(世界の新聞/この本は朝鮮に対するあなたの全ての考えを覆す 「ミンプラス」 2021年1月28日付)
http://www.minplusnews.com/news/articleView.html?idxno=11362
この本は北韓(朝鮮)に対するあなたの全ての考えを覆す<その2>
A.B. Abrams著『不動の目標・北韓、米国、70年間戦争中』(Immovable Object: North Korea’s 70
Years at War with American Power)が新刊された。以下は、米国の言論 「Information Clearing House」が、この本を紹介した文である。
ブラームス(A.B. Abrams)の新刊、‘不動の目標・北韓、米国と70年間戦争中’は、米国側の北韓に対する一般的考えが、大部分間違ったものである事を示してくれる。
(原文はこのサイト→ http://www.informationclearinghouse.info/56063.htm)
▲ 偉大な祖国解放戦争を記念するレリーフ
米軍は北部朝鮮の総人口の20%を虐殺し、救助活動を妨害する時限爆弾までばら撒いた
戦争の間、北韓が経験しなければならなかった損失は、その歴史に類例のない程だった。少なく推し量っても、北韓(朝鮮)の人口の20%が死亡した。
(訳注―北部朝鮮の当時の人口は、1000万人であるが、そのうち200万人の市民が犠牲となった。実に人口の20%を占める。第2次世界大戦で最大の犠牲者を生んだソ連とポーランドの犠牲者を、割合において凌駕する。)
米空軍が北韓に落とした爆弾は、635.000トン〜698.000トンであるが、太平洋戦争の全期間に日本帝国に投下した爆弾、503.000トンを凌駕する大きな量であった。1950年9月には、ただ一回の新義州に加えられた爆撃だけで、公共の建物 3,017棟中2,100棟,住宅11、000棟中6,800棟、初等学校17個所中16個所、宗教施設17箇所中15箇所が破壊された。爆撃による死亡者中、80%が女性と子供達だったし、生存者達は、地下の洞窟で生きなければならなかった。攻撃は、焼夷弾(incendiary bomb)に始まり、後を追って最終的に救助作業を妨害する時限爆弾が使用されたが、その目的は、純粋に死傷者の数を極大化しようとするものに他ならなかった。
以前、東京爆撃を指揮したEmmet O’Donnell将軍は、“戦争勃発から3か月だけで、北韓のほとんど全域が、無惨な廃墟となった。空襲の結果として、ほとんど、あらゆる物が破壊された。その名に値するどんなものも、立っていなかった”と、証言した。
米国は広大な穀倉地帯を水没させる事を目的に、鴨緑江関係ダムを攻撃した
1953年、米空軍は、鴨緑江関係ダムを攻撃目標とした。その結果、数多くの村々が,そして広大な穀倉地帯が水没した。特に、この場所での米は、既に栄養失調に罹っている住民達が、命を生きながらえるのに絶対に必要なものだった。或る報告書は、“西洋人達は、この主たる穀物の損失が、そこのアジア人達に何を意味するのかが理解出来ないが、それは、飢えと、徐々に訪れる死を意味する”と、述べた。この言葉は、韓国戦争(朝鮮戦争)がもたらした恐怖を、圧縮的に表現している。韓国戦争は、この国に、38度線と言う永久分断線を残し、小康状態で幕切れとなった。
▲韓国戦争によって、廃墟となった場面
米国は南韓のイ・スンマン(李承晩)政府に対し、水素爆弾の使用を主張した
韓国戦争が終った後の米国の情報報告書は、イ・スンマン(李承晩)政府が、北韓に対する更なる攻撃を積極的に検討しているのであり、米国は、この攻撃を支援する為に、水素爆弾を使用しなければならないと主張していると、述べている。1957年8月9日、アイゼンハワー政権は、国家安全保障会議(NSC) s702/2レポートを通じて、南韓軍の朝鮮に対する一方的な先制攻撃を承諾し、米軍の支援を約束した。
1958年1月頃、米国は南韓内の四つの軍事基地に、約150個の核弾頭を分散配置した。これに刺激された北側は、ソ連の協力下、独自の核開発計画を策定する事となった。
▲1968年、プエブロ号(米国のスパイ船)拉致当時、逮捕された米軍
米海軍の武装スパイ船プエブロ号の拿捕
1968年、北韓(朝鮮)軍は、米海軍の武装スパイ船ussプエブロ号を拿捕するや、緊張が沸き上がった。北ベトナムは、この事件があってから僅か一週間後に、米軍に対する「旧正月攻勢」(テト攻勢)を開始した。一部では、プエブロ号拿捕と「テト攻勢」の間に、どんな関係が有るのか推測したりしている。
その後の通信を分析した結果に依れば、ペンタゴンは、この事件に関する米国側の要求をピョンヤンが受け容れる様にする為に、核兵器の使用を準備したのである。この事は、米国が、朝鮮戦争休戦協定締結当時、有利な立場に立つ為に、核兵器の使用で朝鮮を強迫していた事例と全くそっくりだ。
