。
国務委員会委員長同志の崇高な意思に応えて、トランプ大統領が、歴史的根が深い敵対関係を清算し、朝米関係を改善しようとする立場を表明した事に対し、私は肯定的に評価し、近づく朝米首脳会談が、朝鮮半島の情勢緩和を推動し(駆り立て)、素晴らしい未来を建設する為の大きな一歩になるだろうと期待した。
しかし、朝米首脳会談を前にした今、米国で、対話相手側を甚だしく刺激する妄言が、やたらに飛び出しているのは、極めて不穏当な処置(仕打ち)として失望せざるを得ない。
安保補佐官・ボルトンらが何者かは、我々は既に明らかにしている
ホワイトハウス国家安保補佐官ボルトンを始めとした、ホワイトハウスと国務省の高位官吏達は、《先に核放棄、後に補償》方式を言い触らしながら、所謂(いわゆる)リビア核放棄方式であるとか、《完全で、検証可能であり、後戻り出来ない非核化》や、《核、ミサイル、生化学兵器の完全廃棄》などと言う主張を、
躊躇(ためら)う事無く垂れ流している。
これは、対話を通じて問題を解決しようとするのではなく、本質にあって、大国に国を丸ごとで任せ、崩壊したリビアやイラクの運命を、尊厳高い我が国家に強要しようとする非常に不純な試みの発現である。
私は、米国のこのような仕打ちに憤怒を禁じえないのであり、果たして、米国が真情に、健全な対話と交渉を通じて朝米関係改善を望んでいるのかについて、疑心する事になるのだ。
世界は、我が国が、悲惨な末路を歩んだリビアやイラクではないと言う事について、余りにも良く知っている。核開発の初期段階にあったリビアを、核保有国である我が国家と対比すること自体が、愚鈍極まりない。我々は既に、ボルトンが何者かを、明白に明らかにしており、今も、彼に対する拒否感を隠すものではない。
米国の対朝鮮敵視政策と核脅威・恐喝を終わらせる事が先決条件
トランプ行政部が、過ぎし期間、朝米対話が進められ時毎に、ボルトンの様な者達の為に紆余曲折を経験しなければ駄目だった過去史を忘却し、リビアの核放棄の方式であれ、何であれ、まやかしの《憂国の志士》達の言葉に従えば、今後、米朝首脳会談をはじめとした全般的な朝米関係の展望が、どのようになるだろうかと言う事は、火を見るより明らかである。
我々は既に、朝鮮半島の非核化の用意を表明し、この為には、米国の対朝鮮敵視政策と核脅威・恐喝を終わらせる事が、その先決条件となると言う事に対して、数回にわたって明言した。
我が国は、一方的な核放棄だけを強要しようとする《対話》には興味を持たない
今の米国は、我々の大きな度量と鷹揚な措置を、軟弱性の表現と誤判しながら、彼らの制裁圧迫攻勢の結果として密かに考え、放り投げ様としている。
米国が、我々が核を放棄すれば、経済的補償と恩恵を与えると騒いでいるが、我々は、かって一度も、米国に期待をかけて経済建設をしてみたことがなく、今後もそのような取引を決してしないだろう。前行政部と異なる道を歩むことになると主張しているトランプ行政府が、我々の核が未だ開発段階にある時に、以前の行政部達が利用した、かび臭い対朝鮮政策案を、そのままいじりまわしているのは、幼稚な喜劇に他ならない。
もし、トランプ大統領が、前任者たちの前轍を踏襲すれば、以前の大統領らが成し遂げなかった最上の成果物を挙げようとした初心とは正反対に、歴代大統領よりも、もっと、無残に失敗した大統領として残る事になるだろう。
トランプ行政部が、朝米関係改善のため、真正性を持って朝米首脳会談に出る場合、我々の当然の反応を受けることになるのだが、我々を隅に追いやり、一方的な核放棄だけを強要しようとすれば、我々はそうした対話に、もはや興味を持たないのであり、近づく朝米首脳会談に応じるのかを再考する他ないだろう。
(訳 柴野貞夫 2018年5月17日)
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