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(世界の新聞/ 韓国「統一ニュース」 201862日付)
http://www.tongilnews.com/news/articleView.html?idxno=125051


     トランプ、6.12シンガポールで金正恩委員長と首脳会談

●米国は、問題となった<リビアモデル>(訳注―トランプ政権内のネオコングループの、一方的な朝鮮のみの、即時武装放棄・核放棄を主張する)を撤回して、朝鮮の‘段階的な解決策'を考慮した、<トランプモデル>を作成している。

 

▲左から金英徹(キム・ヨンチョル)朝鮮特使、キム・ジュソン(朝鮮側通訳)、ポムペオ国務長官、トランプ大統領 [出所-ホワイトハウス]

トランプ、“プロセスの開始”を強調し“終戦宣言”の可能性も言及

ドナルド・トランプ米大統領が1(現地時間)"我々は612日、シンガポールで会う"と発表した。 ホワイトハウスによると、トランプ大統領は同日、執務室(Oval Office)で朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の特使である金英徹(キム・ヨンチョル)労働党副委員長との面談直後、記者らと会い、このように明らかにした。 '朝鮮特使'が米国大統領に会うのは、200010月、趙明禄(チョ・ミョンロク)副委員長以来18年ぶりである。
トランプ大統領は“始まり”と強調した。“私は、決して一度の会談で、それ(非核化)が起きるだろうと言った事がない”としながら、朝鮮が長年の敵愾心と憎悪を語るが、“私は結局、肯定的な結果を得ることになると思う”と話した。
彼は“既に、我々は交渉をしており、我々は、本当にプロセスを始めるだろう"と明らかにした。“我々が612日、金正恩総書記と会うこと”で、“恐らく、非常に成功的だと思っている。 見守ろう”と言った。
彼は“これは、しなければならない価値があるプロセス(過程)”であり、“しなければ、大きなミスを犯すだろうと思う”と話した。“我々は、関係を構築中であり、それが612日に始まるだろう。”

▲金英徹(キム・ヨンチョル)副委員長が'金正恩(キム・ジョンウン)親書'をトランプ大統領に伝えた [出処―ホワイトハウス・ソーシャルメディア局長、ツイッターキャプチャ]

90分面談'の 最後に、金英徹(キム・ヨンチョル)副委員長が渡した`金正恩(キム・ジョンウン)親書'については、“非常に立派な手紙"と評した。 ‘中味でも見せていただけますか'と言う質問にも“とても興味深い手紙“で、“ある点では適切だ”と言った。
‘駐韓米軍、制裁、CVID(完全で、検証可能かつ後戻りできない非核化)’については、“とても多くの事を話した"として避けていった。“ビッグディール(大きな取引の意)は612日にあるだろう"や、"612日、何かに署名するものではなく、過程を始める"と、明らかにした。
6.12北米首脳会談文書では、20059.19共同声明を再構成する水準での包括的合意以外に、後続協議の時限を盛れば成功"と言う、外交消息筋の観測と概ね一致している。米国は、問題となった<リビアモデル>(訳注―トランプ政権内のネオコングループの、一方的な朝鮮のみの、即時武装放棄・核放棄を主張する)を撤回して、朝鮮の‘段階的な解決策'を考慮した、<トランプモデル>を作成している。
‘金正恩が、非核化に専念すると見るか'と言う質問に、トランプ大統領は“私は本当にそう思う"と答えた。 “彼も、それを(非核化)望んでいるようだが、慎重だ。 私は彼に言った。 私たちは制裁を、大変強い制裁を行っている。 彼らがそれをするまでは、制裁を解除しないだろう。"
“彼は、いつか私が、朝鮮に対する制裁を解除する日を待ち焦がれている"と、強調した。 併せて、制裁が維持されているが、“<最大圧力(maximum pressure)>という用語を、これ以上使うことはない"と明らかにした。“私たちは良く過ごさなければならない為"とした。 対話が決裂しない限り、追加制裁をせず、“(今日)人権問題を議論しなかった"と線を引いた。

