(韓国社会主義政治組織 「労働者連帯」機関紙― <労働者連帯> 2015年7月6日付)http://wspaper.org/article/16028
韓・米・日−三角(軍事)同盟の為に慰安婦ハルモニ達を投げ捨てたパク・クネ
- 韓・米・日三角軍事同盟強化に反対しなければならない
<韓国労働者連帯>キム・ヨンイク
●日本は、中国を牽制する前線で<切り込み隊長>を自認、集団的自衛権行使の為の‘解釈改憲’を敢行し、安保関連法制改定を推進しようとしている。
●パク・クネも韓国支配階級の利益と韓・米・日三角同盟の為に、慰安婦ハルモニ達の長い念願を裏切った。
●パク・クネ政府は、国内世論の反発などを意識し、今まで韓日首脳会談を後回しして来ただけで、日本との軍事協力を進展させてきた。
●米国は、東アジアで中国を制圧しようと、露骨に日本の背中を後押ししている。過去史歪曲さえ(すべて)かばいながら、米国は日本を前面に押し立てている。
●日本は、米国の支持の中でフィリピンなど南支那海周辺諸国と軍事協力を強化し、自衛隊の南シナ海巡察の可能性も挙論するなど、南シナ海で中国 を露骨に牽制している。
中国への‘切り込み隊長’を自認する安倍、それを後押しする米国
去る6月22日パク・クネは、駐韓日た本大使館が主催した韓日国交正常化50周年記念行事で、韓日関係を<改善>すると明らかにした。この場でパククネは、“過去史の重い荷物を、和解と共生の心で下に下ろす”とし、未来に向かって進もうと語った。呆れた事に、パククネにとって、慰安婦問題の解決は、面倒で、“重い荷物”に過ぎないのだ。
▲戦争同盟を強化している帝国主義の守護者達。2014年3月、オランダで開かれた韓・米・日首脳会談 [写真出処− チョンワデ(青瓦台)]
この日、日本総理・安倍も、駐日韓国大使館主催で開かれた記念行事に参加した。ここで安倍は、“韓国と日本の協力強化、韓米日三国の協力強化が、アジア太平洋地域の平和と安全に重要だ”とし、韓米日三国同盟を強調した。
この様に、“過去史清算の水位と方式に対する異見は残っているが[韓・日両国政府が]’未来に進もう’と言う点では、一つの声を出している”(平和ネットワーク−チョン・ウクシク代表)そして、‘未来に進もう’は、米国政府が正確に願うところだ。
最近安倍政府は、軍国化に更に拍車を加えて来た。そこで米国と手を結び、中国を牽制する前線で先鋒大将(切り込み隊長)を自認して来た。このために安倍政権は、集団的自衛権行使の為の‘解釈改憲’を敢行した。そこで米・日防衛協力指針を改定したのに続き、違憲論議の中で安保関連法制改定を推進しようとしている。
安倍は、日本国民多数が、安保関連法制改定を反対する事にも、知らぬ振りをしている。そして多くの人々が、未来に日本自衛隊が、今回改定される米・日・防衛協力指針を根拠に、朝鮮半島に軍事介入をしないかと懸念する事にも無視している。
従って、安部にとって過去史問題は、自国が帝国主義的行動をとる事にとって障害であるだけだ。去る4月米国訪問の時、安倍は、慰安婦問題を個人間の“人身売買”ぐらいのものと扱い、日本国家の責任を全く認めなかった。
米国上・下院合同演説でも、過去植民地支配と戦争犯罪に対し、謝罪しなかった。むしろ、この演説で安倍は、日本がこの間、東アジアの経済発展に寄与したと強弁した。今年8月に談話を発表すると言ったが、訪米当時の安倍の言行だけを見ても、その談話に込められる内容がどんな物かは斟酌されるだろう。
パク・クネは何故
即ち、この渦中にパク・クネは、安倍に手を差し出した。事実韓国の歴代統治者達はすべて、日本の過去史歪曲にまともに対応せず、日本の支配者達と厚い関係を維持しようと尽くした。韓国が日本と緊密な関連の中で、経済を成長させて来た中で、韓・米・日三角同盟のために、韓国支配者達と日本支配者達の利害関係が緊密に互いに絡み合っているからだ。
だから、50年前、パク・クネの父親、パク・チョンヒ(朴正煕)は、手強い反対の声を踏みつけ、屈辱的な韓日協定を締結した。それ以降にも韓国の歴代政府は、韓・日関係に対し、過去を覆い隠し、‘未来に向かおう(未来志向)’と言って来た。
結局、パク・クネも韓国支配階級の利益と韓・米・日三角同盟の為に、慰安婦ハルモニ達の長い念願を裏切ったのだ。
パク・クネは、韓国と日本の経済的関係を意識したのである。相変わらず韓国は、輸出産品に必要な多くの中間財と資本財を日本から輸入しており、韓国に入ってくる全体の外国人投資の中で、日本の投資が米国に次いで多い。東南アジアなどの地で、韓国と日本の企業が共に進出する事例も多い(全経連イシューペイパー“韓日国交正常化以後の両国経済協力成果と課題”2014年)
