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(世界の新聞/ 韓国 「ハンギョレ・コミュニテイ、政治討論室」掲載 20181120日付)
http://c.hani.co.kr/hantoma/3608531

「アジア太平洋の平和繁栄のための国際大会」に於ける、リ・ジョンヒョク副委員長の演説

[編集者序]

朝鮮のリ・ジョンヒョク朝鮮アジア太平洋平和委員会副委員長一行が34日の韓国訪問の日程を終え、17日に帰還した。 彼は去る14日、「アジア太平洋の平和繁栄のための国際大会」代表団を率いて訪韓したリ副委員長は、板橋テクノバレー、京畿道農業技術院などを訪問した。  
リ副委員長一行は、このような予定を通じ、韓国与党であるとともに民主党イ・ヘチャン代表と、イ・ジェミョン京畿道知事などに会って、南北交流方案を協議したと韓国メディアが伝えた。
彼は特に、韓国を訪問中、国際学術大会(「アジア太平洋の平和繁栄のための国際大会」)で、名演説を発表し、大きな感動を呼び起こした。  動画とその内容をビデオと一緒に内容全文をここに紹介する。民族通信編集室

▲ リ・ジョンヒョク 朝鮮アジア太平洋平和委員会副委員長が、韓国で開かれた「アジア太平洋の平和繁栄のための国際大会」で演説する姿。
 

写真は34日の日程で、1114日、仁川空港に到着した李ジョンヒョクアジア太平洋副委員長を代表とする 朝鮮訪韓団

リ・ジョンヒョク朝鮮アジア太平洋平和委員会副委員長[基調演説全文]
日本による、朝鮮人拉致・強制動員の真相解明と、公式謝罪、及び遺族への十分な賠償は、朝鮮半島の平和体制にとって不可欠な条件

今大会の中心課題は、日帝による朝鮮人拉致・強制動員の真相究明とその解決課題
私はまず、ここ京畿道高陽市で2018アジア太平洋の平和と繁栄のための国際大会が開かれるまで、多くの骨折りをし、代表団を招請して丁重に迎えて頂いたアジア太平洋平和交流協会会長のアン・ボス先生と、京畿道知事イ・ジェミョン先生、京畿道高陽市の市長イ・ジェジュン先生をはじめとする大会の組織者側と、複数の政党代表者、高陽市民の皆さんに、温かい同胞愛的挨拶を申し上げます。 そして、地域の平和と繁栄を図るため、この場に集まった南側と海外の参加者の皆さんにもご挨拶を送ります。
私は、今回の大会で、第二次世界大戦と太平洋戦争当時、日本の強制動員の実態と真相究明に関する問題が議論されていることについて、共感しながら、日帝の朝鮮人強制拉致、また、現行の蛮行の実態とその解決課題と題して、発言しようと思います。


拉致・強制連行を繰り返してきた日本−朝鮮民族は最大の被害者
日本は、第二次世界大戦の太平洋戦争の時期、アジア太平洋地域の多くの国々に対する侵略と略奪、虐殺蛮行で、実に、計り知れない不幸と苦痛を重ねた、戦犯国家です。日本が犯した過去の罪には、強占、国家の人民達を強制的に拉致連行し、侵略戦争の人的、物的保証のための奴隷としてこき使い、残忍に殺害された、許しがたい犯罪もあります。

私たち朝鮮民族は、その犯罪行為の最大の被害者です。  日本政府は、1938年の国家総動員法と言うものを捏造し、その時から敗亡する時まで、なんと840余万人に達する朝鮮人を、強制的に拉致連行し、牛馬の様に働かせ、集団的に残酷無道に虐殺しました。
当時の我が国(訳注―朝鮮半島)の人口が、2000万人だったという点を考慮すると、これは事実上、ほぼすべての生産可能な勤労者を奴隷として働かせた事になります。 特に10代の少女たちと子供たち、人妻をはじめ清純な朝鮮女性を20万人も連れて行き、日本軍性奴隷として蹂躙した犯罪は、この世のどんな侵略軍隊でも、見たことのない身震いする蛮行でした。


