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(世界の新聞/「論評」  朝鮮中央通信 2018年11月2日付)
http://www.uriminzokkiri.com/index.php?ptype=ugisa6&no=1161561&pagenum=1

     米国はいつになったら、愚かな欲張りと妄想から目を覚ますのか

                                       外務省米国研究所クオン・ジョングン所長

●核問題を含む朝鮮半島のあらゆる問題は、全面的に米国によって、生み出された問題であり、従って、米国は、自分の手で縛っておいた結び目を、自分の手で解かなければならない。
●米国は、朝米関係改善と平和と言う基本軌道から脱線して、《最大の圧迫を通じた非核化》という支線へと、汽車を追い立てている。
●米国は、朝米関係改善の鍵は、まるで(北だけの)非核化に有るかの様に,本末を転倒する世論誤導策動に明け暮れている。
●米国は、朝鮮の自衛的な、米本土に対する核攻撃態勢の完成が、自から交渉(協議)のテーブルに出ざるを得なかった事実を、認めなければならない。北が、制裁に堪え切れず交渉(協議)に出て来たと言う、馬鹿げた判断こそ、米国のあらゆる悲喜劇の根源となっている。
●もし米国が、どんな態度の変化も見られないまま傲慢に行動すれば、《並進》と言う言葉が、再び生まれる事もある、このような路線の変化が、思慮深く再考慮されることもある。

米国の主張は、朝米関係改善と平和と言う基本テーマからの完全な逸脱である
国の体質化された強迫性症状が、改まる気配を見せていない。 時は休みなく流れるのに、《先非核化の後に、制裁緩和》と言う一言(ひとこと)だけを繰り返しながら、岩の隙間にでも挟まれた様に、対朝鮮圧迫の執着から抜け出せないのが米国だ。
平壌で両国関係の改善のための朝米交渉が、進んでも進まなくても、《9月・平壌共同宣言》が発表された世の中が、激動してもしなくても関係なく、ホワイトハウスと米行政府の高位人物達は、毎日の様にマイクに向かって“北朝鮮の非核化が実現されるまで、制裁が持続されなければならない。”と、血筋を高め、とげとげしい声だけを連発している。
全世界に向かって頻繁に、その所謂、対朝鮮制裁と関連した《注意報》と言うものを発令するが、我々と関係あると見られる対象に対し、国籍に関係なく制裁措置を取るとしながら、国際的な対朝鮮圧迫網が破られていくのを見て、戦々恐々としている。
南朝鮮に向かっては、南北関係の改善を、朝米核交渉速度に合わせて推進しなければならないという、いわゆる《速度調節論》を強要するかと思えば、すべての北南協力事業を推進するのに先立って、それに対する具体的な計画と時刻表を、米国に事前に知らせ、制裁違反の可能性がない事を確認しなければならないと、《あの世の使者》の,ぞっとする口調で、圧力をかけている。
一体全体、これは、朝米間の敵対関係清算と関係改善という、新しい歴史を作っていく過程なのか。 果たして、朝鮮半島と世界の平和のための世紀の事業が、このように行わなければならないのかと、問わざるを得ない。
去る6月、朝米首脳が,シンガポールでの歴史的な対面で、両手をとって確約したのは、世紀を続けてきた朝米間の敵対関係に終止符を打ち、関係改善の新しい歴史を作って行こうと言うものであった。 だからこそ、全世界が熱狂し拍手を送ったのだ。
しかし、今、米国は、シンガポールで確定した目標も失って、朝米関係改善と平和と言う基本テーマ,基本軌道から脱線して、《最大の圧迫を通じた非核化》という支線へと、汽車を追い立てている。

