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(世界の新聞/ <先ず違反し、また上書きする米国> ミンプラス 20181115日付)
http://www.minplus.or.kr/news/articleView.html?idxno=6344


      “朝鮮側が違反した”と居直り、合意破りを繰り返してきた米国
                  −朝・米協議30年の歴史


【要約】
●米国の一部勢力が提起する‘朝鮮の核・ミサイル開発疑惑’は、過去30年間続けてきた朝米核攻防の過程で、米国が毎回、合意を破るたびに見せてきた居直りの典型である。
●朝・米協議30年の歴史で、一度の例外もなく、合意をまず破った側は米国であり、そのたびに違反責任を朝鮮に押し付けて来た。
6.12共同声明1項で、“朝米は、平和と繁栄の為の、新たな関係を確立する事を約束する”と言った。しかし、米国は、1項の約束に違反して(今も)対朝鮮制裁を維持している。‘ 最高強度の制裁’を加え乍ら、どのように平和と繁栄を願うことができるのか。核実験を理由として制裁を加えたのであれば、朝鮮が、核実験をしないと約束しその約束を一年以上守ったのであれば、対北制裁を解くのが当然の道理だ。
6.12共同声明2項には、“両国は、朝鮮半島の持続的で安定的な、平和体制を構築する為に、共に努力する”と約束した。しかし、約束した終戦宣言さえも拒否している。それどころか、11月から韓米合同海兵隊軍事訓練、ケイメップまで実施しながら、朝鮮を軍事的に威嚇している。
6.12共同声明3項には、“板門店宣言を再確認する”と合意した。板門店宣言で、‘鉄道と道路の連結’、‘ケソン共同連絡事務所の設置’、‘終戦宣言と平和協定’、‘軍事的敵対行為の停止’を約束した。しかし、米国は、このすべてが制裁違反とし、‘米国の承認なく、韓国はどんなことも出来ない’と,脅し文句を並べている。
●米国が、2次朝米首脳会談まで,後へ先延ばししたまま見せる一連の行動は、強盗の様な旧態から、依然として抜け出せなかった事を見せている。

【本文】

6.12朝・米正常化合意は、両首脳が直接サインしたと言う点で根本的な違いがある
米国の一部の上院議員らが、朝鮮の核・ミサイル開発疑惑を提起し、6.12朝米正常化合意を、朝鮮側が違反したという主張を喚き散らしている。これは、過去30年間続けてきた朝米核攻防の過程で、米国が毎回、合意を破るたびに見せてきた居直りの典型である。
アメリカの声(VOA)によると、朝鮮のミサイル開発疑惑を提起した戦略国際問題研究所(CSIS)のレポートと関連して、米国上院で“言葉と行動が異なる、朝鮮の過去の方式に戻ったという事実を知ることになり、非常に失望した”(ファインスタイン、民主党)、“事実である場合、朝鮮が不正に行動しているということだけは確かだ”(レーク、共和党)、“事実なら、明白なシンガポール合意違反であり、朝鮮は現在、危険な戯れをしている”(グラハム、共和党)と言う反応が出た。
一言で,開いた口が塞がらない。朝鮮に,合意違反というレッテルを張る言葉だ。むしろ、ありもしない疑惑を、悪意的に、煽情的に、言論プレイとして誇張する事は勿論だが、6.12首脳合意を何も履行しないのは、むしろ、米国側ではないのか。事実、米国の政治家のこの様な行動は、きのう、今日の事ではない。
1994年のジュネーブ合意の時もそうだったし、2000年の朝米の共同コミュニケ、9.19共同声明、2.13合意に至るまで、一度の例外もなく、合意をまず破った側は米国であり、そのたびに違反責任を朝鮮に押し付けた。
http://www.minplus.or.kr/news/articleView.html?idxno=5142
今回も、「合意違反」のフレームが受け容れられそうなら、朝鮮に違反責任を押し付けて、6.12朝米首脳合意を古草履の様に投げ捨てるかもしれない。しかし今、6.12北米合意を履行していないのはどちらか。 6.12共同声明には、“トランプ大統領は、朝鮮の安全保障を提供することを約束し、キム・ジョンウン委員長は、韓半島の完全な非核化の約束を再確認した”と明らかにした。

