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(世界の新聞/ 激変期を知らせる3つの兆候  ミンプラス 2021520日付)
http://www.minplusnews.com/news/articleView.html?idxno=11724




           激変期、韓半島の選択は<1>


(1) 激変期を知らせる三つの兆候(今回)
(2) 北、反米全面抗争準備に拍車
(3) 敵対関係に転じた北と南



 第1章 激変期を知らせる三つの兆候

1. 世界の覇権秩序の大転換

朝鮮中国の浮上新自由主義世界化の破産と民衆の抵抗の拡散
1990年代、ソ連と東欧の没落以後、過去30年間維持して来た米国の唯一覇権が揺らぎながら、新しい世界秩序が構築される激変期に入った。激変期を衝動する動力は、中国の浮上、朝鮮の核武力完成、新自由主義世界化の破産と民衆的抵抗の拡散に要約される。
先ず、中・米の覇権角逐は、以前までは、米国の牽制政策と中国の長期戦戦略として要約する事が出来た。米国は、中東に力を集中していたし、中国は、米国との全面対決を回避した。しかし、今、対中国包囲戦略が、軍事的にも経済的にも極めて攻撃的な様相を浴び、中国も‘立ち向かう(対抗する)戦術’ が不可避となった。
次に、北・米対決は、90年代以降、浮き沈みを繰り返して来た‘非核化対補償’と言う交渉が完全に終わり、新しい局面に入った事を言う。北は,《強対強、善対善》の原則を標榜しながら、核武力の高度化と経済強国建設で、米国を制圧する反米全民抗争の準備に拍車をかける。バイデン行政府は強圧的であり、積極的な対北朝鮮圧殺政策を強化するだろう。
トランプ政権とバイデン政権の共通点は、両方とも、米国が危機に直面したと言うことであり、違いは、トランプ政権が“米国優先主義”を前面に出し、資源と力を米国の軍事的、経済的能力を強化する事に集中したとすれば、バイデン政権は、“同盟の復元”を通して、“米国中心の対中国包囲同盟の構築”が核心だと言う点にある。
トランプが、紛争に対する介入の最小化を図ったとすれば、バイデン政権は、極めて攻撃的に紛争を助長して介入し、“米国か中国かの選択”を強要する。


2、急変する北東アジア情勢

バイデンの《価値同盟》−そのイデオロギーとしての限界
東北アジア情勢も新たな局面を迎えた。米国が主導する<韓・米・日 同盟>と、<北・中・露 反帝連合戦線>間の本格的な陣営対決が全面化した。これを、‘新冷戦時代の到来’と見る事は、情勢の本質を看過するものだ。
戦後の冷戦秩序が、力のバランスによる対立局面だったとすれば、今は、米国の衰退によって力のバランスが崩れた激変期である。更に、過去冷戦時期の反共イデオロギーは力を失い、経済的利害関係が秩序再編の核心動因として作用する。
既に、西側の親米国家でさえ、中国の《一路一帯プロジェクト》に深く足を踏み入れた条件で、バイデンの《人権》を武器とする《価値同盟》が力を得るはずが無い。
特に、コロナと大統領選挙で、《アメリカ式民主主義》の素顔が明らかとなり、《価値同盟》は、イデオロギーとしての限界が、更に明らかとなった。


新自由主義世界化の没落
コロナパンデミックで貧富の格差は、資本主義体制そのものを脅かすレヴェルに拡大した。
実体経済は後退するのに株価だけが走り、金融資本家の懐だけが肥え続けている。
米国成人の25パーセントが、失業手当と無料給食で延命しており、お金がなく治療を放棄している。
新自由主義世界化は、深刻な(民衆の)抵抗と破産の危機に直面した。今日、極端な貧富格差は臨界値に達した。個別の国での貧富の格差は勿論、所謂、中心国と周辺国との間の貧富の格差は、極に達した。特に、コロナパンデミックで貧富の格差は資本主義体制そのものを脅かすレヴェルに拡大した。
全世界で、37千万人の子供達が、給食中断で飢餓線上で苦しんでいる。(世界食料機構発表)に対し、米国の億万長者の財産は、20203月以降、11000億ドル以上増加した。これは、過去11か月の間の国家非常事態の間、ほとんど50%増加した。(米連邦準備理事会発表)
米国の上位50人の財産(約2兆ドル)は、下位50%(約17000万人)の財産を合わせたよりも多く、上位1%の財産が下位50%の財産より10倍以上多い。米国の成人25%が、失業手当と無料給食で延命しており、お金が無く治療を放棄している。
米国の資本家達の口から、このままいけば、ウオール街を占拠せよと言う運動は、比較にならない《民衆蜂起》に直面すると言う警告まで出ている。注目すべきは、2008年の金融危機とは比較にならない巨大な資産バブルの崩壊が予見される事である。
コロナパンデミックで、貧富の格差が大きくなった理由は、景気浮揚の為に投入される資金が、株式市場を人為的に扶養し、実体経済は後退するのに株価が走り、金融資本家の懐だけが肥えるからだ。先に述べた、米国の金持ち達のコロナ以降の核心的収益源は株式だった。上位1%が稼いだ株式所得だけで、23811億ドルで、韓国の年間予算の6倍に達する。
現在、世界的に、実物資産に対する金融資産の割合は、約400%に達する。賭場場に居る人々の財産を全部合わせると1億ウオンなのに、掛け金は4億ウオンと言う訳だ。特に、金融資本は、景気が厳しい程、実物への投資を嫌う。結局、雇用生産には投資せず、金貸しにだけ没頭してはインフレを招くこととなる。

こうした金融バブルが不動産バブルと連動して,一瞬にして崩壊することを2008年の金融危機が示している。そしてグローバル化された金融システムを、一瞬にして麻痺させる破壊力を通じて、全世界の民衆の生活が、いつ、どのように破壊されるのか分かったものではない。
                                                      (訳 柴野貞夫)