相手に苦痛を与える野蛮的方法を使うことこそ、交渉力が高まると考える米国
我々の主動的であって、先制的な措置で、制裁の口実が消し飛んだのが何時で、シンガポールでの世紀の出会いが為し遂げられたのが何時なのか、未だ、制裁圧迫の洞窟の中で迷っているのかということである。
いくら精神が混乱したと言っても、自分が何を約束し、どこに行こうとしたのか、目的地さえ忘れてしまうものだろうか。一度付け加えると、関係改善と制裁は、両立出来ない相克(いがみ合い)だ。この世の中に《親善》と《圧迫》のように、?相容(互いに相いれない)的関係の極致はないだろう。
しかし米国は、制裁と圧迫が交渉力を高めると言う、非物理学的で、非論理的な公式を、《疑心するところなく(疑いもなく)》確信し、のっぴきならぬ、どん詰まりに、引き続き向かうと強情をはるが、実にあきれ果てた事に違いない。
今日の文明の時代に、相手に苦痛を与える野蛮的方法を使うことこそ、交渉力が高まると考える米国の考え方は、遥か中世期の思考であると言わなければならない。小さな道も壁にぶつかると、世界(世相)が終わったと考えるが、《制裁・圧迫》と言う呪文をひっきりなしに唱えれば、扉が開かれると考える米国の,呆れ返えった考えに失笑を禁じ得ない。米国は、我々が制裁に堪えかね、交渉の庭に出て来たと思う愚かな考えを、未練なく捨て去る時になった。
‘北朝鮮が対話に出たのは、息が詰まる制裁から逃れる為であり、従って、非核化が完結される時まで制裁を決して緩和しない’と、意地をはる米国の頑固一徹に、我が国の中学生さえ、あまりにも呆れて、“飴でも食べろ”と言っている。
むしろ、そのどんな《戦略的忍耐》も、核恐喝と軍事的脅威も、その如何なる強度高い孤立圧殺攻勢も、我々に絶対に通じないと言う事を、遂に米国が悟ったのであり、米国本土に対する核脅威が、時間の問題だと言う事を感じたので、自分から交渉(協議)のテーブルに出ざるを得なかった事を、自ら認めなければならない。
ところが、我々が制裁に堪え切れず交渉(協議)に出て来たと言う、馬鹿げた判断こそ、世の中の人を唖然とさせる、米国のあらゆる悲喜劇の根源となっている。その荒唐無稽の錯覚を矯正せず、隠している本音(内情)を率直に打ち明けなければ、米国は、盲目の子馬の世話を免れないであろう。
まことに、我々の警告が信じられなければ、秋のカッコウ〈訳注―カッコウは、朝鮮半島の春を告げる鳥である〉の様に、荒唐無稽な鳴き声をする前で、過去、朝米対話の日誌を、一度広げて見るのは悪くないだろう。
そうすれば、我々が過去時期、米国と対話に出た時が、我が国家の力が恐ろしく爆発し、軍事力は一段階ずつ上がった時だったので、その誰かの圧迫が強くなり、我々が堪えがたくなった時ではなかったと言う歴史の記憶を知る事となるだろう。

米国は、朝米関係改善の鍵は、まるで(北だけの)非核化に有るかの様に,本末を転倒する世論誤導策動に,十分取り組まなければならないのである。
米国は、朝米関係の改善という大きな袋に,非核化のための申告とか、検証とか言うガラクタを、前後の差なく、まさに掃いて入れ、問題の要点をぼかして置き、まるで、我々の非核化(北だけの非核化)だけが成し遂げられれば、万事が解決されるものの様に、世人の思考を混乱させている。
南朝鮮占領と国土分断、戦争挑発と絶え間ない軍事的脅威と核恐喝
米国に)問うならば、果たして我々の<核問題>が、朝鮮半島情勢の緊張と朝米関係の悪化など、すべての複雑な問題を生じさせた頭痛の種なのか
こんな場合には、一つの仮定法を活用してみる事も、真実を明らかにする助けになることがある。我々の核問題が、その所謂《禍根》であるかの様に言う米国の主張が、敢えて正しいと仮定して見よう。ならば、我々が核を開発する前に、既に次の様に《不思議な(珍しい)光景》が広がらなければならなかった。即ち、既に数十年前に朝米関係が改善され、この上なく良い状態でなければならず、朝鮮半島は、戦争の脅威を知らない平和の地でなければならなかった。
ところが、我々が核を持つ事で、《この全ての良い事》が無くなって、《全ての悪い事》が生まれたとされなければならない。どうなんだ?!これに対する説明を、直ぐに米国が、自分の口で、言って見たらどうなんだ? どれ程の恥知らずでも、顔が赤くなって言葉が詰まるだろう。
歴史は、米国の南朝鮮占領と国土分断、戦争挑発と絶え間ない軍事的脅威と核恐喝がなかったら、朝鮮半島の核問題というものが、そもそも発生しなかったと、峻烈に告発している。 このように、核問題を含む朝鮮半島のあらゆる問題は、全面的に米国によって、生み出され,犯された問題であり、って、(米国が)自分の手で縛っておいた結び目を、自分の手で解かなければならないのだ。
国連も、制裁は固定不変なものではないとしている。 それにも拘らず、米国が、“非核化前に、何も与えるものはない”と、横車を使いながら、“最大の圧迫”を継続して加えると騒ぐことは、賊反荷杖(盗人猛々しい)の極致に違いない。
米国は一日も早く、自分の愚かさを悟らなければならないのであり、相手が誰なのかを真っすぐに見て、理性的に、合理的に行動しなければならない。