 

キム・ジョンウン委員長は‘9月平壌共同宣言’と、二回のポンペオ国務長官の訪朝時、非核化の約束を再度確認した。反面、トランプ大統領は、朝鮮の安全保障を何も提供しなかった。安全保障提供どころか終戦宣言さえ拒否し、遂には、11月には韓米合同海兵隊軍事訓練、ケイメップまで実施しながら、朝鮮を軍事的に威嚇した。
この一つの事実だけでも、朝米合意をどちらが違反したのかは明らかである。
6.12共同声明1項に、“朝米は、平和と繁栄の為の、新たな関係を確立する事を約束する”と言った。

 

  

 

米国は、1項の約束に違反して(今も)対朝鮮制裁を維持している。‘ 最高強度の制裁’を加え乍ら、どのように朝鮮の繁栄を願うことができるのか。一方では制裁を加え、一方では束手無策(そくしゅむさく-なすすべもなく)制裁を受ける関係が、どうして平和と繁栄を願う新しい関係なのか。核実験を理由として制裁を加えたのであれば、核実験をしないと約束しその約束を一年以上守ったのであれば、対北制裁を解くのが当然な理智(道理)だ。
6.12共同声明2項には、“両国は、朝鮮半島の持続的で安定的な、平和体制を構築する為に、共に努力する”と約束した。米国は平和体制構築の開始とすることができる終戦宣言さえ拒否する。 平和協定までは期待も出来ない。ただ戦争を止めた状態である停戦状態を終える終戦宣言だけでもしなければならない。 米国は、これさえも拒否している。
6.12共同声明3項には、“板門店宣言を再確認する”と合意した。板門店宣言で、‘鉄道と道路の連結’、‘ケソン共同連絡事務所の設置’、‘終戦宣言と平和協定’、‘軍事的敵対行為の停止’を約束した。しかし、米国は、このすべてが制裁違反とし、‘米国の承認なく、韓国はどんなことも出来ない’と,脅し文句を並べた。6.12共同声明4項で朝鮮が約束した、戦争の行方不明者の遺体の送還は、すでに行われて久しい。
6.12朝米正常合意は、両首脳が直接サインまでしたという点で、以前の合意とは異なることが分かる しかし、最近、米国が、2次朝米首脳会談まで,後へ先延ばししたまま見せる一連の行動は、強盗の様な旧態から、依然として抜け出せなかった事を見せている。
                                                         (訳 柴野貞夫)

<関連サイト>

☆[論考B]シンガポール朝米会談で、何が合意されたのか<その3>(柴野貞夫時事問題研究会 2018年7月5日)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_jousei_67.html
☆[論考A]シンガポール朝米首脳会談で、何が合意されたか<その2>(柴野貞夫時事問題研究会 2018年6月20日)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_jousei_66.html
☆[論考@] シンガポール朝米会談で、何が合意されたか<その1>(柴野貞夫時事問題研究会 2018年6月20日)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_jousei_65.html
[論考@] 朝・米首脳会談の主要議題は両国の関係正常化の一括合意であり、その先に「朝鮮半島の非核化」を実現する事にある(1)(柴野貞夫時事問題研究会 2018年3月28日)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_jousei_62.html
[論考A] 朝・米首脳会談の目的は、米国に対して核脅威による「対北敵視政策」を放棄させる事にある(柴野貞夫時事問題研究会 2018年4月13日)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_jousei_63.html
☆[論考@] 朝米首脳会談における米国の義務は、朝米関係正常化を実現することだ(柴野貞夫時事問題研究会 2018年6月10日)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_jousei_64.html
☆ 論考/「社会主義・朝鮮の崩壊を妄想し、67年間に亘って核威嚇を繰り返してきた米帝国主義の対北政策の敗北」(柴野貞夫時事問題研究会  20171210日)
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_jousei_60.html