日本は、悪辣な民族抹殺行為をおこなってきた
日本の、拉致強制連行は、征伐、逮捕、懐柔、欺瞞、恐喝、詐欺合作などの肉体的強制と、精神的強制を結合した超暴力的であって、組織的な犯罪行為であり、中世的な奴隷制的亀裂を適用して、人のすべての尊厳と精神、肉体をすっかり蹂躙し残酷に消滅した,反人倫的な犯罪行為であった。
これだけでも、日本は世界最大の拉致国、野蛮国としての真の姿を世界にさらけだした事になります。 更に、朝鮮民族の言葉と文字、歴史、人の姓名さえ無くそうとした日本の策動は、過去、第二次世界大戦の時期のユダヤ人を対象に、ファシズム独逸が行った残酷な人種抹殺犯罪を凌駕する、最も悪辣な民族抹殺犯罪行為でありました。


日本は、今も謝罪と補償を認めないどころか、過去蛮行の歴史を隠蔽している
しかし、日本の当局は、敗亡後、70年以上が過ぎた今年までも、血の侵略の歴史と過去の犯罪について、謝罪と補償どころか、その事実を認める事さえしていません。 今日の日本は、自分の過去の犯罪史を縮小隠蔽する事に留まるのではなく、歴史教科書を改悪して、各種宣伝手段の発動を通して、加害の全面歪曲、全面否定、口を極めて称賛する方向に転じ、再侵略の為の社会的雰囲気を形成するように止揚(アウフヘーベン)しています。
日本の自衛隊の能力は、西側世界で、米軍に次ぐ侵略武力に変貌され、専守防衛戦略は全方位的な先制攻撃戦略に転じ、作戦領域は退路脅威への対応、集団的自衛権発動を掲げ、全世界に拡大されています。
歴史的に、日本の侵略の歴史は、常に過去の否定から出発し、今日再侵略の野望も過去否定から出発していることを、私たちは、一刻も忘れてはいけません。 日本の再侵略野望の実現は、戦力保有の禁止、交戦権の禁止を明示した平和憲法を作り直す最後の工程に向かって、突っ走っています。
日本は、もはや、為政者が口癖のように諳んじる平和国家ではなく、政界と軍部、軍需業態、言論が、一つの軸となり、軍国化へ狂った様に突っ走る戦争国家、地域の平和と安全を脅かす、最も不安定な要素となっています。この事は、東北アジアと、さらには全人類の深刻な懸念を醸し出しています。
歴史的に、日本の侵略の歴史は、常に過去の否定から出発し、今日再侵略の野望も過去否定から出発していることを、私たちは、一刻も忘れてはいけません。


日本人強制拉致と連行の犯罪の歴史を正しく清算するための課題は何か
 それは第一に、日本政府が、朝鮮人強制拉致と連行の犯罪真相を徹底的に調査し、解明し、その全貌を早急に公開することです。
人権蹂躙犯罪を、組織的に敢行した加害国が、被害と犠牲者、遺族の前で責任を負うことは、国際法的制度であり慣例であります。
ところが、日本の当局は、一つの民族の種を絶やす大量拉致、連行、虐殺蛮行を犯し、その歴史的な記録と犯罪の証拠が、継続的に明らかになっており、国際法的要求があるにもかかわらず、戦後処理の問題はすでに解決されたという詭弁にこだわりながら、今日まで、国家責任を回避しています。
日本当局は、今でも、朝鮮人強制拉致、連行に関するすべての真相を徹底的に調査究明して、世上に公開する決断を下さなければなりません。
 それは第二に、日本政府が、朝鮮人強制拉致、連行の国家的責任を認識し、すべての被害者と犠牲者遺族らに公式謝罪し、十分な賠償をする事です。
日本のような戦犯国家だった独逸は、過去の期間、世界80カ国に住んでいるナチス時代の強制労働被害者1729000人に、287600万ユーロの補償金を支払いました。
この一方で、日本当局は、敗北70年がはるかに過ぎた今日でも、過去の犯罪の清算を回避しているだけでなく、その所謂、日本人拉致問題だけを騒ぎながら、むしろ、私たち共和国に食い下がるなど、盗人猛々しく居直っています。
先日、朝鮮人強制徴用被害者補償に対する、南側裁判所の判決が出た時にも、日本は、自分達が補償する問題ではないと言い張っています。
私たちの全朝鮮民族は、朝鮮人強制拉致、連行、残虐行為に対する、日本の率直で、真情な反省と謝罪、十分な賠償を強く求めています。
 それは第三に、日本政府が、遺族の要求に応じて、犠牲になった朝鮮人強制拉致、連行被害者の遺骸をすべて見つけ、故郷や家族が住んでいる場所に安静する為の、実践的な措置を取らなければなりません 。
今、その日本の地のあちこちには、未だ、日本によって強制拉致、連行され,無念にも犠牲となって、故郷に帰れなくなった朝鮮人強制徴用者達の遺骨が埋められており、彼らの魂が、九天(黄泉の世界)に漂っています。  私はそのような意味で、過去14年の間に、アジア太平洋平和交流協会が、朝鮮人強制徴用被害者の遺骨返還のために傾けた苦労と努力を高く評価し、今回の大会が、日本の強制徴用犯罪を告発し、全世界に知らせる、意味ある和合になると思います。