何よりも軍事同盟問題がある。無論、東アジアで帝国主義間の緊張が深化しているために、パク・クネ政府も大きな圧迫を受けている。(中国との緊密になった経済関係のために、韓国支配階級の立場<環境>が、過去とは明らかに異なる。)ところが、パク・クネ政府は、中国を牽制しようとする米国の措置(政策)などを支持している。
世界最強の米国に協力し、韓国国家の国際的位相(立場)を高め、安保的利益も得ようとするものだ。
米国は、東アジアで中国を制圧しようと、露骨に日本の背中を後押ししている。過去史歪曲さえ(すべて)かばいながら、米国は日本を前面に押し立てているのだ。
従って米国は、韓国が日本との関係を‘改善’し、対日本軍事協力も強化する様に促して来た。“[韓・米・日]3国の安保協力を強化する事が米国の‘アジア太平洋再均衡’(アジアリバランス)政策の核心要素”(米国国防長官、アシュトン・カーター)である為だ。
そして米国は、日本の軍事大国化が韓国の安保利益にも符号(一致)するものだとも強調して来た。去る4月、米国の<戦略国際問題研究所>(CSIS)の先任副所長マイケルグリーンは、この様に主張した。“新しい[米日防衛協力]指針が、朝鮮半島の安保を、いろんな重要な側面で強化するものであり、どんな新しいリスクも無い”(<中央日報>4月24日付)
従って、パク・クネ政府が、米国の対中国牽制努力に協力する韓、韓・日間の軍事協力強化は、避けることは出来ない。だから、国内世論の反発などを意識し、今まで韓日首脳会談を後回しして来ただけで、パククネ政府は日本との軍事協力を進展させてきた。例えば、4月中旬に史上初めて、韓・米・日外交次官会議が開かれ、引き続いて韓・米・日3者国防会議(DTT)もあった。
DTTで韓国政府は、米日防衛協力指針改定に支持を表し、外交次官会議では北韓の軍事的‘脅威’に対決して3国協力を強化する事に合意した。
南シナ海
パク・クネは、引き延ばして来た韓・日首脳会談さえ、推進するようだ。ユユ・フンス駐日韓国大使は、“日本軍慰安婦問題の解決が[韓・日]首脳会談実現のための前提ではない”とし、年内会談が可能だと明らかにしたことがある。日本外務省外務審議官、スギヤマ・シンスケも、日本政府が今年9月、首脳会談を開く方案を検討していると語った。
万が一、今年、韓・日首脳会談が開かれたら、米国が支持する韓・日間の軍事協力問題は更に進展される可能性が大きい。特に南シナ海での中国牽制問題がそれだ。去る6月3日、米国国務部東アジア・太平洋次官補、ダニエル・ラッセルは、南シナ海問題と関連して、“韓国も声を出さなければならない”と要求した。
最近、南シナ海では日本の軍事活動が活発だ。日本は米国の支持の中でフィリピンなど南シナ海周辺諸国と軍事協力を強化している。フィリピンとの合同軍事訓練を繰り広げ、自衛隊の南シナ海巡察の可能性も挙論(問題として取り上げる)するなど、南シナ海で中国を露骨に牽制している。従って今、米国は南シナ海問題でも、韓国が日本と共にする事を願っている計算だ。
韓・日間の軍事協定問題もある。韓・日軍事情報保護協定と、韓・日相互軍需支援協定締結が必要だと言う点は、久しい前から、米国と日本政府が主張して来た。したがって今後、韓・日関係‘改善’過程で、韓・日軍事協定問題が再び提起される可能性が極めて高い。
パク・クネ・オバマ・安倍が開く‘未来’は、我々が願う平和な未来と正反対だ。彼等が指し示す側は、東アジアと朝鮮半島の不安定を更に悪化する方向だ。パク・クネの対日政策を糾弾し、韓・米・日軍事同盟強化に反対しなければならない。
(訳 柴野貞夫 2015年7月11日)
<関連サイト>
☆ 491安倍は米国議会の演説で侵略反省どころか「韓国・中国の成長を助けた」と強弁した (韓国・ハンギョレ 2015年4月30日付)
☆438 日本の集団的自衛権は、朝鮮半島への介入を十分可能にする (韓国・統一ニュース 2014年5月16日付)
☆437 <韓・米・日軍事三角同盟>の設計者が駐韓大使となった (韓国・プレシアン 2014年5月7日付)
☆386 安倍総理「侵略の定義は視点によって異なる」と主張 (韓国・ハンギョレ 2013年4月24日付)
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