▲トランプ大統領面談は、ホワイトハウスの執務室で90分間続いた。 金英徹(キム・ヨンチョル)副委員長とポムペオ国務長官のほかに双方の通訳2人だけが同席した  [出処―スカビノ、ホワイトハウスソーシャルメディア局長、ツイッターキャプチャ]

彼は、朝鮮が非核化を完了すれば、体制の安全を確実に保障すると述べた。“彼らは、偉大な国家になる潜在力がある。 そして韓国が、多くを助けるだろう。日本も多くを助け、中国も多くを助けるだろう。"
6.12の首脳会談で、対朝鮮経済支援を提供する計画があるのか'という質問を受けたトランプ大統領は、米国が乗り出すことはないと一線を引いた。 “私は韓国にすでに述べていた、あなたが準備しなさいと。 そして、日本もいる。"
5.31、ラブロフ・ロシア外相と金正恩委員長の出会い'については、“気に入らない"と、明らかにした。 先月78日に大連で行われた金正恩-習近平会談に対する不満を吐露したのと同じだ。 トランプ大統領は南北米3者の首脳間の終戦宣言の可能性を残した。
“我々は戦争を終わらせる事について話し合った。 皆さんもご存知のように、この戦争は最も長く持続された戦争だ。 ほとんど70年になったのだろ? それ(終戦宣言)のようなことができる。 ある面では文書の一枚に署名すること以上に重要である。 歴史的に極めて重要である。 見守ってみよう。"
<CNN>によると、金英徹(キム・ヨンチョル)副委員長は、同日午後1(韓国時間2日未明2)、ホワイトハウスの南側の芝生に到着した。 ジョン・ケリー秘書室長が彼を待った。 二人はこれといった意識や握手もなくのローズガーデンに沿って歩いてホワイトハウス執務室に向かった。
面談直後、明るい表情で、ともに庭に出たトランプ大統領は、金副会長と握手して彼を見送った。 金副委員長は、米国政府が提供した黒いSUVを乗ってホワイトハウスを去った。 23日にわたるニューヨークとワシントンDC訪問を事実上終了したわけだ。
2日、キムウィギョム大統領府報道官は、“トランプ大統領が金正恩(キム・ジョンウン)総書記の親書を受けたことで、米朝会談に向かう道が更に広くなり、強固になったようだ”、“シンガポールで開かれる世紀的出会いを、胸を躍らせて、しかし落ち着いて見守る"と、明らかにした。
                                             (訳 柴野貞夫 201863日)

 

 

<参考サイト
[論考A]朝・米首脳会談の目的は、米国に対して核脅威による「対北敵視政策」を放棄させる事にある(柴野貞夫時事問題研究会 2018年4月13日)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_jousei_63.html

[論考@]朝米首脳会談の主要議題は両国の関係正常化の一括合意であり、その先に「朝鮮半島の非核化」を実現する事にある(1)(柴野貞夫時事問題研究会 2018年3月28日)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_jousei_62.html


☆「国際的基準による核検証要求」の破綻、迫られる米国の義務履行[2008年10月6日更新]
http://vpack.shibano-jijiken.com/SEKAI%20O%20MIRU%20SEKAI%20JOUSEI%2016.html

☆朝鮮半島の平和の第一歩は、米帝国主義の核基地である韓国と日本の非核化である。朝鮮半島の「核危機」とは、アメリカ帝国主義が引き起こしたものだ200889日)
http://vpack.shibano-jijiken.com/SEKAI%20O%20MIRU%20SEKAI%20JOUSEI%2014.html

☆6者協議の停滞を生む米国の義務不履行を糾弾する (2008年1月29日)

http://vpack.shibano-jijiken.com/SEKAI%20O%20MIRU%20SEKAI%20JOUSEI%205.html

☆6カ国協議、2.13共同声明の誠実な履行によって展望が生まれる(2007年3月12日)
http://vpack.shibano-jijiken.com/SEKAI%20O%20MIRU%20SEKAI%20JOUSEI%202.html