次世代に不幸な歴史が繰り返されないようにする為の共同の努力

皆さん、今、朝鮮半島では、劇的な変化が次々起こっています。  今年、年初、北と南が過去にとらわれず、北南関係を改善し、自主統一の突破口を開いていくときに対する、熱烈な愛国愛族の呼びかけに応じて、第23回冬季オリンピック競技大会で、北と南の熱い心が一つになって繰り広げた感動的な姿は、同族の血は水よりも濃い事と、平和は戦争に比べることができず、高貴で力強いものであることを満天下に証明ました。
わずか数ヶ月の間に、三回の北南首脳対面と朝米首脳対面が行われ、朝米共同声明が採択された事は、朝鮮半島はもちろん、アジア太平洋地域に到来する平和の時代には、歴史の新たな出発を知らせる壮大な宣言でした。
民族の和解と平和、自主統一と繁栄に向けた神聖な大行進は、今、その何としても防ぐことができない強烈な希望と確信が、北と南の同胞の胸にいっぱいあふれています。
今、私たちは、ここに足を止める事も、ぐずぐずする事もありません。 今、北南関係で起こっている驚異的な出来事は、北と南が手を取り合って、日本の過去の罪を暴き、再び私たちの次世代に、不幸な歴史が繰り返されないようにするための共同の努力にも、肯定的に条件と環境を造成しています。
日本が、過去の罪に対する反省と謝罪、賠償をどうするかということは、アジアと太平洋地域の全ての国々、そして朝鮮半島の平和体制構築にとって不可欠な条件です。
過去に対する正しい定立(判断)がなくては、現在を論ずる事は出来ず、未来へ進むことが出来ません。歴史を忘却した民族は決して未来がありません。
日本当局は、過去、朝鮮人民に掛けた日帝の罪悪を、絶対に許さないと言う、北と南の決然とした意志を真っすぐに見なければなりません。
日本が、過去の罪悪に対する、反省と謝罪、賠償をどの様にするかと言う事は、朝鮮半島はもちろん、アジアと太平洋地域の平和、繁栄に続いており、それは必ず、世界平和にも大きな影響を与える他ありません。
アジア太平洋地域のすべての国は、当然、今、朝鮮半島で繰り広げられている意味のある変化と、北と南の共同の努力に相応の関心を向けて積極的な発展を積極的に推進しなければならないと思います。
このような見地から、私は、今回の大会が所期の優れた成果をおさめる事と、朝鮮半島の恒久的な平和体制の構築とアジア太平洋地域の平和、繁栄を成し遂げる事に、自分達の役割を果たす事を期待します。 カムサハムニダ( 有り難う御座います。)
                                              (訳 柴野貞夫 )

[参考サイト]
日本が犯した極悪な拉致犯罪 (労働新聞 2018年10月13日付)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_658.html
敢えて、日本が「拉致問題」を取り上げる資格があると言うのか(韓国・ミンプラス 2018年7月18日付)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_643.html
解放前、慶興郡で強行された日本軍性奴隷犯罪の真相(労働新聞2018年8月14日付)

http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_647.html