米国が態度を変えず傲慢に行動するならば、<並進路線>を思慮深く再考慮する
“米国は、過去70年以上にわたって、北朝鮮の障壁に頭を打ち続けて来たが、北朝鮮は変わらず、米国の頭だけが割れように痛かった。”と言う前任者の悲鳴を痛く聞いて、自己破壊的な無謀な圧迫騒ぎを止める事がよいのだ。
また、この間、国連で、“世界は<信頼欠陥障害>という悪い疾患を患っている。 国家間の信頼、国際秩序に対する信頼が臨界点に至った。 我々は、恐怖ではなく事実を、幻想ではなく理性を土台として、前進しなければならない。”と聞こえて来た慨嘆と警告が、他でもなく、米国こそが聞くべきだとした声だと言う事を、知らなければならない。
これと共に、“強力な対朝鮮制裁が続く限り、(道徳的に)高邁な朝鮮が、一方的な非核化要求に応じる事を期待するのは誤算だ。朝米交渉は、両者の互恵性と平等性に基づいて、同時的で、段階的な過程を踏まなければならない。”と言う、国際社会の忠告に従わなければならない。
我々が、主導的善意的措置として、米国に,過分な程与えるものは、全て与えた条件で、今や米国が、相応な回答をしなければならない。そうでなければ、山を移したなら、山を移した我々の動きは、1mmもないだろう。
もし
米国が、私たちの度重なる要求を正しく聞かず、そのどんな態度の変化も見られないまま傲慢に行動すれば4月、我々の国が採用した経済建設総集中路線に、他の一つがさらに追加されて、《並進》と言う言葉が、再び生まれる事もある、このような路線の変化が、思慮深く再考慮されることもある。
すでに我々の内部には、こんな民心の声が鳴り始めたことを想起させる。我々は、多くの時間を、忍耐心を持って、堪えて待ったが、我々だけが変わっただけで、我々の周りの環境は一つも変わっていない。
(米国は)今日の、過度な欲心と偏見された視点から、一刻も早く抜け出す事によってのみ、自分も害し世界も滅ぼす、惨憺たる未来と会わないこととなるのだ。
                                              (訳 柴野貞夫)

<参考サイト>

☆ 朝米対話が進捗しないのは、誰が原因なのか (労働新聞 2018年9月18日付)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_655.html
☆米国は二つの顔で我々に向き合う事を恥ずかしいと思わないのか (ウリミンジョクキリ 2018年10月20日付)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_659.html
☆ 世界の平和愛好人民に送る訴え(労働新聞 2018年9月12日付)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_650.html
☆ トランプが終戦宣言署名の約束を反故に(韓国・ハンギョレ 2018年8月30日付)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_648.html
☆トランプ政府は終戦宣言の約束を履行せよ(韓国・ミンプラス 2018年7月27日付)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_644.html