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(世界の新聞/ 新年の辞 朝鮮 「ウリミンジョクキリ」 201911日付)
http://www.uriminzokkiri.com/index.php?ptype=great&subtype=rozak&no=6607

                    新年の辞(その2
                                   キム・ジョンウン(金正恩)


[訳者注] 当訳文は、「新年の辞」の続きです。本文中の青い中見出しは訳者によるものです。

▲執務室のキム・ジョンウン委員長(出処ー朝鮮中央通信)

● 強力な自衛的国防力は、国家存立の基礎であり平和守護の担保
国家防衛力を、しっかりと固めなければなりません人民軍隊は、4大強軍化路線を一貫して堅持して、党と革命、祖国と人民の安全を頼もしく守り、社会主義建設の戦闘場ごとで、過去と同じように引き続き、

奇跡的な神話を創造することで、革命軍隊の威力、我が党の軍隊としての不敗の威力を余すところなく誇示しなければなりません。
朝鮮人民内務軍は、革命の赤い盾らしく、我が党と制度、人民を決死保衛しなければならず、労農赤衛軍は、創建六十周年を迎える今年、戦闘力強化で、転換をもたらせねばなりません。強力な自衛的国防力は国家存立の基礎であり、平和守護の担保です。
軍需工業部門では、朝鮮半島の平和を武力で頼もしく担保できるように、国防工業の主体化、現代化を推し進め、国の防衛力を世界の先進国のレベルに向上し続けさせながら、経済建設を積極的に支援すべきです。
今年、私達の前に立つ戦闘的課題を、成功裏に遂行しようとするなら、革命の指揮成員である幹部(イルグン―活動家の意もある)が、決心と覚悟をしっかりと持って、奮闘し、闘争しなければならない。
党政策貫徹の主体、その主人は、他でもない人民大衆であり、現実を誰よりもよく知っているのも、人民大衆です。 幹部(イルグン)は、いつも沸き立つ現実に浸透し、すべてを直接自分の目で見て実態を全面的に分析しなければならず、群衆の中に深く入り、彼等と一緒に暮らしながら、彼らを立ち上がらせ、提起された問題を解決しなければならない。
党の構想に、自分の理想と抱負を沿らして立て、絶える事無く実力を重ね、視野を広げ、すべての事業を党が願う高さで、完全無欠に成し遂げる巧みな組織者、頑強な実践家になるべきです。幹部は、難しいことに一身を投げ出し、祖国と人民の為に夜の眠りを忘れ、精魂を傾けなければならず、人民の高まる笑い声で闘争の遣り甲斐を見つけなければなりません


● 今日の時代の青年たちは、新しい技術の開拓者、新しい文化の創造者である
今日、社会主義建設で、青年たちが、一役(ひとやく)しっかりと果たさなければなりません。青年たちは、最近の党の戦闘的アピールを仰ぎ、新しい時代の神話を創造したその精神と気概によって、党が招集する革命の哨所で、斥候隊(せっこう隊・第一線の持ち場の事)の栄誉を輝かせる事が必要です。
激動的な今日の時代に青年たちは、新しい技術の開拓者、新しい文化の創造者、大飛躍の先駆者となり、青年たちが働くそのどこでも、青春の気迫と活力があふれる様にしなければなりません。


● 党のイルグン(幹部・活動家)達の役割
党組織の役割を決定的に高めなければなりません。各級党組織は、時代と革命発展の要求に合わせて、政治思想活動を進攻的に広げ、我が人民の剛毅な精神力が、社会主義建設全域で、高く発揮される様にしなければなりません。
行政、経済の幹部達が、党の政策貫徹するための作戦と指揮を、責任的にする様に押し進めてやり、自己部門、自己単位で、集団的革新と競争の熱風を激しく起こさねばなりません。道、市、郡の党委員会は、農業と教育事業、地方工業発展で、転換をおこす為の闘争を強く押しださなければなりません。

● 板門店宣言と9月・平壌共同宣言、北南軍事分野合意書は、事実上の不可侵宣言
同志の皆さん!
昨年は70年の民族分裂史上、かつて見たことがない劇的な変化が起こった激動の年でした。 私達は、常時的に戦争の危機に置かれている朝鮮半島の異常な状態を終わらせ、民族的和解と平和繁栄の時代を開く決心のもとで、昨年の年初から、北南関係の大転換のための主動的で果敢な措置を取ってきました。
内外の大きな期待と関心の中、一年の間に、三回の北南首脳対面と会談が行われたのは前例のないことであり、これは、北南関係が完全に新たな段階に入ったことを明確に示しました。 朝鮮半島に、これ以上、戦争のない平和の時代を開いておこうとする、確固たる決意と意志を込めて採択された板門店宣言と9月・平壌共同宣言、北南軍事分野合意書は、南北間の武力による同族の争いを終わらせることを確約した事実上の不可侵宣言として、誠に重大な意義を持ちます。