1969年、米海軍の飛行機が北側領空に侵入したが、日本領海上で北側のMig-21に依って撃墜される事件が発生した。当時、米国大統領 リチャード・ニクソンが激怒し、核攻撃の使用を承認した。Ciaの要員Gorge Carverに依れば、軍部はこれを真剣に受け容れたと言う事だ。幸いな事に、少し冷静にならなければと言う主張が優勢だった。しかし、緊張した軍事的対峙が継続され,その渦中で核戦争の脅威は依然として静まる事は無かった。
(詳細は、時事研の下記<関連サイト>を参照)
朝鮮のパイロット達は死さえも恐れない滅法勇敢な人達だった
核戦争の脅威が増加する中で、米―北間の葛藤は代理戦争を招来した。例を挙げれば、北韓はベトナムに操縦士(パイロット)を派遣したし、彼らはベトナム人民軍空軍の為に、空中防衛任務を遂行した。14名の北韓パイロットが死亡した。
ベトナム前国防次官兼、ベトナム戦争当時のパイロットだったTran Hanhは、“我々は、北韓のパイロット達が、滅法勇敢な人達である事を知る事となった。彼らは、国家のプライドが非常に高く、ベトナム人民軍空軍の為に、空中防衛任務を遂行した、如何なることも、死さえも恐れていなかった”と語った。
▲米国の空中攻撃から、ベトナムを守るために、一翼を担った朝鮮のパイロットたち
米帝国主義者がベトナムで屈服すれば、アジアでも崩壊する
報道によれば、キム・イルソン(金日成)は1965年、中国代表との会見で、ベトナム人民の闘争を助ける事が、重要である事を強調した。彼は、“米帝国主義者が、ベトナムで屈服すれば、アジアでも崩壊するであろう。・・・我々は、彼等の戦争は自分達の戦争であるとの考えで、ベトナム人民を助けている。ベトナムの要請があれば、我々は我が仕事を投げ捨てて、彼等の要求を聞き入れようと努力するだろう”と語った。
多数の報告書によれば、北韓軍(朝鮮軍)兵力は、北ベトナム軍と共に地上戦に参加し、朝鮮軍心理戦専門家達が北ベトナム軍を助けたと言うのだ。キム・イルソン主席は、ベトナム指導者達との対話中に、<陣地化>の重要性を強調し、洞窟(トンネル)を掘り、工場などをその中に隠せと助言した。
(訳注―朝鮮は、長きに亘る米帝との戦いで、実戦的な教訓と経験に基づいて助言している。)
米帝国主義の支配と戦う諸国民に援助の手を差し伸べて来た朝鮮国家
キム・イルソンは1967年の<六日戦争>後に、エジプトを経済的、軍事的に支援し、米国が積極的にイスラエル側を支援した1973年の第四次中東戦争でも援助を提供した。
その他にも、1970年代後半、キム・イルソン政権は、1500名の兵力を派遣し、キューバによる支援下のアンゴラ人民解放軍を訓練し、軍事顧問の役割を果たした。そして、アフリカ国民会議(ANC)と、ナンビア南西アフリカ人民機構(SWAPO)解放軍、そして、米国の制裁の標的にされたジンバブエのロバート・ムカベ(Robert Mugabe)政府を、支援した。
1982年北韓は、イスラエルが米国支援の下、レバノンを攻撃した時、レバノン防衛に貢献し、ヒズボラが地下武器庫とバンカー、そして通信網を構築するのに手助けした。これ等の地下施設は、2006年のイスラエルとヒズボラ間の戦争で、イスラエルの目的を霧散させるのに決定的な役割を果たす事となった。
以後、北韓はイランと、(2011年、カダフィ崩壊前の)リビアが、核技術を開発するのに手助けし、米国がバッシャール・アル=アサド(Basharal-Assad)を追放する為に戦争を引き起こそうと特殊部隊を派遣したが、米国後援のJihadi軍と戦闘をした。
以上の政策は、緩むこと無き米国の北韓に対する敵対感と、政権交代計画の為に執られたものだった。ワシントン当局は、世界中で、自分の敵を助けている北韓(朝鮮)の現政権を除去する為に、絶える事無く努力している。
(続く)
(訳 柴野貞夫)
<関連サイト>
☆428 <プエブロ>号事件の真実と米国に与えた教訓(その3) (労働新聞 2014年1月22日付)
http://www.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_428.html
☆426 <プエブロ>号事件の真実と米国に与えた教訓(その2) (労働新聞 2014年1月22日付)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_426.html
☆425 <プエブロ>号事件の真実と米国に与えた教訓(その1) (労働新聞 2014年1月22日付)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_425.html
☆朝鮮を狙った米国の核兵器は、どれ程のものなのか(朝鮮民主主義人民共和国 労働新聞 2015年2月6日〜12日付同時掲載)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_482.html
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