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(「中朝関係の復元は,北東アジアの新しい平和秩序の‘信号弾’」 ミンプラス 2018330日付)
http://www.minplus.or.kr/news/articleView.html?idxno=4810


     中朝関係の復元は、北東アジアの新しい平和秩序の‘信号弾’



アメリカの声(VOA)は「朝鮮半島情勢の変化を主導」していると評価

キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党書記が電撃的に中国を訪問し、習近平共産党総書記と首脳会談を行った。 すべての予想を越えた大胆な歩みだ。
周知のように、これまで朝・中関係は、公開的に言論を通して、相互非難を取り交わす程、冷え冷えする状態だった。
金委員長の訪中は、このように疎遠になった朝・中関係を、一挙に“血で結ばれた親善”??関係に復元した歩みとして評価される。 これに対して、米国の国営・アメリカの声(VOA)は、金委員長が“大胆で緻密な”歩みで、「朝鮮半島情勢の変化を主導」していると評価した。
今回の首脳会談は、 ▲南・北・米間 南・北、北・米首脳会談の合意で、いわゆる「チャイナパッシング(china passing)」の懸念が提起されて ▲中・米間の協力が壊れ、米国が中国との貿易戦争を開始して、台湾旅行法( 訳注―2018228日に米国議会を通過し、316日にアメリカ合衆大統領の署名を受け成立した法律。米国および台の高級官僚の相互の訪問を促進する法律)を通過させ、中国を刺激する困難な状況で実現された。
これは、中国が、北東アジアでの発言権が弱体化され、米国と、主権の問題と経済の領域で直接対決ができない状況に置かれたことを意味する。 また中国は、北との関係で、アメリカの要求通り、北に対する厳しい経済制裁の先頭に立った結果、悪化するままに悪化した状態であった。

中国の傲慢な大国主義的政策が史上最悪の朝・中関係を生み出した

中国が昨年、トランプ政府の公共経済報復猶予の対価として、米国の「最大限の圧迫政策」に積極的に同調したことは周知の事実である。 もちろん、ここには、中国が北の核保有に反対してきた名分もある。 中国は、北の石油供給を制限し石炭輸入を中止するなど、まさに最大限の制裁を加え、朝中関係が史上最悪に至ったという評価が出てくるほどだった。
情勢の逆転は、北の「核武力完成」宣言で始まった。朝鮮がこれを基に、韓国と米国に対する主導的対話提案で、首脳会談の合意を導くや、中国の存在感は弱まった。
「チャイナパッシング」論議が提起された背景だ。 ここで、米国は中国を通じた圧力が、特段効果がない事が確認されるや、直ぐに北との直接対話に転じ、中国に対して距離を置き、乱暴な貿易戦争を開始し、南シナ海問題のほか、台湾にまで手を伸ばし、対中国の主権の問題まで刺激した。
スティーブ・ベノン 元ホワイトハウス顧問が主張するように、米国が、実際には、中国の最大の敵であることを表わしたものである。 中国は米国に協力しながら、自国の経済発展に重点を置いた、傲慢な大国主義的政策を押し付けるのだが、むしろ,孤立した状況に直面しているわけだ。しかし、中国が排除されず、朝鮮半島問題の解決に参加しなければならないというのが、金正恩委員長の主張だ。

金正恩の電撃訪中は、孤立した中国にとって‘恵みの雨’となった

中国にとって、このような困難な状況で、キム・ジョンウン委員長の「電撃的な訪問提案」は、まさに「乾いた空に恵みの雨」であったと思われる。
VOA報道通り、「絶妙な時期」「全く大きなアプローチ」である。 キム・ジョンウン委員長は、「現在の朝鮮半島情勢が急速に前進し、少なくない重要な変化が発生」し、「正義と道義に従い」「ちょうど良いときに、習近平書記に直接状況を通知する必要がした」と、自分の電撃的な訪中の背景を説明した。
訪中目的を「朝中親善の貴重な伝統を継承して発展する時代の要求に合わせて新たな高い段階に引き上げたい」と述べた。 疎遠になった関係をよく話し合い、中朝親善を新たな段階へと発展させようというものである。習近平書記が積極的に呼応しない理由がないわけだ。
中国がそのどの国の首脳より手厚くもてなし、国営メディアが競争的に「チャイナパッシング」はないと会談について極めて異例で3400字に達する長文の発表文に記載したのは、中国がどのよう今回の会談を重視したのかを見せてくれた端的な例だ。

朝中関係復元は北東アジアの新しい平和秩序を知らせる信号弾

朝鮮と中国は、首脳会談の結果2つの重要な合意を見た。 一つは、伝統的な朝中関係を「新しい時代の要求に合わせて継承発展させていくことができる画期的な里程標を用意」したと言う点と、他の一つは、「地域の平和と安定」をはじめとする、「相互の関心事となる諸問題で、見解の一致を成し遂げた」と言う点である。
注目すべき部分は、地域の平和と安定のための両国間の「見解一致」を獲得したということだ。 対北制裁解除はもちろん、南北、北米サミットの成功のための中国の積極的な支援と協力が予見される。

実行措置は段階的に「行動対行動」の方法で進行されるしかない


特にキム・ジョンウン委員長の韓半島非核化と関連,「段階的、同時的平和実現と非核化」発言が、世界の耳目を集めた。 一部では、米国と韓国政府は、核廃棄一括妥結を願うが、北が過去の様に段階的非核化を主張し、時間を引き延ばすと言うなど、北の伝統的な<サラミ戦術>(訳注―サラミソーセージを細切れに切る如く、時間を延ばすと言う意味か?)だと言う等の憶測をしている。
(これ等一部の見解は)反北習性に陥り、情勢転換の意味を依然として理解出来ない見解である。むしろ、青互台が明らかにした、北・米間の一括妥結へ進むにしても、実際の措置は、段階的にしか行なわれる他ないと言う立場が正確である。史上初の北米の首脳が会った席で、段階的実務措置を論じないと言うのは常識である。
当然、関係正常化と、それに準ずる非核化措置の合意という一括妥結が試みられるだろう。 終戦宣言をはじめ、米国の核の脅威中断と駐韓米軍撤収問題と、それに対応した北の非核化措置の合意など、大きな枠組みの根本的な問題の解決が準備される。
また、南北間には平和を強固にして、統一に進む原則案が合意されなければならない。 このように韓半島の平和のための大きな枠組みの合意がなされた場合、実行措置は段階的に、「行動対行動」の方法で進行されるしかない。 その過程で、中国は休戦協定の当事者として、適切な役割をすることができる。朝中関係復元と、より高い段階への進入宣言は、北東アジアの新しい平和秩序を知らせる信号弾である。 ホワイトハウスは、北中首脳会談の結果を慎重に楽観的と言いながら、正しい方向に進んでいると評価し、トランプ大統領も「キム・ジョンウン委員長との出会いを楽しみにする」と述べた。 北は相次いで、ロシアのプーチン大統領とも首脳会談を準備するものと見られる。 中国とロシアが南北、北米首脳会談を支持、支援し、南北アメリカが共に朝鮮半島の平和体制樹立に力を集めたならば、70年の分断の歴史を終える日も遠くないだろう。 同時に地球の中心北東アジアに新しい平和秩序が完成するだろう。
                                     (訳 柴野貞夫 2018425日)

関連サイト>


☆「何を得ようとするのか、中国メディアの浅はかな干渉」(労働新聞 2018年2月8日付)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_612.html

☆「朝中関係の柱を切り倒す無謀な言行を、これ以上してはならない」(朝鮮中央通信 2017年5月3日付)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_577.html