● 朝鮮半島を恒久的で、強固な平和地帯する事は、私達の不動の意志
北と南の体育人達が、国際競技大会で共同で進出し、民族の英知と力を轟かす時、芸術家たちは、平壌とソウルを行き来しながら、民族的和解と統一の熱気を熱く盛り上げました。様々な障害と難関を果敢に克服しながら、鉄道、道路、森林、健康をはじめとする様々な分野の協力事業を推進し、民族の共同繁栄のための意味のある第一歩を踏み出しました。
ここ一年で、北南関係で起こった驚くべき変化は、私達民族同士の心と力を合わせていけば、朝鮮半島を、最も平和で永く繁栄する民族の真のねぐらにする事が出来ると言う確信を、全同胞に抱かせました。まだ第一歩に過ぎないが、北と南が、心を合わせ、知恵を集めて、不信と対決の最極端に置かれていた北南関係を、信頼と和解の関係に確固として引き戻し、過去には想像もできなかった驚異的な成果が、短期間に成し遂げられたことについて私は非常に満足しています。
私達は、未曽有の出来事で、見事に飾られた昨年の貴重な成果に基づき、新年の2019年に、北南関係の発展と平和繁栄、祖国統一のための闘争でより大きな前進を遂げなければなりません。全民族が、《歴史的な北南宣言を徹底的に履行して、朝鮮半島の平和と繁栄、統一の全盛期を開いていこう!》、このスローガンを高く掲げていかなければなりません。北南間の軍事的敵対関係を根源的に清算して、朝鮮半島を恒久的であり、強固な平和地帯にしようと言うのは、私達の確固不動の意思です。

● 合同軍事演習も、戦争装備持ち込みも完全に停止するべき
北と南は、すでに合意した通り、対峙地域での軍事的敵対関係の解消を、地上と空中、海上をはじめとする朝鮮半島全域へ続ける為の実践的措置を積極的に取っていかなければなりません。北と南の平和繁栄の道に行くことを確約した以上、朝鮮半島情勢の緊張のもとになっている外部勢力との合同軍事演習を、これ以上許可してはならず、外部からの戦略資産をはじめとする戦争装備持ち込みも完全に停止されなければならないというのが、私たちの主張です。
停戦協定の当事者との緊密な連携の下に、朝鮮半島の現停戦体制を平和体制に転換するための多国間交渉も積極的に推進して、恒久的な平和保障の基盤を実質的に作らねばなりません。
全同胞は、‘朝鮮半島平和の主人は、私達民族’という自覚を抱いて、一致団結して、この地で平和を破壊し、軍事的緊張を煽る一切の行為を阻止破綻させるための闘争を力強く展開していくべきです。
北南間の協力と交流を、全面的に拡大発展させて、民族の和解と団結を強固にし、全同胞が南北関係の改善の恩恵を実際に見る様にしなければなりません。


● 民族の和解と団結、統一の前途を遮る外部勢力の干渉と介入を許してはならない
当面して私たちは、開城工業地区に進出した南側企業人達の困難な事情と、民族の名山を訪ねたいと言う南側同胞達の望みを察し、如何なる前提条件や対価なく、ケソン(開城)工業地区と、クムガンサン(金剛山)観光を訪ねたいと言う南側同胞の願いを察し、何の前提条件や対価なしに開城工業地区と金剛山観光を再開する用意があります。
北と南が固く手を取り合って、民族の団結した力に依拠するなら、外部のあらゆる制裁と圧迫も、そのいくつかの課題や試練も、民族繁栄の活路を開いていこうとする私達の行く手を妨げる事は出来ないでしょう。私達は、北南関係を、自分達の食い気と利益に服従させようとしながら、我が民族の和解と団結、統一の前途をさえぎる外部勢力の干渉と介入を、絶対に許さないでしょう。
北と南は、統一に対する全民族の関心と熱望が、前例なく高まっている今日の良い雰囲気を逃さず、全民族的合意を土台とした平和的な統一方案を積極的に模索する必要があり、その実現のために真剣な努力を傾けていくべきです。 北と南、海外の全同胞は、勇気百倍して、北南宣言を貫徹するための民族挙げて進軍をさらに加速し、今年を、北南関係の発展と祖国統一偉業の遂行で、もう一つの画期的な転換をもたらす歴史的な年として輝かせなければなりません。


● 我々は核兵器を造る事も、試験をする事も、使用する事もしない
同志の皆さん!
昨年、我が党と共和国政府は、世界の平和と安全を守り、多くの国との親善を拡大強化するために責任的な努力を傾けました。 三回にわたる私達の中華人民共和国訪問と、キューバ共和国代表団の私達の国の訪問は、社会主義国間の戦略的な意思疎通と伝統的な友好・協力関係を強化するうえで特記する出来事になりました。 昨年、私たちの国と世界の多くの国の間で、党、国家、政府レベルの往来と交流が活発に行われて、相互理解が深まり、国際社会の健全な発展を推進しようとする立場と意志が確認されました。
歴史的な最初の朝米首脳対面と会談は、地球上で最も敵対的だった朝米関係を劇的に転換させ、朝鮮半島と地域の平和と安全を確保するのに大きく貢献しました。 6. 12朝米共同声明で明らかにしたように、新しい世紀の要求に合った二国間の新たな関係を確立して、朝鮮半島に、恒久的であって強固な平和体制を構築し、完全な非核化へ行こうと言うことは、わが党と共和国政府の不変した立場であり、私の確固たる意志です。
このことから、私達はすでに、これ以上、核兵器を造る事も、試験をする事もなく、使用する事も伝播(拡散)する事もないと言う事について、内外に宣言し、様々な実践的措置を取ってきました。

● 米国との関係においても、双方の努力によって良い結果が生み出される
私達の、主動的で、先制的な努力に、米国が信頼性のある措置を取り、相応の実践的行動で応えて出たなら、2国の関係は、よりもっと、確実で画期的な措置を取っていく過程を通じて、すばらしくも速い速度で前進することでしょう。
私達は、朝米二国間の不快な過去史を、継続して固執し、抱かえていく意思はなく、一日も早く過去を締めくくって、両国人民の志向と時代の発展の要求に合わせて、新たな関係確立に向けて進む用意があります。 昨年急速に進展した北南関係の現実が示すように、一旦、しようと決心さえすれば出来ない事はなく、対話相手側が、お互いの固執的な主張から大胆に抜け出し、相互認識し、尊重する原則で公正な提案を出して正しい交渉姿勢と問題解決の意志を持って臨むなら、必ずお互いに有益な終着点に到着するでしょう。
私は、米国との関係でも、今年の北南関係が大転換を迎えた様に、双方の努力によって、今後、良い結果が必ず生み出されるものと、信じています。 私は、昨年6月、米国の大統領と会って、有益な会談をしながら建設的な意見を交わしたのであり、お互いが抱える懸念と絡まった、問題解決の迅速な方法について、認識を共にしたと思います。 私はこれからも、いつでも、再び米国の大統領と向き合う準備が出来ており、必ず、国際社会が歓迎する結果を作るために努力します。


● 米国が制裁と圧力に出るのであれば、我々は新たな道を模索せざるを得ない
ただ、米国が世界の前で行った自己の約束を守らずに、私達人民の忍耐を誤判し、一方的に、その何かを強要しようとして、依然として共和国に対する制裁と圧力に出て行くのであれば、私達としても、やむを得ず国の自主権と国家の最高利益を守り、朝鮮半島の平和と安定を実現するための新たな道を模索せざるを得なくなる事もあります。
朝鮮半島と地域の情勢安定は、決して容易く、用意されたものではなく、本当に平和を願う国なら、現局面を大切にする共同の責任を持っています。周辺国と国際社会は、朝鮮半島の肯定的な情勢の発展を推進しようとする私達の誠意ある立場と努力を支持し、平和を破壊し、正義に逆行するあらゆる行為や挑戦に反対して闘争すべきです。
わが党と共和国政府は自主、平和、親善の理念に基づいて社会主義国との団結と協力を続けて強化し、私たちを友好的に接するすべての国との関係を発展させていきます。


● 人民の国の理想と目標に向かって前進しよう
同志の皆さん!
私達は、私の国、私の祖国のために、後代のより明るい笑顔の為に、決死奮闘する覚悟を改めて引き締め、新年の旅程を開始します。
過酷な経済封鎖と制裁の中でも、自分の力を信じて、自分の手で道を開拓しながら、飛躍的な発展を遂げた昨年を誇り高く総括しながら、もう一度、再三確信するのは、私達の国は、そのどんな外部的な支援や、誰の助けがなくても、いくらでも十分に、私達人民のたくましい力と努力で、我々式社会主義の発展の道に沿って力強く前進して行くことが出来るという真理です。
今年も私達の前進過程は、不断の障害と挑戦にぶつかることや、誰も私たちの決意と意志、力強い進軍を引き戻せない。私達人民は、必ず自己の美しい理想と目標を、輝かしく実現するでしょう。 皆が、真の人民の国で、社会主義祖国の富強発展のために心を一つにして、力強く働いて行きましょう。
                                                        (訳 柴野貞夫)

<参考サイト>

☆605 「新年の辞」朝鮮労働党委員長・金正恩 (朝鮮中央通信 2018年1月1日付)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_605.html